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コールセンターのオンボーディングで気をつけるべき3つのポイント

更新日: 2019年2月16日

「企業とお客様をつなげる」という意味で、大きな役割を担うコールセンターのオペレーター。受付窓口のように直接お客様と向き合うことはありませんが、声だけのやり取りに頼らざるを得ないため、お客様と直接、向き合うとき以上に繊細な対応が求められることがあります。
そこで重要になるのが、オペレーターの「オンボーディング」です。コールセンターでのお客様とのやり取りがクレームや顧客満足度の低下に直結することも珍しくないため、しっかりとした教育が欠かせません。
今回は、コールセンターのオペレーターの「オンボーディング」で気を付けるべき3つのポイント、ならびにコールセンター教育のカリキュラム、コールセンターならではの注意点について紹介します。

オンボーディングとは?

オンボーディングとは、乗物に乗っているという意味の「On board」という言葉がもとになっています。人事用語としては、新しく組織に加入した人材の受け入れから一員として定着させ、戦力化するまでのプロセスを指します。新規で採用した人材の研修プログラムとほぼ同義ですが、オンボーディングは仕事を覚えてもらうための短期の研修ではなく、組織のルールや文化に慣れてもらうために、時間をかけて継続的にサポートしていく点が違いといえるでしょう。

オンボーディングのポイント

(1)商品知識よりも電話対応

お客様からかかってくる電話の多くは商品・サービスに対する問い合わせ、クレームです。そのため、新人オペレーターのオンボーディングも商品知識を優先して教えたほうが早く現場に出られると思いがちです。商品知識が必要であることはもちろんですが、実はそれよりも電話対応のほうが重要であり、オンボーディングのポイントといえます。

「笑顔を感じさせる話し方」「相手に威圧感を与えない語尾の作り方」「話す速度・声の大きさ・トーン」「敬語・丁寧語」などの基本的なことから技術的なことまで、まずはお客様に対して最善の受け答えができるように教育します。商品知識があって疑問を解決できたとしても、電話対応が適当であったり、冷たい話し方だったりすると、相手に良い印象を与えることはできません。

(2)短期間で結果を出そうと考えない

新人オペレーターがしっかり電話対応ができるようになれば、次のオンボーディングのフェーズは商品やサービス知識の教育になります。ここで気をつけるべきポイントは、決して短期間で結果を出そうとしないことです。コールセンターのオペレーターは会社のあらゆる問い合わせやクレームに対応しなければならないため、多くの知識を学習する必要があります。そのため、短期間で成果を上げることは簡単ではありません。

受付窓口や店舗に立つ販売員であれば、研修マークをつけることで、お客様に研修中であることを伝えられますが、電話オペレーターの場合はそうはいかないでしょう。また、コールセンターに届く問い合わせやクレームなどは、急いで結果を出したいお客様が多いため、「研修中だから」という会社側の都合は通りません。そういった意味でも、すぐに現場で活躍できるようにするのではなく、オンボーディングにはある程度の期間をかけることが重要です。

(3)モチベーションの維持を重視する

対面での対応に比べて、電話対応は相手の顔が見えないこともあり、お客様の言いたいことが理解しにくかったり理不尽に思えたりで、新人オペレーターはストレスが溜まりやすくなります。また、新人のころは失敗して叱られたり落ち込んだりするケースも多く、モチベーションを維持するのは簡単ではありません。さらに、コールセンターは覚えることが多く、無理やり詰め込みすぎようとすることでも、モチベーションの低下につながってしまう可能性があるでしょう。

このような状況を避けるには、教育を1回で終わりにせず、継続的にサポートしていくことで新人オペレーターがストレスを抱えないようにし、モチベーションを維持させていくことが重要です。

このように、コールセンターオンボーディングは、電話対応、商品・サービスの知識、現場での研修、といった流れで行います。オペレーターが現場に出てからも目標をつくり、達成したかどうかを定期的に確認しつつ、フォローアップ研修をすることでモチベーションの維持を図ります。

まとめ:
オンボーディングのポイントは時間をかけて教育していくこと

電話という限られたツールを使用し、お客様からクレームを受ける機会も多く、ストレスが溜まりやすいオペレーター業務。だからこそ、教育もそこそこに現場に出してしまうと、離職が頻発する結果になり、教育コストばかりが膨らんでしまいます。

このような事態を防ぐには、短期間ですぐ結果を出そうとしないことが重要です。オンボーディングでは商品知識を教える前に、まずは電話対応をしっかりとできるように教育し、クレームが発生したときにも落ち着いて対処できるようにします。そのうえで、モチベーションを維持するための継続的な研修を行うと、離職率を下げ、優秀なオペレーターを育成できるようになるでしょう。

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