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優れたカスタマーサービスチームを構築! コールセンターでのトレーニングに関する6つのヒント

更新日 2024年2月22日

顧客が企業に抱く印象は、たいていサポート担当者とのやり取りによって決まります。実際、電話での問い合わせ以外に、顧客が企業と直接やり取りする場面はほぼありません。オンラインを基盤にしている企業の場合はなおさらです。

電話応対で「しっかり自分の声に耳を傾けてくれている」と顧客に感じてもらうには、サポート担当者に適切なトレーニングとツールを提供することが肝心です。そこで今回は、サポート担当者が満足度の高い有益なカスタマーエクスペリエンスを提供できるよう、コールセンターでのトレーニングに関する6つのヒントをご紹介します。

1.コールセンターでのエチケットを叩き込む

長い間同じ業界で働いていると、一部の業務に関しては自然とうまくこなせるようになってくるため、マネージャーは、適切な電話応対のエチケットをはじめとしたサポート担当者の各種スキルが経験によって培われているのだということをつい忘れてしまいがちです。

丁重かつ親しみやすい態度で電話応対を行う方法について、改めて指導の場を設けることは非常に重要です。電話サポートでは、少しの対応の差がカスタマーエクスペリエンスに大きな影響を与えます。以下に例を挙げます。

  • 待機時間を伝える

    電話を保留にする場合は、顧客に目安時間を伝えることが肝心です。この点をサポート担当者によく理解してもらいましょう。どのくらい待たされるのかわからないと、顧客は落ち着かなくなってイライラが募り、挙句の果てには電話を切ってしまうこともあります。

     

  • トレーニング目的で通話を録音する可能性がある旨を伝える

    多くの顧客は、あまり抵抗を感じていないとは言え、通話が録音される場合は事前にその旨を伝えてほしいと考えています。

     

  • クレジットカード情報をやり取りするときは、通話の録音を中断する

    ほとんどのサポート担当者が行っている一般的なセキュリティ対策です。顧客情報の保護方針について説明しておくと、顧客に安心感を与えることができ、信頼関係を築きやすくなります。

コールセンターでのエチケットについて指導する際は、すべての顧客が丁重に扱われ、安心を感じられるようなサポートを提供できるよう、サポート担当者に適切なツールを支給する必要があります。

2.技術研修を実施する

サポート担当者は、コールセンターで導入されているソフトウェアやテクノロジーをちゅうちょなく使いこなせなければなりません。そうでなければ、技術的な障害が発生した際に余計な時間を取られかねないからです。

サポート担当者がそうしたツールをスムーズに利用できるよう、以下に対応する方法をわかりやすくまとめておきましょう。

  • コールセンターソフトウェアを操作しながら電話応対をする

    新しく入ってきたばかりの担当者だと、これまでの会社ではソフトウェアを使わずに電話のみで問い合わせに応答していた可能性があります

     

  • 部署間で通話を転送する

    他の担当者や部署に適切に通話を転送できるよう、サポート担当者に保留と転送の仕方を説明しましょう。

     

  • 通話中、必要に応じてスピーカーのミュートをオン/オフにする

    一般的に、顧客からの問い合わせに関して別のサポート担当者に支援を求めたい際にはこの機能を使います。ミュートにすると、顧客側の声が聞こえる状態にしたまま、こちら側の音声をオフにして必要なタスクを完了できるため、保留代わりとしても使えます。

     

  • コールセンターソフトウェアを使って他の従業員を通話に追加する

    たとえば、問い合わせ対応で知恵を借りたい場合や、顧客がマネージャーと直接話したがっている場合は、マネージャーを通話に参加させる必要があるでしょう。

コールセンターソフトウェアは、顧客からの問い合わせを整理、管理するうえで重宝するツールです。ただし、適切な技術研修を受けていないと、それらのツールは宝の持ち腐れになりかねません。サポート担当者に適切な研修を実施すれば、ツールは足かせとなることなく、満足度の高いカスタマーエクスペリエンスを提供するうえで役立つものとなるでしょう。

3.シャドーイングプログラムを実施する

場合によっては、実際に手本を示すことが最も効果的な指導方法となるケースもあります。シャドーイングプログラムを実施すると、新人担当者は経験豊富なベテラン担当者とペアを組んで、先輩が一般的な問い合わせにどのように対応しているかを間近で学び取ることができます。

シャドーイングプログラムにはいくつかの方法があります。一つは、新人担当者に顧客との通話をリアルタイムで聴取させることです。これにより、新人担当者は、ベテラン担当者がさまざまな顧客や状況にどのように対応しているかをリアルタイムで観察できます。また、この方法なら、サポート担当者がツールやソフトウェアをどのように活用してサポートの品質や効率を上げているのかを実演することもできます。

もっと簡単に、これまでに顧客満足度の高かった通話の録音を新人担当者に聞かせるという方法もあります。既に録音された通話の中から、特定の状況や問題の対処に役立つものを選ぶことができるため、サポート担当者がぶつかりやすい主な課題も克服することができます。

4.ナレッジマネジメントツールを提供する

サポート担当者が通話中に製品に関する質問に答えられない場合に、簡単に回答を見つけられるようにしましょう。Zendeskのような社内向けナレッジマネジメントツールを使えば、よくある問い合わせへの回答をすばやく検索し見つけ出すことができます。

ナレッジマネジメントツールとは、包括的で検索可能なオンラインデータベースで、さまざまな方法やハウツーが集約されています。ナレッジマネジメントデータベースを検索することで、サポート担当者は他のチームメンバーに頼ることなく、自力で簡単に回答を探し出すことができます。

また、Zendeskなら、その場ですぐにデータベースにリソースを追加することもできます。これにより、経験豊富な担当者が特定のタスクやプロセスに関するハウツー記事を手軽に作成して、新人担当者がそれを参考に業務を進めるといったことが可能になります。

ナレッジマネジメントツールは、チーム間での連携にも有用です。たとえば製品マネージャーが、ナレッジマネジメントツールを使って製品のリリースやアップデートに関する最新情報をカスタマーサービスチームに共有すれば、サポート担当者は、顧客から新しい製品やサービスに関する質問があった際にも対応できます。

このように学習資料を提供することで、サポート担当者は知識を蓄積し、豊富な情報に基づいた有益なサービスを顧客に提供できるようになります。

5.明確な目標を設定する

目指すべき目標がなければ、従業員は行き場をなくして立ち止まってしまいます。明確な目標を設定することは、個々の成長へのモチベーションにつながるのです。

どのような目標を設定すべきかわからない場合は、以下の指標に関する 一般的なカスタマーサービスの目標を立てるとよいでしょう。

  • 平均待機時間 顧客は5分以内に電話がつながることを期待しています。
  • 問題解決時間チケット(問い合わせ)をオープンしてから解決するまでにかかった時間のことです。
  • 通話に応答できなかった回数 新人のころは、回線の混み合うコールセンターで電話を取るのに苦労することもあるでしょう。通話に応答できなかった回数について達成可能な目標を設定すれば、マルチタスク能力を改善するモチベーションが上がります。

設定する目標は、必ず達成可能かつ測定可能なものにしてください。たとえば、「1週間に応答できない通話をゼロにする」という目標は、配属されたばかりの新人担当者にとって現実的な目標ではありません。達成不可能な目標を立てることは挫折を招き、たちまち従業員の満足度を低下させ、離職につながるおそれがあります。

6.フィードバックを与える

フィードバックをもらえないと、サポート担当者は、自分が目標達成に向けて正しい方向へ進んでいるかを確かめることができません。建設的なフィードバックを提供するには、サポート担当者が苦戦している分野とその改善策を理解する必要があります。そこで役立つのが、各担当者の顧客応対をモニタリングすることです。録音された通話を基に、サポート担当者のエチケットを評価し、強みと弱みを特定しましょう。また、質疑応答のスコアカードを作成すれば、より綿密に応対を評価できます。

改善すべき分野を伝えた後は、サポート担当者がスキルに磨きをかけて成長を遂げられるよう、関連記事や学習資料を提供します。こうした種類のリソースを活用すれば、単なるフィードバックではなく実践的なアドバイスを提供でき、サポート担当者は社外でも自己啓発を図ることができます。

6つのヒントを実践して顧客ロイヤルティを強化しましょう

カスタマーサービスでは、細部にまで神経を行き届かせることが肝心です。これはもちろん、電話サポートの場合も例外ではありません。ご紹介してきたコールセンターでのトレーニングに関するヒントを参考に、効果的で親しみやすい電話応対を実現するための細かな作法をサポート担当者に理解してもらいましょう。そして、あらゆる問い合わせ対応を満足のいくものにするために、サポート担当者が必要なスキルを習得してツールを使いこなせるように支援すれば、最終的に 顧客の満足度とロイヤルティは向上するはずです。

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