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リモートでカスタマーサービスチームのオンボーディングを成功させるには?

今日、ビジネス成功のカギを握っているのが、効果的なオンボーディングです。しかし、とりわけリモート体制のカスタマーサービスチームにとっては、これを実現するのは簡単なことではありません。

発行日: 2021年2月5日
更新日: 2021年2月5日

サポート担当者には、自社の製品やサービスを熟知して、顧客の質問に的確に答えるスキルが求められます。また、自社の企業方針をよく理解し、それに沿って顧客対応に臨む姿勢も重要となります。

とは言え、こうした能力を本社勤務でない新人担当者が身につけるのは並たいていのことではありません。そこで必要となるのが、洗練されたオンボーディングプランです

この記事では、適切なオンボーディングがもたらす効果と、リモート体制のカスタマーサービスチームがオンボーディングを成功させるためのシンプルな4ステップについてご説明します。

適切なオンボーディングがもたらす効果

オンボーディングの方法について具体的に触れる前に、ここではまず、そもそもなぜオンボーディングが必要なのかを説明しましょう。

適切なオンボーディングを実施すると、以下のような効果が期待できます。

  1. 新人担当者の生産性向上

    率直に言って、企業にとって従業員はあくまで企業目標を達成するための戦力です。新人担当者が入社から数か月経っても成果を出せないと、目標の達成は遠のきます。

    しかし、心配は要りません。しっかりとしたオンボーディングプロセスが整備されていれば、新人担当者の生産性は50%上がります

    なぜなら、効果的なオンボーディングを実施できれば、新人担当者は短期間のうちに必要なスキルを習得できるからです。仕事の進め方を的確に理解していれば(あるいはだれに疑問点を尋ねればよいかだけでもわかっていれば)、新人担当者の業務効率は格段に上がります。

  2. 従業員満足度の向上

    オンボーディングプログラムを受けた担当者は、生産性が上がるだけでなく、意気揚々と仕事に打ち込むようになります。調査によると、オンボーディングを効果的に実施できれば、従業員が仕事に大きな満足感を覚える割合は30倍に跳ね上がります

    多くの場合、仕事に満足している従業員は懸命に働き、手際良く仕事を進めます。仕事が楽しいので他のチームメンバーともオープンな姿勢で連携し、創造力も遺憾なく発揮します。

  3. 離職率の低下

    ClickBoardingの調査によると、新人担当者に適切なオンボーディングを実施すると、入社から3年が経過した時点での定着率が58%高くなります。

    新人担当者に割く採用コストと研修コストは日増しに膨れ上がっていくのですから、この差は見逃せません。PeopleKeepの調査によれば、何しろ担当者が1人離職するだけで、チームメンバーの年間給与の16~213%ものコストが発生してしまうのです。

    適切なオンボーディングを実施すると、新人担当者は自分の役割をよく理解し、同僚と良好な関係を築きながら、安心して業務に臨めるようになります。

    そうなれば、離職リスクも低くなり、ばく大な費用を無駄にしてしまうことも少なくなるでしょう。

採用小話

たとえ世界一のオンボーディングプログラムを実施しても、採用した人物が適切でなければたいした成果は上がりません。

一流のサポート担当者は、共感力だけでなくコミュニケーションスキルにも長けており、問題を効果的に解決します。

さらに、リモート勤務のサポート担当者には、信頼感と主体性も強く求められます。こうした体制では、リーダーがメンバー1人ひとりの仕事ぶりを直に観察することはできないからです。リーダー側も、「それぞれが担当業務をきちんと成し遂げてくれるだろう」と、各メンバーを信頼する気持ちを持つことが重要となります。

採用した担当者がチームにふさわしくないと、再び採用活動を行わなければならないだけでなく、1人目のオンボーディングに投じたコストも無駄になってしまいます。最初から適切な人材を採用して、時間と資金の無駄を防ぎましょう。

リモート体制のカスタマーサービスチームのオンボーディングに必要な4つのステップ

適切なメンバーをチームに迎え入れたら、早速オンボーディングを開始しましょう。

オンボーディングのプロセスは単純明快。次に概説する4つのステップに従うだけで、新人担当者をすばやく即戦力として育て上げることができます。

1. オンボーディングのスケジュールを決める

チームメンバーとの簡単な顔合わせを行い、新人向けマニュアルを一読させるだけで、オンボーディングを終わらせていませんか? そもそもオンボーディングは、担当者の入社前から始めなければならないのです。

オンボーディングの主なマイルストーンは以下のとおりです。

  • 入社前: 法定文書や従業員の手引きなどの重要な資料は、正式な就業前から配布しておきたいところです。記入が必要な書類があれば、できるだけ早いうちに提出してもらいます。また、新人担当者が最初にやるべきことを理解できるよう、入社1週目のスケジュールを作成しておくとよいでしょう。
  • 初日: いよいよ入社初日。ギアを上げるタイミングです。まずはチーム全体に新メンバーの加入を知らせ、全体ミーティングを開催して1人ひとり簡単な自己紹介を行います。それから、新人担当者に1週目のスケジュールを共有し、彼らに何を期待しているのかを伝えます。
  • 1週目: 最初の週はおそらく研修漬けの毎日になるでしょう。ここで重要なのは、新人担当者がこれから安心して業務に臨めるようにすることと、疑問点に答えてくれるメンターをつけることです。また、社内で使用している各種カスタマーサービスツールにもアクセスできるようにしなければなりません。
  • 2週目以降:多くのエキスパ―トが口をそろえて言うように、オンボーディングプログラムは最低でも3か月実施するべきです。さらに言うと、調査結果では、オンボーディングを丸一年続けると従業員の定着率が高まることがわかっています。リモート体制でもチームメンバーに業務の進め方をしっかり理解してもらえるよう、長期に通用するオンボーディングプログラムの策定に努めましょう。

オンボーディング手順書を作成する際は、上記の各マイルストーンを必ず盛り込みましょう。そうすれば、きっと実り多いプログラムになるはずです。

2.魅力的な研修資料を作成する

研修は避けて通れない業務とは言え、新人担当者にとっては退屈に感じることも多いもの。味気ない従業員マニュアルをなぞるだけなら、なおさらのことです。

企業全体の方針、自社の製品やサービス、カスタマーサービスチームの日々の業務フローについて説明する際には、紙媒体の資料だけでなく、別のコンテンツ媒体を使うことも検討しましょう。

スクリーンキャスト、GIF、注釈付きのスクリーンショットを活用すれば、魅力満載の資料に仕上がり、新人担当者もこれから対応する業務に心躍らせることでしょう。

CloudAppの調査によると、従業員の83%は、動画で新しい業務について学ぶことに好意的です。オンボーディングに視覚的な媒体を盛り込むのは名案と言えそうです。

3.オンボーディングの進捗を追跡する

新人担当者に研修資料を配布したからと言って、すべての情報を理解してもらえたと考えるのは早計です。だからこそ、1人ひとりの進捗状況を追跡することが重要となります。

各担当者が次の項目を達成できているか、定期的に確認しましょう。

  • 研修コンテンツに取り組んでいる
  • コンテンツ内容を理解している
  • 疑問点をどのように解消すればよいか理解している

ここでお勧めしたいのが、電子メールの開封率やオンボーディングの各段階における重要タスクの完了度など、一連の基本指標を設定しモニタリングすることです。こうした指標から、新人担当者が今どの成長段階にあるのか把握することができます。

注意:新人担当者が研修をおろそかにしている、あるいはまったく取り組もうとしない場合は、採用プロセスの見直しが必要かもしれません。研修は時に退屈ですが、優秀な従業員であれば、自社の一員として成果を上げるには研修が重要であることを理解し、前向きに取り組むものです。

4.チームの連携を強化する

リモートワークには数多くの利点があります。リモートで働く従業員は総じて満足度と生産性が高く、企業がかけるコストも少なく済みます。

とは言え、従来のオフィス環境を手放せば、新たな問題も生じます。多くの場合、オフィス勤務のときよりも人とのかかわりが減るため、リモートワーカーは孤独感にさいなまれがちです。

リモート体制のカスタマーサービスチームに新メンバーを追加する場合は、チームの連携強化に取り組み、メンバーどうしが良好な関係を築けるよう、適切なコミュニケーション手段を提供することが重要です。たとえば、グループビデオ会議を設定したり、チーム全員が利用できるSlackチャットを設けたり、メンバーどうしで気軽に雑談できる場を用意したりしてみてはいかがでしょうか。

Harvard Business Reviewによれば、職場に親しい同僚のいる従業員は、総じて満足度が高く健康的で、仕事に打ち込む割合も7倍高くなります。

リモート体制でオンボーディングを進めるためのヒント

ここまででご紹介した4つのステップに従えば、皆さんの企業でも効果的なオンボーディングプロセスをすばやく構築できるでしょう。

以下では、オンボーディングの効果を最大限に高めるためのヒントを3つご紹介します。ぜひ心に留めておいてください。

Share company values

ヒント1:企業価値を叩き込む

オンボーディングは、新人担当者に企業価値を叩き込む絶好の機会です。これにより、入社当初からカスタマーサービスチームの方針を的確に理解してもらえるようになります。

特にリモート体制のチームでは、同僚の背中を毎日見て肌で学び取るということができないため、企業価値をしっかり共有することは重要です。

企業価値を最初に理解することで、新人担当者は入社当初から責任を持って業務に取り組み、会社の役に立っていると強く感じることができます。

Buddy system

ヒント2:バディー制度を導入する

優れたオンボーディングプログラムには、メンター制度にあたる仕組みが多少なりとも盛り込まれているものです。できるなら新人担当者と経験豊富な担当者とでペアを組ませると、先輩の指導の下、新人担当者は短期間で業務に慣れることができます。

ここで大切なのは、各担当者に合ったメンターを選ぶことです。意欲にあふれ、実践的な指導ができる人物が理想的です。

リモート体制だと直接話せないという不便はありますが、最先端のテクノロジーを駆使すればバディー制度は十分に機能します。新人担当者とメンターがSlackやビデオ会議などのツールでつながり、良好な関係を築けるように支援しましょう。

Asynchronous communication

ヒント3:非同期型コミュニケーションに投資する

最後に、非同期型コミュニケーションに投資することも重要です。

非同期型コミュニケーションとは、リアルタイムではないコミュニケーション全般を指します。たとえば、メール、Slackのメッセージ、動画、Googleドキュメントのコメント機能なら、ほとんどの場合、リアルタイムで返答する必要はありません。

リモート体制のカスタマーサービスチームにとって、非同期型コミュニケーションは必要不可欠な手段と言えます。なぜなら、リモート体制では各メンバーが世界中のさまざまな地域に散らばっていることも多く、タイムゾーンや勤務時間がバラバラだからです。

CloudAppなどの非同期型のコミュニケーションチャネルに投資すれば、リモート勤務の担当者が以下のようなコンテンツを簡単に作成できるようになります。

  • スクリーンキャスト、Webカメラによるビデオ録画
  • 魅力的なGIF画像
  • 注釈付きのスクリーンショット

こうしたコンテンツを活用すれば、メンバーどうしが生産的に連携できるようになります。

リモートで働くメンバーの能力を最大限に引き出しましょう

リモート体制のカスタマーサービスチームに効果的なオンボーディングを実施すれば、メンバーの生産性と満足度が飛躍的に高まり、離職率も低下します。

オンボーディングのプロセスは実にシンプル。以下の4つのステップに従うだけです。

  1. オンボーディングのスケジュールを決める
  2. 魅力的な研修資料を作成する
  3. オンボーディングの進捗を追跡する
  4. チームの連携を強化する

忘れてはならないのは、オンボーディングは一度きりの取り組みではないということです。新人担当者の就業前から始めて、入社1年後まで継続して実施するのが理想的です。この記事を参考に、皆さんの企業でもぜひ優れたオンボーディングプログラムを策定しましょう。

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