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カスタマーサクセスとは?役割や意味、カスタマーサポートとの違いを解説

更新日: 2023年1月5日

今、カスタマーサクセスという業務が大きな注目を浴びています。顧客の成功という意味を持つ「カスタマーサクセス」。カスタマーサポートという部署がある企業は多いかもしれませんが、カスタマーサクセスを持つ企業はまだ多くはないでしょう。そこで、今回はカスタマーサクセスとは何なのか、カスタマーサポートとの違いや注目をされるようになった背景、カスタマーサクセスに求められることについてご説明します。

 

今、注目を浴びているカスタマーサクセスとは?

「カスタマーサクセス」という言葉を聞いたことがあっても、カスタマーサポートとの違いを正確に答えられる方は、それほど多くはないのでは。どちらもCSと略されることが多く、混同されがちですが、カスタマーサクセスとカスタマーサポートとの一番の違い、それは顧客への対応方法と目的にあります。

カスタマーサポートは、顧客にトラブルが発生したとき、使い方や機能に疑問が生じた際に、電話やメールなどで行われる問い合わせに対応します。いわば顧客の行動によって初めて業務が発生する、受動的な対応が主となり、顧客満足度を高めることが目的です。

これに対しカスタマーサクセスは、顧客の情報を収集、分析し、率先して顧客にアプローチをする能動的な対応が主となります。もちろん、問い合わせ対応といったカスタマーサポートの役割もありますが、それ以上に積極的に顧客に接触し、顧客を「成功」に導くことが目的です。

 

カスタマーサクセスが注目を浴びている理由

なぜカスタマーサクセスが注目を浴びるようになったのか、それにはいくつかの理由がありますが、そのなかでも大きいのはビジネスモデルの変更です。

これまで、企業は商品(製品)を販売することで利益を上げていました。近年は売り切り型から毎年(毎月)定額料金を支払ってもらうことでサービスを提供する、サブスクリプション型へとビジネスモデルが変化しつつあります。

  • サブスクリプション型への移行

サブスクリプション型の特徴は、購入すると数百万~数千万円する製品やサービスが、月々数千円~数万円で利用できることです。購入よりも敷居が低いため契約の確率は上がりますが、少しでも気に入らないことがあれば簡単に解約でき、ほかの製品に乗り換え可能ということでもあります。

簡単に解約できる場合、顧客はわざわざ問い合わせたり連絡したりして不満を伝えることは少ないでしょう。解約を防ぐには、カスタマーサポートの受動的な対応に加え、あらかじめ考えられる課題や不安を解決するプロアクティブ(先取り)な接触が必要です。また、積極的なサポートを続けていくことで顧客が成果を上げることができれば、アップセルやクロスセルの可能性が高まるでしょう。

これまでのビジネスモデルでは、契約はゴールでした。サブスクリプション型において、契約はスタートだと考えられます。契約を継続してもらうためには、顧客の成功を目的とした積極的な関与が求められるでしょう。そしてそれこそが、カスタマーサクセスが得意とする領域であり、注目されるようになった大きな理由です。

 

カスタマーサクセスに求められるものとは?



カスタマーサクセスの業務は、カスタマーサポート業務に営業の業務を加えたものに近いです。カスタマーサポートとしての課題を解決するのと同時に、顧客の要望を理解し、製品やサービスの価値を伝え、LTVを最大化するといった貢献も求められます。

これらの要求に応えるには、

  • 顧客の成功を一番に考えられる顧客志向
  • 契約前の状態にある顧客に態度変容をもたらす行動力
  • 需要の変化に対応するため常に製品や顧客のことを知ろうとする探求心
  • 営業部門や開発部門と連携を取りバランスを整える調整力

などが必要です。

カスタマーサポートは顧客一人ひとりを満足させることが重要ですが、カスタマーサクセスでは顧客全体を俯瞰して見る客観性も必要です。多くの顧客の要望を吸い上げ、「より多くの顧客が求める製品とは何であるか」を客観的に判断すること。それを製品やサービスに生かせるように、営業部門や開発部門と連携することも、カスタマーサクセスに求められる能力のひとつです。

 

カスタマーサクセスが実現する顧客満足度の向上

企業が継続的に利益を得ていくためには、新規顧客に自社商品を販売していくというのがこれまでの一般的な企業活動でした。しかし、業種にもよりますが、今後はクラウドの進化もあり、売り切り型のビジネスからサブスクリプション型のビジネスへと移行しようとしています。そうなれば顧客とのコミュニケーションもこれまでどおりではなく、新たな方法が求められるようになるでしょう。それを実現させる方法として登場したのがカスタマーサクセスです。

これまでのカスタマーサービスであっても、不満や課題を抱えた顧客に対応し、解決に導くことはもちろん可能です。カスタマーサクセスは、それに加え顧客の成功のために企業側からプロアクティブに関与し、新たな関係性をつくることで、新たなビジネスチャンスを生む可能性を持っています。

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