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SNSで顧客ロイヤルティを育む5つの方法

自社のビジネスについて深く理解してもらい、顧客との関係を深めましょう。

発行日: 2021年8月6日
更新日: 2021年8月6日

SNSは、10代の若者だけをターゲットにしているツールではありません。この1年で最も急速に成長したサポートチャネルの1つであり、新型コロナウイルス感染症によるパンデミックが始まって以来、このチャネルを通じたチケットの件数は181%の伸びを記録しています。自分が好むSNSプラットフォームを使用してブランドとやり取りする顧客が、これまで以上に増えてきているのです。

SNSは、顧客のニーズを満たせるだけでなく、宣伝費をどれだけかけているかにかかわらず、優れた宣伝手段にもなります。従来のマーケティングチャネルをしのぐ勢いで急速に成長しており、特に、若い世代の消費者を顧客として取り込むうえで最適な手段の1つとなっています。

この記事では、いくつかの企業の実例を交えながら、顧客に優れたサポートを提供してブランドボイス(企業が独自に採用する書き言葉および話し言葉における語り口のこと)を確立することで、ロイヤルティの高い顧客ベースを育成する方法をご紹介します。

1. 顧客の問い合わせに速やかに応答する

SNSを効果的に活用するために特に重要なポイントの1つが、顧客の懸念やニーズにすばやく対応できるようにすることです。

小規模企業の場合、SNSから問い合わせが殺到したらさばき切れないのではという不安があるかもしれません。しかし、その点は心配無用です。どんな規模の企業も、SNSを使えばCXを改善できます。アプローチのレベルは、企業次第でいくらでも変えられます。

SNSサポートを提供するうえで最低限必要なのは、サポートチャネルを明示することくらいです。顧客をヘルプセンターや問い合わせページに誘導することしかできなくてもかまいません。

顧客は速やかな応答を期待している

Zendeskカスタマーエクスペリエンストレンドレポート2021」によると、顧客の60%が迅速な応答を重視しています。SNSを使えば、顧客が普段から利用しているチャネルを通じて速やかに応答できます。

SNSモニタリングツールを含むカスタマーサービスソフトウェアは、チケットの状況を追跡して応答時間を短縮するのに役立ちます。さらに、Zendeskのようなオムニチャネルソリューションなら、チケットの追跡から応答までのプロセスを合理化できるうえ、別のプラットフォームに移動しても、顧客との会話をシームレスに続けることができます。

PayJoyは、顧客とのチャットやメールでのやり取りにZendeskを活用して、大きな成果を挙げてきました。その後、ビジネスの成長と共に、FacebookやWhatsAppのようなSNSプラットフォームからの問い合わせが増加しましたが、Zendeskを使って、SNSでの会話を従来のサポートチャネルに統合させたことで、平均応答時間を24時間から6時間に短縮させることに成功しました。

2. ブランドに人間味を持たせる

若い世代の消費者は、堅苦しさを感じさせない、やや型破りな企業を好む傾向にあります。風通しの悪い環境で作られた面白みのないコンテンツは、若いSNSユーザーにいとも簡単に見破られてしまうでしょう。

Wendy'sは、過去数年間にわたってSNS戦略に成功してきた企業です。同社の事例からは、ブランドボイスがいかに顧客ロイヤルティに影響を及ぼすかがよくわかります。同社が2015年に放映したMemerのコマーシャルは、そのひどいできが逆に話題を呼び、多くのパロディを生み出しました。Wendy's側もその流れに乗り、5年後の2020年には、このコマーシャルについてツイートした顧客に対して皮肉交じりのコメントを返すなど、この件を面白おかしく扱うようになりました。

ブランドが発信するメッセージは、その企業に特有のものです。SNSは、自社がどんなブランドでどんな立場をとっているのかを伝える格好の手段となります。

最近のWendy'sは、Twitterで本領を発揮しており、他社や顧客への毒舌ツイートで人気を集め、400万人近くのフォロワーを獲得しています。特に、年に一度のNational Roast Dayでは、その舌鋒が冴え渡りました。かなりユニークなアプローチではありますが、こうしたWendy'sのSNS戦略(おそらく事前に上から承認を受けていないであろうツイートも含む)は、明確なブランドボイスを生み出し、それを支持する数百万人の顧客からロイヤルティを獲得するに至りました。

Tブランドが発信するメッセージは、その企業に特有のものです。SNSは、自社がどんなブランドでどんな立場をとっているのかを伝える格好の手段となります。SNSでの投稿や姿勢が顧客の共感を呼ぶものであれば、顧客は自社を継続的に利用してくれるようになります。

3. ブランドの価値観をアピールする

若い世代の消費者を惹きつけるには、自社の価値観を消費者の価値観にすり合わせるという方法も効果的です。事実、ミレニアル世代の83%が、政治的・文化的な価値観に共感できる企業を利用したいと考えており、76%が、各企業のCEOに社会問題への意見を表明してほしいと考えています。それより若いZ世代も政治意識が高い層です。Z世代は、既に世界の消費者の40%を占めており、大きな購買力を持っています。

ここで取り上げたいのが、アイスクリームブランドBen & Jerry’sの事例です。同社は、ビジネスにブランドの価値観を取り込むことに熱心で、さまざまなプラットフォームで現在の社会問題に対する意見を述べているだけでなく、アイスクリームのフレーバーを通しても、自社の立場を表明しようとしています。

Ben & Jerry'sは過去数十年にわたって、社会的公正の実現に向けた取り組みへの支持をオンライン上で表明しており、実際に資金援助も行っています。2020年初頭には、SNSプラットフォーム(Twitter、Instagram、Facebook)で商品の有料広告を一律停止し、その予算を、社会的公正の実現に向けたキャンペーンとアクティビズムの宣伝費として利用しました。

これは、一般的なSNS広告戦略のセオリーに則っていないように思えますが、商品広告の費用を削減したことによる減益はありませんでした。そして2020年、Ben & Jerry'sは、アイスクリームブランドとして全米トップの売上を達成しました。これはなかなかの偉業です。同社がここまでの偉業を成し遂げられたのは、社会で起きている数々の問題に関して、顧客に自社の立場を表明してきたことが大きく関係しています。Ben & Jerry'sの共同創業者であるBen Cohen氏は、Harvard Business Reviewの記事で、「諸々の価値観を共有できれば、顧客と非常に強いつながりを築くことは可能だ」と語っています。

例外もありますが、一般的に、顧客は自分と同じ価値観を持っているブランドに対し、より愛着を抱くようになります。倫理的立場が明確で、それに関する意見を発信したいという企業にとって、SNSは格好のツールです。

hands holding cell phones

4. オーディエンスの心をつかむ

SNSでどんな顧客層にリーチしたいのかを具体的に決めておくことも重要です。それによって、利用するプラットフォーム、有料広告の活用方法、作成するコンテンツの種類などが決まってきます。

Sprout Socialのようなソーシャルリスニングツールを使うと、自社のブランドだけでなく、競合ブランドや業界全体に関するSNSでの投稿を分析して、必要な情報を入手できます。SNSで高い成果を挙げるには、顧客のエンゲージメントが欠かせません。ブランドのSNSプラットフォームをフォローしている顧客は、購入率が67%高くなることもわかっています。

Sprout Socialのデータによれば、愛着を感じているブランドがあると、消費者の半数以上(57%)は、そのブランドでの支出額を増やし、76%は、競合ブランドからは買わずにそのブランドを愛用するようになります。

「愛着を感じているブランドがあると、消費者の半数以上(57%)は、そのブランドでの支出額を増やし、76%は、競合ブランドからは買わずにそのブランドを愛用するようになる」Sprout Socialのデータ

どのプラットフォームのどんなオーディエンスとつながりを深めたいのかを明確にすれば、そのオーディエンスの関心を引くようなコンテンツを作成できるようになります。

Twitterで発表したときには、大勢のファンが競ってアプリをダウンロードしようとしたために、新規ユーザーの急増でCalmがクラッシュするという事態が起こりました。そして、スタイルズ氏とのコラボレーションの結果、Calmのアプリストアでの順位はかつてないほど上昇しました。これは、SNSでオーディエンスに働きかける方法を心得ていると、大きな成功につながるということがよくわかる事例の1つです。

さらに、スタイルズ氏とCalmのコラボレーションに関するSNSでのアナウンスに、何万人ものファンが「いいね!」を押したり、リツイートしたり、メンションを付けて投稿したりしたことで、オンライン上で大量の口コミが拡散され、無料の広告として機能しました。

ソーシャルリスニングと、ターゲットを絞り込んだコンテンツ作りという2つのアプローチを組み合わせれば、ブランドのSNSでの存在感を高めることができます。そして、そこで自社が提供しているサービスや製品の魅力に気づいてもらえれば、リピーターを生み出すことができます。

5. 顧客をビジネスの舞台裏に引き込む

man with camera

舞台を仕切るカーテンの向こう側をのぞいてみたいという気持ちは、万人に共通のものでしょう。SNSは、顧客をビジネスの舞台裏にいざない、企業の知られざる魅力を紹介できるユニークなプラットフォームです

デザートチェーンのCrumbl Cookiesは、シンプルな戦略を活用することで、顧客にビジネスを身近に感じてもらうことに成功しました。提供するフレーバーの種類を絞り込み、週替わりで種類を変更することで顧客の関心を引こうという戦略です。ユニークなフレーバーと写真映えするパッケージは、バイラルコンテンツを生み出してリピーターを増やす格好の材料となりました。

結果的に、Crumble Cookiesは、TikTokで大きなバイラルを巻き起こしました。週替わりのクッキーを味わう様子を撮影するためだけに、1時間以上のドライブをものともせずに店舗に向かう顧客もいました。

SNSは、顧客をビジネスの舞台裏にいざない、企業の知られざる魅力を紹介できるユニークなプラットフォームです。

同社のクッキーの魅力を語り合う熱心な顧客ベースをSNS上で確立することで、Crumble Cookiesはファンコミュニティを生み出しました。そして、これは無料の宣伝媒体にもなっています。それを目にした顧客の購買意欲を駆り立てられるだけでなく、そこから口コミが拡散され、バズコンテンツが生まれれば、より多くの消費者にリーチすることができます。

このようなアプローチが自社のブランドには適用できないからといって、がっかりする必要はありません。実際、SNSでは、受注からパッケージング、スタッフ紹介、倉庫ツアーまで、さまざまな内容の企業動画が大きな話題を集めています。


Kylie Jenner氏のオフィスツアー動画
もその1つで、YouTubeで1,800万以上の再生回数を記録しています。Jenner氏のようなコスメ業界をリードする大金持ちの人物でなくても、このようなコンテンツで成功を収めることはそれほど難しくありません。

たとえば、TikTokのハッシュタグ「#smallbusiness」は、計260億回以上の再生回数を記録しており、小規模企業にとっては、自社の魅力をアピールして顧客を呼び込むための格好の手段となります。動画を通して顧客にビジネスを身近に感じてもらえたら、大成功です。

顧客を惹きつけて、リピーターを生み出すには

SNSを使えば、顧客が普段から利用しているプラットフォームで、高品質で迅速なカスタマーサービスを提供できるようになります。皆さんの企業でもSNSを有効活用し、ブランドボイスを確立して顧客との関係を深めましょう。

顧客のロイヤルティは、顧客とのつながりなくして生まれません。顧客の愛着心をできる限り強めたいのなら、自社が大切にしている価値観とその理由を顧客に示すことが大切です。

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