カスタマーエクスペリエンスの重要性:<br />ブランド価値向上に長期的信頼

カスタマーエクスペリエンスの重要性:
ブランド価値向上に長期的信頼

2019年2月1日
カスタマーエクスペリエンスの重要性:<br />ブランド価値向上に長期的信頼

モノやサービスを売る企業にとって、かつてないほど顧客との信頼関係が重要になっています。顧客の好みが多様化した現在、あらゆる顧客層にヒットする商品・サービスはほとんどなくなりました。今後、企業は顧客ごとに適切な販売アプローチを行っていかなければなりません。少しでも顧客対応を誤れば、ネット上で悪評が一気に拡散し、ブランド力が低下してしまいます。一方、熱心な顧客(ファン)は、周りも巻き込んで主体的に企業ブランドを押し上げてくれます。では、どうすれば顧客との信頼関係を構築できるのでしょうか? この際に重要な役割を果たすのが「カスタマーエクスペリエンス」です。

カスタマーエクスペリエンス(CX)とは?

カスタマーエクスペリエンス(CX)とは、「顧客が企業ブランドとの間で、複数の接点を通じて経験するあらゆる体験」のことを指します。CMを見て商品に興味を持つ、店頭に行って問い合わせる、商品を手に取って触ってみる、など顧客が企業ブランドを通じて体験することは多岐にわたります。さらには、Webを通じたサポート体制、顧客と対面する営業担当との関係性、商品そのものの利便性なども、CXに含まれます。

モノやサービス単体で売ろうとするのではなく、購入過程や利用過程で発生する顧客の「物理的経験」や「感情的経験」の価値を高めることで、顧客のロイヤルティを向上させる手法をカスタマーエクスペリエンスマネジメントといいます。

UXやUIとの違いは?

CXとよく似た用語として、「ユーザーエクスペリエンス(UX)」というものもあります。UXは、ユーザーが商品やサービスを利用して「体験できること」「その印象」を指します。

また、「ユーザーインターフェイス(UI)」も一緒に語られることが多い用語です。UIは、商品やサービスの「接点」を指す用語で、商品やWebサイトの「デザイン」と近い意味でよく使われています。UXやUIの言葉の定義は非常に幅広いものですが、実際にはWebやスマホアプリなどの「デジタルサービス」に限定されて使われるケースが多いようです。

UXの概念は、認知心理学者であるドン・ノーマンが広めたと言われています。あらゆるモノ・サービスにおいて、「それを使ってやりたいことをすぐに実現できるか?」というユーザー中心のデザイン論であり、UXやUIと一緒に語られる機会が多い用語といえます。

この記事では CX > UX > UI と定義します。

CX:
顧客とのすべての接点におけるUXのこと(UX/UIの複数形)
UX:
顧客がある商品・サービスを利用したときの体験・印象。UIからもたらされる側面が大きい
UI:
ある商品・サービスの顧客とのすべての接点

CX、UX、UIの関係性の例

CX、UX、UIについて、もう少し具体的に解説しておきましょう。例えば、「あるユーザーがWebサイトで携帯電話を探し、それを店頭に買いに行き、手に取ってみて気に入ったので購入した」というフローを考えてみます。この場合のUXとUIは、それぞれ以下のようになります。

Webサイトで商品を検討する:
Webサイトのデザイン(狭義のUI)、サイトの機能性などから受ける印象(狭義のUX)
店頭で商品を探す:
店の形状やデザイン(UI)、店内の清潔さ・音楽などから受ける印象(UX)
店員から接客を受ける:
接客から受ける印象(UX)
携帯電話を手に取る:
携帯電話のデザイン・質感・形状(UI)、そこから来る印象(UX)
レジで商品を購入する:
購入時の店員から受ける印象(UX)

そして、これらを網羅したものがCX、ということになります。

CX向上のためのカスタマージャーニーマップ

単純な観点で見ると、「Webデザインを利便性のよいものに変更する(UIの向上)」とか、「顧客にストレスを与えないように店員教育を施す(UXの向上)」、あるいは「Webを見て商品を気に入った顧客に来店を促すキャンペーンを実施する(UXの向上)」といった戦略が立てられます。

ただし、こういった観点はあくまでも限定的・個別的なものです。顧客と企業ブランドの接点はもっともっと多岐にわたります。以前は、「テレビCMを出す」「ポスターを掲示する」などの手法しか企業ブランドを広く浸透させる方法はありませんでしたが、インターネットの普及により顧客との接点はより複雑化しています。

顧客との接点を広く俯瞰し、各接点において「どのような施策や接客がCX向上に貢献するか」をデザインしていく必要があります。これを具現化させるため、近年マーケティングの世界では「カスタマージャーニーマップ」というツールがよく利用されています。

カスタマージャーニーマップでは、「認知」→「興味」→「比較検討」→「購入」→「利用」→「満足・推薦」という大きな流れを把握し、各フェーズで複数の接点を想定してUX/UIを洗い出します。企業が恣意的に予測するのではなく、実際の行動履歴やアンケートなどの客観的データに基づいて行動を予測するのが特徴です。そのうえで、網羅的にカスタマーエクスペリエンスマネジメントを実施します。

例えば、Webを通じて情報・コンテンツを継続的に提供する「コンテンツマーケティング」は重要な施策のひとつ。さらには、「顧客の属性」や「行動履歴」「問い合わせ」などのデータを「顧客管理システム(CRM)」で統合的に管理し、CX構築のための施策を継続的に打ち出していくことが望まれます。

近年、マーケティングの世界では「苦情は宝の山」と言われています。コールセンターやWebサイトに届く顧客からの苦情、ソリューションを蓄積したデータを有効活用していく必要があります。

Airbnbの取り組み

具体的な例をひとつ紹介しておきましょう。世界的な民泊仲介サイトAirbnbでは、コールセンターへの電話、メール、ソーシャルメディアなど、さまざまなチャネルを通じてサポートを行っています。同社では、「自前のシステム」と「ベンダー提供のシステム(Zendeskなど)」を統合管理しており、顧客からの苦情や質問などをすべてデータベース化しています。さらに、CRMから得られた「パーソナライズされたデータ」に基づいて、顧客の希望を先回りした提案ができるように工夫されています。

Web経由で顧客から予約の変更があったとします。顧客からすると、いちいちエージェントに問い合わせるのは面倒で煩わしいもの。同社のシステムでは、過去の膨大な問い合わせデータをもとに、「Airbnbを利用した履歴はあるか」「問題の緊急度はどの程度か」「いま旅先なのか、それとも旅行の準備をしているのか」などを判断できるモデルを構築しています。これにより顧客はエージェントを介さずとも、希望を先取りした回答・提案をシステムからセルフサービスで受け取れる仕組みになっています。

カスタマーエクスペリエンス3.0時代。
顧客ロイヤルティ獲得にデータ活用を

CXの大家といわれるジョン・グッドマンは、「顧客対応が窓口となり、より先を見越した能動的なサービスの展開を行うことで、顧客からの信頼を生み、結果、企業経営全体にも好循環をもたらしてくれる」と説いています。彼は、この動きを「カスタマーエクスペリエンス3.0」と呼んでいるようです。このとき、重要なポイントになるのがCRMデータの有効活用。これまで単なる苦情処理窓口だったコールセンターが、顧客ロイヤルティ獲得の切り札になる。そんな時代がすでに到来しているのです。

顧客からの問い合わせに最適な返答することで、顧客満足度が向上し、最終的にCXが最適化されます。

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