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より速く、より良く、より強く~テクノロジーを賢く使って優れたCXを実現

カスタマーエクスペリエンス(CX)を成功に導くには、スピードと質のどちらの要素も欠かせません。

By Shawna Wolverton, Zendesk、プロダクト担当エグゼクティブ・バイス・プレジデント

発行日: 2020年10月7日
更新日: 2020年11月12日

カスタマーエクスペリエンス(CX)を成功に導くには、スピードと質のどちらの要素も欠かせません。

ESG Research社の調査から、「スピード+有効性」がCX成功のカギであることがわかりました。CX成熟度の高い企業は、徹底的に顧客ファーストの経営を行っています。顧客からの問い合わせに迅速に応答し、問題解決件数も多く、導入しているサポートチャネルも多岐にわたります。

「スピード+有効性」は「アジリティ」という言葉に置き換えられます。CX成熟度の高い企業は、このアジリティに長けている傾向にあります。

チャンピオン企業は、スターター企業よりも実に6.1倍速く顧客のニーズに応答します。

チャンピオン企業は、顧客の動きに合わせたアジリティを実現している

ESG Research社の調査結果をまとめたレポート「CX Champions: How CX Leaders who raise their game are driving business success(優れたCXリーダーに学ぶビジネス成功の秘訣)」では、CX成熟度に関するフレームワークが提唱されています。世界中の1,000名以上のCXリーダーを対象に実施したこの調査では、各企業のCX成熟度が3つのレベルに分類できることがわかりました。成熟度の高い順に、チャンピオン(Champion:リーダーレベル)、ライザー(Riser:平均レベル)、そしてスターター(Starter:遅れをとる可能性があるレベル)です。

CX成熟度に関するベストプラクティスを基に、CXの運用状況を比較、対比すれば、自社の現状とてこ入れが必要な分野を把握し、CXを改善することができます。前述のレポートでも触れられているように、これはうまくいけば非常に効果的な取り組みとなります。

以下では、チャンピオン企業によるアジリティを強化するための取り組みについて取り上げ、そうした企業がテクノロジーをいかに活用して、優れたCXの主な特徴でもある「負担の少ないカスタマーエクスペリエンス」を実現しているのか、詳しく掘り下げていきます。

テクノロジーを活用し、顧客とサポート担当者にとって負担の少ないエクスペリエンスを提供する

ESG Research社によると、サポート担当者に高性能なテクノロジーを提供することは、「多くを達成するための一手段」であり、現にチャンピオン企業は、チームを成功に導くためにテクノロジーに投資しています。

チャンピオン企業で導入されているテクノロジーは、各社のサポートチームや経営陣から高く評価されており、チャンピオン企業の57%は、今後12か月間でテクノロジーへの投資を大幅に増やす予定です(スターター企業の場合、この割合はわずか9%です)。CXテクノロジーは継続的かつスケーラブルに投資する必要があり、一度導入したらそれで終わりではないのです。

優れたテクノロジースタックは、チャンピオン企業の成功に大きく貢献していますが、これは顧客ファーストの視点に基づいて展開された場合に限られます。チャンピオン企業は、次のような点を意識してテクノロジーを活用し、成功に結びつけています。

  • 顧客がいつどこにいてもコミュニケーションをとれる
  • CXの最前線に立つ担当者やその作業プロセスを支援する
  • 顧客にテクノロジーの存在を意識させない

顧客がいつどこにいてもコミュニケーションをとれる

スターター企業と比較した場合、平均してチャンピオン企業は2つ以上多くのサポートチャネルを提供しています。顧客は、いつでも都合の良いときに好きなチャネルで企業に連絡したいと考えており、それはESG Research社の調査結果からも明らかです。複数のサポートチャネルを提供することは、顧客が求める「負担の少ないエクスペリエンス」を実現するための一つの手段なのです。

そして当然ながら、チャンピオン企業は完全なオムニチャネルエクスペリエンスを実現しています。他の多くの企業でも、電話とメールでのサポートは提供していますが、チャンピオン企業の場合はそれに加えて、オンラインヘルプセンター、メッセージアプリ、SNS、チャット、SMSを介したサポートも提供する傾向が高くなっています。

メッセージアプリとオンラインヘルプセンターは、電話とメールについで、3、4番目に多く使用されるサポートチャネルです。チャンピオン企業での導入が目立っており、実に89%のチャンピオン企業がメッセージアプリを、92%がオンラインヘルプセンターを導入しています。

オンラインヘルプセンターと顧客向けナレッジベースを導入すれば、CXに大きなメリットがもたらされます。顧客はできれば自力で情報を検索し、自ら問題を解決したいと考えているからです。これにより、チケット件数が削減されれば、サポートチームのメリットにもつながります。

次に、チャンピオン企業がいかにテクノロジーを活用して、CXの最前線に立つ担当者やその作業プロセスを支援しているのか、詳しく見ていきましょう。

CXの最前線に立つ担当者やその作業プロセスを支援する

担当者の効率性という観点でも、チャンピオン企業はスターター企業の3.5倍優れたパフォーマンスを発揮しています。

担当者を支援するといっても、チケットを延々と処理させたり、複数のチャットスレッドを忙しく行き来させることが主な目的なわけではありません。調査結果によると、最新のテクノロジーを導入することは、担当者の負担を軽減するうえでも役立ちます。

過去のサポート内容や購入履歴が網羅された顧客プロフィールを通じて、顧客の全体像を把握したり、複数のチャネルを適宜使い分けて顧客とやり取りしたりできるようになれば、担当者のエクスペリエンスは向上します。実際、粗末なテクノロジーに足を引っ張られることほど苛立たしいことはありません。調査では、チャンピオン企業がそれを見据え、テクノロジースタックに賢く投資してきたこともわかっています。

サポート業務で利用されているテクノロジーやツールに対するサポートチームの満足度について、チャンピオン企業の93%は10段階中9または10評価を獲得しました。

顧客にテクノロジーの存在を意識させない

負担が少ないことは、優れたCXの大きな特徴であり、テクノロジーはCXを簡素化するうえで重要な役割を担っています。ただし、実際のソリューションに合わせて注意深くテクノロジーを導入しないと、かえって問題が複雑化してしまう可能性もあります。

「顧客が適切な解決策を得るために、複数の部署をたらい回しにされたり、何度も問い合わせをしたり、いくつものチャネルを使っているとしたら、それは顧客に過度な負担をかけていることにほかなりません」

CXチャンピオンに関するレポート、ESG Research社(2020)

前述のレポートでは、業務の最適化に役立つ手段として、他のAIツールと併せてチャットボットの有用性にも触れられています。これはうまく活用できないと、意味不明で関連性のない回答を提供したり、不適切な場面で登場させたりして、悪い影響を及ぼしかねませんが、賢く活用できれば、何度も寄せられる簡単な問い合わせへの対応を自動化して、顧客の疑問の8%を解決できるようになります。

ただし、目新しさに惹かれてむやみにソリューションを追加することがあってはなりません。前述のとおり、あくまでここでの目的は、現場の最前線に立つ担当者とその作業プロセスを支援することなのです。

とある小売業の経営者が言うように、優れたCXは、顧客からじかに見えるフロントエンドが簡潔で、その裏には必ず、CXを継続的に改善するために必要な情報が集約された強固なバックエンドが存在します。

チャンピオン企業は顧客の期待以上のサポートを提供する

衰退に向かっている企業には、だれが見てもわかるような兆候が表れているものです。CXを継続的に改善できないと、顧客ファーストの競合他社に差をつけられると思うかという質問では、回答者の89%が「はい」と答えました。

テクノロジーを賢く活用しながらCXの改善に取り組むことは、顧客ベースを維持、拡大するための着実な方法です。変化の大きい時期は特に、顧客ファーストの経営を維持することは簡単ではありませんが、成功している企業がテクノロジーを使ってCXの改善に取り組んでいることは、ZendeskのCIOを務めるColeen Berubeの言葉からも明らかです。

「成功を収めている企業は、現状維持で満足することなく、常にビジネスの本質を捉えようとします。そうした企業は変化に敏感であり、システムにビジネスの経営方針を合わせるのではなく、企業目標を達成するためのツールとしてテクノロジーを能動的に活用しています」

CXチャンピオンになろう

CX成熟度の高いチャンピオン企業が優れたCXで顧客に影響を与えている方法について学んでください。