ベンチマークスナップショット:カスタマーエクスペリエンスにおける新型コロナウイルス感染症の影響の追跡

By Ted Smith氏, マーケット・インテリジェンス、シニアディレクター

発行日: 2020年3月27日
最終更新日: 2020年6月30日

新型コロナウイルス感染症の突如発生により、世界中のカスタマーエクスペリエンスチームが大量のチケットの対処、顧客のキャンセル、市場の変動、そして不確実性に適応せざるを得ない状態になっています。毎週、世界状況は変化しており、ビジネスを取り巻く環境は通常ではありません。顧客対応しているチームの多くは在宅勤務に移行しており、さらなる負担が顧客への効率的な対応に影響を及ぼしています。私達の多くは、手探りで調整しながら進んでいる状況です。

Zendeskのベンチマークチームは、Zendeskを使ってサポート業務を行っている企業23,000社に対する世界的な健康危機の影響を追跡しており、今後が予測できないこの状況の中でお客様をサポートするためのこれからのあり方やリソースを提供していきます。

  • Zendeskで把握している現在の状況、またサポートチャンネルの調整方法に関して、いかに企業が迅速な決断で対処しているかはZendeskのLinkedInライブイベントをご覧ください。

更新日:2020年6月18日

今日のポイント

  1. カスタマーサービスリクエストは5月中旬の記録的な件数から減少
  2. 各国で規制緩和が実施され、全地域における件数の減少を確認
  3. 大打撃のあったセクター内の企業へのリクエストも減少または安定化
  4. メッセージングは急速な伸びを継続
  5. セルフサービスの利用がチケットの増加を上回る業界も
  6. 行動の速い企業はメッセージングやヘルプセンターで成功の手応えを実感
  7. 役立つリソース

カスタマーサービスリクエストは5月中旬の記録的な件数から減少

やっとサポートチームも一息つくことができるのでしょうか?世界中が経済活動を慎重に再開し始め、最も打撃を受けたセクター内の企業のサポートリクエストも安定または減少してきています。平均的に、5月中旬のピークの時点からグローバルの1週間あたりのチケット数は約5%ぐらい減少していますが、これが長期的な傾向となるというにはまだ時期尚早といえるでしょう。先週わずかなチケット数の減少がありましたが、その前の6月上旬の平均の1週間あたりのチケット数は増加していました。

チケット数は減少してきていますが、サポートチームはまだ気は抜けません。リクエスト数は危機発生時以前のレベルと比較してもかなり多いからです。去年の今頃と比較すると先週のグローバルサポートリクエストの平均は19%アップしています。

 

各国で規制緩和が実施され、全地域における件数の減少を確認

パンデミックの対処として多くの国々が新たな段階に入り、多くの企業や顧客に対する制限を少しづつ緩和してきています。同時に、各国のカスタマーサポートリクエストも勢いは減衰しています。つい先週は、全ての地域、特にアジア太平洋地域においては1週間あたりのチケット数は危機発生以前のレベルに近いぐらい減少しました。

サポートリクエストは主要な市場では下がっていますが、一部の市場では新たな(高い)割合で安定しています。イギリスでは、商業施設やショッピングセンターを再開する計画に先駆け、サポートチケットの数は危機発生前以下まで下がっていました。そしてカナダでは、過去3週間は事実上変化はなく、2019年時点と比較して20%上回る位置で落ち着いています。

しかしチケット数が一定のペースで増加している事例もあります。コロナウイルスの発症数の増加が報告されている合計よりはるかに多いと考えられるメキシコでは、サポートリクエストはまだピークに達したとはいえないまでも、2月末と比較して57%の上昇しています。事例数が逆方向な傾向を示しているフランスではチケット数は増加しています。わずか数日前、フランスは 「グリーンゾーン」と呼ばれる低リスク に突入し、エマニュエル・マクロン大統領による規制緩和の加速化への動きがありました。

 

大打撃のあったセクター内の企業へのリクエストも減少または安定化

食料品の配達、リモートワークや学習プラットフォーム、小売り、Eコマース、ゲームなど、パンデミックにより著しい影響を受けたセクターのサポートチームが受けるリクエストは横ばいになってきています。

これはビジネスが元通りというわけではありません。2月下旬にチケット数の増加が過去最高になった上記セクターでは、チケットはいまだ平均して48%増加しています。しかしキャンセルや遅延、そして新規ユーザーからの急を要するリクエストの第一波はピークアウトしたようです。

最も影響を受けたセクターの中でも、この危機が始まって以来最大のチケット数増加になった食品配達業は85%となり、続いてゲーム(43%)、リモートワークおよび学習プラットフォーム(40%)、そしてeコマースです(37%)。その逆に、ライドシェア企業においては顧客からのリクエストは45%近く低下していますが、数値は反発しはじめています。そして航空業界においては、お客様が予約をキャンセルし返金を求めたため初期にスパイクが発生しましたが同時期にリクエストは29%下がりました。

 

メッセージングは急速な伸びを継続

チケットの急増はついに収まってきた可能性はありますが、WhatsAppなどのメッセージングチャンネルは今だ加速が続いていて、これは顧客行動の長期的な変化の兆しなのかもしれません。

世界的にみると、WhatsAppの利用は2月下旬から148%増加と、カスタマーサービスへの連絡手段として他のどのチャンネルよりも高い割合となり、これまでに展開規模が小さかった北米も含め、この傾向は全ての地域に当てはまります。Facebookが運営するこのメッセージングサービスは最近アプリ内課金を開始し、より多くのお客様や中小企業に支持される可能性を秘めていますが、現在利用可能なのはブラジルのみです。

FacebookやTwitterを介してのテキストメッセージ(世界的に26%増)やダイレクトメッセージ(21%増)も広く利用されています。

 

セルフサービスの利用がチケットの増加を上回る業界も

通常レベルより多くのチケットはサポートチームを圧倒し続ける中、ヘルプセンターは一部の主要な業界に足を踏み入れてきています。リモートワークや学習プラットフォームにおいては、この時期のヘルプセンターの閲覧は(200%増)カスタマーサポートリクエストより5倍も増加しています。その他の業界でヘルプセンターの利用がチケット数を上回るものとしては物流(110%増、チケット数増加16%と比較)、フィットネス業界(90%増、チケット数減少2%と比較)、そして食品の配達業(40%増、チケット数増加17%と比較)があります。

この危機の中、ヘルプセンターをうまく活用できなかった業界は食品の配達業、小売、そしてeコマースです。

 

俊敏に行動する企業が成功を収める

待ち時間および解決時間の長期化は顧客をより不機嫌にしますが、業界によってはこの状況は間違いなく当てはまります。旅行会社では2月下旬以降メールやウェブフォームでの解決時間が150%増加となり、顧客満足度(CSAT)が4%減少しました。ライブチャネルでは、ゲーム業界の解決時間が80%増加し、CSATは4.5%減少しました。

しかし、このような不確実性の最中で記録的なサービスリクエストの数を受けつつも解決時間の増加をまぬがれている企業も存在します。その秘密は何でしょうか?ベンチマークデータによると、他の誰よりも効率よくチケットをこなしている企業は新たなチャネルを展開したり、顧客のニーズに合わせて素早く既存サービスを拡大したりしました。

この危機の中、Zendeskが保有するデータセット内の約3,600社は安定した解決時間を維持できており、お客様へより良いサービスを提供すべく、迅速にメッセージングやライブチャネルを取り入れています。このグループのメッセージングの採用はこの危機が始まって以来24%に跳ね上がり、また電話およびチャットの採用も(9%)増加中です。

このような企業は顧客が自分自身で解決策を見いだせるようにヘルプセンターの記事を拡大したりAIを駆使したツールでお役立ちリソースに顧客を誘導しています。このグループのうち60%の企業が2月下旬からヘルプセンターを追加しており、また5社に1社が専任のエージェントリソースを割り当て新たなコンテンツを作成しています。同様に、Answer Botを使用している企業の半数はAIを駆使し、10%以上のリクエストを解決し利用率を上げています。

 

役立つリソース

最近の一連の出来事で、企業そしてそのカスタマーエクスペリエンス チームにとって新たな課題が生み出されました。それは、企業にとって一番重要なもの、顧客とチームに追従していくことが増して難しくなっていることです。

痛みとプレッシャーを緩和し、広範囲にわたってサービスが中断する状況の中でもチームが効率よく作業ができるようにZendeskは リモートサポートバンドルを含むリソース一覧をまとめました。これにより、割り振られたチームが顧客が必要とするサポートを提供しつつ、つながりを維持することができます。たとえば、コラボレーションアドオンなど、サポートエージェントがチャンネルをまたいで他のチームとシームレスにコミュニケーションができるSlackなど、Zendeskを離れることなく利用が可能です。

SlackのカスタマーエクスペリエンスVPであるAli Rayl氏は、「弊社は無償のリソースでリモートワークを導入しようとしている世界中の人々をサポートすることに力を入れています。また、弊社は新型コロナウイルスの研究、対応、無料アップグレードによる緩和に取り組んでいる組織も直接サポートしています。今、これまで以上に重要なのは、Zendeskのようなパートナーとの連携を継続し業務を円滑に進めることです。」と述べています。

リモートサポートバンドルやその他のお役立ちリソースは以下をご参照ください:

ソルーション、バンドル、プログラム: