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メッセージング活用のヒント

メッセージングの導入は、今は時期尚早だと思えるかもしれません。とは言え、今のうちから将来に向けて計画しておくことはできますし、実際にそうすべき理由も少なからずあるのです。

更新日 2024年1月30日

魅力的な最新のメッセージングエクスペリエンスは、技術的にはすぐに実現可能であっても、カスタマーサービスチームをこれから初めて立ち上げるような創業間もないスタートアップにとっては、まだ手を付けづらい領域なのではないでしょうか。

メッセージングの導入は、今は時期尚早だと思えるかもしれません。とは言え、今のうちから将来に向けて計画しておくことはできますし、実際にそうすべき理由も少なからずあるのです。

以下で詳しくご説明しましょう。

メッセージングの重要性

2020年はメッセージングの活用が飛躍的に進んだ年であり、このトレンドは今後も続くと言って問題ないでしょう。

Zendeskの調査からも明らかなとおり、多くの顧客は、友人や家族とのコミュニケーションで既に使用しているチャネルを通じて企業ともやり取りしたいと考えています。そして、そうしたチャネルとして、WhatsAppやFacebook Messengerといったアプリのほか、企業が提供するネイティブメッセージアプリへのニーズがますます高まっています。

既に顧客の69%は、企業への問い合わせにメッセージングツールを使用しており、たとえスタートアップであっても、メッセージングでのサポートを求められるようになるのは確実でしょう。

メッセージングの利点を考えれば、その人気の理由は明白です。

  • 過去のやり取りの履歴が保持されるため、顧客に何度も同じ説明を求める必要がない
  • 1対1の会話形式で親身なサポートを提供できる
  • ボットを使えば、営業時間外にもサポートを提供できる

メッセージングの導入前に実施すべき3つのステップ

このようにメッセージングは重要なツールですが、いきなり導入する前に、まずは「ウォーミングアップ」が必要となる場合もあります。

以下、今すぐに取りかかれる3つの事前準備についてご紹介します。

1. 既存チャネルの運営を最適化する

起業したばかりのスタートアップだと、メールやセルフサービスなど、限られたサポートチャネルにしかまだ対応していないかもしれません。こうしたベーシックなチャネルは、引き続き重要な役割を担うため、まずはその運営を最適化すると後々役に立つでしょう。

事実、調査では、一度でもカスタマーサービスの対応に満足できないと、半数近くの顧客が他社に乗り換えると回答しています。

創業当初は、顧客から対応の良し悪しを値踏みされる時期です。そのため、まずは既存チャネルで良い印象を与えることが大切です。

次のような点に気をつけましょう。

  • メール: できるだけ早く返信することが肝心です。メールの場合、ほとんどの顧客は12時間以内に返信があることを期待しています。
  • セルフサービス: ヘルプセンターの記事を充実させましょう。スタートアップに関するベンチマークデータに基づくと、目安としては、資金調達から1年以内に40件の記事作成を目指します。
  • SNSとチャット: 各種アプリを活用して顧客データを収集し、よりパーソナライズされたサポートを提供できるように努めます。詳しくは、スタートアップに役立つアプリの概要を参照してください。

2. 顧客の優先事項を把握する

スタートアップのリーダーは、自社の顧客のニーズを細部まで理解しておくべきであり、それはカスタマーサービスについても例外ではありません。

新しいサポートチャネルを追加する前に、そのチャネルが自社の顧客に適しているかどうか確認しましょう。顧客向けフィードバックフォームは、カスタマーサービスチームのパフォーマンスを把握するのに役立ち、顧客アンケートは、(効率的かつ効果的に実施すれば)将来的に顧客がどのようなサービスを求めているかを見極めるのに役立ちます。

自社の顧客にとってメッセージングが必要かどうかを判断するには、顧客に次のような質問をしてみるとよいでしょう。

  • メールでのお問い合わせにご不便を感じていませんか?
  • サポート窓口へのお問い合わせで使いたい連絡手段は何ですか?
  • サポート窓口へのお問い合わせで、SMSやメッセージアプリを使えたら便利だと思いますか?

顧客が置かれている状況に配慮することも大切です。eコマースサイトで買い物をしようとしている顧客なら、チャットやメッセージングを通じて即座に回答が得られることを望むかもしれません。一方、クラウドソフトウェアの購入を検討している顧客なら、都合の良いときにやり取りを進められる、メールでの問い合わせを好むことも考えられます。

ただし、顧客の好みは一定ではありません。問い合わせの内容やそのときの状況によって、使いたいチャネルは変化する可能性があります。複数の選択肢を用意しておきましょう。

3. ライブチャネルを導入して利便性を高める

スタートアップがリアルタイムの便利な会話型サポートを提供することを検討している場合、まずはチャットを導入するのが賢明です。

とは言え、チャットとメッセージングの違いをよく理解していない方も少なくないのではないでしょうか。

この違いを理解しておくことは重要です。2つのチャネルには、次のような違いがあります。

チャット

  • リアルタイムでやり取りできる
  • 各スレッドはセッションごとに完結する
  • すばやい回答が求められている場合に使うとよい

メッセージング

  • リアルタイムでやり取りする必要はない
  • スレッドが長期的に維持される
  • 相手とより深い関係を築きたい場合に使うとよい

Zendeskのベンチマーク調査で特に優れたパフォーマンスを達成したスタートアップは、他の企業と比べて、創業後2年以内にチャットを導入した割合が20%高くなっています。

こうした傾向はスタートアップに限ったことではありません。5年前と比較して、チャットを導入しているZendeskの導入企業は4倍以上にのぼります。

将来に向けた準備を

メッセージングの導入を急ぐ必要はありませんが、今のうちから準備を始めるに越したことはありません。ただ計画するだけでなく、もう少し準備を進めておくことも可能です。

複雑な設定が要らないAnswer Botのようなソリューションの導入は、最初の一歩として最適です。

ただし、成長中のスタートアップにとって最も重要なのは、顧客ファーストを徹底することです。どのチャネルに対応するかではなく、いかに優れたカスタマーサービスを提供するかという考え方をしましょう。迅速で信頼感の高いサービスを提供していれば、それ以外の部分も自ずと正しい方向へ向かっていくはずです。

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