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人に寄り添うカスタマーサービスとは?AIを活用して顧客との関係を強化する方法

AIを駆使して人に寄り添うカスタマーサービスと記憶に残るCXを提供できれば、顧客にサービスや商品を使い続けてもらうことができます。本記事では、人とAIが創る次世代のカスタマーサービスについて解説します。

著者: Hannah Wren, スタッフ執筆

更新日: 2024年5月21日

カスタマーサービスの対応にがっかりした経験は誰にでもあることでしょう。期待外れのCX(カスタマーエクスペリエンス、顧客体験)は人を不機嫌にし、1日中ネガティブな気分を引きずってしまいます。一方、期待を上回るCXは顧客の生活に良い影響を与えます。バリスタであれ、ソフトウェア企業の経営者であれ、顧客に喜ばれる対応をすることで、長期にわたって顧客と良好な関係を築けるようになります。

顧客一人ひとりの問題を理解し、適切な対応を目指す人に寄り添うカスタマーサービスを実践することで、顧客との信頼関係の構築や顧客ロイヤルティの向上などが期待できます。その上、進化を続けるテクノロジーであるAIを活用することで、サポートチームはより人とのつながりを意識した対応を行えるようになります。

本記事では、人に寄り添うカスタマーサービスが重要である理由に加えて、AIを通じて人に寄り添うカスタマーサービスを実践する方法をご紹介します。

目次

人に寄り添うカスタマーサービスとは?

人に寄り添うカスタマーサービスの特徴は、顧客との良好な関係の構築を重視していることです。そのためには、高度なツールやテクノロジーを駆使して、顧客の気持ちを考え、一人ひとりに合った対応をいち早く、円滑に行う必要があります。
顧客はいつだって人間です。タッチポイントが人間のサポート担当者であれAIであれ、顧客一人ひとりのニーズを加味して対応を行うべきです。顧客のことを第一に考えてサポートを行えば、ブランドロイヤルティの向上が見込めます。

以前、人に寄り添うカスタマーサービスを目指す上で、多くの企業がAIを用いることを躊躇していました。しかし、最近ではAIエージェントやワークフローの自動化などのツールを積極的に活用し、データに基づいて顧客が期待する対応を実践するサポートチームが増えています。

「以前は、顧客一人ひとりに合ったカスタマーサービスの提供を重視するが故、ボットの利用には神経質になっていましが、過去半年間の経験からAIがパーソナルなカスタマーサービスの提供に役立つことに気づきました。」 Ian Hunt氏、オペレーションおよびカスタマーサービス部門ディレクター – Liberty London

ZendeskのCXトレンドレポート2024年版では、企業の69%が生成AIがデジタルチャネルでの顧客対応に人間らしさを与える上でプラスに働くと回答しています。たとえば、サポート担当者はAIから、顧客の考えや感情を正確に理解する上で重要なヒントを得ることで、問題をスピーディーかつ効果的に解決できます。

企業の69%が、生成AIがデジタルチャネルでの顧客対応に人間らしさを与える上でプラスに働くと考えていることがZendeskのCXトレンドレポート2024年版により判明したことをを示す画像。

人に寄り添うカスタマーサービスが重要である理由

ZendeskのCXトレンドレポート2024年版により、消費者の57%が一度でもサポート対応に失望すると競合社に乗り換えると回答したことを示す画像。

なぜ人に寄り添うカスタマーサービスを提供する必要があるのでしょうか? それは、顧客関係の改善や継続的な購入に加え、顧客満足度の向上などが期待できるためです。企業が顧客のことを大切にしていること、意見に耳を傾けていること、何をしてもらいたいかを理解していることを顧客に印象づける際に問われるのが、カスタマーサービスの質です。

ZendeskのCXトレンドレポート2024年版では、CXリーダーの45%はCXが顧客ロイヤルティに大きな影響を及ぼし、42%はCXがビジネスの成長を大きく左右すると回答しています。ただし、反対に作用する可能性もあります。消費者の57%は一度でもサポート対応に失望すると競合社に乗り換えることも明らかになっています。

カスタマーサービスをAIで補完することで、顧客対応の質を改善し、顧客が求めるCXを提供できる時代が訪れています。ZendeskのCXトレンドレポート2024年版では、CXリーダーの70%が顧客に合わせてカスタマーサービスを提供する上でボットの能力を信頼していると回答しています。新しい技術の開発に伴い、カスタマーサポートを担うAIは、顧客のニーズを正確に理解する能力をさらに高めていくでしょう。

AIと自動化を活用して人に寄り添うカスタマーサポートを実現する5つの方法

カスタマーサービス戦略にAIを組み込むことで、サービスとサポートの質を高められる可能性があります。
以下に、AIを用いて人に寄り添うカスタマーサポートを補い、質を向上させる5つのアプローチを挙げます。

人に寄り添うカスタマーサポートの実践にAIを役立てる方法のリストの隣にいる女性の後ろを紙飛行機が通り抜けていく場面の画像。

1. AIが導き出すインサイトを業務に活かす

カスタマーサポート担当者は、問い合わせの要約や顧客の感情に関するデータ、ならびに問い合わせの目的など、AIがもたらすインサイトを参考にして、質の高い顧客対応を速やかに行うことができます。顧客の状況を正確に理解することで、対応時にデータに基づいて適切な判断を下せます。AIが提供する有益な情報を活用して、顧客のニーズを見極め、顧客を中心に据えて戦略の立案や実践を行い顧客との関係を構築していくカスタマーアドボカシーを展開することも可能になります。これは、カスタマーサービスにおいて優先するべき目的の一つに数えられます。

イギリスを代表する百貨店のLiberty Londonは、AIを通じて顧客の問い合わせの目的や顧客感情、トーンを特定し、タグ付けを行うことで、適切なチームの担当者に対応を割り当てています。顧客に関する詳細な情報がAIにより提示されているため、担当者は速やかに問題解決に取り組むことができます。

「カスタマーサービスにおけるLibertyのテーマは、お客様一人ひとりに合わせたきめ細かいサービスを提供することです。適切な情報を持った担当者が、最適なタイミングで顧客と直接やり取りできるようになり、顧客に即したサービスがAIのおかげで強化されていることが実感できます」とHunt氏は述べます。

2. AIに適した問い合わせのタイプを理解する

AIは会話のデータを分析して、AIエージェントに適した質問にフラグを立てます。こうすることで、対応を自動化すべき問い合わせの種類がわかります。

フレンドリーであれ、丁寧であれ、あるいはユーモアに溢れたトーンであれ、AIエージェントが使用するトーンを設定して、カスタマーサービスのトーンとの一貫性を保てます。また、繰り返し寄せられる質問をAIに割り当てることで、人間のサポート担当者はより高度な質問に集中できるようになります。さらにAIエージェントは、さまざまなリクエストに正確な回答を即座に返せます。ZendeskのCXトレンドレポート2024年版では、消費者の51%がすぐに対応してもらいたい際は人間よりもボットとのやり取りを望むと回答していました。

サステナビリティを重視するEコマースブランドのGrove Collaborativeは、AIチャットボットを活用してサポート担当者の負担を軽減し、顧客の状況に配慮した対応を行っています。その結果、顧客満足度(CSAT)95%を達成し、維持することに成功してきました。

「限られた人員でできるだけ多くの成果を上げて業務の効率化を図ることが、私たちがAIを採用する主な目的です」とGrove Collaborativeのコミュニティ ハピネス システムマネージャー、Aashley Malsbury氏は語ります。

3. カスタマーサービスの品質改善に役立てる

サポート体験の向上を求める企業にとって、カスタマーサービスのQA(品質保証、品質管理)は避けては通れない道です。実際に、76%の組織が、顧客とのやり取りの確認は顧客満足度スコアの向上につながるという意見に同意しています。また、顧客からのフィードバックを基に製品やサービスを改善できる機会を特定するためにもQAは役立ちます。

そして、この取り組みの利点を最大限活かす上で頼りになるのが、AIを搭載したQAツールです。AIには、顧客の悩みの原因をピンポイントで特定できる力があるため、企業はサポートのデータをより深く理解できます。他にも顧客一人ひとりの状況を理解して会話を要約するAIの機能を使用することで、顧客はフィードバックを送りやすくなります。

CRMソフトウェア企業のPipedriveは、カスタマーサービスQAを通じてCSATスコアの低いやり取りを特定し、分析を進めています。同社が頼りにしているのはZendeskのQAツールです。ネガティブな製品フィードバックなど、具体的なシナリオをプロジェクトベースで絞り込み、細部にわたる分析が可能です。これは、PipedriveがCSAT96%を維持できている理由の一つに挙げられます。

4. 人間の担当者にいつでも引き継げるようにする

CXトレンドレポート2024年版では、CXリーダーの75%がAIの真の価値は人間の知性にとって代わるのではなく、知性を拡張させることにあると回答していました。人間の担当者の代わりにチャットボットを使用するアプローチが役に立つ場面もありますが、複雑な問題や不明瞭な問題を解決することは人間の担当者の方が得意です。このような問い合わせが寄せられると、AIエージェントは人間の担当者に有益な背景情報を提示した上で、対応を引き継ぐことがよいでしょう。

また、人間の担当者と話せるオプションがあると、必要な支援を受けられることが伝わり、顧客に安心してもらえます。さらに、やり取りを建設的に進めて、CXの改善を導けます。

White WallはZendesk AIを用いて効率よく業務を遂行しています。わずか10人の人員で1か月で国内外から寄せられる6,000件から12,000件の問い合わせに対応し、顧客から高い評価を受けています(CSAT80%から85%)。 できるだけ多くの問い合わせをボットに任せ、ボットの手に負えない問題を人間が解決するようにしましょう。。

5. 透明性を確保する

AIのカスタマーサービスでの利用に関して、顧客および社内のチームには誠実に必要な情報をすべて開示すべきです。AIを使用する際はその旨を明示し、カスタマーサービスへ悪影響が及ぶ事態を防ぐ必要があります。誠実に情報を提示することで顧客から信頼され、問題の解決に関して現実的な考えを持ってもらえるようになります。人間の担当者とAIの双方とやり取りしていることを伝えれば、顧客が失望するシチュエーションを招かずに済みます。

また、AIの倫理的利用に関する規制や標準規格のコンプライアンスについても明記することをお勧めします。顧客データのプライバシーを守るための基準を定め、責任を持ってデータを利用することを伝える必要があります。充分に情報を得た上で企業とのやり取りを進められるように、必要な情報を提供しましょう。その結果、企業に対する信頼度は高まります。

「2024年はデータ保護の責任者を各チームに少なくとも1人は任命すべきです」と729 SolutionsでリードZendeskアーキテクトを務めるBrandon Tidd氏は提言しています。

カスタマーサービスに人間らしさを加える方法

顧客一人ひとりを大事にした、きめ細かなカスタマーサービスは企業の努力の証です。適切なツールと心構えさえあれば、人に寄り添うカスタマーサービスをすべての顧客に提供できます。このようなカスタマーサービスは顧客の心に残り、製品やサービスの継続的な利用を後押しします。

配慮の行き届いたカスタマーサービスを提供する4つの方法を箇条書きで記載したリスト

顧客中心主義を浸透させる

顧客中心主義の下、人に寄り添うカスタマーサービスを真摯な姿勢で提供しましょう。顧客が抱える問題を企業が重視していれば、それは顧客に伝わります。CXトレンドレポート2024年版では、消費者4人のうち3人が期待に見合うカスタマーサービスを提供する企業の製品やサービスを今後も購入すると回答しています。このデータは、顧客中心主義の姿勢は顧客に伝わり、信頼獲得と顧客ロイヤルティの足掛かりになることを示しています。

まずは、顧客から、自らの好みやニーズ、問題点を指摘するタイプのカスタマーフィードバックを収集することもお勧めです。
以下に、カスタマーフィードバックをカスタマーサービスの改善に役立てることができる3つの方法です。

上記の試みに加えて「お客様の声」プログラムを作成して、顧客の意見を社内全体で共有・活用するアプローチも検討する価値があります。

パーソナライゼーションをできる限り実施する

一人ひとりに合わせてカスタマーサービスをカスタマイズすると、顧客は大切にされていることを実感します。カスタマーサービスをパーソナライズすることで、企業が顧客のニーズと好みを認識し、重視していることを理解してもらえるようになります。オンラインチャットや電話、SNSなど、使用しているサポートチャネルがどこかは関係ありません。

カスタマーサービスソフトウェアにすべての部門のデータを組み込み、顧客の詳細なデータを提示することで、サポート担当者は情報を基に自由に会話をアレンジできます。たとえば、次のデータを提示できます。

  • 購入履歴

  • 閲覧履歴

  • 年齢や性別などの統計学的情報

情報が多ければ多いほど、顧客の好みを推測しやすくなり、顧客が求める製品やサービスを提案できるようになります。

ソフトスキル研修を実施する

基本的なカスタマーサービススキルをサポート担当者に身に付けてもらう必要があります。ソフトスキルは人と人とのつながりを支える効果があり、人に寄り添うカスタマーサービスにおいては欠かせません。

顧客との関係構築に役立つ一般的なソフトスキルをいくつかご紹介します。

  • 情報を効果的に伝えるためのコミュニケーションスキル
  • 顧客の気持ちを理解し、寄り添うための共感する能力
  • 問題を特定し、解決策を見極めた上で実践するための問題解決スキル
  • 状況の変化や新たな問題に柔軟に対応するための適応力
  • 同じ目標に向かって力を合わせて働くための協調性

ソフトスキルが欠如していると、人に寄り添うカスタマーサービスとはかけ離れた、ロボットのような、人間味のない無機質な対応に終始してしまいます。

能動的に行動する

現代の企業には、問題が発生する前に解決することが求められています。要するに、顧客は能動的(プロアクティブ)なアプローチを期待しているのです。

顧客から依頼を受ける前に行動を起こすことで、 顧客の負担軽減につながるほか、顧客の利益を大切に考えていることが伝わります。たとえば、金融サービス業であればAIを動員して詐欺の検出を積極的に行うことが可能です。

よくある質問と回答

まとめ

Zendeskは「お客様は神様」ではなく「お客様は人間」であることを重視する、人間第一のソリューションです。

Zendeskを導入すれば、規模の拡大や柔軟性、効率などAIのメリットを活かしながら、顧客だけでなく、事業を動かす原動力である従業員にも寄り添うことができるようになります。Zendeskは、サポート担当者と顧客へのメリットを重視し、あらゆるオムニチャネルで人間のニーズを優先してAIやテクノロジーを設計しています。

AIエージェント、人間のサポート担当者による支援、 ワークフォースエンゲージメント マネジメント(WEM)、QA、一貫性のあるワークフローの自動化など、Zendeskなら人を中心に据えたCXを実現することができます。

ぜひ無料トライアルでZendeskをお試しください。

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