より速く、より良く、より強く—テクノロジーを賢く利用することでCXは大きく変わる

カスタマーサービスにおいて、スピードか質のどちらか一方では不十分です。ビジネスを成功に導くためには、どちらの要素も欠かせません。

By Shawna Wolverton, Zendesk、プロダクト担当エグゼクティブ・バイス・プレジデント

発行日: 2020年10月7日
日更新: 2020年10月26日

カスタマーサービスにおいて、スピードか質のどちらか一方では不十分です。ビジネスを成功に導くためには、どちらの要素も欠かせません。

ESG Research社の調査結果から、CXを成功に導くのは「スピード+有効性」であることが分かりました。CX成熟度で市場をリードする組織は、徹底的に顧客中心の経営を行っています。顧客からのリクエストにより多く対応し、様々なチャネルを介して顧客と関わりを持つと同時に、顧客が抱える問題をより迅速に解決しています。

「スピード+有効性」を表すもうひとつの言葉が、アジリティです。CXチャンピオン企業は、アジリティに長けています。

チャンピオン企業は、スターター企業よりも6.1倍、顧客のニーズに応えるという点で、よりアジャイルにある傾向が高いです。

チャンピオン企業は顧客中心のアジリティに長けている

CXチャンピオン: CXリーダーがいかにビジネスを成功に導いているかというレポートで紹介しているESG社の調査結果は、CX成熟度に関する枠組みを提唱しています。CXを率いる1,000名以上の世界中のリーダーを対象に調査を行った結果、3段階の成熟度レベルに分類できることが分かりました。成熟度の高い順にチャンピオン(Champions)(リーダーレベル)、ライザー(Risers)(平均レベル)、そしてスターター(Starters)(遅れをとる可能性があるレベル)です。

これらのCX成熟度に関するベストプラクティスにより、組織の現状と成長の機会を特定することで、CX管理を比較、対比、改善できます。レポートで述べられている通り、実施する価値は非常に高いのです。

チャンピオン企業によるアジリティに磨きをかけるための取り組みを深掘りし、優れたCXの大きな特徴のひとつである労力の少ないカスタマーエクスペリエンスをテクノロジーを活用していかに実現しているかについて、見ていきましょう。

テクノロジーを活用して顧客とサポートエージェントに労力の少ないエクスペリエンスを提供する

ESG社は、サポート担当者に最善のテクノロジーを提供することを、「多くを達成するための方法」と表現しており、これはチャンピオン企業がチームを成功に導くために行っていることにも表れています。

サポートチームと経営陣が高く評価するテクノロジーを使用するだけでなく、チャンピオン企業の57%は、今後12か月間で投資を増やすことを予定してします。一方のスターター企業では、わずか9%に留まります。これは、CXテクノロジーが継続的かつスケーラブルな投資であることを表しており、「一度導入したらそれで終わり」ではないことを示唆しています。

優れたテクノロジースタックは、チャンピオン企業の成功に大きく貢献していますが、それは、顧客中心の方法で展開した場合に限られます。チャンピオン企業はテクノロジーを活用して、成功に結びつけています。

  • テクノロジーにより、顧客がどこにいても関わりを持つことができる
  • テクノロジーで、CXの最前線に立つサポート担当者とプロセスをサポート
  • テクノロジーは、顧客に「テクノロジーソリューション」という意識さえ抱かせない

テクノロジーにより、顧客がどこにいても関わりを持つことができる

スターター企業と比較した場合、顧客のエンゲージメントにおいて、平均でチャンピオン企業は2つ以上多くのチャネルを提供しています。顧客は、自らが望むタイミングで、自らが望むチャネルを通じて、企業と関わりたいと考えています。ESG社の調査結果は、この事実を裏付けしています。複数のチャネルを提供することは、顧客が求める「労力の少ないエクスペリエンス」を提供するためのひとつの手段です。

当然のことながら、チャンピオン企業は、オムニチャネルを通じたエクスペリエンスの恩恵を最大限に受けています。多くの企業が電話とメールサポートを提供していますが、チャンピオン企業はそれに加えてオンラインヘルプセンター、メッセージアプリ、ソーシャルメディアサポート、ライブチャットサポート、そしてSMSを通じたサポートなどを提供しています。

メッセージアプリとオンラインヘルプセンターは、電話とメールサポートに次いで、3、4番目によく使用されるサポートチャネルです。多くのチャンピオン企業はカスタマーサポートの一環としてこれらのサポートチャネルを導入しており、89%のチャンピオン企業がメッセージアプリを、そして92%のチャンピオン企業がオンラインヘルプセンターを導入しています。

オンラインヘルプセンターと外部のナレッジベースは、CXに大きな影響を与えることができます。なぜなら、顧客は、できるならば、自分で答えを検索し、問題を解決することを望んでいるからです。チケット数を削減できれば、サポートチームはとても助かります。

次に、チャンピオンレベルの企業がテクノロジーを駆使して、サポートの最前線に立つチームとプロセスをいかに支援しているかを見てみましょう。

テクノロジーで、CXの最前線に立つサポート担当者とプロセスをサポート

エージェントの効率性という観点では、スターター企業の3.5倍のチャンピオン企業が上位を占めています。

エージェントをサポートするということは、エージェントをチケット処理専門のマシンや、複数のチャット画面のウィザードにするということではありません。エージェントに最新のテクノロジーを提供することは、燃え尽き症候群を防ぐためにも必要であることが調査結果から分かりました。

顧客のプロファイルを通じてサポートや購入履歴を把握したり、顧客とやり取りをするためにチャネルを自由に切り替えることができたりと、エージェントが顧客についてしっかりと把握することができれば、エージェントエクスペリエンスが向上します。テクノロジーが機能してくれない時ほど苛立たしいことはありません。調査結果から、チャンピオン企業はそれを見据え、予防のためにテクノロジースタックに賢く投資していたことが分かりました。

サポート業務を担当する従業員が業務に使用しているテクノロジーとツールについて、サポート担当者の満足度を評価してもらいました。その結果、チャンピオン企業の93%が最も高い9または10と評価しました。

テクノロジーは、顧客に「テクノロジーソリューション」という意識さえ抱かせない

労力の少ないカスタマーエクスペリエンスは、優れたCXの大きな特徴であり、テクノロジーは、そのエクスペリエンスを簡略化するうえで大きな役割を担っています。ただし、すでに実行しているソリューションに合わせてテクノロジーを導入しなかった場合、かえって問題が複雑化してしまう可能性もあります。

「顧客が複数の部署を回って、正しい回答を得るために何度も同じ質問をしたり、適切なソリューションを得るために複数のチャネルを使用しなければいけないのであれば、顧客の負担が大きすぎます」
CXチャンピオンレポート、ESG Research社 (2020)

レポートでは、業務を最適化する他のAIツールと併せて、チャットボットの有用性にも触れています。チャットボットが意味のない、関連性のない回答を提供したり、間違った場所で回答するなど不適切に展開したら、最悪のエクスペリエンスを招きます。しかし、賢く展開した場合、顧客の疑問の8%を解決でき、繰り返し何度も尋ねられる質問からエージェントを解放することができます。

目新しいからといって簡単にソリューションを追加するのではなく、あくまでも、最前線に立つチームとプロセスをサポートすることを念頭に置くことが大切です。

小売業のある経営者は言います。「最高のCXとは、シンプルで顧客に対応するフロントエンドである。そして、それは、エクスペリエンスを改善し続け、イノベーションを起こし続けるために必要な情報をビジネスに提供してくれる強固なバックエンドにより支えられている必要がある」

チャンピオン企業は顧客の期待に応え、超えていく

衰退するビジネスにはその兆候が表れ、誰もが感じられるようです。CXを継続的に改善できないと、より顧客中心の競合他社にビジネスを奪われるか、という質問をしたところ、回答者の89%が「はい」と回答しました。

CXテクノロジーを賢く活用しつつ、顧客とカスタマーエクスペリエンスに注力することは、顧客ベースを維持し、成長させるための着実な方法です。特に変化の大きい時期において、顧客中心の経営を維持することは容易ではりません。しかし、成功を続ける企業がいかにテクノロジーを活用し、CXを改善し続けているか、Zendesk CIOのColeen Berubeの言葉を参考にしてください。

「成功している企業は、現状維持で満足するのではなく、業界そのものを定義していきます。つまり、常に俊敏でいて、ビジネスの目標を達成するためのツールとして、テクノロジーを能動的に活用しているのです。システムにビジネスの経営方針を合わせているのではありません」