ZendeskとSalesforceの統合連携ガイド

発行日: 2021年12月23日
更新日: 2022年1月12日

カスタマーサポートに対する取り組みをビジネスに最大限活かして利益に結びつけるためには、CRMの導入が最良の選択です。CRMを実装することで、サポート部門は質の高いカスタマーエクスペリエンスを提供できるようになります。より迅速な顧客対応が実現できれば、顧客解約率の低下につながり、CRMの導入は最終的に顧客関係性を高め、売上の向上にもつながります。

カスタマーサポートシステムや複数のコミュニケーションチャネルとの統合連携が可能な堅牢なCRMを選択することで、社内の各部門がマーケティング資料、価格表、Webサイト、チャット履歴、顧客の購入履歴、通話記録、メールやSNSの履歴データといった幅広い情報にアクセスできる環境が整います。これはつまり、顧客体験の質が向上し、常に顧客の期待値を上回る対応ができるようになるということを意味します。

営業部門とサポート部門の両方で顧客の全体像を把握して顧客情報を包括的に確認できるようにするためには、カスタマーサポートシステムとCRMを組み合わせることが強力で最善の策です。営業部門とサポート部門の両方で情報が同期していれば、より質の高い体験を顧客に提供できるため、顧客満足度が高まり、新規顧客を獲得しやすくなります。

この目的を達成するためにZendeskは、Zendesk SupportとSalesforce Sales Cloudの間で双方向からデータのアクセスを可能にする動的な相互連携を実現しました。今回新たに追加したSalesforceコネクタはまだ第一弾の機能で、今後も付加価値の高い統合連携機能を追加していく予定です。

Zendesk for Salesforceによる統合連携は、顧客と直接会話する部門のニーズを考慮して設計されています。各企業の利用目的に応じて必要な機能を選びながら柔軟に導入できます。

本ガイドの利用方法

Zendesk for Salesforceによる統合連携方法はひとつだけではなく、企業のニーズに適した機能だけを選んで柔軟に導入できるように設計されています。本ガイドには、一般的な使用事例と、導入のプロセスを詳細に説明する資料のリンクが記載されています。

本ガイドは、カスタマーサービス部門や営業部門の社員、経営者、ZendeskやSalesforceの管理者を対象にしています。

本ガイドの解説事項

  • 統合連携のメリット
  • 初期設定のまま適用が可能な一般的な使用例と独自ニーズに合わせるための調整方法
  • 統合連携の効果
  • 設定方法と詳細情報へのリンク

Zendesk側の統合連携機能

Zendeskでは、柔軟性と一貫性のあるオープンな統合連携技術を提供し、サポート部門や営業部門が保有する顧客に関する全ての情報を、確認しやすい環境で企業に提供することを目指しています。Salesforceプラットフォーム用のコネクタがその代表的な例です。特に、Zendesk SupportをSalesforceとネイティブに統合連携させることで、質の高いカスタマーエクスペリエンスを提供するという目的が達成できるようになります。

このシステム連携により、SalesforceとZendeskの両方で顧客情報とサポート履歴を確認できるようになるため、営業部門とサポート部門の間で顧客に関する共通認識が持てるようになります。Zendesk SupportとSalesforceの連携は、SalesforceのオープンAPIを用いてZendeskのインフラ上に構築するため、柔軟な統合連携が可能です。

前提事項:用語の定義

ZendeskとSalesforceを統合連携させる場合、データがどのようにマッピングされるかを事前に理解しておくことが重要です。(ZendeskとSalesforceでは、「使用する用語」が少し異なりますが、両方を使用する上で違いを学んでおいてください。)

ZendeskとSalesforceでよく使用される用語は、次のような対応関係になっています。

Zendesk Salesforce
組織 取引先
ユーザー 取引先責任者
ユーザー リード
チケット Zendeskチケット(ケースではありません)

SalesforceとZendeskを統合連携させる前に、Salesforceのデータをクリーニングまたは再構築する必要性がないか確認しておくことをお勧めします。例えば、Salesforceに同一名の取引先が複数存在していても、Zendesk側では同一名の組織を複数作ることができません。これはZendeskには次の制約があるためです。

  • ユーザー(Salesforceの取引先責任者またはリード)は重複していないメールアドレスでなければならない
  • 組織 (Salesforceの取引先)は重複ていしない組織名でなければならない

Salesforce内に保存されたデータを整理して綺麗にしてからZendesk側にデータを引き込めば、直にマッピングしやすくなります。

Salesforceと統合連携するメリット

Zendeskの機能が利用可能

Zendeskでは、ZendeskのAPIを介してどの業務システムとも統合連携が可能なオープンプラットフォームを採用しています。Salesforceとの統合連携についても、十分な仕様の検討を重ねた結果、柔軟性を備えた一貫性のあるオープンプラットフォームで、優れたカスタマーエクスペリエンスを生み出せるように設計しています。

例えば次のようなメリットがあります。

  • 管理業務の集約:Zendesk管理センターで統合連携の設定と管理ができます。
  • Salesforce内でわかりやすいユーザーインターフェース:Salesforceユーザーは容易にZendesk Supportのデータを活用できます
  • シームレスな自動更新
  • Salesforce Lightningへの完全対応
  • 多言語対応
  • カスタマイズ可能で拡張性を確保

営業部門とサポート部門の連携強化

Zendesk for Salesforceで統合連携すると、ZendeskとSalesforceの両方で顧客情報とサポート履歴を容易に確認できるため、営業部門とサポート部門の連携が高まります。

継続的な改善

Zendeskでは、今後も継続的に改善して、Salesforceとの統合連携を充実化させていく計画です。最終的には、効率よく使いやすい豊富な機能が揃った統合連携にすることを目指しています。その一環で、今後も新たな使用例の追加や、Zendeskの他の製品との統合連携、個々のニーズに応じたカスタマイズや拡張性の実現などを図っていく予定です。

注意:制約事項

統合連携によっては、一部の機能が制限される場合があります。初期設定のままで統合連携した場合は、次の機能に対応していません。

  • SalesforceのAPIの使用権限がない場合は使用できません
  • Salesforce Streaming APIが対応していない項目のデータは同期できません
  • Salesforceのカスタムオブジェクトにチケット情報を同期することはできません
  • リアルタイムで双方向にデータを同期することはできません(同期はSalesforceからZendeskへの一方向です)
  • Salesforceの個人取引先には対応していません
  • Salesforceの親/子取引先の階層には対応していません。(データはすべて転送されますが、Zendesk内で階層情報は保持されません。)

このような制約事項にも、いくつか対処方法があります。お客様の状況に応じて最適な統合連携となるよう、カスタマイズや導入支援について、ぜひ担当営業までご相談ください。

一般的な使用事例

次に紹介する使用例のうち、自社にとってどれが最適な方法かを判断する際には、どのような業務や事業上のニーズに対応するためにCRMとZendeskを統合連携させるのか、という点を念頭に置いて検討するとよいでしょう。

この点を明確にしておけば、必要な機能と不要な機能を見極められるはずです。さらに、どの部分をどのようにカスタマイズするのか、なぜカスタマイズをしなければならないかを理解するうえで役立ちます。

Zendesk for Salesforceによる統合連携は、ほぼすべての機能を個別に実装して使用できるため、貴社のビジネスニーズや用途に役立つ連携機能だけを選択して柔軟に導入展開することができます。

企業がZendesk for Salesforceによる統合連携を採用する主な理由とメリットを下記にまとめました。

  1. Zendeskデータを営業部門とSalesforce内で共有

    営業担当者が業務に使用するのはSalesforceで、Zendeskではありませんが、営業担当者は担当顧客に関するZendeskのサポート履歴を確認したいと思っています。例えば、担当顧客に問い合わせる前に、未解決の問い合わせがないかを確認できれば、より適切な対応ができます。これは、営業とサポートの境界が曖昧になってきている最近の傾向によるものです。

    Salesforce内でZendeskのデータにアクセスできれば、営業担当者は顧客に電話をかける前に顧客の温度感を知ることができます。企業によっては、営業担当者がZendeskに保存された顧客対応履歴の簡易的なスナップショットを確認できるだけでいい場合もあれば、SalesforceからZendeskのチケットを作成や変更できるようにした方がいい場合もあります。サポート対応のレベルをひとつ追加することで、成約率が上がることもあります。

    Salesforce内でZendeskのデータにアクセスするには2つの方法があります。どちらの方法が適しているかは、自社の状況に応じて見極めてください。

    1つめの方法:Salesforceの取引先、取引先責任者、およびリードの各画面でZendeskのチケットを表示・編集・作成できるようにする

    この方法の場合、取引先、取引先責任者、リード、および商談の各画面でZendeskのデータをリアルタイムに取得するため、Salesforce側にはデータは保存されません。すべての営業担当者がチケットの内容を確認できるようになります。またZendesk内で営業担当者をエージェントとして割り当てれば、営業担当者がSalesforceからZendeskのチケットを作成・編集できるよになります。

    この方法はAPIコールを使用しないため、Salesforceに保存されたチケットデータを使用する必要がない場合や、API要求数の制限の心配をしたくない場合に適しています。

    この方法を使用してSalesforce内にZendeskのチケット情報を表示するには、Salesforce内でチケットビューの設定Salesforce内でチケットビューの使用方法を参照してください。

    2つめの方法:ZendeskのチケットをSalesforceに送信

    SalesforceでZendeskのデータを表示してより多くの機能を利用できるのが、この2つめの方法です。この方法の場合は、Zendeskのチケットを利用して、Salesforceのケースオブジェクトに新規レコードを作成します。チケットのリクエスタ(サポートを依頼した人)は取引先責任者に、チケットの組織は取引先に、自動的に割り当てられます。

    Salesforce内の既存の取引先データからZendeskのチケットユーザーを見つけ出すことができなかった場合は、新たな取引先責任者と取引先のデータをSalesforce内で自動生成します。これにより、Salesforceの取引先責任者と取引先の画面でチケット情報を容易に表示できるようになります。

    この方法を選択すると、ZendeskのチケットデータがSalesforceに保存されるため、Salesforceの基準に基づいてZendesk Supportのチケットデータを分析して、レポートを作成できるという利点が生じます。これにより、営業部門とサポート部門が顧客とすべてのタッチポイントで会話した履歴の傾向を追跡できるようになります。また、このデータを利用すれば、カスタムワークフローも容易に作成できます。

    この連携方法でSalesforce内にZendeskのチケットを表示する手順については、ZendeskからSalesforceへのチケット同期設定方法をご覧ください。

  2. サービス部門は重要な顧客情報を活用しながら顧客対応が可能に

    問い合わせへの対応中にサポート担当者がSalesforceの情報を確認する必要が出てきた場合でも、そのままZendeskから素早くアクセスできます。この統合連携の実装により、カスタムオブジェクトを含む全てのCRMデータを取得できるため、サポート部門はSalesforce内の顧客プロフィールをリアルタイムでZendesk Supportのチケットの横に表示できます。

    ZendeskでSalesforceのデータを表示する方法については、Zendesk用のSalesforceアプリをご覧ください。

  3. Salesforceの取引先、取引先責任者、リードをZendeskと同期して、データの一貫性とワークフローを確立

    サブスクリプションやサポートレベル、住所など、取引先企業に関する重要な情報をSalesforceに保存している企業は珍しくありません。データの同期機能を使用すればこの情報をZendeskの組織情報に追加できるため、一貫性のあるデータを維持しながら業務を推進できます。

    例えば、トリガを設定して、サービスレベルが「ゴールド」の企業からの問い合わせを自動的に別のサポートグループに割り当てることも可能です。

    この機能はSalesforceからZendeskへ一方通行でリアルタイムにデータを同期し、Zendeskの組織データがSalesforceの取引先データと継続して同期化されます。もちろん、自社のニーズに合わせて、必要なデータ項目だけを選択して同期を設定することもできます。

    Salesforce内で新規取引先が作成された場合、Zendesk側でも組織データが自動作成されるように設定する方法については、SalesforceからZendeskへデータを同期させる設定方法をご覧ください。

注意: 同期化は高度な機能です。Salesforceを新たに導入する場合や、Salesforceを小規模で利用して綺麗なデータを維持できている場合は、この機能を試してみることをお勧めします。Salesforceを利用している部門が多岐にわたっている場合は、この機能を実装するべきかの判断をZendeskの担当営業までご相談ください。

今後の開発計画

Zendesk for Salesforceは、Zendeskの製品プラットフォームに追加したた第一弾のネイティブなシステム連携機能で、今後も多数の追加機能の開発を予定しています。また、この統合連携機能は、すでに多くの大企業のお客様で利用された実績があります。

新規顧客の獲得、または既存顧客の維持のいずれの場合でも、営業プロセスの一環で企業に有益な洞察を提供する重要な役割を果たしています。
Zendeskでは、Salesforceとの統合連携を今後もさらに充実させていく計画です。企業や顧客の双方にメリットをもたらす機能拡張にご期待ください。

詳細情報をご希望ですか?

この統合連携の詳細について、ぜひZendeskにお問い合わせください

この統合連携機能は、企業の日常業務において重要な役割を果たします。ご不明な点やご質問があれば、いつでもお気軽にZendeskの担当営業までご連絡ください。

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