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CXリーダーがAIに対する顧客の不安を解消するための7つのヒント

消費者はすでに、AIにはカスタマーエクスペリエンスを向上させる力があることを知っています。 そんな消費者の期待に応えるために企業ができることをご紹介します。

著者: Cristina Fonseca, ZendeskのAI責任者

更新日: 2023年10月25日

岩が転がらないように押さえる人のイラスト

AIにはカスタマーエクスペリエンスを向上させる力があることは誰もが認める事実ですが、いっぽうでAIを信用できないという人も依然として多いようです。 AIの利用についてどうやって顧客の信頼を得るかが、今日のCXリーダーが直面している大きな課題のひとつです。

それも当然のことでしょう。 AIはパワフルで高度なテクノロジーであるだけに、私たちにとって理解しがたい存在でもあります。 「AI」と聞いただけで一部の人々は、ロボットの発展に伴う人類の退化や、役に立たないチャットボットとの延々と続くやり取りなど、悪いイメージを抱きがちです。 しかしAIは、適切な安全策さえ講じておけば、顧客と企業の双方に大きなメリットをもたらすソリューションであることは間違いありません。

顧客の不安を解消するため、CXリーダーはAIの導入を責任と明確な目的を持って行い、透明性を確保する必要があります。 なぜこれが重要かというと、 信頼は簡単に手に入るものではなく、時間と手間をかけて育てる必要があるからです。 信頼を築くのには時間がかかる一方、AIに由来する問題(誤った情報の提供、個人データの保護が不十分、または単にカスタマーエクスペリエンスの質が低い、等)が原因で、企業が顧客の信頼を一瞬にして失ってしまうこともあり得ます。

AIの利用についてどうやって顧客の信頼を得るかが、今日のCXリーダーが直面している大きな課題のひとつです。

一度悪い評価が広まってしまうと、そのイメージを払拭するのは難しいものです。 顧客のAIに対する信頼、および企業がAIを正しく使いこなす能力への信頼が失われれば、企業と顧客との関係が損なわれるだけでなく、AIの有用性についての一般認識も成立しなくなるでしょう。

AIの可能性とリスクの繊細なバランス

いまのところ、AIについての消費者の一般認識はおおむね楽観的で期待に満ちたものです。 Zendeskの調査では、AIはより迅速で優れたカスタマーサービスの提供に貢献すると考える消費者が、全体の70%にも及ぶことが分かりました。 それでも、もしも誤ったアプローチが取られたら、こうした希望に満ちたイメージは簡単に不満へと変わってしまいます。 人々は、まともに機能しないチャットボットにうんざりしています。 効率アップのみを追求したり、自動化を急ぎすぎることにより、顧客の信頼を損なう事態は避けたいものです。

Zendeskの調査によると、消費者の70%は、AIはよりパーソナライズされた効果的なカスタマーサポートエクスペリエンスの実現に貢献すると考えています。

新しい技術を導入するには、きめ細かく計画されたプロセスが必要です。 まずは、透明性、データセキュリティ、パフォーマンスに対して利用者がどんな不安を抱いているかを把握し、それらの解消に向けて取り組むところから始めましょう。 方針やプランを明確に伝え、ベストプラクティス資料を用意し、フィードバックを真摯に受け止めて積極的に改善に取り組みましょう。

AIの利用に対する顧客の不安を解消するのに役立つCXリーダー向けのヒントを7つご紹介します。

  1. 顧客を理解する能力を備えたAIが作り出す高度なエクスペリエンス

    CXに特化されたデータにもとづいてトレーニングされていないAIは、顧客からの一般的な問い合わせの解決はおろか、問い合わせの内容を理解することすらできません。 顧客にAIを信頼してもらうには、AIは人と意思疎通ができて役に立つ存在であるという認識を持ってもらう必要があります。

    Zendeskは、数十億件のカスタマーサービスデータに基づいてAIをトレーニングしています。その結果、ZendeskのAIは、顧客からの一つひとつの問い合わせについて、使用言語だけでなく、顧客の抱いている感情や目的まで把握することができます。

  2. 自動化は、やるかやらないかの二択ではない

    あらゆるAI戦略の取り組みは、自動化すべきプロセスとそうでないプロセスを分類することから始まります(ただし、これがすべてではありません)。 確実に顧客やチームの信頼を築くには、まず小規模なレべㇽの自動化から始めるのが賢明です。失敗リスクの低いタイプのリクエスト(注文状況や最新発送情報に関する問い合わせなど)から始めて、その後より複雑なカテゴリー(注文のキャンセルや払い戻しなど)に対象範囲を拡大しましょう。

  3. 難しい問い合わせは早めにエスカレーションする

    AIが顧客について理解する能力を持つのが重要であるのと同様に、AIが自力では解決できない問い合わせを判別してサポート担当者にエスカレーショできる体制を整えることも、同じくらい重要になります。 注文履歴やアカウント情報などの情報をサポート担当者に引き継ぐことで、顧客に繰り返し説明を求めるのを防いでサポート担当者の業務をスピードアップできます。

  4. 信頼度データを活用してAI予測の透明性を向上させる

    AI予測の内容もソリューションによりさまざまで、他より高い信頼性を備えているソリューションもあれば、そうでないものもあります。 AIの提案にもとづいて意思決定を行う利用者がいる限り、AIの提案内容がどの程度信頼できるものであるかを明確に示さなければなりません。

    AIがたとえ問い合わせ全体の80%で素晴らしい回答を提供できても、誤った回答が数回でも発生すれば、そのマイナスイメージは簡単には払拭できません。 管理者、サポート担当者、そして顧客との間に長期にわたって信頼関係を築いていくには、透明性の確保が大切です。

  5. 常に人間がプロセスに関与

    AIでは解決できない案件が発生したら、速やかに人間の担当者を介入させる必要があります。 AIのバイアスを排除して正確性と安全性を維持する上で、最も重要となるのは人による監督機能です。 Zendeskの調査では、消費者の81%が、AIを利用したカスタマーサービスだと思うについて利用者の信頼を得るには、必要に応じて人間のサポートを受けられることが重要だと思うと回答しました。

  6. セキュリティとプライバシーを確実に保証する

    信頼を維持する上で、データプライバシーやセキュリティの保証は欠かせません。しかし、「データ保護について企業は十分に取り組んでいる」という内容に「非常にそう思う」と回答した消費者は全体のわずか21%で、 消費者の期待する内容と現実の間に大きなギャップがあります。

    Zendeskは機密データが含まれる数十億件の会話履歴を取り扱っており、データ保護についての利用者の期待に確実に応えなければなりません。 これには、社内でAIモデルを開発して、Zendeskのシステムからデータが漏れるのを防止することなどが含まれます。

  7. 生成AI向け追加安全策の構築

    生成AIモデルは、利用者との間でより人間らしいやり取りを行うのに大いに役立つ一方、誤解を招く回答や不正確な情報を提示してしまう場合もあります。 企業の信頼やブランドの評価を守るには、AIなどの進化し続ける最新技術を慎重に導入し、さまざまな安全策を講じて常に利用者に正しい回答を提供するよう図ることが重要です。

AIには限界があるため、すべてを任せるべきではありません。 AIによるプロセス改善が期待できる領域(応答待ち時間の短縮、適切なヘルプセンター記事の提示、等)への導入を優先しましょう。

問い合わせをしてくる利用者の多くは、出来るだけ早くサポートを受けたいと希望しています。 そのようなニーズをAIで満たせる場面があれば、AIに対応を任せるべきです。 逆に、AIでは解決できないケースや、カスタマーエクスペリエンスの低下を招くリスクがある状況では、人間の担当者の対応が求められるでしょう。

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