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カスタマーサービスで顧客ロイヤルティを向上させる3つの方法

発行日: 2020年3月19日
最終更新日: 2020年3月19日

ひと昔前まで、カスタマーサービスにおけるロイヤルティは、その定義もそれを向上させる方法もいたってシンプルなものでした。「ブランドにネームバリューさえあれば、顧客の心をつかむことができる」「特典プログラムを充実させていれば、既存の顧客が離れていくことはない」――そんな風に考えられていたのです。

しかし、それはもう過去の話。今でははるかに複雑になり、ロイヤルティを獲得して維持し続けるために、十分な時間をかけて細やかな対策を講じる必要が出てきました。企業にとってロイヤルティが重要なのは明らかです。

Zendeskの最新調査によると、顧客の74%は特定のブランドや企業に愛着を感じており、52%はいつも贔屓にしているブランドがあると回答しています。

一方で、この調査ではロイヤルティがいとも簡単に失われてしまうこともわかっています。不快な対応を一度でも受けたら他社に乗り換えると回答した顧客は約50%にのぼり、そうした対応が複数回に及ぶと、その割合は80%にも跳ね上がります。

当然ながら、人間の選択、動機、嗜好を形づくるものを理解するには、非常に手間がかかります。商品の配送会社を選んだり、返品ポリシーを決めたりするほど、単純に片付けられる話ではありません。しかし、具体的なアクションを起こせば、ロイヤルティを向上させることができます。ここでは、そのベストプラクティスを3つご紹介しましょう。

シームレスな顧客対応を実現する

「オムニチャネル」という用語にほとんどの顧客は興味を示さないでしょう。しかし、企業側はこのキーワードをしっかり押さえなければなりません。オムニチャネルサービスで提供できるエクスペリエンスは大きな差別化要因の1つであり、ロイヤルティを育む重要なツールなのです。

企業がオムニチャネルに対応するということは、メール、チャット、電話、テキストメッセージといった顧客の望むあらゆるコミュ二ケーションチャネルを提供するということです。そうすれば、顧客は普段友人や家族に連絡するときと同じ手段で、気軽に安心して企業とやり取りできるようになります。

ツールよりもさらに重要なのが、シームレスなやり取りを実現するための体制づくりです。そのためには、顧客の見えないところで社内のチームどうしが連携しなくてはなりません。特に、営業部門とサポート部門は、顧客との最初のコンタクトとその後のやり取りをつなぐパートナーとして、うまく協力し合う必要があります。その必要性は「Zendeskカスタマーエクスペリエンストレンドレポート2020」からも明らかで、既に多くの企業が営業部門とサポート部門の緊密な連携に取り組んでいます。

営業部門が収益の拡大とチームの成長という2つの目標を達成するには、チームの枠を超えてデータを活用できる仕組みを整えなければなりません。そのためには、社内で共通のツールを使用し、営業の初期段階から製品やサービスの利用時まで、顧客と継続的にかかわっていく必要があります。

顧客は企業に問い合わせるとき、適切な窓口かどうかはいちいち気にしていません。同じ説明を繰り返したり、窓口をたらい回しにされたりして、顧客が不快な思いをすることがないように、社内全体で顧客の情報を共有し、だれもがサポートに臨めるようにしましょう。

顧客データを活用する

顧客が自社の製品やサービスに求めているものを把握するために、必要なものとは何でしょうか。それはおそらくどの企業もすぐに入手できるもので、もしかしたら既に膨大な量を手にしているかもしれません――そう、データです。今日は、まさにデータ活用の時代です。とりわけ、プロアクティブなエンゲージメント戦略の構築にはデータが欠かせません。

顧客からリクエストが来てから逐一応答するのではなく、先回りで働きかけることで、エンゲージメントの確立や満足度の向上にどのように取り組んでいくのかを企業側で自由に決定できるようになります。さらに、サポートデータからはカスタマーエクスペリエンスの実情も把握できるため、顧客維持率の改善やロイヤルティの構築にも役立ちます。

ただし、そうしたデータはきちんと管理して戦略的に活用しないと、単に膨大なデータが社内に溢れ返ってしまう事態になりかねません。幸い、顧客データの戦略的・効果的な活用については顧客側も理解を示しています。

「Zendeskカスタマーエクスペリエンストレンドレポート2020」によると、エクスペリエンスの改善につながるのであればデータの追跡をいとわないという声は多く、実に75%の顧客が、データから得たインサイトを基に1人ひとりに合ったサポートを提供してほしいと望んでいます。

最新のオープンなCRMプラットフォームを活用すれば、企業はデータソースをリンクさせて、顧客の好みに合わせてパーソナライズされたサービスを提供できます。Zendeskの調査によると、データを最大限に活用している企業の場合、解決時間は36%、待機時間は79%も短縮しており、顧客の問題を解決できた件数も4倍にのぼっています。

AIを導入し、セルフサービスと組み合わせる

消費者が意識していなくても、AIは既に生活のさまざまな場面で利用されており、もはや遠い未来の技術ではなくなっています。AIに得意な作業を任せれば、人間の担当者の負担は軽減され、複雑なプロジェクトや問題の解決に注力できるようになります。

たとえばチャットボットを導入すれば、チケットの削減が見込めます。また、AIをいち早く導入しているスマートな企業は、担当者による顧客対応の時間を削減できる点、顧客エンゲージメントを効率的に向上できるという点でAIを高く評価しています。

Zendeskの最新調査では、パフォーマンスの優れたカスタマーエクスペリエンスチームは2倍の割合でAIを導入しており、さまざまなチャネルにAIの技術を取り入れて、顧客とのやり取りに活かしていることがわかりました。しかし、カスタマーエクスペリエンスチームのマネージャーの回答によると、実際にAIを活用しているチームは37%にとどまっています。

この調査では、チームの成果、AIの導入率、セルフサービスの充実度の間に強い結びつきが見られることもわかりました。パフォーマンスの優れたカスタマーエクスペリエンスチームは、AI搭載の「Answer Bot」を導入して、セルフサービス戦略に組み込んでいます。現に、Answer Botを導入しているマネージャーの84%が、セルフサービスリソースを継続的に拡充する戦略を立てているという結果が出ています。

またAnswer Botを活用している企業では、ヘルプ記事が豊富に揃い、担当者が作成・編集に積極的に関与し、カテゴリも適切に整理され、セルフサービスの利用率(総チケット数に対するセルフサービスコンテンツ閲覧数の割合)も高いような、充実したナレッジベースも構築しています。

これらは、いずれも納得の結果です。顧客はすばやく効率的に問題を解決することを望んでおり、さらに言えば、必要なときにすぐ自力で答えを見つけたいと考えています。つまり、AIとセルフサービスツールを顧客対応に取り入れることは、「顧客の声に応える」というもう1つのベストプラクティスの実現にもつながるのです。

CX傾向分析レポート(2020年)

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