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アプリは本当に必要? 優れたモバイルエクスペリエンスを構築する方法

アプリは、顧客の囲い込みに効果的な手段の1つです。ただし、導入を決める前に、あらゆるタッチポイントを考慮した総合的なモバイル戦略を構築することが大切です。

発行日: 2021年1月16日
更新日: 2021年1月16日

近年、モバイルファーストの傾向が強まっていることは、モバイル用のアプリに目を向けてみても明らかです。2019年、世界でダウンロードされたモバイルアプリの数は2,040億にのぼり、2016年の約2倍となっています。アプリの利用用途も、食料品の買い物やネットバンキングから出会いやゲームに至るまで、実に多岐にわたっています。ところが、これだけアプリが人々の生活に浸透しているにもかかわらず、自社のブランドや製品のアプリを開発するべきか決めかねている企業は少なくありません。

モバイルアプリ戦略を立てるべきか判断するには、アプリを導入して本当にメリットがあるのかどうかを考える必要があります。たとえば、既存の問題が解消される(逆に新たな問題を引き起こす可能性もあります)、顧客との結びつきや顧客どうしの結びつきが強くなる、顧客のロイヤルティが向上するなどの効果が期待できそうでしょうか? また実際のところ、アプリを導入しなくても、SNS、メッセージアプリ、モバイルサイトでもう既に十分なプレゼンスを確立できていませんか? まずはこういった点を1つひとつ確かめなければなりません。

アプリが必要か判断するうえで知っておきたいこと

  1. 離脱率が高い

    最初のインストール以降利用されていない場合、ユーザーはアプリを離脱したと見なされます。2019年の調査では、そうした1回しか使われていないアプリの割合が25%に達しています。また、ユーザーの71%は、利用し始めて3か月以内にアプリを離脱することがわかっています。特に、利用開始時の手続きを一気に済ませなければならないようなアプリだと、離脱してしまうユーザーが多いようです。

  2. 見かけ倒しのソリューションになりがち

    アプリの目的が明確でないと、ユーザーを定着させることはできません。斬新なモバイルエクスペリエンスを構築すれば、一時的にユーザーの興味を引くことはできるかもしれませんが、できることが限られていれば、ダウンロードしてもらえたところですぐに使われなくなってしまいます。単なる「お飾り」を増やす必要はありません。

  3. 他のチャネル戦略を見直すだけで十分な場合も

    SNS、メッセージアプリ、モバイルサイトなど、既に対応済みのチャネルでプレゼンスを示すことも大切です。ユーザーのコミュニティ意識を大いに向上できるなど、どうしてもアプリを導入しなければならない理由が思いつかないのであれば、アプリの開発に進む前に、まずは他のチャネルの戦略について見直してみるとよいでしょう。

アプリならではのメリット

アプリは、ユーザーコミュニティの構築や育成を後押しします。そして、繰り返し利用したいと思わせるような仕掛けを作れれば、企業はそこから有益なインサイトやデータを入手して、それを基に改善を図れるようになります。とは言え、アプリ以外の場でも顧客コミュニティを形成することは可能です。たとえば、実際に多くの企業で活用されているように、Quora、Instagram、RedditなどのWebサイトでも、製品に関する意見や情報を発信、交換することができます。ただし、モバイルアプリなら、顧客データについてより深い洞察を得られるうえ、ユーザー自身がコンテンツの作成にかかわれるというメリットがあります。

コミュニティ主体型アプリの例

  1. Nike Training ClubとNike Run Club

    Nikeのアプリでは、トレーニングやランニングの進捗状況を追跡、共有でき、地図機能や心拍数をモニタリングするApple Healthなどの機能と連携させて使うこともできます。ランナー、クライマー、クロスフィッターなどの各ユーザーは、このアプリを使って、他のユーザーが企画したチャレンジやイベントに参加したり、ユーザーどうしで集まって一緒にトレーニングをしたり、目標の達成状況を記録したりしています。一方、Nikeはアプリを基に、顧客のエクササイズ習慣から属性データを集めて、顧客1人ひとりに合ったサービスを提案しています。

  2. Four Seasons

    Four Seasonsが提供するモバイルアプリは、常連の宿泊客をターゲットにしています。宿泊客は、アプリに組み込まれたメッセージSDKを通して、滞在中または滞在前後のいつでも必要なときに、コンシェルジュにさまざまなリクエストを投げかけることができます。これにより、直接顔を合わせていない間も顧客に終始必要なサービスを届けられるようになります。また、プランニングに関する機能も充実しており、旅行の具体的な計画を立てたり、部屋を予約したりすることもできます。

  3. Th3rdwave

    h3rdwaveは、サードウェーブコーヒーの提供店をリストアップしたインディーズアプリです。ユーザー向けにSNS機能も備えており、カフェのレビューを書いたり、新しくオープンする店の情報を収集したり、写真をシェアしたりすることができます。ユーザーどうしで交流したり、ユーザー自身でコンテンツを作成できるのが大きな魅力ですが、eコマース機能も備えており、スターバックス(アプリのアクティブユーザーは1,600万人)などの大手チェーンのロイヤルティプログラムに加入したり、店舗で並ばずに事前に注文したりすることも可能です。

アプリを開発する際に検討すべきこと

アプリを開発する際に考えなければならないことは山ほどあります。Smarter with Gartnerの記事によると、業績好調な企業は、ソリューションの最大40%を社内で開発しています。アプリ内サポートは、ネイティブかつ直観的でユーザーの状況に合わせてカスタマイズできる必要があり、自社のアプリにサポート機能を組み込むことが求められます。

また2018年以降、モバイル、音声、ウェアラブル、対話などのさまざまなタッチポイントで一貫したユーザーエクスペリエンスを提供できる、マルチエクスペリエンスなアプリデザインに関心が集まっています。そして、業績好調な企業ほどUXのデザイン方針に力を入れていることは、注目に値する事実でしょう。こちらのブログ記事では、利用開始時の手続きやナビゲーションを簡素化する、顧客からフィードバックを収集する、アプリの離脱率に影響する指標を追跡するなど、モバイルエクスペリエンスを改善するためのベストプラクティスについてご紹介しています。

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