木曜日のランチタイム。いつも多忙なマリサは、日頃の疲れを癒すために、バックパックを背負ってロッククライミングをしに行く計画を立てていました。明日から始まる、年に1度のヨシュア・トゥリーへの旅行。しかし今になって重要な荷物が欠けていることに気が付きます。去年の旅行で、寒い砂漠の夜では古い寝袋が役に立たなかったことを思い出し、テントの中で毎晩凍えないためには新しい寝袋が必要だと思い立ちました。

長年、顧客としてSasquatch Outdoor Equipmentを利用しているマリサは、会議前のランチを取る間、モバイルアプリを開きました。どの寝袋が欲しいのかはおおよそ決まっていましたが、旅行は明日に迫っています。あまり時間がありません。果たしてマリサは、オンラインで寝袋を注文し、店舗で受け取ることが出来るのでしょうか。

まず、マリサはアプリに組み込まれたセルフサービス機能をクリックしました。多くの顧客同様、自分で答えを見つけるのが好きなマリサは、オンラインで注文をした商品を店舗で受け取りができることを確認しました。しかし、まずは商品の在庫がある店舗を探さなければいけません。マリサがアプリのチャットを立ち上げると、エージェントはすぐに応答し、在庫の有無を確認してくれましたが、注文をする前に会議の時間になってしまいました。チャットは一旦終了せざるを得ませんでした。

一方、オムニチャネルエクスペリエンスを提供しているSasquatchにとっては、突然チャットセッションが終わったからといって販売の機会が失われるわけではありません。まず、エージェントはショートメッセージを送って、注文を完了してもらうためにマリサの都合の良い時間に電話をかけることを提案する、という積極的なアプローチを行いました。1時間後、マリサは会議室でSasquatchのエージェントからの電話を受け、商品の在庫が店舗にあることを確認し、購入をサポートしてもらい、商品の取り置きを完了することができました。

セルフサービスから始まり、複数のタッチポイントをシームレスに行き来したマリサのカスタマージャーニーは、シームレスなオムニチャネルエクスペリエンスの好例といえます。マルチチャネルと混同しないように注意しましょう。Sasquatchは、競争の激しいアウトドア用品市場において、サポートでのやり取りが顧客ロイヤルティに与える影響は、減少につながる傾向がより強く、増加傾向の4倍にあたることに気づきました。競合他社がしのぎを削る中で、同社はオムニチャネルエクスペリエンスの提供によって、顧客維持を優先的に注力するようになりました。

顧客は、セルフサービスを使用し、モバイルアプリやWebサイトを離れる必要が全くない、チャネルをまたいだシームレスなプロセスを期待しています。オムニチャネルはいつでもどこでも迅速なサービスで顧客が求めるものを提供するだけでなく、顧客が接点を変えるたびにエージェントに絶えず最新情報を伝えることでSasquatchのような企業のエージェントの効率向上を助け、他部門との連携の妨げになるサイロ化した仕事のやり方を見直し、カスタマージャーニーをより深く理解するのに役立つのです。

マリサのケースにおいて、オムニチャネルエクスペリエンスは、寝袋の購入とヨシュアトゥリーでの素晴らしい週末だけでは終わりません。マリサが戻ってきた時には、Sasquatchから受けたサポートに対するフィードバックの提供とアンケートへの協力依頼を含む、フォローアップメールを受け取ることになります。このエンド to エンドのカスタマーケアはマリサのような顧客に共鳴し、彼女がSasquatchで受けた素晴らしいカスタマーエクスペリエンスをTwitterに投稿することで、彼女は企業にとって理想的な顧客、すなわち”エバンジェリスト”になるのです。