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社内ヘルプデスクの課題やパフォーマンスを向上させる5つの方法

働き方改革の一環として、業務のデジタル化が進んでいます。企業が導入するITシステムや機器の種類も増加傾向にあり、それに伴い社内ヘルプデスクへの負荷も高くなっているのが現状です。本記事では、社内のIT推進担当者などの方向けに、社内ヘルプデスクが抱える課題やパフォーマンスを向上させる方法についてご紹介します。

発行日: 2021年9月25日
更新日: 2021年9月30日

社内ヘルプデスクの仕事とは

「社内ヘルプデスク」とは、主に社員に向けて社内のIT関連のサポートを担う仕事です。具体的には、パソコンでのパスワードリセットにおけるトラブル対応や、社内システムの操作方法、ソフトウェアのインストールに関する説明などを電話対応やメールで行います。「出張先から社内のネットワークにアクセスできない」といった突発的なトラブルへの対応も業務に含まれます。

社内ヘルプデスクには内製と外注の2パターンがあり、大企業では外注するケースが多いでしょう。顧客をはじめとする社外からの問い合わせに対応するのは「社外ヘルプデスク」で、一般的には「カスタマーサポート」や「コールセンター」、「コンタクトセンター」などとも呼ばれています。

社内ヘルプデスクの課題


全社員のサポートを担う社内ヘルプデスクの仕事は、やりがいが大きい反面、業務が多岐にわたるにもかかわらず十分に人員が配置されていないなど、一人ひとりに大きな負荷がかかっていること散見されます。そこで本稿では、社内ヘルプデスクが抱える代表的な3つについて見ていきましょう。

  • 対応範囲が広い

1つ目の課題は、担当者の業務負荷です。業務が負荷となる理由としては、「対応範囲が広い」「兼務量が多い」の2つが挙げられます。

まず「対応範囲」については、働き方改革の一環としてテレワークが普及している背景もあり、業務のデジタル化が進んでいます。社内システムに限っても、勤怠管理や稟議決裁、顧客管理、経費精算など、ヘルプデスクに問い合わせが来るシステムの種類は増加傾向にあるといえるでしょう。

社内ヘルプデスクは、企業によっては、IT関連のサポートだけでなく、人事総務関連など社員からの幅広い悩みの相談窓口となっているケースもあり、対応する範囲は広がる一方です。

次に「兼務」の問題ですが、業務の細分化が進んでいる大企業では、社内ヘルプデスク業務については業務委託やアウトソースを利用するケースも多くあります。また、社内ヘルプデスクはIT関連の問い合わせ対応やトラブルシューティングを担い、社内SEはシステム開発に専念するなど、双方の役割を明確に線引きしていることも多いでしょう。

しかし、さほど規模が大きくない会社ほど、IT部門のSEが業務上の流れで社内ヘルプデスクを兼務しているケースが多く、担当者の業務負荷が懸念されます。

  • 説明に時間と手間がかかる

社内ヘルプデスクの対応手段は、主に電話とメールです。同じ会社の社員でも、所属部署や年齢などによって、ITリテラシーのレベルにはバラつきがあります。IT方面に明るくない社員では、トラブルの状況を正確に伝えられない場合も多く、社内ヘルプデスク側での状況把握に手間取ってしまいがちです。仮に状況を把握できても、今度は「相手に専門用語を理解してもらえない」などの問題があり、1人当たりの解決に時間がかかってしまう場合も多くあります。

  • 迅速な対応が求められ忙しい

社内ヘルプデスクに寄せられる問い合わせ内容の中には、急を要するトラブルが多いのも特徴のひとつです。特に顧客やクライアントが絡むものは、対応が遅れるとビジネスチャンスを失うだけでなく、企業の社会的信用にも関わってきます。ビジネスへの影響を最小限に抑えるためには、スピーディな対応が不可欠です。

コロナ禍における在宅勤務やテレワークの普及により、ネットワーク接続やクライアント環境の不具合は、業務上致命的な問題となります。これにより「不具合=緊急対応」図式が定着し、常に問い合わせ対応に追われるなど、ハードな勤務状況が続くことが多いのが現状です。

課題を放置することで起こる問題


社内ヘルプデスクがうまく回らなくなると、どのような問題が起こってしまうのでしょうか。以下では、前述の2つの課題を放置することで引き起こされる問題について解説します。

  • 従業員満足度の低下

社員も顧客と同様に、自身が求めるサポートへの迅速な対応を求めています。社員からのサポートリクエストが多いのは、IT関連のトラブルです。それゆえ社内ヘルプデスクは、社員向けに提供されるサービスの中でも特に重要です。社内ヘルプデスクの対応品質が低いと、従業員満足度も低下してしまいます。具体的には、「サポート対応までのプロセスが複雑」「課題解決までに時間がかる」といった点に不満を抱く社員が多くいます。

働き方改革の普及にともない、業務時間は極力効率よく働くことが求められており、社内ヘルプデスクの対応スピードは、その重要なカギを握るといえるでしょう。従業員満足度が向上すればモチベーションも上がり、会社への帰属意識も高まります。

  • 生産性の低下

社内システムの種類が増えるということは、その分だけ社員が日々サポートを必要とする場面も多くなるということです。「社内ヘルプデスクの電話につながりにくい」など、求めるサポートになかなかたどり着けない状態では、毎日ストレスを溜め込んでしまいます。解決するまでは業務も進められず、結果的に社員の生産性も落としかねません。

加えて、企業全体に影響を及ぼすネットワークや基幹システムに障害が起きた際、リソース不足によって対応が遅れてしまうと、ビジネスへの打撃は避けられません。社内SEと兼務している場合でも、社内ヘルプデスク対応のボリュームが大きいと、システム運用・開発など本来の業務時間が削られてしまいます。このように社内ヘルプデスクの課題は、企業全体の生産性にも大きく影響します。

社内ヘルプデスクのパフォーマンスを向上させる方法

現状を打破し、社内ヘルプデスクのパフォーマンスを向上させる方法もあります。悩みを抱えている場合には、次の5つの方法を取り入れて早期解決を図ってみてはいかがでしょうか。

  • 対応範囲の明確化

まず、社内ヘルプデスクで対応する業務を明確化します。社内の「何でも屋」になってしまうと、常に手一杯の状況となります。優先度も曖昧になり、ビジネスへの影響が大きい重要トラブルへの対応が遅れてしまいかねません。対応する業務と自己解決を促す業務とを明確に分け、社内ヘルプデスクへの業務負荷を一定化させることで、パフォーマンスの向上が期待できます。

パスワードロックの解除方法など、専門性が低く頻度の高い問い合わせについては、社員が自己完結できる方法を提示するのも手です。特にITリテラシーが高い社員は、社内FAQなどのセルフサービス型コンテンツを活用して、スピーディに解決できる方法を好む傾向にあります。具体的な方法については後述します。

  • 専門部署の設置

対応業務を明確化する際に同時に検討するとよいのが、社内ヘルプデスク業務に特化した専門部署の設置です。IT分野へのニーズは、今後もさらに増大傾向が続くと想定されます。社内SEなど他業務との兼務では、担当者への業務負荷が高くなる一方であり、いずれパンクしてしまうおそれもあります。

そもそも、1人の担当者にシステム運用・管理から問い合わせ対応までさせるのは、職場環境としても考えものであり、社員のモチベーション低下も招いてしまいます。特に、担当者が慢性的に疲労状態にある場合は、この機会にあらためて体制を見直す必要があるでしょう。

緊急時に迅速に対応できない体制では、リスクマネジメントの観点でも万全とはいえません。社内にリソースが足りない場合は、自社のニーズに合う企業などにアウトソースするのも手です。

  • ノウハウ・ナレッジの可視化・共有

社内ヘルプデスク内での業務効率化も図りましょう。過去の社員からの問い合わせ実績や、解決方法についてのノウハウ・ナレッジを蓄積する仕組みを整えることが大事です。過去に問い合わせが多かったものなどから優先的にマニュアル化していけば、各担当者のノウハウ・ナレッジを可視化し共有できます。

ノウハウ・ナレッジの可視化・共有には、大きく3つのメリットがあります。まず、対応クオリティを均一にできることです。次に、休みを取っている担当者の代わりに回答したり、異動時の引き継ぎもスムーズに行えたりするなど、仕事の属人化を防げます。さらに新人教育の手間を省けるので、早期戦力化にも役立つはずです。

  • 社内FAQの整備

社内ヘルプデスク内のノウハウ・ナレッジが蓄積できたら、それをもとに社内FAQも作成しておきましょう。イントラネットにアップするなどして、社員がいつでも閲覧できるようにしておくのがポイントです。その際、キーワード検索機能を付けたり、図表や動画も取り入れたりすると利便性が上がります。テキストで説明するよりも、図表や動画などの視覚的な情報を与えたほうが、早く理解できる場合も多いでしょう。

優れたFAQの存在は、問い合わせ数の削減に効果的です。解決方法の手順をわかりやすく記載したFAQがあれば、多くの社員が自己完結できるようになるでしょう。FAQの活用率が上がれば上がるほど、社内ヘルプデスクの業務負荷は下がり、対応時間の短縮にもつながります。

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  • チャットボットの導入

無人のチャットボットを導入すれば、人件費をかけることなく、24時間365日体制で社員からの問い合わせに回答する体制をつくれます。作成したFAQをチャットボットにセットしておけば、チャットや音声機能で担当者の代わりに回答してくれます。同時に複数の問い合わせを処理できるのも、チャットボットの強みです。

チャットボットは、社内FAQやマニュアルなどに比べて使いやすく、直感的な操作で社員が知りたい情報にたどり着けるなど、社内ヘルプデスク業務との親和性が高いとされています。特に「パスワードのリセット方法」や「パスワードのロック解除」など、1回のやり取りで解決できる定型型の問い合わせの場合、自動応答式のほうが気兼ねなく使えるでしょう。チャットボットでは解決できない複雑な問い合わせについて担当者が引き継いだときにも、やりとりの履歴からある程度状況が把握できるため、迅速に処理できます。

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まとめ

働き方改革の最終目標は、生産性の向上です。企業においては、短時間で今まで以上のアウトプットを出していくことが求められており、実現には何かしらのブレークスルーが必要です。全社員が利用する社内ヘルプデスクの在り方を根本から見直すことで、従業員満足度の向上や生産性向上が見込めるでしょう。

顧客向けカスタマーサービスとして全世界で導入されているZendeskですが、社内ヘルプデスクツールとしても、その機能は十分に発揮されます。

たとえば、「AbemaTV」やブログサービス「アメーバブログ」の運営をする株式会社サイバーエージェントでは、WordPressベースで自社開発したヘルプセンターから、Zendesk Supportへ移行することで、ITサポート業務を一気に効率化することに成功しています。

社員も重要な顧客と考えることができます。社内ヘルプデスクに課題を感じていらっしゃる方は、こちらの事例もご一読ください。
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