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顧客中心主義とは?実践するための6つのヒント

顧客中心のサービスを推進するには、まず「顧客中心主義」の意味をしっかりと理解したうえで、効果のある戦略を策定するところから始まります。

発行日: 2021年7月6日
更新日: 2021年7月6日

企業に対する顧客の期待はこれまで以上に大きくなっており、企業はかつてなく厳しい目にさらされています。どんなブランドであっても、顧客は、迅速・簡単・パーソナライズの三拍子そろった対応をとる自分が気に入っている企業と常に比較しているのです。何年にもわたって、利益につながる高い顧客ロイヤルティや競争上の優位性を築き上げるためには、顧客中心主義という考え方が重要です。

企業の89%がカスタマエクスペリエンスで競争力を確保しようとしている今、顧客中心主義の重要性はこれまで以上に高まっています。その一方で、顧客中心主義を自称する企業の数と顧客が顧客中心主義だと認める企業の数には隔たりがあります。事実、企業の 80%は「極上の経験」を提供していると考えているのに対し、これに同意する顧客はわずか8%に過ぎません。

幸い、顧客中心という言葉を誤って理解していたとしても、考え方や行動は改善していけるものです。その第一歩が「顧客中心主義」の意味をしっかりと理解したうえで、効果のある戦略を策定することです。

顧客中心主義とは

顧客中心主義とは、顧客のニーズを第一に考えることです。顧客中心主義の企業では、顧客満足度の向上と強固な顧客との関係の構築に力を注ぐ企業文化が育まれています。

企業として顧客中心主義の評判を勝ち取っていくのは、カスタマーサポート部門だけの責任ではありません。顧客中心主義の実践にカスタマーサービスのスキルは欠かせません。しかし、顧客中心主義の企業では、カスタマージャーニーのすべての段階で、カスタマーエクスペリエンスを重要視しているという、会社としての姿勢を伝えています。このメッセージを届けるために、例えば次のようなことを実施しています。

  • 公正なマーケティングキャンペーン
  • 透明性のある価格設定
  • 利用しやすい販売方法
  • T質の良い製品やサービス

Zendeskでプレミアサポートのシニアマネージャーを務めるJonathan Brummelはこう説明しています。「顧客中心主義とは、どんな視点を持つかということで、顧客とのやりとりを分析するときのスタンスです。どんな会社になりたいか、顧客にどう感じてもらいたいかを考える時に中心に置く価値観が顧客中心主義なのです」

「顧客中心主義とは、どんな会社になりたいか、顧客にどう感じてもらいたいかを考える時に中心に置く価値観です」
Zendeskプレミアサポート担当シニアマネージャー Jonathan Brummel

顧客中心主義の重要性

「顧客中心主義」とは、企業として「顧客を第一に考える」と約束することであるため、顧客ロイヤルティの基盤になります。Zendeskカスタマーエクスペリエンス傾向分析レポート2020年版によれば、顧客の74%は特定の企業にロイヤルティを感じており、52%はお気に入りのブランドから買うのに手間を惜しみません。

また、およそ半数の顧客は、1回嫌な思いをしただけで購入先を競合他社に切り替えると答えており、2回以上嫌な思いをした場合には、80%もの顧客が競合他社に切り替えると回答しています。顧客に必ず満足してもらえるブランドにするためには、顧客中心主義が大きな意味を持ちます。「顧客中心主義」をすべての企業活動の指針にしなければ、顧客を満足させることはできません。

とはいえ、顧客中心主義を実践するからといって、いきなり絶対に誤りを犯さない完璧な企業になるわけではありません。このような考え方は現実的にも無理があり、企業の姿勢としても誠実とはいえません。逆に、顧客中心主義は、より人間らしい顧客関係の構築にとって大切なものです。人間らしい関係は、顧客から学び、そうして得た貴重な洞察を踏まえて改善を重ねていくことで育むことができます。

効果の高い顧客中心戦略にするためのヒント

実効性のある顧客中心戦略を構築するには、感情レベルと運用レベルの2つに取り組む必要があります。顧客中心戦略をうまく策定できれば、顧客との間に本当の意味で、誠実で透明な関係を築くことができます。また、その過程で必要になるツールやプロセスを整える時の指針にもなります。顧客関係の管理とプロセスの改善はどちらも最優先すべき事柄です。ここでは、この両方に役立つ6つのヒントをご紹介します。

1.) コラボレーションを奨励する

顧客中心の会社になるためには、都度顧客に満足してもらえる経験を提供できるように、部門の枠にとらわれない協力体制を敷く必要があります。実際、顧客の70%は、企業が社内で連携をとることを期待しています。

例えば、サポートチームと営業チームの間であれば、こんな協力が考えられます。

  • エージェントは、新製品情報に関心を示した顧客がいたら、営業に知らせる。
  • 営業担当者が技術的な要素の高い質問を受けた時は、その領域を専門にするエージェントに対応してもらう。

コラボレーションは利益をもたらします。Benchmark社の調査によると、営業チームとサポートチームの協力は次につながることが示されています。

  • より多くのリード
  • より多くの取引の成立
  • より多くの契約の獲得

コラボレーションのためにチームの生産性がしてはいけません。生産性が下がっている時は、顧客もどこか使いづらいと感じているはずです。こうした事態を防ぎながら顧客のためにうまく協力できるようにするには、部門を越えて顧客データを統合する一元管理が必要になります。これがあれば、次を確保しながらチーム間で情報を共有できます。

  • ワークフロー分断を防ぐ
  • 顧客に社内の状況が分からないようにする

2.) 耳を傾けてもらえたと顧客に感じてもらう

顧客一人ひとりにストーリーがあります。その一方で、顧客はやり取りするたびに同じことを説明することを嫌がります。何度も繰り返し伝えなければならない状況は、自分は大切にされていないと顧客に感じさせてしまいます。こうなると、顧客中心の会社という印象を残すことができません。

Brummelは次のように述べています。「顧客中心主義にとって、耳を傾けてもらっていると顧客に感じてもらうことは非常に大切な要素です。顧客は、耳を傾けてもらったと思えなくなると、一気に不満を感じるようになります」

会社の談話室で同僚に会うたびに自己紹介から始めて、前回話した内容を伝えなければならないという状況を想像してみてください。これはパーソナルな対応とは言えず、顧客中心の対応でもありません。ところが、企業と顧客のやり取りは、このようなものになってしまいがちです。

話を聞いてもらえたと感じて必ず顧客に満足してもらえるようにするには、 一元管理を導入する必要があります。一元管理を活用すると次のような情報が得られるので、顧客のストーリーを完全に理解できます。

  • 顧客の氏名
  • アカウント情報
  • 前回の問い合わせ日時

これにより、すべてのチームが、関連性のある背景情報と会話の履歴を活用できるようになります。このどれもが、顧客が期待するパーソナライズされた経験を提供するために欠かせない情報です。

3.) 顧客と歩調を合わせる

コミュニケーションチャネルを1つに絞って、そこで満足感の高い経験を提供することに集中した方が簡単に思えるかもしれません。しかしながら、Zendeskが最近行った調査によると、顧客が問い合わせに使うチャネルを選べるようにすると、ロイヤルティが大きく高まることがわかっています。

データが示していることは明白です。満足感の高いカスタマーエクスペリエンスは、いかに顧客にとって簡単かという点が大きく影響します。わざわざ努力しなければブランドに問い合わせられないというのは、顧客にとって好ましい状態とはいえず、あるべき姿でもありません。顧客中心主義の企業が顧客に歩み寄る対応をしているのは、これが理由です。この観点で対応することで、顧客がいつでもどんな手段でも問い合わせられるようにしています。

顧客属性データを見て、最もよくある質問のタイプを検討すると、驚くべき事実が明らかになることがあります。特定チャネル(非モバイル)の提供が業界のベストプラクティスとして推奨される場合があります。しかし、データを見ると、多くの顧客がモバイルチャネルをいちばん好んでいることが明らかになるかもしれません。こういう結果が得られた時は、顧客と歩調を合わせるために、WhatsApp、SMSをはじめとした携帯向けメッセージングチャネルの追加を検討するのもよいでしょう。

繰り返しになりますが、顧客の全体像を確認できるようにするには、すべてのチャネルで会話を統合することが大切です。これにより、チャネルが変わっても、その顧客の背景情報を確認できるようになります。顧客がいつでもどの方法を使って問い合わせた場合にも、迅速でパーソナルな対応が促進されます。

4.) フィードバックを活用して改善を図る

顧客中心主義の会社になるうえで重要なもうひとつの要素が、
顧客からのフィードバック
にどう対応するのかということです。顧客中心主義の企業であれば、
顧客から苦情
が来ても、まるでドッジボールでボールに当たらないように逃げ回るかのような対応はしません。顧客からの苦情が届いたら、次のような対応をします。

  • 顧客の声をしっかり理解する
  • 顧客のフィードバックを踏まえて満足感を高められる経験を作り出す

フィードバックを求める方法には、例えば次があります。

  • 顧客アンケートを送付する
  • オンラインコミュニティを作って、顧客どうしで製品やサービスでの経験を共有し合ったり、顧客が新機能の要望に投票したりできるようにする

顧客との間にフィードバックループを作ることが大切です。健全な関係とは双方向に意思疎通ができる関係です。このため、企業と顧客の関係も双方向にコミュニケーションをとることができるようにする必要があります。

「顧客のことを販売する商品の消費者として捉えるのではなく、パートナーや協力者として扱うことが、顧客中心文化を構築する第一歩です」とBrummelは述べています。

5.) 共感を持ってデータを使う

入手できるデータが増加しているため、企業では、顧客が何を望み、何を選んでいるのかを推測する必要がなくなりました。企業はその代わりにトレンドに目を向けることができます。

しかしながら、顧客中心のアプローチでデータを利用することは、むやみにデータを使うことではありません。共感を持ちながらデータを使うことが大切ですあります。例えば、次のような使い方ができます

  • データに背景事情を追加する。
  • 思いやりを持ちながらデータを使う。
  • 顧客との親密な関係を深めるためにデータを使う。つまり、商品を使用している顧客が、どんな人で、何を求めているかを理解するためにデータを使います。

例えば、製品チームであれば、製品を更新する際にカスタマーサポートのデータを利用することで、その更新内容がユーザーにプラスに作用することを確認できます。あるいは、マーケティングチームであれば、すべての顧客に同じメールを送る代わりに、次のようなことを実施できるでしょう。

  • カスタマージャーニーの段階ごとに違う内容にする
  • 顧客が以前にどんなメールを開封したかに基づいて内容を分ける

その一方で、データが他部門と連携されていないと、データをうまく活用できなくなり、顧客に利益をもたらせるような利用の仕方もできなくなります。連携されていないと、すべての背景情報を得られないためです。まずは、各種システムやソフトウェア間でデータをやり取りできる管理体制を確立して、的確に解釈できるようにする必要があります。

6.) AIを活用して積極的に顧客ニーズを満たす

顧客中心主義の企業は顧客のニーズに対応するだけではなく、顧客の期待に積極的に応えていきます。先を見越した対応で経験を向上させることは、AIの助けを借りれば、複雑なことでも費用がかかることでもありません。例えば、サポートチームは機械学習を用いて顧客満足度を予想することで、先を見越した対応をして顧客からの苦情を減らしていくことができます。あるいは、営業チームであれば、顧客がカートの中の商品やデモの依頼を不明点があるために諦めてしまう前に、チャットボットを展開して積極的に顧客に働きかけることができます。

顧客中心主義の4つの事例

効果の高い顧客中心戦略を構築できたからといって、一夜にして顧客中心主義の企業になれるわけではありません。顧客中心主義は実践しながら調整していき、最適な形にしていく必要があるものです。どうすれば顧客中心主義の企業になれるのでしょうか?顧客中心主義で知られる4社の事例をご紹介しましょう。

  • Zappos
  • Zapposでは、企業全体にとってカスタマーエクスペリエンスが大切であることを示すため、顧客中心の価値観で組織をまとめています。例えば、この会社では、入社後の2週間は全員がカスタマーサービスの電話対応にあたります。

  • Four Seasons
  • Four Seasonsは顧客との間にリアルな人間関係を構築することを基盤にしたきめ細やかなサービスを提供することで、ラグジュアリーを再定義しました。宿泊客は、スパの予約や、お勧めのレストラン、特別サービスへのアクセスが必要になれば、友人とやり取りする時のようにTwitterやFacebook Messenger、SMSでホテルに連絡できます。

  • Postmates
  • Postmatesでは、製品について重要な意思決定を下すときは、CX(カスタマーエクスペリエンス)チームが製品チームやアナリティクスチームと連携することで、顧客からのフィードバック情報が確実に考慮されるようにしています。製品の最新ニュースの配信停止を選択する顧客が減るなど、数値での改善が促進されています。

  • Birchbox
  • 不満を覚える顧客をゼロにすることはできません。顧客中心主義の実践に大切なのは、こうした顧客にどう対応するかです。Birchboxではサービスリカバリーを使って、顧客からの苦情が来ると顧客の不満を解消して関係の修復を図っています。

顧客中心主義の名言

弊社で気に入っている名言をいくつかご紹介しましょう。顧客中心戦略を築いていくプロセスで、やる気が刺激されるはずです。

  • 「カスタマーサービスは単なるひとつの部門のことではありません。会社全体で取り組むべき事柄です」
    -Zappos最高経営責任者 Tony Hsiehs

  • 「当社が成功した理由は、誰もが知っていることです。『自分がしてほしいと思うように他者に接する』という黄金ルールを実践しているからです」
    -Four Seasons Hotels and Resorts創業者兼最高経営責任者 Isadore Sharp

  • 「製品を革新するためには顧客の声が必要です。顧客からのフィードバックに耳を傾けてこれに対応していくことで、近視眼的な考え方を防ぎながら、継続的な改善を促進できます」
    -Postmates CX・製品・事業リーダー Hetal Shah

  • 「どんなサポートセンターでも、やりとりがうまくいかないことはあります。エージェントがこうしたマイナスの経験から確実に何かを学びとり、そのうえで顧客と接して問題を解決できるようにするのが、カスタマーエクスペリエンスのリーダーとしての役割です」
    -Birchbox顧客業務・コミニケーション担当シニアマネージャー Deja WhiteheadBirchbox

顧客中心主義を追求するようになった企業は、利益や要件といったことではなく、顧客との関係を大切にする思いやりのあるブランドになります。ロイヤルティの向上を目指しているのであれば、顧客に関心を向けてみてはいかがでしょうか?心構えを変えるだけで、思いもよらないことを達成できるかもしれません。

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