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コールセンターシステムとは? 機能・種類・選び方

更新日 2024年2月22日

企業の経営者であれば、だれもが高品質なカスタマーサービスを提供することの重要性を理解しているはずです。そして今日、顧客満足度を向上させるうえで欠かせないのがコールセンターシステムです。通話のルーティングや録音の自動化など、たくさんの機能を備えています。

ただし、コールセンターシステムを選ぶにあたっては、慎重な判断が必要です。まずは、どのタイプのソフトウェアが自社のビジネスモデルに合っているか、そして、質の高いカスタマーサービスを実現するために必要な機能は何なのか、といったことを順番に検討していく必要があります。

そこでこの記事では、最適なコールセンターシステムを選ぶうえで役立つ情報をご紹介します。以下、コールセンターシステムの2つの主要なタイプについて説明し、どちらが自社に適しているのかを判断するためのポイントをお伝えします。まずはその前に、コールセンターシステムがもたらす主なメリットを3つご紹介しましょう。

なぜコールセンターシステムが必要なのか

5年前と比べて、消費者はさらに多くのことをカスタマーサービスに期待しています。たとえば、問い合わせてから5分以内に応答してほしい、セルフサービス型のサポートも利用できるようにしてほしい、社内での情報共有を徹底してほしいといった声が上がっています。

コールセンターシステムを使えば、そうしたニーズにも多大な労力をかけずに応えられるようになります。ただし、そのためには、以下に挙げるようなコールセンターシステムの各種機能とそのメリットについて理解したうえで、自社に必要な機能を見極めることが重要となります。

通話を自動的にルーティング

コールセンターシステムでは、着信、発信のプロセスが自動化されます。多くのコールセンターシステムに搭載されているIVR(自動音声応答システム)は、あらかじめ登録された自動音声を基に、最初のあいさつ、メニュー案内、よくある質問への回答に対応します。

IVRがあれば、顧客は音声案内に従ってプッシュボタンを押していくだけで、適切な部門に電話をつないでもらえます。会社の住所や営業時間などの単純な情報なら、担当者と直接話さなくても入手することが可能です。これにより、サポート担当者は複雑な問い合わせへの対応に集中できるようになり、顧客の待ち時間も短縮されます。

パフォーマンスに関する豊富なインサイトが入手可能

コールセンターシステムを活用することで、サポートチームのマネージャーは、担当者のパフォーマンスをリアルタイムで追跡できるようになります。サポート担当者と顧客の会話をリアルタイムで聴くことを可能にするのが、コールモニタリング機能です。

コールバージングとも呼ばれるこの機能は、トレーニングに非常に役立ちます。新人担当者は、ベテラン担当者の応対を参考にして、よくある問い合わせをどのように解決すればよいのか学び取ることができ、マネージャーは、各担当者の応対をモニタリングすることで、トレーニングで強化すべき点を把握できるようになります。

コールモニタリングに加えて、多くのコールセンターシステムには、蓄積されたデータを基にパフォーマンスに関するインサイトを提供してくれる機能があります。自動で生成されるレポートを使って、サポートチームは、コールセンター運営の課題を特定したり、改善の余地がある点を検討したりすることができます。

CRMとの連携で問題解決のスピードが向上

CTI(Computer Telephony Integration)機能を備えたコールセンターシステムなら、自社で使っているCRMと直接連携させることができます。CRMと連携させると、既存顧客がサポート窓口に電話してきたときに、CTIによって発信元情報が認識され、顧客のプロフィールが自動で表示されるようになります。電話に出る前に必要な情報を把握できるため、サポート担当者はすばやく効率的に問題を解決することができます。

コールセンターシステムとCRMのデータは、双方向で同期されます。たとえば、通話音声もCRM内の顧客プロフィールに自動的に保存されるため、サポート担当者は問題の詳細を簡単に把握することができます。さらにZendesk Talk自動チケット作成機能では、発信元番号、通話時間、発信場所、応答した担当者などのより詳しい通話情報が記録されるため、通話後に逐一情報をまとめる必要がなくなり、顧客対応により多くの時間を割けるようになります。

このように、コールセンターシステムとCRMデータを統合して、顧客の詳細が簡単に把握できるようになれば、問題解決のスピードが上がって、顧客満足度の向上につながります。

自社に最適なコールセンターシステムの種類とは

コールセンターシステムへの投資は、決して安いものではありません。自社により適したソフトウェアの種類を選んでいただけるよう、ここではオンプレミスとクラウドベースの2種類のコールセンターシステムの違いについて詳しく説明します。

オンプレミスのコールセンターシステム

旧来型または従来型とも呼ばれるオンプレミスタイプのコールセンターシステムは、社内のサーバーで管理されます。そのため、コールセンター内にデータルームを設けるなどして、サーバーを設置するための物理的なスペースを確保する必要があります。メンテナンスやIT関連のアップデートもすべて社内で行われ、自社でコールセンターシステムを一括管理することができます。

オンプレミスタイプの場合は、インターネットに接続せずに、ローカルの電話回線を通じて着信や発信を処理します。固定電話回線は、クラウドベースのソフトウェアよりも音声の質が良く、インターネット接続が不安定な環境でも安心して使用できます。

まとめると、ソフトウェアを自社で一括管理したい企業には、オンプレミスのコールセンターシステムがお勧めです。顧客情報の漏洩などのセキュリティ面のリスクを抑えたい場合も、オンプレミスタイプの方が安心でしょう。

クラウドベースのコールセンターシステム

クラウドベースのソフトウェアは、一般的に、オンプレミスタイプよりもコストが低く、柔軟性も高いのが特長です。サポートチームのメンバーの数が限られていたり、リモートワーク中心の体制だったり、IT予算が不足していたりする場合は、最適な選択肢と言えるでしょう。

クラウドベースのソフトウェアは、サーバーやその他のハードウェアを設置するための物理的なスペースを必要としません。そのため、オンプレミスのソフトウェアと違って、メンテナンスの人件費も発生しません。

また多くの場合、サブスクリプション方式で利用できるため、特に小規模な企業にとっては、初期投資を抑えられるというメリットがあります。必要なライセンス数またはシート数に応じた料金を支払うだけで、他の費用はかからない場合がほとんどです。

さらに、クラウドベースのシステムなら物理的な場所の制約を受けないため、世界各地にいる優秀な人材を雇うことが可能になります。サポート人材の選択肢が増えるうえ、各国のタイムゾーンに沿ったスケジュールを組めば、24時間年中無休のサポート体制を無理なく整えられるようになります。

このように、柔軟性やコスト面を重視する場合は、クラウドベースのコールセンターシステムを強くお勧めします。

コールセンターシステムに思い切った投資を

コールセンターシステムに投資することは、顧客満足度に投資することにほかなりません。オンプレミス、クラウドベースのどちらを導入するにせよ、適切なコールセンターシステムを選べば、サポート担当者が初回解決率と全体的なパフォーマンスを向上できるようになります。皆様の企業でも、この記事を参考に、顧客と従業員にとって最も効果的なプラットフォームを選んでいただければ幸いです。

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