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顧客満足度アンケートに必須の質問項目とは

著者 Jesse Martin, Content marketing associate

更新日 2023年1月5日

フィードバックは、ビジネスの成長と改善に欠かせません。何がうまくいっているのか、何を改善すべきなのかを定期的に詳しくチェックすることは、どんなビジネスにとっても効果的です。そのためには、何から始めて、どのように進めればよいのでしょうか。

顧客からフィードバックを収集する方法はたくさんあり、特に一般的なのがお客様アンケートです。NPS®(ネットプロモータースコア)調査、トランザクションCSAT(トランザクションにおける顧客満足度)調査、グローバルCSAT調査、CES(顧客努力指標)調査などの種類がありますが、それぞれにどのような質問を盛り込めばよいのでしょうか。各アンケートがどう役立つのか、どう活用すればカスタマーエクスペリエンスを向上できるのかについては、こちらのブログ記事をご覧ください。

今回は、カスタマーサービス戦略の成果を最大化するために、CSAT(顧客満足度)のアンケートに含めるべき5つの項目をご紹介していきます。

顧客に尋ねるべき5つの質問

1. マーケティングや営業に役立つ質問

CSATデータが、見かけ倒しの「バニティメトリクス(虚栄の指標)」になってはいけません。次のアクションに結びつけるには、明確かつ具体的な目標を定めたうえで使>用する必要があります。そこで盛り込みたいのが、顧客の属性を確認するための質問です。このデータがあれば、顧客をセグメント化してバイヤーペルソナを作成できるので、マーケティングや営業に役立ちます。特に大企業では、大量に回答を集められるため、そこから非常に貴重なインサイトを得て、売上を向上したり、カスタマーサービス戦略を練り直したりすることができます。アンケートで集まった顧客の属性データを既存データと突き合わせつつ、そこから新たなパターンやインサイトを引き出していくことで、マーケティング戦略を少しずつ調整することができます。

質問例

  • 会社の従業員数は何名ですか?
  • あなたの年齢を教えてください。
  • 会社の所在地はどちらですか?

2. 製品の使用感やサービスについての質問

顧客アンケートにおけるベストプラクティスは、自社の製品やサービスに関するフィードバックを収集することです。こうした質問は、カスタマーエクスペリエンスの現状を把握するのに役立ちます。顧客満足度は、サポート対応の良し悪しを測るだけの物差しではなく、カスタマージャーニー全体に対する評価を表します。顧客がどのように自社の製品やサービスを利用しているかを理解することで、顧客ロイヤルティを高く維持するために必要な改善策を講じることができます。顧客満足度は、顧客維持率や顧客ロイヤルティともリンクしています。

質問例

  • 購入してよかったと思いますか?
  • 当社の製品やサービスをご友人に勧めたいと思いますか?
  • どのような点を改善すればよいと思いますか?

3. 顧客努力を評価し、主観的なフィードバックを数値化する質問

この質問は、データの温度計のようなものです。ブランドを利用してもらううえで、顧客がどれだけ手間や労力をかけているかを知ることは重要です。利用に伴うストレスが少ないほど、維持率は高くなります。逆に、維持率が高いほど顧客は不満を感じていないとも言えます。実際、やり取りの負担が最も少ないことを理由に、顧客の76%がセルフサービスを選んでいるというデータもあります。このような質問項目を設けることで、顧客がセルフサービスで問題を解決できているかどうか、サポートチームが十分にプロアクティブな対応をしているかどうか、あるいは顧客にとって必要な情報を見つけるのが難しい状態になっていないかどうかを把握できます。ここでのポイントは、回答を数値化できる形で質問することです。以下の例にもあるように、自由回答形式の質問も大切ではありますが、数値や生データを加工してインタラクティブなダッシュボード(グラフや表などに変換して一覧にしたもの)に表示すれば、それを基にチームが適切な判断を下せるようになります。

質問例

  • 今回の対応についてどう思われましたか?
  • お問い合わせの際に利用しているチャネルは以下のうちどれですか?
  • 今回の対応について5段階で評価してください。

4. 顧客ライフサイクルを引き延ばす質問

この質問によって、自社が盤石の体制でビジネスに臨めているかどうかを確認できます。カスタマージャーニーは直線的なものではありません。CSATアンケートは、カスタマージャーニー全体についてのフィードバックを収集する絶好の手段です。メッセージアプリや電話などでサポートを提供した直後にお願いする場合を除き、CSATアンケートは別のチャネルで改めて依頼するのがお勧めです。ロイヤルティプログラムの加入者など、既に自社で情報を保有している顧客に対しては、どのタイミングでアンケートを依頼しても問題ありません。その際、非リアルタイムのチャネルを使ったり、思わず反応したくなるような目を引く通知を送ったりすると効果的です。

質問例

  • お問い合わせいただきありがとうございます。カスタマーサービス改善のため、お客様のご意見をお聞かせください。
  • お客様からのご意見は当社にとって重要なものです。最近お受けになったカスタマーサービスに関して簡単なアンケートにご協力をお願いいたします。
  • 過去数か月間に購入されたお客様にご協力をお願いしております。ぜひお客様の感想をお聞かせください。

5. 自由形式の長文の回答を求める質問

調査データを活用してVoC(顧客の声)プログラムの取り組みを強化するには、手始めにCSATアンケートで長文の回答をお願いするとよいでしょう。自由回答形式の質問は、具体的な意見を集めやすいだけでなく、カスタマーサービスに関して予想外の意見・感想を引き出せるという利点もあります。このような細かい意見を参考に、製品のロードマップを策定したり、ナレッジベースを構築したり、サポート担当者の専門スキルを高めるトレーニングを強化したりできます。成長のためには、時にネガティブな意見も必要です。顧客が不満に思っていることがあるときに、それを企業に伝えられるような手段を用意すべきです。似たような製品を提供する企業が溢れ返っているような市場では、カスタマーエクスペリエンスが重要な差別化要因となります。顧客が伝えようとしている言葉に耳を傾けることで、他社との差別化を図れます。このような質問項目を設けると、顧客の意見を大切にしているというメッセージになると共に、カスタマーサービスの成長や進化に顧客の声を取り入れているという企業の姿勢を示すことができます。

質問例

  • 当社の製品をお使いになった感想を自由にご回答ください。
  • 至らない点などございましたら、理由と併せてお知らせください。
  • その他、ご意見やご感想がございましたらお聞かせください。

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