働き方の変化に伴い、企業の経営陣には、スピーディで的確な判断力をもって適宜方向性を変えながら、適切な従業員エクスペリエンスを構築することが求められています。つまり、従業員と密にコミュニケーションをとって、十分なサポートを提供し、疎外感を与えないようにしなければなりません。
そこでぜひ目を通していただきたいのが、最新版の「Zendeskカスタマーエクスペリエンストレンドレポート」です。このレポートでは、HR(人事業務)チームが適切な意思決定を下し、従業員エクスペリエンスを最大限に向上させるための重要なポイントをご紹介しています。
チーム間の共同作業を促進する
入念な検討のうえ、複数年にわたる堅実なデジタル化計画を立てていたものの、新型コロナウイルス感染症によるパンデミックの発生によって、その計画を一足飛びに実施せざるを得なくなったという企業は少なくありません。実際、Zendeskの調査によれば、企業の経営陣の75%が、パンデミックの影響で新しいテクノロジーの導入スケジュールが速まったと回答しています。テクノロジー関連の意思決定者にいたっては、その割合は90%にものぼり、そのうちの3分の1はデジタル化計画が4年以上前倒しになったと答えました。
社内ヘルプデスクとは
テクノロジー関連の意思決定者の多くは、前倒しになったデジタル化計画の一環として、社内ヘルプデスクの充実化を検討しています。社内ヘルプデスクとは、自社の業務プロセス、製品、サービスに関して、従業員からの問い合わせが一挙に寄せられる場です。
一般的なヘルプデスクは、従業員や顧客からの問い合わせに対応するために、ソフトウェア製品を利用してユーザーとのやり取りを管理するチームを指しますが、それとは少し役割が異なります。
パンデミック以前は社内ヘルプデスクに投資していなかった企業も、現在は方針を転換し、投資の計画を立て始めています。主に、従業員の生産性を高めるためのツールの導入(33%)、各部門での問い合わせ管理の支援(32%)、従業員へのリアルタイムサポートの拡大(31%)といった点に力を入れる予定です。
こうした計画が進んでいるのは、リモートワークへの移行によってバラバラになったチームを結びつける必要が出てきたからです。すぐ隣に座っているメンバーとしか連携できないのでは、もはやチームワークは成立しません。デジタルファーストのリモートワーク環境では、今までの考え方や行動様式を一新し、よりシンプルなアプローチで仕事を進められるようにする必要があります。
変動性を受け入れて適応する
社内ヘルプデスクに関連する2つの重要な概念が、変動性(ボラティリティ)と機敏性(アジリティ)です。2020年は変動の一年であり、社内ヘルプデスクでは、2019年と比べて従業員からの問い合わせの数が11%も増加しました。また、社内ヘルプデスクで取り扱うデータの量も全体的に増えています。
従業員は、現在のような状況下でも何とか成長する方法を見つけ出そうとしています。そんな中、変化や不確実性に適応する最善の方法は、社内で使用するツールやプロセスに柔軟性を持たせることだとZendeskは考えています。そうすれば、HRチームに加え、成長を目指し続ける各従業員が、あらゆる事態に機敏に対処できるようになるからです。Zendeskのカスタマーサクセス担当バイスプレジデントを務めるTeresa Ananiaは、こう話します。「現在、従業員やマネージャーの間で形成されつつある習慣は、今後も長期的に継続され、これから何年にもわたって企業の運営方法に影響を及ぼすでしょう」
「HRチームが常に忘れてはならないのは、『人間を助ける』ことがツールの本来の目的だということです」Zendeskバイスプレジデント、グローバルHRビジネスパートナー支援責任者、Mechele Neeley-Scholis
Zendeskの調査によると、パフォーマンスの高い企業*では、提供するチャネルやサポート担当者のワークフローを調整することで、ヘルプデスクの適応に成功している割合が他の企業を21%上回っていました。同調査では、多数の実用的なインサイトが得られますが、その多くはセルフサービスに関連しています。
社内へルプデスクにおける2021年の強化分野
社内ヘルプデスクを導入している企業のほとんどは、今年の投資額を増やす方向です。主に、次の分野に大きく投資する予定です。
- 生産性ツールの導入(79%)
- ビジネスプロセスの自動化(73%)
- 各部門での問い合わせ管理の支援(68%)
従業員に対するサポートと顧客に対するサポートの両方において、ここ何年かでFAQやヘルプセンターのように顧客が自分自身で問題を調べて解決できるセルフサービス型サポートの人気が高まっています。
つまり、多くのユーザーは問題の自己解決を望んでいます。移り変わりの激しい現在の状況で、このことは特に重要な意味を持っていると言えるでしょう。「Zendeskカスタマーエクスペリエンストレンドレポート2021」では、調査参加者の68%が大きな疲労を感じていると回答しています。
人々の間にまん延する、いわゆるコロナ疲れについて詳しく取り上げたHarvard Business Reviewの記事によると、46か国の1,500人を対象に調査を行った結果、日常の幸福度が低下したと考える回答者の割合が85%、仕事での要求が増えたと考える回答者の割合が56%にのぼりました
パフォーマンスの高い企業では、従業員向けにセルフサービスチャネルを提供している割合が、他の企業と比べて60%高く、2020年にヘルプセンターのコンテンツを充実させた割合も37%上回っています。
今、従業員の中には、自宅で子供の勉強を見たり、幼児や高齢者の世話をしたりする必要がある人もいるかもしれません。セルフサービスを利用することで、そうした従業員は、たとえ夜中の2時であっても、自分の都合の良いときに問題を解決することができます。
また、顧客の場合と同様に、従業員が自分で問題を解決できるようになれば、問い合わせの数を減らせます。その結果、HRチームは浮いた時間でより高度な問題に対応できるようになります。
適切なテクノロジーとツールを導入する
以上のことから、ツールの重要性はこれまで以上に高まっています。どんな課題を抱えていようと、どんな変化に直面していようと、企業が従業員をサポートしてビジネスの健全性を維持するには、ツールがすべてを握っていると言っても過言ではありません。
多くの企業が急速な進化を成し遂げたにもかかわらず、社内ヘルプデスクの担当者の4人に1人は、リモートワークに適したツールが整備されていないと答えています。
幸いにも、大半のHRチームは従業員への支援に関する投資を拡大する予定で、61%の企業が2021年に予算を増額すると回答しました。
Zendeskの調査によると、パフォーマンスの高い企業には、他社と比べて次のような特徴があります。
データ分析用のソリューションの導入率が33%高い
開発者ツールの導入率が51%高い
各種アプリケーションや連携機能を活用し、CXソリューションを拡張している割合が58%高い
*ここで言うパフォーマンスの高い企業とは、「Zendeskカスタマーエクスペリエンストレンドレポート2021」で、チケット(問い合わせ)に関する3つ以上の測定指標(初回応答時間、解決時間、セルフサービスの利用率、顧客満足度など)で中央値を上回った企業を指します。
Zendeskを社内ヘルプデスクツールとして取り入れれば、従業員を適切にサポートできるようになります。詳細については、こちらのページでご確認ください。