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CCaas(コンタクトセンター・アズ・ア・サービス)とは?

CCaaS(クラウドコンタクトセンター)ソリューションを採用すれば、旧来のコールセンター技術とは比較にならないスピードで、すべてのチャネルで顧客とやりとりできる体制が整います。

更新日 2024年2月24日

コールセンターの運営は過酷な仕事です。

問い合わせの電話が絶えないなかで、技術的な障害が起こることもあります。忍耐力と粘り強さがなければ、コールセンター運営の仕事は務まりません。この管理を容易にしてくれるのが、CCaaSと呼ばれる、クラウドを利用したコールセンターソフトウェアソリューションです。

CCaaSソフトウェアは、2022年までに、約50%のコンタクトセンターで優先的に採用されるようになると言われています。

このソフトウェアがコールセンターにもたらすメリットを今のうちにしっかり理解しておけば、企業として将来に備えて体制を整えられるはずです。

CCaaSとは

CCaaSとは「Contact center as a service」の略で、クラウドで利用できる企業向けコンタクトセンターソフトウェアソリューションを指します。

CCaaSは、電話システムと通話フローに焦点をあてた従来型コンタクトセンターの代替ソリューションとして、企業の信頼を集めています。

CCaaSソフトウェアはオムニチャネルであるため、このソフトウェアを導入すると、サポート部門が次のチャネルで顧客にサービスを提供できるようになります。

  • SNS
  • チャット
  • メール
  • その他のコミュニケーションチャネル

CCaaSの成り立ちを理解するためには、1995年までさかのぼる必要があります。ちょうどTLCの『Waterfalls』がヒット曲になった頃です。 この年に、CosmoComがIPを利用したコンタクトセンター技術を導入し、この技術の特許を取得しました。どちらも企業としては初めてのことでした。当時の技術がそのまま今のCCaaSになったわけではありませんが、この出来事がその後の一連の技術発展の大きなきっかけとなったことは確かです。

現在のCCaaSが生まれたのは2000年代初頭のことです。それまで一般的だったのは、企業の施設内にコールセンターソフトウェアを導入するというやり方で、特定のコンピュータからしかアクセスできないという不便さがありました。この従来のアプローチの限界に気づいたのがテック企業です。テック企業は時代にそぐわない状況を刷新すべく、インターネット接続さえあれば利用できるコンタクトセンターソフトウェアを作り出しました。

そして今日に至るわけですが、CCaaSはいまやコールセンター改革の先導役ともいえる存在です。



CCaaSソリューションの4つのメリット

CCaaSと自社保有のコールセンターソリューションの間には、わかりやすい違いがあります。

  • 自社保有のソリューションの場合は、ひとつの物理的な場所を選んで、コンタクトセンター用のソフトウェアとハードウェアを設置します。
  • 一方、CCaaSは、完全にクラウドベースであるため、複数の拠点からアクセスできます。

新型コロナウイルス感染症の発生以来、企業の間でCCaaSソリューションの導入が加速しています。これは大企業に限られた話ではなく、規模の大小を問わず共通する動向です。CCaaSソリューションの採用が増えている背景には次があります。

  • リモートワークとソーシャルディスタンス対策の増加
  • 医療機関や政府支援といった需要の高いサービスの提供者に対する問い合わせの電話の増加

パンデミックの発生以来、企業の間でCCaaSソリューションの導入が加速しています。これは大企業に限られた話ではなく、規模の大小を問わず共通する動向です。

しかし、CCaaSがもたらす価値は新型コロナウイルス感染症の対策にとどまりません。CCaaSが企業に選ばれているのは、労働力管理を促進しながら、顧客との関係を深めてよりよい体験を生み出せるからです。

次のセクションでは、企業の間で、従来のコンタクトセンターからCCaaSへの移行が進んでいる4つの理由をご説明します。

1.コスト効率がよい

CCaaSはクラウドを利用したソリューションであるため、従来のコールセンターシステムの場合に必要になる付帯費用の多くを削減できます。高価なハードウェアの購入費用や、サポート対応のためのIT部門の増員に要する費用、全般的なエネルギー費を節約できます。

さらに、使用量に基づいた料金体系になっていることも、費用の節約に大きく貢献します。従来のコールセンター技術の場合は、頻繁に利用しても、まったく利用しなくても費用は変わりません。CCaaSでは、月額または使用量に応じた料金になっていることが多いため、企業として実際に得た価値に見合った請求額になります。

2. マルチチャネルコミュニケーションができる

顧客に好まれる問い合わせ方法が電話だからといって、顧客がこの方法しか選べないようでは困ります。ミレニアル世代とZ世代からの問い合わせが増えつつある現在、顧客とのやりとりは電話に限られません。SNS、チャット、メールなどを使った問い合わせも増えています。

CCaaSソフトウェアがあると、こうしたマルチチャネルのやりとりが非常に容易になります。

  • 情報がリアルタイムで更新されるダッシュボードが用意されているため、サポート担当者はどの顧客がどのチャネルを利用しているかをひと目で確認できます。
  • レポートを生成して、全チャネルのパフォーマンスを測定できます。

CCaaSでマルチチャネルコミュニケーションを提供することは、顧客にとって便利なだけではありません。サポート担当者にもメリットがあります。サポート担当者は顧客がどのチャネルを選んでも、すぐにその方法で効果的に対応できるようになります。

3. 注文履歴を確認できる

サポート担当者が苦労を強いられる場面も出てくるのが、コールセンターの現実です。サポート担当者は顧客に満足してもらえる体験を生み出すことに努めるだけでなく、リアルタイムで顧客情報を探し当てなければなりません。これは簡単にできることではありません。ときには、顧客が短気を起こすこともあり、不運にも、闘争心むき出しの相手に対応しなければならないことも出てきます。

こうした危機を乗り切る時に大きな助けになるのがCCaaSソリューションです。

CCaaSソリューションを導入していれば、サポート担当者は顧客とのやりとりを中断しなくても、簡単に、どの製品を使っているのかを調べたり、購入履歴を確認したりできます。顧客のアカウント情報が表示された状態で対応できるため、顧客の個人的な質問に答えながら、適切な解決策に向けてうまく導きやすくなります。

製品情報や注文履歴にもすぐにアクセスできるため、より迅速に顧客にサポートを提供できます。

4. 実用的なレポートと分析機能を利用できる

膨大なページからデータを選り分けるのに追われている状況では、顧客の問題を解決して質の高い体験を提供するために十分な時間をとれません。

CCaaSには、自動レポート機能や分析機能が備わっています。このソフトウェアでは、コールセンターに関係する例えば次のような重要指標が追跡されます。

  • アップタイム(システム稼働時間)
  • ダウンタイム(システム不稼働時間)
  • 不在着信と着信拒否

これらのデータを活用すれば、コールセンター全体の業務パフォーマンスを大幅に向上させることも不可能ではありません。例えば、不在着信が急増しているのであれば、問い合わせが増える時間帯に十分な人数のサポート担当者を確保できているかを確認すべきだといえるでしょう。

信頼できる効率的なコールセンターをCCaaSで構築する

当分の間、CCaaS技術がなくなることは考えられません。2027年までには、世界のコンタクトセンターソフトウェア市場は723億ドルまで成長すると見込まれています。

このソフトウェアは、新型コロナウイルスの発生により、さらに重要性を帯びています。場所が限定されたコールセンターにサポート担当者を集めるのが困難な状況下で、サポート担当者がどこからでも簡単かつ安全にアクセスできるソリューションが企業に求められています。

CCaaSソフトウェアソリューションで、時代を先取りしたコールセンターを運営しましょう。ぜひZendeskの無料トライアルをお試しください。メリットを実感していただけるはずです。

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