現代の消費者は、電話だけでなく、メッセージアプリ、メール、SNS、チャットなど、状況や好みに応じて多様なコミュニケーション手段を使い分けています。限られたサポートチャネルしか持たない企業は、顧客と接触する重要な機会を逃し、競合他社に後れを取ってしまうかもしれません。
そこで注目されているのが、あらゆるチャネルで顧客とコミュニケーションを取れる「コンタクトセンター」です。近年では、AI技術の進化により、チャットボットやAIエージェントによる自動応答、音声認識、感情分析など、AIを活用したコンタクトセンターが台頭しており、24時間365日の自動対応や、顧客一人ひとりに最適化されたサービス提供が可能になりました。
この記事では、コンタクトセンターの基本的な仕組みやコールセンターとの違い、その重要性について解説します。あわせて、AI時代に求められるコンタクトセンターの姿や、AIをどのように活用すべきか、さらに効率的な運営方法まで詳しくご紹介します。
目次
- コンタクトセンターとは?コールセンターとの違い
- コンタクトセンターが求められる3つの理由
- コンタクトセンターを変革する3つのAI機能
- コンタクトセンターを支える15の主要システム・機能
- コンタクトセンター運営でよくある5つの課題
- 効率的なコンタクトセンター運営の6つのポイント
- コンタクトセンター導入の5ステップ
- Zendeskで実現するAI時代のコンタクトセンター
- よくある質問
- まとめ:AI技術を活用したコンタクトセンターで顧客満足度を高めよう
コンタクトセンターとは?コールセンターとの違い
コンタクトセンターとは、電話、メール、チャット、SNSなど、複数のコミュニケーションチャネルを通じた顧客対応を一元的に管理する組織または部門を指します。
コンタクトセンターの主な4つの業務
コンタクトセンターでは以下の4つの業務が行われています。
問い合わせ対応:製品の使い方やトラブルシューティング、サービス内容の説明など、顧客からのさまざまな問い合わせに答える業務です。
手続き対応:契約内容の変更や住所変更、返品・交換手続きなど、各種手続きを案内・処理します。
解約抑止:解約を希望する顧客に対して原因をヒアリングし、問題解決策や代替プランを提案します。
アウトバウンド:新規顧客の開拓や既存顧客へのフォローアップ、アップセル・クロスセルを行います。
コンタクトセンターとコールセンターの違い【比較表】
コールセンターとコンタクトセンターの大きな違いは、対応可能なコミュニケーションチャネルの範囲にあります。以下の比較表で両者の定義上の違いを確認しましょう。
※比較表は定義上の違いです。実際には「コールセンター」と呼ばれる組織でもメールやチャットに対応しているケースは多く、実質的にコンタクトセンターとして機能している場合もあります。
| 比較項目 | コールセンター | コンタクトセンター |
|---|---|---|
| 対応チャネル | 電話(音声通話)が中心 | 電話、メール、チャット、SNS、メッセージアプリなど複数 |
| 顧客との接点 | オペレーターと顧客が1対1で会話 | 複数チャネルで顧客の好む方法に対応 |
| 運用形態 | 有人対応が中心 | 有人対応とチャットボット等の自動応答を併用 |
| 対応範囲 | 電話を好む顧客に特化 | テキストベースを好む顧客や多様な問い合わせ手段に対応 |
| 履歴管理 | 通話履歴が中心 | 全チャネルの対応履歴を一元管理 |
コールセンターは主に音声通話による顧客対応に特化した組織であり、オペレーターと顧客が1対1で会話します。一方、コンタクトセンターは電話対応の機能も備えていますが、他にもデジタルチャネルを含めたさまざまなチャネルを統合的に管理します。テキストベースでのやり取りを好む顧客層や、多様な問い合わせ手段を求める顧客にも柔軟に対応できる点が特徴です。
名称にかかわらず、自社の顧客対応がどのチャネルをカバーしているかを把握し、顧客ニーズに合った体制を整えることが重要です。
カスタマーサービス全体の設計については、下記記事も参考にしてください。
コンタクトセンターが求められる3つの理由
現代のビジネス環境において、コンタクトセンターは単なるサポート窓口ではなく企業にとって競争力を左右する存在です。以下では、コンタクトセンターが果たす主要な役割とその重要性について解説します。
理由1:顧客とのコミュニケーション手段の多様化
デジタルネイティブ世代が台頭してきたことで、顧客が求めるコミュニケーション手段は大きく変化しています。電話での問い合わせに心理的な抵抗を感じる層や、自分の都合の良い時間帯に非同期でやり取りしたい顧客が増加傾向にあります。ZendeskのCXトレンドレポート2026年版では76%の消費者が「テキスト、画像、動画を同じスレッドで送れる企業を選びたい」と回答しています。
コンタクトセンターは、こうした多様なニーズに応えるために複数のチャネルを用意し、顧客がより気軽に相談できる方法でサポートを受けられるようにすることが重要です。問い合わせに対するハードルを下げることで、より多くのフィードバックを収集できるようになります。
オムニチャネル対応の重要性については、下記記事で詳しく解説しています。
理由2:顧客満足度と売上への直接的な貢献
顧客が製品やサービスを選択する際は、機能や価格だけでなく、購入前後のサポートを含めた体験も重視しています。実際に86%の顧客が「迅速かつ正確な対応が購入意欲に大きく影響する」と回答しており、問題が発生した際に迅速かつ適切な解決策を提供できるかどうかは、顧客満足度を左右する重要な要素です。
コンタクトセンターが複数チャネルで一貫した高品質なサポートを提供することで、顧客は安心感を得られ、ブランドへの信頼が高まるでしょう。さらに、優れた顧客体験はリピート購入や口コミによる新規顧客獲得にもつながり、長期的な収益向上に貢献します。
顧客満足度の測定と向上施策については、下記記事をご覧ください。
理由3:製品・サービス改善に活かせる「顧客の声」の集約
コンタクトセンターには、顧客の生の声が日々蓄積されます。製品の不具合報告や機能改善の要望、競合製品との比較意見など、事業の成長には欠かせない貴重な情報源です。これらのデータを収集・分析し、商品開発部門やマーケティング部門と共有することで、市場ニーズに合致した製品改良や新サービスの企画が可能になります。また、頻繁に寄せられる質問をFAQとして公開することで、顧客の自己解決を促進し、オペレーターの業務負荷軽減にもつながります。
顧客の声を活用したサービス改善については、下記記事も参考にしてください。
コンタクトセンターを変革する3つのAI機能
近年、生成AIの急速な発展によって、コンタクトセンターは大きな変革期を迎えています。以下では、コンタクトセンターの業務効率や生産性を高める3つのAI機能について解説します。
AIアシスタント:現場の応対をリアルタイムでサポート
AIアシスタントとは、オペレーターが今まさに対応している顧客とのやり取りを、速く正確にサポートする機能です。たとえば電話やメール、チャットの問い合わせ内容を瞬時に要約し、顧客の目的や感情を検知することで、最適な回答候補や関連するFAQ記事をリアルタイムで提示します。
また、対応終了後には自動で要約やネクストアクションを提案したり、顧客への回答文やFAQ記事の作成をサポートしたりすることも可能です。
こうしたアシスタント機能は、特に経験の浅いオペレーターにとって、経験豊富なベテランがすぐ隣にいてくれるかのような心強い味方となります。新人教育にAIアシスタントを積極的に利用することで、スキルアップを効果的に行えるため、これまでよりも教育にかける期間やコストを大きく抑えられます。
ほかのメリットとして、定型的な問い合わせであれば、AIエージェントやボイスボットが人間の代わりに一次対応を行い、必要に応じて人へ円滑に引き継ぐことができます。その結果、オペレーターはより複雑な対応に集中でき、生産性の高い働き方が可能になるのです。
ZendeskのCopilotはオペレーターの業務を支援する機能として非常に役立つ存在です。上記のようにリアルタイムで次のアクションを提示してくれるほか、単純作業のサポートも行います。
AIを活用したカスタマーサポートについては、下記記事で詳しく解説しています。
カスタマーサポートAI完全ガイド | メリット・活用法・導入ステップ
リアルタイム分析・ルーティング:当日の運用を自動最適化
リアルタイム分析・ルーティングとは、現在進行中の混雑状況や品質を可視化し、配分をその場で最適化する機能です。具体的には問い合わせの到着量や放棄率、サービスレベル(SL)、オペレーターの在席・稼働状況などのライブ指標をAIが常時監視することで、リソース配分の最適化や緊急対応が必要な問題の早期発見が可能になります。
また、通話中にカスタマーハラスメント(カスハラ)にあたるキーワードを検知してアラートを出したり、しきい値を超えた際には臨時シフトの検討、チャネル回線の開放、優先キュー化といった対処案を提案したりします。
さらに、オペレーターのスキルやSLA(サービスレベルアグリーメント)、顧客価値、感情スコアなどを加味した自動ルーティングにより、最適な担当者へ問い合わせを振り分けることが可能です。
このように、従来は人の勘や経験に頼っていた意思決定や運用は、AIが導き出すデータに基づいた判断へと変わり、常に最適な状態でコンタクトセンターを運営できるようになっています。
AIインサイト:中長期の改善と意思決定を支援
AIインサイトは、蓄積された大量の顧客対応データから有益な知見(インサイト)を発見し、コンタクトセンターの仕組み自体を改善していく機能です。AIが問い合わせログを自動的に整理・分析することで、よくある質問や課題、顧客の潜在的ニーズを明らかにできるため、製品改善やFAQの拡充、対応プロセスの見直しに活用できます。
また、品質管理(QA)の自動化により、対応内容の評価を効率化したり、過去のデータから呼量を予測して必要席数を提案する(WFM:ワークフォースマネジメント)ことで、人員計画の精度を高めたりすることも可能です。このような分析作業は従来手作業で行っていましたが、AIが代わりに行い自動化することで、担当者はより価値の高い戦略的業務や意思決定に時間を割けるようになります。
コンタクトセンターを支える15の主要システム・機能
コンタクトセンターを効果的に運営するには、多様なチャネルをまとめて管理し、オペレーターの業務を支援する各種システムの導入が不可欠です。ここでは、コンタクトセンターに必要な15の主要システム・機能について解説します。
問い合わせ管理システム
電話、メール、チャット、SNSなど異なるチャネルからの問い合わせを1つの画面で一元管理するシステムです。各チャネルでの顧客とのやり取りを記録することで、過去の対応履歴や顧客情報をすぐに検索・参照でき、チャネルをまたいだシームレスな対応が可能になります。
問い合わせ管理の効率化については、下記記事で詳しく解説しています。
問い合わせ管理システムの選び方とは? 機能や導入メリットを一挙解説
FAQシステム
顧客からよく問われる質問とその回答をわかりやすく整理し、顧客が自分で問題を解決できる仕組みを提供するシステムです。FAQを整備しておくことで顧客は24時間いつでも疑問を解決でき、結果として問い合わせ件数が削減されます。オペレーターはより複雑な問題に集中できるようになり、業務効率が大幅に向上します。
FAQシステムの選び方については、下記記事をご覧ください。
【2026年版】FAQシステム比較13選 機能・価格・選び方
チャットボット・AIエージェント
チャットボットは、AIを活用して顧客からの問い合わせに自動応答するシステムです。よくある質問や定型的な手続きであれば、24時間365日、オペレーターなしで最適な回答を即座に提供できます。顧客は営業時間を気にせずサポートを受けられ、オペレーターは複雑な案件により多くの時間を割けるようになります。
このチャットボットにAIを搭載し、より顧客の不安や悩みに柔軟に対応できるシステムがAIエージェントです。AIエージェントはチャットボットよりも高度な対応が可能になるため、より多くの問い合わせを解決できます。こうした自動対応によりオペレーターはより価値の高い案件に集中でき、生産性を高められます。
チャットボットの導入については、下記記事で詳しく解説しています。
チャットシステム
顧客とオペレーターがリアルタイムでテキストベースのやり取りを行うシステムです。電話に抵抗感を持つ顧客層や、特に若年層など使い慣れたコミュニケーション方法を好む顧客に対応できます。気軽にやり取りでき、画像やファイルの共有も電話やメールに比べて容易です。また、1人のオペレーターが複数の顧客と同時対応できるため、電話対応と比較して効率的な運営が可能になります。
ルーティング
問い合わせを適切なオペレーターに自動で振り分ける機能です。優先度に基づいた振り分けにより緊急度の高い問い合わせを優先的に処理できます。またオペレーターのスキルによって振り分ける場合は、問い合わせ内容に応じて専門知識を持つオペレーターに割り当てられます。こうした自動振り分け機能により待ち時間の削減や解決率の向上が見込め、結果的に顧客満足度の向上にも期待できます。
QA(品質管理)
オペレーターの応対品質を評価・管理する機能です。通話内容やチャット履歴を記録し、応対品質を定期的にチェックすることで、サービスレベルの維持向上を図ります。
近年ではAIを活用した自動評価機能も注目されています。AIを活用することでリアルタイムでやり取りを評価でき、その場で個別最適化されたフィードバックやトレーニングも可能です。また全件レビューも可能になり、評価のばらつきを抑えられます。こうしたAI時代ならではのQAシステムはコンタクトセンター全体の品質向上に寄与します。
応対品質の向上については、下記記事も参考にしてください。
応対品質とは?評価方法・KPI・向上の5ステップをわかりやすく解説
WFM(ワークフォースマネジメント)
オペレーターの勤務シフトや人員配置を最適化する機能です。過去の問い合わせ件数やトレンドを分析し、時間帯別・曜日別の需要を予測することで、適切な人員配置を可能にします。人件費の無駄や、人員不足による顧客の待ち時間増加を防ぎ、コストの削減やサービス品質の向上につながります。
WFMの詳細については、下記記事で解説しています。
ワークフォースマネジメント(WFM)とは? 意味・要素・事例
分析・レポーティング
コンタクトセンターで発生するさまざまなデータを収集・分析し、業務改善に活用する機能です。問い合わせ件数や応答時間、解決率、顧客満足度などのKPIをリアルタイムで可視化し、課題の早期発見を可能にします。また、顧客の声を体系的に分析することで、製品改善やサービス向上のヒントを得られるでしょう。
セキュリティ・権限管理
コンタクトセンターは顧客の個人情報や機密データを取り扱うため、適切なアクセス管理が重要です。セキュリティ対策としてはオペレーターごとに閲覧・編集権限を設定し、情報漏洩リスクを抑えることが有効です。また、すべての操作履歴を記録する監査機能を導入することで、不正アクセスや情報の不適切な取り扱いを検知・追跡できます。近年厳しくチェックされているコンプライアンスを遵守することは顧客からの信頼獲得に欠かせません。
CTI
CTIは「Computer Telephony Integration」の略で、コンピュータと電話システムを連携させる技術です。着信時に顧客情報を自動的に画面表示することで、オペレーターは顧客の過去の問い合わせ履歴や契約内容を即座に把握できます。
また、着信をオペレーターのスキルや対応状況に応じて自動振り分けする機能も備えており、待ち時間の短縮と対応品質の向上に役立ちます。管理者は通話中のオペレーターをモニタリングしたり、必要に応じてリアルタイムでアドバイスを送ったりすることも可能です。
CRM
CRMは「Customer Relationship Management」の略で、顧客との関係性を管理するシステムです。顧客の基本情報、購入履歴、過去の問い合わせ内容、対応履歴などを一元管理し、部門やオペレーター間でシームレスに共有できます。担当者が変わっても一貫した対応が可能になり、顧客は何度も同じ説明をする必要がなくなります。蓄積されたデータを分析することで、顧客ニーズの把握やサービス改善にも活用できます。
顧客管理の方法については、下記記事で詳しく解説しています。
顧客管理の方法とは?目的や重要性からツールの選び方までまとめて解説
ACD
ACDは「Automatic Call Distributor」の略で、着信を事前に設定したルールに基づいて自動的に振り分ける機能です。オペレーターの稼働状況、スキルレベル、顧客の優先度などを考慮して最適な担当者へ接続することで、待ち時間の短縮と迅速な問題解決を実現します。
また、混雑時には待ち呼数や予想待ち時間をアナウンスする機能もあり、顧客の不安を軽減します。リアルタイムでコール状況を可視化できるため、管理者は適切な人員配置の判断が可能になります。
IVR(自動音声応答)
IVRは「Interactive Voice Response」の略で、自動音声ガイダンスによって顧客を適切な窓口へ誘導する機能です。「契約内容のお問い合わせは1を、技術サポートは2を押してください」といった音声案内により、顧客は目的に応じた部門へ円滑に接続されます。照会業務であれば、音声認識やプッシュボタン操作だけで完結させることも可能です。こうした機能はオペレーターの負担を軽減しながら、顧客の自己解決を促し、より円滑な問題解決につながります。
通話録音
通話内容を記録する機能で、品質管理や教育研修において重要な役割を果たします。録音データを分析することで、オペレーターの応対スキルを評価し、改善点を具体的にフィードバックできます。また、トラブル発生時には過去のやり取りを正確に確認できるため、事実関係の把握や適切な対応方針の決定に役立ちます。顧客とのやり取りの証拠としても機能し、クレーム対応時の重要な資料となります。
SMS送信
携帯電話番号宛に短いテキストメッセージを送信する機能です。電話が混み合っている際の代替案内や、予約確認、パスワードリセットの認証コードなど、簡潔な情報伝達に適しています。メールと比較して開封率が高く、顧客がすぐに気づく点が特徴です。また、WebサイトのFAQページやチャットボットへ誘導するURLを送信することで、電話以外のチャネルへ円滑に案内できます。
コンタクトセンター運営でよくある5つの課題
コンタクトセンターを運営する中で、多くの企業が共通して直面する課題があります。
課題1:複数チャネルの管理が煩雑で手間がかかる
電話、メール、チャット、SNSなど、複数のコミュニケーションチャネルを提供している場合、それぞれ異なる管理画面やツールで運用していることが多くあります。顧客が途中でチャネルを変更すると、以前のやり取りが引き継がれず、同じ説明を繰り返す必要が生じます。また、チャネルごとに応対履歴が分散していると、顧客の全体像を把握することが困難になり、パーソナライズされたサービス提供が難しくなります。
課題2:非効率な業務フローで顧客対応に集中できない
複数のシステムやツールが分散して導入されている場合、オペレーターは案件ごとに異なる画面を切り替えながら作業する必要があります。顧客情報の確認、対応履歴の入力、関連資料の検索といった作業に時間がかかり、本来の顧客対応に集中できません。
また、システム間でデータが連携していないと、情報の二重入力や転記ミスが発生し、後続の業務にも影響を及ぼします。この非効率な業務フローは処理時間の増加だけでなく、最終的には顧客満足度の低下を招いてしまいます。さらにオペレーターのストレスやモチベーション低下にもつながるでしょう。
課題3:人材の確保・育成が難しい
コンタクトセンターのオペレーターは、高いコミュニケーション能力と製品知識、そして複数のシステムを使いこなすスキルが求められます。しかし、業務の負担や精神的なストレスから離職率が高く、常に人材不足に悩まされる企業は珍しくありません。
また、新人の育成には時間とコストがかかるうえ、十分な研修や育成ができないまますぐに現場へ投入されることも多々あります。こうした状況で現場に出された人材は不安や焦りから適切な対応を行えず、結果的にモチベーションの低下から早期離職してしまうケースもよく見られます。
課題4:応対品質にばらつきがある
オペレーターのスキルレベルや経験年数によって、応対品質に差が生じることは多くあります。ベテランは迅速かつ的確に対応できる一方、新人は基本的な質問にも時間がかかったり、適切な回答ができなかったりします。また、マニュアルが整備されていても、解釈の違いや個人の判断によって対応方針がブレることもあります。このような品質のばらつきは顧客満足度を低下させ、企業の信頼性にも影響を与えてしまいます。
課題5:ナレッジが古い・探せない(自己解決が進まない)
コンタクトセンターでは、FAQやマニュアルなどのナレッジが更新されず古い情報のまま放置されているケースがあります。情報を更新する時間がない、そもそも人がいないという人材不足や業務時間の逼迫が主な要因と考えられます。
また、ナレッジそのものが散在していて必要な時に必要な情報をすぐに探せない、検索しても欲しい答えにたどり着けないという問題も多く見受けられます。
その結果、顧客の問題をスピーディーに解決できずに対応時間が長くなったり、誤った案内をしてしまったりすることで顧客満足度の低下を招いてしまいます。
ナレッジマネジメントの重要性については、下記記事で詳しく解説しています。
効率的なコンタクトセンター運営の6つのポイント
コンタクトセンターの課題を解決し、効率的に運営するためには、以下のようなアプローチ方法が必要です。ここでは、実践的な運営のポイントを解説します。
ポイント1:統合型システムの導入
複数のシステムが分散している状態では、オペレーターの業務効率は大きく低下します。CTI、CRM、チャットボット、各種コミュニケーションチャネルを一つのプラットフォームで統合管理できるシステムを導入することで、画面の切り替えや情報の転記作業が不要になります。顧客がどのチャネルを利用しても、すべての対応履歴を一元的に確認できるため、シームレスなサポートが可能になります。
Zendeskのような統合型カスタマーサービスソリューションは、こうした課題を解決する有効な選択肢となります。
ポイント2:自己解決の促進
すべての問い合わせにオペレーターが対応する必要はありません。顧客が自分で問題を解決できるセルフサービスの選択肢を充実させることで、オペレーターの負担を軽減しつつ、顧客の利便性も向上します。検索性の高いFAQページ、チュートリアル動画、AIチャットボットなど、複数の自己解決手段を整備しましょう。
ポイント3:AIサポートの活用
複雑化する顧客対応において、オペレーターが常に適切な判断を下し、迅速に問題を解決するためには、以下のようなAIサポートが効果的です。
自動ルーティング
AIが問い合わせ内容をその場で分析し、瞬時に最適なスキルを持つ担当者へ自動ルーティングすることで、初回解決率を高められます。
文章の作成
生成AIが問い合わせ内容をもとに返信文を作成したり、FAQ記事の作成をサポートしたりすることで、オペレーターが手を動かす時間を大幅に削減でき、業務負荷も軽くなるでしょう。実際に先述したCopilot機能を活用することで、問い合わせ内容から次に取るべきアクションを提案してくれるため、経験の浅いオペレーターでも円滑な対応が可能となっています。
問い合わせ内容の自動要約・録音・文字起こし
会話や問い合わせ内容をAIが自動要約することで、引き継ぎやエスカレーション時の重複説明が不要になり、顧客の待ち時間とオペレーターの負担を同時に軽減します。ほかにも録音や文字起こしにより記録作業が効率化されるためACW(後処理)時間を大きく削減できます。
問い合わせ内容の振り分け
問い合わせのカテゴリ分類、タグ付け、優先度設定、重複チケットの検知もAIが即座に実施できるため、運用のばらつきを抑えられます。
定型業務のサポート
返金手続きや住所変更などの定型業務はAIボットが一次対応し、複雑なケースのみ人間のオペレーターにエスカレーションする仕組みを構築できれば、人的リソースを付加価値の高い業務に集中させられます。
問い合わせ内容の分析
AIが対応ログを継続的に分析し、増加している問い合わせ理由やFAQ改修ポイントを自動で示唆することで、先回りした業務改善が可能になります。
上記のようにAIがさまざまな業務をサポートしてくれるため、オペレーターの業務効率はより一層高まるでしょう。さらに応対品質も高まるため、顧客満足度の向上も期待できます。
ポイント4:応対品質の継続的な改善
コンタクトセンターにおける応対品質は、顧客満足度と企業の評判に直結する重要な要素です。質の高い応対を一貫して提供できれば、顧客ロイヤルティが強化され、リピート購入やサービス継続率の向上につながります。
ポイント5:人員配置の最適化
効率的なコンタクトセンター運営には、需要予測に基づいた適切な人員配置が求められます。先述したWFM(ワークフォースマネジメント)システムを活用し、過去のデータから時間帯別・曜日別の問い合わせ件数を分析することで、必要な人員数を正確に予測できます。ピーク時には十分なオペレーターを配置し、閑散時には人員を抑えることで、顧客の待ち時間を最小化しながら人件費を最適化しましょう。
ポイント6:VOCを関係部門へ還元する仕組みの構築
コンタクトセンターに集まる顧客の声(VOC: Voice of Customer)は、製品改善やサービス向上のための貴重な情報源です。しかし、多くの企業では顧客の声がコンタクトセンター内で留まり、商品開発部門やマーケティング部門に共有されていません。VOCを効率よく収集・分析し、定期的に関係部門へフィードバックする仕組みを構築しましょう。生の顧客ニーズに寄り添った製品に改良したり、さらに興味を惹く新サービスを企画したりすることができます。
また、頻出する問い合わせを製品側で解決することで、根本的な問い合わせ件数の削減にもつながり、コンタクトセンターの業務負荷軽減にも貢献します。
コンタクトセンター導入の5ステップ
コンタクトセンターを新規に構築、または既存のコールセンターからアップグレードする際は、以下の5つのステップで進めると効果的です。なお、各ステップは状況に応じて並行して進めることも可能です。
ステップ1:現状分析と目標設定
まず、現在の顧客対応状況を把握し、導入の目的と達成すべき目標を明確にします。
現在の問い合わせ件数、チャネル別の内訳、対応時間を計測
顧客からのフィードバックや不満点を収集
目標KPIの設定(例:応答率95%以上、平均処理時間30%削減など)
予算と導入スケジュールの概算を策定
ステップ2:システム選定とベンダー比較
目標に合致するシステムを選定します。クラウド型とオンプレミス型、それぞれのメリット・デメリットを比較検討しましょう。
必要な機能要件の洗い出し(オムニチャネル対応、AI機能、CRM連携など)
複数ベンダーからの提案取得と比較
無料トライアルやデモ環境での検証
導入費用と運用コストの試算
ステップ3:業務フローの設計
システム導入に合わせて、業務フローを再設計します。
チャネル別の対応フローを策定
ルーティングルール(スキルベース、優先度など)の設計
エスカレーションルールの明確化
FAQ・ナレッジベースのコンテンツ準備
KPI測定の仕組みとレポート形式の決定
ステップ4:システム構築とテスト
選定したシステムを導入し、本番稼働前にテストを実施します。
システムの初期設定(チャネル接続、ルーティング設定など)
既存システム(CRM、基幹システム等)との連携設定
テスト運用による動作確認と問題点の洗い出し
オペレーター向け研修の実施
ステップ5:本番稼働と継続的改善
本番稼働後も継続的にモニタリングと改善を行います。
段階的なチャネル展開(まず電話・メールから開始し、チャット・SNSを順次追加など)
KPIのモニタリングと定期的なレビュー
オペレーターからのフィードバック収集
FAQやナレッジの継続的な更新
AI機能の学習データ蓄積と精度向上
Zendeskで実現するAI時代のコンタクトセンター

Zendeskでは業務効率・生産性向上を実現できるAI機能を活用し、AI時代の効率的なコンタクトセンターを実現します。
オムニチャネルで履歴を一元化
Zendeskは電話、メール、チャット、SNS、メッセージアプリなど、あらゆるチャネルからの問い合わせを1つのプラットフォームで管理できます。顧客がどのチャネルから連絡してきても、過去のやり取り履歴や顧客情報を瞬時に参照できるため、チャネルをまたいだシームレスな対応が実現します。すべてのチャネルを統合することで、一貫性のあるサービスを提供でき顧客満足度を高められます。
AIで一次対応+担当者支援
ZendeskのAIエージェントを導入することで高度な一次対応を行います。導入初日から問い合わせ対応を自動化し、複雑な問い合わせでも最初から最後まで自律的に解決することもできます。
また、先述したようにCopilotはオペレーターに最適な回答・アクションを提示してくれるため対応品質を高められます。ほかにも定型業務を代わりに処理するため、オペレーターは複雑な問題や個別対応が必要な顧客に時間をかけられるようになり、生産性の高い仕事ができるようになります。
QAやWFMでコンタクトセンターを最適化
Zendesk QAでは、電話やチャット、メール、AIエージェントによる対応を含む、すべてのやり取りを100%自動評価します。従来は一部のサンプリングに留まっていた品質チェックが全件対象となるため、応対の全体像を正確に把握でき、個別にデータに基づいたコーチングも行います。
さらにZendesk WFMは、AIを活用して人員予測やスケジューリング、パフォーマンス評価を自動化します。リアルタイムのアクティビティトラッキングにより、担当者の時間の使い方を把握できるため、より効率的なチーム運営を可能にします。
ZendeskのAI機能をフル活用したコンタクトセンターでは効率よく運営できるだけでなく、対応品質もAIによって高められるため顧客満足度向上につながります。ぜひこの機会にZendeskの統合型カスタマーサービスソリューションをご検討ください。
よくある質問
まとめ:AI技術を活用したコンタクトセンターで顧客満足度を高めよう
コンタクトセンターは、多様化する顧客のコミュニケーションニーズに応え、企業と顧客をつなぐ重要な存在です。従来のコールセンターが電話対応に特化していたのに対し、コンタクトセンターはメール、チャット、SNSなど複数のチャネルを統合的に管理し、顧客が好む方法でサポートを提供できます。
効率的なコンタクトセンター運営には、CTI、CRM、チャットボット、IVR、ACDといった各種システムの適切な導入が不可欠です。しかし、システムが分散していると、オペレーターの業務効率が低下し、応対品質にもばらつきが生じます。これらの課題を解決するには、統合型のカスタマーサービスプラットフォームの活用が効果的です。
Zendeskのような統合型カスタマーサービスソリューションは、すべてのチャネルとシステムを一つのプラットフォームで管理できるため、オペレーターは顧客対応に集中でき、管理者はデータに基づいた意思決定が可能になります。さらにAIによる自動化と人間の強みを組み合わせることで、顧客満足度の向上とオペレーターの負担軽減を両立できます。
まずは14日間の無料トライアルで、貴社の課題解決にZendeskがどのように貢献できるかをご確認ください。
