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顧客生涯価値の向上に寄与するカスタマーサービスの影響力

更新日: 2024年2月22日

何かしらの問題を抱えてストレスを感じる顧客は日々発生します。業界を問わず、カスタマーサービスに苦情を訴える顧客を避けることはできません。「買ったばかりの製品がうまく機能しない」「先週注文した商品がまだ届かない」「アカウントにアクセスできない」「カスタマーサービスでたらい回しにされている」「問題解決の進捗状況を誰も教えてくれない」など、企業には実に多種多様な苦情が届きます。

カスタマーサービスに苦情はつきものです。しかし、企業としてその問題をいつどのように解決するかしだいで、その後も顧客に継続して商品を購入してもらえるかが決まります。つまり、苦情への対応は、顧客生涯価値(Livetime Value、LTV)に大きく影響します。

顧客は迅速でパーソナライズされた対応を望んでいるため、多くの企業はこの期待に応えようと、従来の電話やメールに限らず、新たな技術も活用しています。問い合わせ方法にチャット、SNS、携帯アプリ、SMS ・テキストメッセージ、セルフサービス型サポートなどのチャネルが追加され、顧客はいつでも好きな方法で簡単に企業に問い合わせることができるようになりました。

一方で、顧客体験を向上させるための取り組みは、顧客の購買行動やLTVにどの程度の影響力を持つのか? 効果はどれくらい持続するのか?最近のテクノロジーや文化的な変化は、企業に対する顧客の評価にどんな影響を及ぼしているのか? サポートへの問い合わせに用いるチャネルに、顧客はどのようなことを期待しているのか? 顧客は何に価値を見出しているのか? 顧客対応に満足してもらえた時も、顧客が不満を感じた時と同じような長期的な影響力があるのか?といった点について企業が理解できていないことが多いことも事実です。

この記事では、オンラインまたは電話でカスタマーサービスに問い合わせたことがある1,044人の米国の消費者を対象とし、当社がスポンサーして実施したオンライン調査の内容を紹介します。

この調査は、顧客が期待していることをより正確に理解し、カスタマーサービスが顧客生涯価値に与える影響を定量化することで、事業や利益にどんなインパクトが及ぶかを数値化することを目的として実施しました。調査には、カスタマーサービスを利用した過去の経験についての質問と、好みや意見を探るための質問を用いました。傾向を把握するために、一部の質問は、2013年に行った同様の調査に使用したものを用いています。

主な調査結果:

カスタマーサービスは長期収益に直接寄与

  • 回答者の89%は、どの企業の製品を購入するかを決めるにあたって、初めて問い合わせた時にすばやい対応をしてもらえたこと重要視します。
  • 回答者の97%は、カスタマーサービスに不満を感じたら購買行動を変え、87%は、質の高いカスタマーサービスは購買行動に影響を与えると回答しました。
  • 回答者の46%は、カスタマーサービスで嫌な体験をしたら、その2年後も購買行動は変えたままにします。

質の高いカスタマーサービスの実現には多様なチャネルの提供が必須

カスタマーサービスに問い合わせる際にどのコミュニケーションチャネルを使うかは、顧客の好みによって様々です。

  • 簡単な問い合わせ内容の場合に好まれるチャネル:メール60%、電話58%、チャット48%、SMS ・テキスト24%、SNS18%
  • 複雑な問い合わせ内容の場合に好まれるチャネル:電話76%、チャット43%、メール40%、テキスト15%、SNS12%
  • 回答者の28%は、「複数の問い合わせ方法が用意されていることは、質の高い顧客体験の一因になる」と回答しました。
  • 回答者の27%は、「好みのチャネルを介してカスタマーサービスに問い合わせられないことは、悪い顧客体験の一因になる」と回答しました。

メール・電話以外のチャネルを介したカスタマーサービスへの問い合わせが急増

  • 回答者の67%は、カスタマーサービスへの問い合わせに、チャット、SNS、またはテキストメッセージを利用したことがあります。
  • Z世代の36%は、簡単な問い合わせであればSNSを選ぶと回答したのに対し、ベビーブーム世代の場合、同様に回答した人はたったの5%です。
  • 回答者の98%はFAQ、ヘルプセンターなどのセルフサービス型のオンライン資料を利用したことがあります。

チャネル間の連携はカスタマーサービスを充実させる上で必須

  • 回答者の85%は、初回の問い合わせで企業から応答が得られなければ別の方法を使用します。
  • 回答者の51%は、1時間以内に企業から返信がなければ、別の問い合わせ方法を試します。

カスタマーサービスへの期待値は特にミレニアル世代で変化

  • 回答者の65%は、5年前よりも迅速なカスタマーサービスを期待しています。
  • ミレニアル世代の41%は、カスタマーサービスへの問い合わせ方法を増やしてほしいと思っています。
  • ミレニアル世代の48%は、自分で問題を解決するための方法を探す傾向にあります。

詳細な調査結果:カスタマーサービスは長期収益に直接的に寄与

カスタマーサービスへの満足度が購入製品の選択肢に影響

企業と顧客の間のやりとりは日常的に起きており、時には期待どおりに物事が運ばないこともあります。では、顧客はカスタマーサービスのどんな点に不満を抱いているのでしょうか?

調査で寄せられた回答は様々で、「対応まで長く待たされた」「担当者の態度が悪かった」「利用した問い合わせ方法で問題が生じた」「問題が解決されなかった」など、多岐に渡ります。

これに対して、満足度の高かったカスタマーサービスの体験には、「感じのよい担当者だった」「問い合わせに対して迅速で的確な回答が得られた」「状況を何度も説明せずに済んだ」「問題を解決できた」などが挙げられています。

こうした体験は、提供できるにこしたことはないというレベルのものではなく、購買行動を左右し、ひいてはLTVと業績にも影響するものです。迅速な対応は、どの会社の商品を購入するかを決める際にも(89%)、全般的にスムーズな体験だったかどうかを評価する際にも(85%)、重要視されます。

カスタマーサービスは購買行動を左右

質の高いカスタマーサービスは企業成長への推進力となり、質の悪いカスタマーサービスは企業目標への達成を遠ざけることにつながります。目標が新規顧客の維持であれ、既存顧客の価値向上であれ、この事実は変わりません。新規顧客も既存顧客も、過去の体験の良し悪しを念頭に置いて、商品の購入を決めています。

質の高いカスタマーサービスを顧客に提供すると、購買行動は実際にどのように変わるのでしょうか?カスタマーサービスの対応に満足したと答えた調査対象者の87%は、「それ以降の購買行動が実際に変化した」と答えています。さらに回答者の67%は「他者に製品・サービスを推めた」、54%は「その会社の製品・サービスの購入・使用回数を増やした」、39%は「その会社の製品をもっと購入・使用することを考えている」ことも明らかになりました。

一方、憂慮すべきことは、カスタマーサービスで不満を感じた後に起こる購買行動の変化です。不満を感じる体験をしたことがある調査対象者のほぼ全員に近い97%が、「その体験以降の購買行動を変えた」と答えています。具体的には、58%は「その会社から購入するのをやめた」、52%は「別の会社に切り替えた」、52%は「その商品やサービスを買わないように他者に勧めた」、48%は「それ以降、その企業の商品を購入検討する余地は少ない」と答えています。

「顧客の体験は良し悪しを問わず、顧客の行動とLTVに影響を及ぼす」というこの結果は、2013年の調査結果で確認された傾向と同じでした。

ただし、1つ明らかな違いがあり、5年前と比べて、消費者は自分の体験を他者に伝える傾向が非常に高くなっています。これは、カスタマーサービスとのやりとりに満足したケースと、不満を感じたケースの両方に共通する傾向です。2013年に「カスタマーサービスとのやりとりで不満を感じた際に、家族や友人や、同僚、知り合いなどにその製品やサービスを買わないように勧める」と答えた人は40%に過ぎませんでした。それがこの5年の間に、過半数を超える52%に上昇しています。

満足度の高い体験をした場合にも、同様の傾向がみられました。2013年には、回答者の51%が「カスタマーサービスとのやりとりで満足度が高かった場合は、他者に製品やサービスを勧める」と答えていましたが、わずか5年でこの数字が67%にまで上昇しています。

顧客は不満を感じた体験のことを満足した体験よりも長く記憶

人はいいことも悪いことも覚えているものですが、カスタマーサービスとのやりとりに不満を感じた体験は、満足した体験よりもずっと長く記憶に残ります。嫌な体験をした顧客は、その会社からの購入をやめることが少なくありません。

「かなり前のカスタマーサービスとのやりとりで、今もその時の影響が続いていることはありますか?」と質問したところ、回答者の46%は「2年以上前の嫌な体験を覚えている」ことがわかりました。これに対して、「2年以上前の良い体験を覚えている」と回答した人は21%にとどまっています。

2年以上前のいやな体験が購買行動に影響している」と答えた回答者は、2013年には39%でしたが、今回の調査では、この数字が46%にまで上がっていることは、憂慮すべき傾向だといえます。その一方で、良い体験については、消費者はそこまで長くは覚えていません。

実際、「カスタマーサービスで満足のいく体験をしたことで変化した購買行動が、今も続いている」と答えた回答者は、2013年の24%から21%に下がっています。LTVを高めるには、カスタマーエクスペリエンスが影響を与える価値と重要性を理解することがきわめて大切といえます。

顧客はどんな体験をしたかに応じて購買行動を変えるだけでなく、良い体験も嫌な体験も他の人に伝える傾向があるため、たとえ少数の人しか体験していないことでも、口コミが拡散されて企業の長期的な業績にも影響が及ぶことすらあります。

実際に、人はよく話します。嫌な体験をした時は76%が、良い体験をした時は74%の人が、家族や友人に会った時にその体験のことを話しています。口コミによるマーケティング効果は絶大で、その影響力は非常に広範囲に及びます。

特に、カスタマーサービス担当者との間で口論になると、その体験をオンラインで共有する人は多いものです。SNSで共有された内容の内訳を見ると、良い体験を共有する人が38%であるのに対して、嫌な体験を共有する人は49%に上ります。 オンラインのレビューサイトでも同様の傾向がみられます(嫌な体験46%、良い体験27%)。

詳細な調査結果:質の高いカスタマーサービスを実現するには多様なチャネルの提供が必須

顧客は多様なチャネルを介してカスタマーサービスに問い合わせ

電話からデジタルチャネルまで幅広い問い合わせ方法に対応することがオムニチャネルのアプローチで、カスタマーサービスに対する顧客の期待に応えるため、このアプローチが現在では主流になりつつあります。優れたカスタマーサービスで定評のある企業では、「顧客が望む方法で顧客が望む対応をする」をモットーに尽力しています。

昨今の消費者はカスタマーサービスに問い合わせる時に様々なチャネルを利用します。「過去12ヶ月間に、カスタマーサービスへの問い合わせに最も頻繁に使った方法」を質問したところ、首位は電話の81%で、次にメールが70%、チャットが54%、SNSが27%、SMS ・テキストメッセージが17%という結果でした。

消費者はいつも同じチャネルを選ぶとは限らない

今回の調査でおそらく最も重要な発見は、問題の緊急性と複雑さに応じて、消費者が問い合わせをするチャネルを使い分けているという事実です。発送状況の確認、登録情報の変更といった単純な内容の場合は、デジタルチャネルが好まれる傾向があり、メールが60%、チャットが48%、SMS ・テキストメッセージが24%、SNSが18%でした。

これに対して、製品の問題のトラブルシューティングや割引料の返金手続きといった、より複雑な問い合わせの場合、消費者の好みは明確で、76%が電話によるカスタマーサービスを選んでいます。

使いたいチャネルが提供されていることも、カスタマーサービスでの体験を左右

昨今の消費者は非常に多くのことを求めています。自分が選んだチャネルからカスタマーサービスに問い合わせて、素早く解決策が提供される、理想的な体験を期待しています。実際、回答者の28%は「複数の問い合わせ方法が提供されていたため、満足できる体験だった」と答えています。

その一方で、「好みの方法でカスタマーサポートに問い合わせられなかったため、不満が残る体験だった」と回答した回答者も27%いました。つまり、顧客が容易にカスタマーサポートに問い合わせられる環境を整えるだけで、全体的な顧客体験の印象は良くなるのです。

詳細な調査結果:メール・電話以外でカスタマーサービスに問い合わせをするチャネルのニーズが上昇

電話とメールが依然としてトップではあるものの、代替チャネルの活用も著しく増加

消費者がカスタマーサービスとやりとりする際に最もよく使用されるのが電話(81%)とメール(70%)ですが、チャット、SNS、テキストメッセージなどの新たな「代替」チャネルも広く利用されるようになっています。回答者の67%は、過去12ヶ月間に代替チャネルを用いたことがあると答えています。

若い人ほど代替チャネルを使う傾向が強い

どの年代の消費者が新しいチャネルでカスタマーサービスに問い合わせているかを探るために、詳しく回答結果を分析したところ、若い世代が代替の問い合わせ方法を活用する傾向が高いことがわかりました。これは驚くべき調査結果ではありませんが、他の世代でも、若い世代ほど多くはないものの、代替チャネルは活用されています。

例えばZ世代の46%とミレニアル世代の47%が過去1年間にSNSでカスタマーサービスに問い合わせをしたたことがあるのに対し、この数字はベビーブーマー世代ではわずか7%、X世代でも26%にとどまりました。SMS ・テキストメッセージでも同様の傾向がみられ、過去12ヶ月間にSMS ・テキストメッセージで問い合わせをしたことがあると回答したのは、Z世代が29%、ミレニアル世代が28%、X世代が17%、ベビーブーマー世代が7%でした。

若い世代はSNSでのカスタマーサービスを好む

Z世代とミレニアル世代は、シンプルな問題か複雑な問題かに関係なく、代替チャネルでカスタマーサービスに問い合わせたいと考えています。問い合わせ方法の好みを質問をしたところ、Z世代の36%は簡単な質問であればSNSを選ぶと答えたのに対し、ベビーブーマー世代はわずか5%の人しかSNSを選ぶと答えませんでした。複雑な問題の場合も同様の傾向があり、Z世代の26%がSNSを選ぶと回答したのに対し、ベビーブーマー世代の場合、この数字はわずか2%に過ぎませんでした。

今回の調査では、SNSが消費者に好まれる理由を把握するために、背景を探る質問もしました。回答者の67%は、「カスタマーサービスに問い合わせる時にSNSは便利な方法だから」という理由を選んでいます。さらに、62%は、問題点を示す写真を共有しやすいという理由でSNSを好んでいることが分かりました。

カスタマーサービスへの問い合わせにSNSを利用する理由には、世代間で大きな違いがあります。担当者に問題を説明するのに苦労した経験がある人なら、写真の威力が身に染みてわかっているはずです。若い世代の人ほど、このことを理解しているため、Z世代の81%は、問題を説明する際に写真を共有しやすいことが理由で、SNSを好んで使用しています。

これとは対照的なのがベビーブーマー世代で、問題の写真を共有するのにSNSを利用する人は38%にとどまりました。一方で年齢層の高い世代の69%は、潜在的な問題を他の人に幅広く知らせるためにSNSを使用しています。

消費者は自分で答えを探し出したいと思っている

カスタマーサービスに問い合わせなくても消費者自身で素早く問題を解決できるようにすることは、消費者にも企業にもメリットがあります。顧客自身で逸早く答えを見つけ出すことができれば、企業はサポートチケットを発行しなくても済みます。

カスタマーサービス部門がセルフサービス型サポートに真剣に取り組む必要性はデータにも現れており、消費者の98%は、企業が用意したFAQやヘルプセンター、オンライン資料など、セルフサービス型サポートを利用したことがあると答えています。毎回必ず利用すると答えた人も37%と、実に3分の1以上の割合です。

効率のよいセルフサービス型サポートに企業が投資することは、KPIの向上につながります。例えば、問い合わせ件数の削減、対応に要する時間の短縮、顧客満足度の向上など、多くのメリットが得られます。

詳細な調査結果:サービスチャネルの連携はカスタマーサービスを成功させる上で必須

最初の方法で企業から応答がなければ、大半の人は別のチャネルを試す

調査結果は、顧客はせっかちであることを示しています。85%の回答者は、最初に使った問い合わせ方法で応答がなければ、次々にチャネルを変えて問い合わせをしています。

電話からメール、あるいはSNSなど、応答を求めて次々にチャネルを切り替えていくのは、若い世代に限られたことではありません。せっかちな人が多いのは、やはり若い世代で、Z世代の91%とミレニアル世代の92%は、最初に問い合わせる際に使った方法でカスタマーサポートから応答が無ければ別の方法を試すと答えています。また、これほど高い数字ではないですが、年代が上の世代でも同様の傾向がみられ、X世代の87%とベビーブーマー世代の78%が同じ回答をしています。

半数の人は1時間以内に別の問い合わせ方法を試す

顧客が別の問い合わせ方法を試みるのは、どれぐらい待ってからでしょうか? 実はあまり長くありません。回答者の51%は企業からの返信を1時間も待たずに、別の問い合わせ方法を試しています。5分もたたないうちに別の方法を試すと答えている人も10%います。

1人の顧客が複数のコミュニケーションチャネルで問い合わせると、カスタマーサポート部門内で混乱が生じかねません。同じ内容の問い合わせであっても、別々の問い合わせとして扱われ、複数の担当者がその問題に対応することになるからです。

カスタマーサービスからの返信が遅延した理由は何であれ、そもそも顧客が問い合わせ方法を二度三度と変えて同じ問い合わせをする必要があってはならないはずです。LTVと収益性を向上させるには、企業はどのチャネルからでも顧客による全ての問い合わせに対して一貫性のあるカスタマーサービスを提供できるよう、積極的に努力する必要があります。

詳細な調査結果:カスタマーサービスに対する期待値が変化

顧客のニーズは特にミレニアル世代で変化

次にカスタマーサービスに求めらることは何でしょうか?特にミレニアル世代の回答を見ると、ニーズが変化しつつあることが読み取れ、優れたカスタマーサービス部門はその対応に取り組む必要があります。

具体的には、企業は、自社の都合ではなく顧客の都合に合わせて、適切なセルフサービス型の機能とコミュニケーションチャネルを実装し、継続的に充実させていかなければなりません。そこで今回の調査結果から、変化するカスタマーサービスへのニーズを捉えて期待値以上の体験を提供するために、次のような幾つかの実務的な取り組みが有効であることが見えてきました。

1つめは、セルフサービス型サポートの提供です。すべての世代に共通していますが、特にミレニアル世代(48%)は、オンラインコミュニティやFAQなどを使って自分で問題の解決方法を探し出す傾向が高まっています。

2つめは、社内プロセスの合理化で、顧客がカスタマーサービスとコミュニケーションをしやすくするためには、必須となります。ミレニアル世代の51%、X世代の42%、ベビーブーマー世代の43%は、従来よりもスムーズなやりとりを期待しています。何度も同じ説明を繰り返したり、顧客側から企業に確認を促したりしなければならない状況は、もはや許容されません。

3つめは、消費者がカスタマーサービスに問い合わせる際に利用可能なチャネルの充実化で、チャット、SMS ・テキストメッセージ、SNSなどに追加対応する必要があります。前述したとおり、これは特にミレニアル世代にとって重要なことで、ほぼ半数ともいえる41%は、5年前よりも多くの方法で問い合わせられることを望んでいます。X世代とベビーブーマー世代も同意見で、それぞれ34%と22%が問い合わせに利用できる方法を増やしてほしいと思っています。

(注:この分析結果にZ世代が含まれていないのは、5年前の時点にカスタマーサービスを利用した経験がほとんどなかったためです。)

消費者は5年前よりも迅速なカスタマーサービスを期待

LTVと収益性を高めるには、企業はすべてのカスタマーサービスチャネルで応答スピードを上げる必要があり、この対応を怠った時の弊害は計り知れません。回答者の65%は、5年前よりも迅速なカスタマーサービスを期待しています。

デジタルに精通したミレニアル世代は、短時間で簡潔で便利な体験を望んでおり、企業に待たされることを嫌います。このような若い世代の要求により、カスタマーサービスの基準が変わりつつあります。実に56%が、5年前よりも迅速なカスタマーサービスを要求しています。

これとは対照的に、X世代の28%とベビーブーマー世代の18%だけしか、より迅速なカスタマーサービスを期待していません。ミレニアル世代の購買力が拡大した今日、企業にとって、この世代が望む方法でカスタマーサービスを提供できる準備を整えておくことが重要です。

調査方法と調査対象者の統計データ

この調査は2018年10月にオンラインで行ったもので、1,044人の個人を対象に、オンラインまたは電話による最近のカスタマサービスの体験について調査しました。回答者はすべて米国の居住者ですが、年齢、世帯年収、性別は多岐にわたります。

Dimensional Research®について

Dimensional Research®では、テクノロジー企業向けに実用的な市場調査を実施しています。顧客企業とパートナー関係を結び、リスクの低減、顧客満足度の向上、企業としての成長に向けて実行可能な提案などの情報を提供しています。調査を担当するのは、昨今の企業が採用しているアプリケーション、デバイス、インフラに精通した専門家です。Dimensional Research®は、ITやテクノロジー企業がどのように事業ニーズに対応しているかも理解したうえで、サービスを提供しています。詳細については、dimensionalresearch.comをご覧ください。

Zendeskについて

Zendeskは、「お客様が心地よいと感じるカスタマーエクスペリエンス」を実現するカスタマーサービスプラットフォームを提供しており、強力で柔軟性を備えた製品は、スタートアップや中小企業から大企業に至るまで、多様な企業のニーズに合わせて拡張できます。Zendeskは、12万5千社を超える各種業界の顧客企業が30以上の言語でサービスとサポートを提供する支援をしています。米国サンフランシスコに本社を置き、北米、欧州、アジア、オーストラリア、南米に15箇所の拠点を構え、グローバルに事業を展開しています。詳細については、www.zendesk.co.jpをご覧ください。

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