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チャットボットのペルソナとは? 作成方法・具体例

チャットボットのペルソナとは、ボットに設定している人間のような個性や性格のことです。ブランドに合ったユニークなチャットボットのペルソナを作成し、CXをレベルアップさせる方法を解説します。

著者: Hannah Wren, スタッフ執筆

更新日: 2023年12月15日

チャットボットのペルソナとは?

チャットボットのペルソナとは、音声、口調、行動といったチャットボットの個性のことですチャットボットのペルソナはブランドのアイデンティティの延長であり、チャットボット体験を退屈で機械的なものからワクワクするような魅力的なものに変えることができます。

ペルソナのないチャットボットは、ラジオのない車のようなものです確かに目的地まで行けるかもしれませんが、思い出に残るような楽しい体験にはならないでしょう。

このガイドでは、チャットボットのペルソナを使用するメリット、主な構成要素、使用する場面、よくある使用例、ブランドに合ったペルソナを作成する方法について説明します。

チャットボットのペルソナの定義を示す画像

チャットボットのペルソナを使用するメリット

新入社員候補の面接でも、初デートでも、空港での世間話でも、際立った個性は大いに役立ちますビジネスチャットボットも同様ですチャットボットのペルソナを使用するメリットが分かれば、カスタマーサービスをレベルアップすることができます。

画像は、チャットボットのペルソナを作成すべき3つの理由を表しています。

カスタマーエクスペリエンスの向上

チャットボットは24時間365日迅速なサポートを提供することで知られていますが、顧客にロボットと話しているような気分を味わわせるのは企業としては不本意でしょうチャットボットのペルソナを実装することでより自然な対話が可能になり、顧客と企業の間で人間味や感情的なつながりを感じられるようになります。最終的にはCX(カスタマーエクスペリエンス)の向上につながります。

さらに、消費者はAIを搭載したチャットボットに期待を膨らませていますZendeskカスタマーエクスペリエンストレンドレポート2023によると、73%の人がAIによってカスタマーサービスの質が向上すると考えていることが分かりました。

ブランドアイデンティティの拡大

チャットボットのペルソナはブランドアイデンティティを拡大し、チャネルを超えて一貫性のある、質の高いAIによるカスタマーサービスを提供することを可能にしますボットのペルソナを実装し、チャットボットが顧客の質問に答えたり、積極的なカスタマーサービスを通じて対話を始めたりすることで、ブランドアイデンティティを強化します。

さらに、チャットボットのペルソナによってブランドアイデンティティを世界中に広げることができます例えば、Zendeskのチャットボットは人工知能を使用しているため、カスタマーサポートに寄せられる24ヶ国語程度の質問を理解できます。チャットボットがブランドのグローバルアンバサダーであり、アイデンティティとしての役割を果たすことができます。

管理者とサポート担当者の時間を節約

AIチャットボットのメリットは顧客にとってのメリットのほうが大きいと思われるかもしれませんが、チャットボットのペルソナを実装することで管理者やサポート担当者の時間を節約することもできますすべての対話に標準的なチャットボットのペルソナを設定することで、さまざまなタイプの対話に合わせた理想の振る舞い方を手動で入力するといった手間のかかるプロセスを省くことができます。

例えばZendeskを利用すると、管理者は歓迎メッセージであろうとよくある技術的な質問であろうと、ボットが生成したすべての返答に一貫したペルソナを自動的に適用することができますさらに、管理者はコーディングをする必要がないため、極めて迅速にボットのペルソナを実装できます。

「Zendeskを利用すればボットを簡単に構築でき、顧客を解決に導く臨場感のある対話フローを作成できますコーディングや開発者は必要ないので、数分でボットを構築できます。」
Lauren Hakim Zendesk グループプロダクトマーケティングマネージャー

チャットボットのペルソナの主な構成要素

画像は、チャットボットのペルソナ作成時に考慮すべき5つのポイントを表しています。

チャットボットのパーソナリティは企業によって大きく異なりますが、ほとんどのチャットボットのペルソナは同様の成功のレシピに従って作成することができますチャットボットのパーソナリティに必要な要素をすべて揃えるには、以下の構成要素を念頭に置きながらペルソナを作成してください。

  • 名前: チャットボットに名前をつけるときは、記憶に残りやすく、ブランドに合った名前を選びましょう。

  • 見た目: チャットボットがチケットを解決するアニメ風の犬であろうと、タキシードを着たロボットであろうと、視覚情報を加えると顧客が感情的なつながりを感じられるようになります。

  • 声のトーン: ビジネスの内容に応じて、チャットボットをプロフェッショナルな口調にする、陽気な雰囲気を出す、またはフレンドリーな感じにするといったことができますいずれにせよ、チャットボットが適切な口調でブランドを表現できるように調整しましょう。

  • バックグラウンド: チャットボットにバックグラウンドと意図を加えることで、親しみやすく記憶に残るチャットボットが出来上がります例えば教育用品店のチャットボットを、知識と愛嬌を同時に兼ね備えている、今は引退した歴史の先生という設定にすることができます。

  • 行動: チャットボットが顧客データと背景情報を活用して、一人ひとりに合わせたカスタマーサービスを提供できるようになれば、カスタマーエクスペリエンスをより魅力的なものにすることができます例えば、チャットボットが顧客の名前を呼んで挨拶したり、既存のデータを利用して最近の注文に関連する質問をすることができます。

このような要素を含めることで、顧客に良い印象を与え、楽しいカスタマーサービスを提供するチャットボットを作成することができます。

チャットボットのペルソナを使用する場面

チャットボットのペルソナがどのようなもので、ビジネスにどのようなプラスの影響を与えるかということについて触れてきましたが、今度は使用場面について解説いたします簡単に言えば、チャットボットにはあらゆる使用場面でパーソナリティを適用できますチャットボットのペルソナを使用する一般的な例としては、以下のようなものがあります。

  • カスタマーサポート: チャットボットを使用することで、24時間365日オンラインチャットを提供し、顧客の質問に答えることができます。その分サポート担当者の業務が軽減されるので、より重要なタスクに集中できるようになります陽気な感じ、フレンドリーな感じ、プロフェッショナルな感じといったように、ペルソナを利用することでブランドに合った声やトーンでサポートを提供することができます。

  • 社内コミュニケーション: AIチャットボットは顧客だけでなく、従業員も助けることができますZendeskのような従業員体験ソフトウェアを使えば、従業員はチャットボットを利用して関連情報を素早く表示し、顧客に解決策を迅速に提供することができますチャットボットのパーソナリティを社内と社外で一貫させることで、すべての人に整合性のあるコミュニケーション体験を提供できます。

  • SNS: もしSNSを使用しているのであれば、チャットボットとそのペルソナをSNS上でも利用すると良いでしょうZendeskのようなカスタマーサービスソリューションを使えば、チャットボットをFacebookやX(旧Twitter)と連携させ、Messenger for businessやX Businessを利用できますこのように連携させることで、チャットボットはSNS全体でブランドアイデンティティを拡大し、顧客にとって都合の良いプラットフォームから顧客をサポートすることができます。

  • 営業とマーケティング: また、営業用AIチャットボットを使用する場合も、チャットボットのペルソナを実装する必要がありますチャットボットがセールスファネルに入った顧客と積極的に対話し、質問を投げかけて情報を取得することで、リードの生成を支援することができます理想のチャットボットのペルソナを利用することで、チャットボットは営業チームにとって効果的で有益な存在となります。

「ボットを活用すれば、有意義でタイミングの良い、一人ひとりに合わせたコミュニケーションを取ることができ、顧客からの問い合わせに先回りした対応を実現できます。そうすることで、エンゲージメントとリテンションを促進し、売上とコンバージョン率を向上させることができます。」
Lauren Hakim Zendesk グループプロダクトマーケティングマネージャー

使用例を問わず、ペルソナを利用すればチャットボット体験を格上げすることができます。また、コミュニケーションやコラボレーションを楽しく魅力的で、ブランド全体と整合性のあるものにすることができます。

チャットボットのペルソナを作成する方法

画像は、チャットボットのペルソナ作成時の5つのステップを表しています。

AIペルソナとは何か、そしてそれがビジネスにもたらすメリットを理解し、一味違うチャットボットを生み出しましょう以下のステップに一つずつ従い、ビジネスと顧客にぴったりのペルソナを作成してください。

1. 相手を特定する

まず、チャットボットとコミュニケーションを取る相手を確認します相手の層を決定するために、次の質問を自分に投げかけてみてください。

  • 顧客の年齢は?
  • 顧客が住んでいる場所は?
  • 顧客の職業は?
  • 顧客のニーズは?
  • 顧客が抱えている問題は?
  • 顧客の目的は?

これらの問いに対する答えを出すことで、チャットボットのパーソナリティを調整し、相手により深く共感することができます。また、顧客エンゲージメントを高めることもできます

例えば、親御さん向けにパーティ用品を販売している企業であれば、チャットボットは楽しく、フレンドリーで、明るいものが適切かもしれません一方、会計ソフトを経営者に販売するのであれば、チャットボットによりプロフェッショナルな口調を求めるかもしれません。

2. ブランドの価値観を考慮する

チャットボットのペルソナを作成するときは、相手に加えてブランドの価値観も考慮してください新しいカスタマーサービス担当者を雇うのと同じように、ブランドに合ったペルソナを選ぶことができます企業が優しさや明るさといったコアバリューを掲げているのであれば、チャットボットにもそれに沿って行動してもらいたいと考えるでしょう

そうすることで、顧客がサポート担当者とチャットボットのどちらと話している場合でも、ブランドの価値観に直接触れられますチャットボットがブランドのペルソナに合っていない場合、チャットボットによるコミュニケーションが顧客にとって一貫性のない体験になる可能性があります。

3. 名前とアイデンティティを確立する

ボットの個性を次のレベルに引き上げるには、名前とアイデンティティを作成して人間味を出し、チャットボットの差別化を図る必要があります例えば、チャットボットのビジュアルアイデンティティは、ブランドイメージにマッチしたアバターやマスコットにすることができます。

どんな場面でチャットボットを配置するにしても、一貫したビジュアルアイデンティティと名前を使用することで、いつチャットボットが対応しているのか、またページのどこにチャットボットがいるのかがすぐに分かりますその上、名前とビジュアルアイデンティティを作成することでユーザーエクスペリエンスを向上させ、顧客にチャットボットと感情的につながっているように感じさせることができます。

4. ユニークな声を作る

次に、チャットボットのトーンと音声がブランドに合っていることを確認しましょうそうすれば、ユーザーがチャットボットと話すとき、無個性なロボットではなくカスタマーサービスチームの分身と話しているような気分を味わえますこれでチャットボットとの対話がより魅力的なものになり、他社との差別化を実現できます。

そのためには、具体的には下記のことを意識してみてください。

  • 語彙
  • 表現方法
  • トーン

チャットボット用にユニークな音声を作成するときは、ウェブサイト、マーケティング資料、サポートチームや営業チームが製品やサービスについて話すときの口調など、ブランドが持つ他の要素との調和を図りましょうそうすれば、話す相手がチャットボットからサポート担当者に変わっても、顧客はシームレスに会話を続けられます。

5. パーソナライズされたインタラクションを開発する

ZendeskのCXトレンドレポートから、消費者の59%が、企業は顧客データを活用してパーソナライズされたカスタマーサポートを提供すべきだと考えていることが分かりました。

顧客データを活用してチャットボットのペルソナを作成し、コミュニケーション体験を向上させることで、魅力的でパーソナライズされたコミュニケーションを取ることができます。これで、顧客はチャットボットと、ひいては企業と感情的なつながりを感じることができます。

いつもよく行くお店のレジ係に例えてみると分かりやすいでしょう店に入るとすぐに店員は名前を呼んで挨拶し、いつもの注文で良いか聞くでしょう同じように、チャットボットは既存のデータを利用すれば、顧客に質問することなく顧客の名前、注文履歴、過去に抱えていた問題点を知ることができます。

チャットボットのペルソナの使用例

ChatGPTやBardのようなAIツールが話題となり、多くの有名企業がトレンドに合わせるために、そしてCXを向上させるためにAIチャットボットを導入し始めています

ZendeskのCXトレンドレポートによれば、73%の消費者が日常生活でAIとのコミュニケーションが増えることを期待しているとのことですフレンドリーなものから陽気なもの、プロフェッショナルなものまで、ペルソナにはさまざまな種類があります。それでは、人気の高いチャットボットとそのユニークな個性をいくつか紹介いたします。

LushのNA Bot

Lushは、新鮮なハンドメイドコスメに特化した化粧品の小売店です顧客の質問にすぐに答えられるように、LushはフレンドリーなLush NA Botを導入しましたLush NA BotはLushのウェブサイトにアクセスするとすぐに利用でき、ページの右下にあるLush NA Botのアイコンをクリックすると質問を開始できます。

主な特徴: Lush NA Botは、
笑顔のチャットの吹き出しのアイコンが特徴的です。

主な特徴: Lush NA Botは、笑顔のチャットの吹き出しのアイコンが特徴的です。

Capital.comのチャットボット

Capital.comは投資家のためのオンライン取引プラットフォームですCapital.comのボットは顧客からのあらゆる質問に回答します顧客が抱えている問題を解決することがこのチャットボットの使命ですウェブサイトの右下にあるチャットの吹き出しのアイコンをクリックすると、利用を開始できます。

主な特徴: Capitalのチャットボットは絵文字を使うことができ、顧客一人ひとりに合わせたカスタマーエクスペリエンスを提供することができます。

チャットボットのペルソナを一貫して維持するためのベストプラクティス

画像は、チャットボットのペルソナ実装時の3つのヒントを表しています。

ビジネスに最適なチャットボットのパートナーを開発できたら、次のステップはその維持ですビジネスは時間とともに変化する可能性がありますチャットボットがブランドの変化に対応できるよう、チャットボットのペルソナを維持するためのベストプラクティスに従いましょう。

一貫性を保つ

チャットボットのペルソナに関しては、一貫性が重要です一貫性を保つために、使用例を問わずチャットボットのトーン、音声、行動、見た目に関するガイドラインを設定しましょうそうすることで、顧客がマーケティング資料を通じてチャットボットについて初めて知る場合でも、今までに何回も利用したことがある場合でも、チャットボットの対応を同一にすることができます。

ユーザーからのフィードバックに対応する

一貫性は重要ですが、チャットボットのペルソナを変えられないわけではありません例えば、顧客からチャットボットの見た目が魅力的でないという意見が届けば、修正したくなるでしょうさらに、チャットボットに真面目さが足らないと顧客が言うのであれば、もっとフォーマルなトーンに調整することを検討するかもしれませんZendeskでは、「トーン変更」を使用してチャットボットのトーンを自動的に変更することができます。「トーン変更」を活用すれば、使用場面を問わず1回で変化を出すことができます。

顧客のニーズをより深く満たし、チャットボットに対する顧客の意見を理解するために、顧客にフィードバックを依頼してチャットボット体験に磨きをかけてください。

定期的なアップデートを実施する

貴重なデータとカスタマーフィードバックが揃ったら、チャットボットがビジネスと共に進化できるように定期的なアップデートを実施しましょう企業をリブランディングし、より遊び心のあるブランドアイデンティティを採用するなら、チャットボットも同じように変えましょう

さらに、新しい製品やサービスを展開するのであれば、営業チームやサポートチームのメンバーと同じようにチャットボットにも必ずその情報を提供しましょうこれで、顧客がウェブサイトを閲覧しているときも、カスタマーサポート担当者と話しているときも、チャットボットと対話しているときも、確実に最新情報を届けることができます。

AI倫理を優先する

チャットボットのペルソナを実装するときには、CXにおけるAI倫理を優先してくださいこの大部分は、AIをトレーニングするチームにかかっています例えば、チャットボットを実装してテストするときは、多様な視点を確保するためにさまざまなチームに協力してもらいましょう加えて、AIテクノロジーによって得られたデータを評価し、顧客に不満を抱かせるような偏った情報を鵜呑みにしていないか確認しましょう。

よくある質問

チャットボットのペルソナについて疑問が残っていますか? チャットボットのパーソナリティに関するよくある質問にお答えします。

Zendeskでビジネスチャットボットを構築

陽気、フレンドリー、プロフェッショナルなトーンのいずれを選んだとしても、チャットボットにペルソナを設定することによってチャットボット体験を格上げすることができます。例えるなら、長旅に出るときにそれに最適なプレイリストを再生すると、より思い出深い旅になるようなものですZendeskを利用すると、希望のペルソナを持つカスタマーサービス用チャットボットを数分で導入できます。そして、個々に合わせた挨拶から返答生成まで、チャットボットとのすべてのコミュニケーションにペルソナを自動適用できます。

これで、対話型AIによる一貫性のある有意義なサポートを、チャネルを超えて迅速かつ容易に提供することができます。コーディングの必要もありません。

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