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心のこもった顧客対応をマスターするための8つのヒント

思いやりのあるカスタマーサービスを提供することは、企業にとって大切なことです。

発行日: 2022年7月18日
更新日: 2022年7月18日

何時間もカスタマーサービスと電話したと言う時は、たいてい嫌な体験の話です。延々と待たされた、たらいまわしにされた、あるいはうんざりさせられる保留音など、だいたい想像はつくでしょう。

しかし、Zendeskには、顧客と電話で長時間話したことに達成感を感じるサポート担当者もいます。

「Zendeskで働くあるサポート担当者は、顧客の総務担当者と2時間スターウォーズについて語り合ったことを自慢に思っています。その時の体験に強い印象を受け、この総務担当者は今ではZendeskの熱心な推奨者です」と、Zendeskグローバルカスタマーアドボカシー部門の研修・品質管理担当ディレクターを努めるHolly Vande Walle氏は言います。

サポート担当者は、何もスターウォーズの細かい点の解釈について意見を持っている必要はありません。しかし、少しでも短く話を切り上げてより多くの電話に対応しようとするのではなく、顧客と本物の会話をすることに努める姿勢は必要です。

サポート部門として丁寧な顧客対応に真剣に取り組む場合は、最低限必要なカスタマーサービスを提供するだけでは十分ではありません。顧客に常に満足してもらえるように、顧客の期待を上回ろうとする企業文化を築く必要があります。

心のこもった顧客対応の定義

心のこもった顧客対応とは、カスタマーサービス担当者が顧客の存在を認め尊重していることを示すために使うすべての言葉や行動を指します。

心のこもった顧客対応は、ひとつのことを完璧にすればよいわけではありません。多くのことに熟練する必要があります。声のトーン、言葉の選び方、豊富な知識、熱意、相手に対する敬意など、どれが欠けていてもいけません。

感じがいい相手であれば、親しみを込めて対応することも簡単です。しかし、相手が苛立ちや怒りをあらわにしている場合や、攻撃的な人の時は、明るい雰囲気を保つことはそれほど簡単なことではありません。こういう時こそ、心のこもった顧客対応が必要とされます。顧客が最初から苛立ちを感じている場合は、何とかして落ち着いてもらえなければ、何を言っても納得してもらえません。

心のこもった顧客対応の難しさは、たとえ顧客が間違っている時も、正しいのは顧客だという姿勢を貫く必要があることです。

サポート担当者が実践できる心のこもった顧客対応のための8つのヒント

Connect customers quickly

1. できるだけ早く顧客をサポート担当者につなぐ

企業に電話をかけた時に、自動音声メニューからなかなか抜け出せなかった経験はありませんか?とにかく担当者と話したい時に、録音された音声メニューが何度も続くと、顧客はうんざりしてしまいます。

大量の電話を処理するために転送システムを利用するのはよいことですが、顧客に何度も録音を聞かせるのは考えものです。自動音声メニューは、顧客をサポート担当者にできるだけ早くつなげられるような構成にしましょう。 人手不足が問題の場合は、ピーク時間にサポート担当者の人数を増やせないか検討するのもひとつの方法です。

心のこもった対応で重要な要素のひとつに、顧客の時間を尊重するという点があります。問い合わせにすぐに対応できない場合は、常識的に認められる時間の範囲で、いつ頃対応できるかを伝えることをお勧めします。電話口の顧客には予想される待ち時間を伝え、メールやメッセージでの問い合わせには返信の時期を約束する返信をします。

2. 感じのいい口調で始める

第一印象を与えるチャンスは一度しかありません。電話を受けたら、自己紹介をする前に、快活な声で「おはようございます」「こんにちは」などと挨拶するようにしましょう。メールやメッセージの場合も、「いつもご愛顧頂きまして、まことにありがとうございます」「ご連絡ありがとうございます」などと一言添えるようにします。

顧客が急いでいないようであれば、少し雑談や世間話をしてみましょうトークスクリプトどおりに話すのではなく、スクリプトは平常どおりの自然な会話にするための指針として使用します。

3. 「弊社」の後ろに隠れない

顧客と話すときは、代名詞の「お客さま」と「私」を使いましょう。会社全体を指して「弊社」と言うよりも、ずっと個人的に聞こえます。

言うまでもなく、「弊社」 は責任を回避するための言い訳になりかねません。顧客からの苦情に対して「申し訳ありません」と言いましょう。人は、たとえそれがあなたの責任でなかったとしても、説明責任を果たすことを評価します。

4. 顧客が話している時は相づちを打つ

電話ではアイコンタクトが取れないため、次善の策をとります。顧客が問題について説明をしている時には、相づちを打つように心がけましょう。「はい」「そうですね」「なるほど」などと、ときどき相づちを打つと、顧客の声にしっかり耳を傾けていることが伝わります。

チャットの場合は「かしこまりました」「そうなんですね」といった短いメッセージが同じ役割を果たします。こうした反応があれば、顧客はサポート担当者が話についてきていると知ることができます。

顧客がまだ説明している時にすでに解決策がわかった場合でも、顧客の説明を途中で遮って長い返信を送らないようにしましょう。解決策を送るのは、顧客の話が終わったことがはっきりした時点にするのが賢明です。

Show compassion

5. 共感を示す

サポート担当者として何度も対応している問題であれば、顧客の説明に退屈してしまいがちです。しかし、顧客にしてみると重大な問題です。

顧客の気持ちになって考え、問題の重大さを理解していることを伝えましょう。例えば、次のような言葉で、顧客の苦情がもっともであることを確認します。

  • 「おっしゃるとおりです」
  • 「そのような問題を経験されたんですね。大変申し訳ございません」
  • 「問題をご報告くださり、ありがとうございます。すぐに解決できるように努めてまいります」

顧客がどれくらい怒っているかは問題ではありません。サポート担当者は対応するすべての顧客に共感を示して、ブランドやサービスに対する顧客の信頼を築いていく必要があります。

6. 常に確認をとる常に確認をとる

顧客は繰り返し同じことを言わされることを嫌います。問題を正しく理解できていることを顧客に確認して、会話を円滑に進めるようにしましょう。

顧客から問題の説明があったら、「誤解があってはいけないので、念のために確認させてください」と切り出してから、顧客から聞いた問題を復唱し、「この理解で正しいでしょうか?」と 確認するようにします。そのうえで、誤解している点があれば、顧客に訂正してもらえばよいでしょう。

7. 解決に向けて対応中であることを伝える

顧客は、問題の迅速な解決を高く評価します。顧客が急いでいる場合は、「すぐに対処いたします」などの言葉を添えて、安心してもらえるようにしましょう。

電話の対応では、解決のために作業している間も、あまり長い間沈黙しないように努める必要があります。今何をしているのかを言葉で説明しながら作業するようにしましょう。例えば、「今お客様のアカウント情報をお調べしております」と説明するだけでもかまいません。

新しい作業を始めるごとに、今何をしているのかを顧客に伝えるようにすべきです。難しい問題であっても、どんなアプローチで取り組んでいるのかを説明しながら作業を進めると、顧客は問題解決に向かっていることを確信できます。

8. よい雰囲気で締めくくる

早く電話を切りたがっていると顧客に思われたくはありません。電話を終える時は必ず「他にご質問やご不明な点はございますか?」と聞くようにしましょう。

すべての問題を解決できたと顧客に満足してもらえていることを確認できたら、快活な雰囲気で会話を締めくくりましょう。電話を切る時に「本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました」と感謝の意を示すようにしてもよいでしょう

心のこもった顧客対応がカスタマーサービスに大切な理由

理由は明白で、心のこもった顧客対応を欠くと、リテンションレート(顧客維持率)が激減するからです。

2022年にZendeskが調査したところ、次が明らかになりました。

  • 消費者の61%は、たった一度でも不愉快な経験があれば他社に乗り換える。不愉快な経験が2回重なると、その割合は76%まで上昇する。
  • 消費者の93%は、カスタマーサービスに希望する連絡方法(チャットなど)がある企業を優先的に利用する。
  • 消費者の90%は、パーソナライズされたカスタマーサービスを提供する企業を優先的に利用する。

上記からわかるように、カスタマーサービスで嫌な体験をさせてしまうと、顧客を1人失うだけではすまず、はるかに大きな影響が及びます。サポート部門の対応で嫌な体験をすると、顧客は他の人に伝えることが増えています。インターネットがある今、企業に対する不満を大々的に共有することも簡単です。

同時に、カスタマーサービスの対応に満足したことを共有する顧客も増えています。2018年にZendeskが行った調査では、アンケート回答者の3分の2が、「カスタマーサービスの対応がよかったら、その製品やサービスを他者に勧める」と答えました。この数字は5年前の2倍です。

丁寧なカスタマーサービスをすると、消費行動にも好ましい影響があります。カスタマーサービスの対応に満足した顧客の半数以上は、「その会社の製品をもっと購入または使用した」と答えています。

質の悪いサポート対応をしてしまうと、その顧客を失うのはもちろんのこと、その顧客が体験談を話したすべての人に対する販売のチャンスを失うことになりかねません。一方で、丁寧なサービス対応だったと顧客に評価してもらえれば、その顧客のロイヤルティが高まり、それ以降もさらに商品を購入してもらえる確率が高くなるだけでなく、知り合いにもその時の体験を伝えてもらえる可能性があります。

ひときわ丁寧なサービスを提供する

常識的な礼儀を持ち合わせているだけでも効果的ですが、ひときわ丁寧な対応ができれば企業の成功にさらに大きく貢献します。驚くほど長く顧客と打ち解けた会話をすることであっても、瞬く間に問題を完璧に解決することであっても、満足度の高いカスタマーサービスの対応は印象に残ります。

サポート担当者が期待される以上の対応をすれば、それは必ず顧客に伝わり、その時の体験を他の人に伝えたいと思ってもらえるはずです。