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顧客の心をつかむには?カスタマーサポートが心がけるべき5つのポイント

更新日: 2023年1月5日

お客様は神様だ、という言い方がやや時代遅れに聞こえる現在でも、顧客は丁重な扱いを受けて当然だと思うものです。カスタマーサービスの担当者には、最高の顧客体験(カスタマーエクスペリエンス)の提供が常に求められます。ここでは、カスタマーサービスの担当者にぜひともマスターしてもらいたい5つのスキルをご紹介します。

1. 相手の真似をする

顧客の言葉遣いや言い回しを反復することで、担当者は、その問題を理解し共有できていることを示せます。そのことで、担当者と顧客との間で円滑な関係を築くことができ、双方が必要な情報を受け取りやすくなります。

顧客へのサポートは、電話だけでなくメールやチャット、ショートメール、ソーシャルメディアなど様々なチャネルを通じて行われるようになりましたが、いかなる方法であれ、相手の気持ちに寄り添うような語調や声のトーンで語り掛けることが大切です。

チャットやショートメール、SNSなど、リアルタイムのツールでは短いフレーズでのやり取りがメインとなるため、応対の印象は単語の選び方ひとつで変わってしまいます。そのため言葉の慎重な選択がカスタマーサービスの根幹的なスキルとなります。まずは礼儀正しく分かりやすい中身のある言葉遣いを心がけましょう。不満を抱える顧客に接する際は忍耐力が問われるのです。

2. 聴く、要約する、繰り返す

顧客が抱える問題にしっかりと耳を傾けることはカスタマーサービスの基本的なスキルです。正確に理解しなければ、顧客の話した内容を要約して繰り返すことはできません。顧客は、自分のしゃべった内容をオウム返しにするのではなく、噛み砕いて自分の言葉で確認してくれる担当者に、より大きな信頼を置きます。その方が自分の問題を理解してもらえたと感じるからです。

この要約と繰り返しを行った上で、自分たちのサポート内容についても要約して話すことが大切です。顧客のために何をできるかを分かりやすく伝える能力は、高度なカスタマーサービスのスキルの一つといえるでしょう。大きな枠組みが見えて初めて、顧客は自分が次に行うべきことを理解し、問題解決を具体的に進められるのです。

3. テンプレートを利用しても、文例はそのまま使わない

顧客は自動応答を嫌います。担当者として顧客にメッセージを送る場合、せっかく人間が介在しているのですから、自分なりの心配りや気遣いを言葉に込めることも大切です。テンプレートを利用するのも良いですが、それはあくまでガイドラインです。

テンプレートの文言に過度に縛られると、かえってコピー&ペーストの薄っぺらな印象を与えてしまいます。自分の言葉で語ること。そのことで、カスタマーサービスの担当者と顧客との関係は人と人との関係となるのです。

4. 商品知識を深める

知識は力です。顧客に安心感を与える切り札にもなります。

また、カスタマーサポートの担当者が商品について正確な知識を持っていれば、それだけ多くの人に商品の特性や長所が伝わります。商品のアップデートや新商品発表は随時行われるわけですから通常の業務研修に加えて商品についての研修も定期的に行いましょう。

5.対話する手段に応じたスキルを身に着ける

素晴らしいカスタマーエクスペリエンスとは、質問への回答以上の応対が得られることです。ですから、顧客の感情に共感する力や品格、コミュニケーション能力、親しみやすさなどの対人関係のスキルは、以前よりカスタマーサポートの大切な要素でした。

そうしたソフトスキルに加え、実に67%もの顧客がチャットやSNS、ショートメールなどを日常的に利用する現在では、顧客と接するチャネルごとのスキルも求められてきます。そしてそれらのスキルは、メディアに応じて使い分けなければなりません。以下にチャネルごとのテクニックを挙げてみましょう。

電話

コールセンターをはじめ、電話応対を行う担当者は声のトーンに気を配る必要があります。人は他者の声から、良きにせよ悪しきにせよ何らかの感情を読み取ってしまうものなのです。電話によるサポートの際はとくに以下のことに気を使いましょう。

  • 見られていなくても実際に笑顔で話す
  • 相手が怒っていたり苛立っていたりしない限り、相手の言葉遣いやトーンを真似る
  • しっかりと相手の話を聴き、それから問題を整理する
  • 相手の言い分に理解を示す
  • 問題点を要約する
  • 待ち時間にもコミュニケーションを取る

Eメール

メールによるサポートでは、ライティングのスキルが必要です。担当者個人が語っている体裁を取りますが、会話調では信頼されません。しっかりとした文章構成になっていなければならないのです。簡潔で分かりやすいメールにするために、問題点をリスト化し、カスタマーサービス側でどのようなサポートを提供できるのかを説明し、顧客に役立ちそうな情報を伝えましょう。もちろん、読み返して文章の誤りがないかをチェックすることは大前提です。メールの場合にはとくに下記のことに留意してください。

  • テンプレートは自分の言葉に置き換えて使う
  • 推敲と校正を繰り返す
  • 決められた時間枠の中で優先順位をつけて順番に返答する
  • 用語などについては顧客の言葉遣いに合わせる

チャット

チャットによるサポートでは、電話とメールでのサポート両方のスキルが必要になります。電話と同じくリアルタイムの会話の要素があり、ライティングのスキルも問われるのです。チャットでサポートを行う場合は以下の点に注意しましょう。

  • 礼儀正しく分かりやすい語調でチャットする
  • 同時に複数の相手とチャットして、顧客の待ち時間を最小限にする
  • 顧客の反応をみて、相手の言葉遣いや語法に合わせる

ソーシャルメディア

チャットでのサポートができない場合、顧客はSNSを使ったリアルタイムのサポートも求めるようになってきました。実際に運用する企業も多くなっています。
SNSを通じたサポートは、かなり熟練したスキルを要し、それなりの経験が必要とされます。以下のようなことが、ソーシャルメディアを通じたサポートでは欠かせません。

  • すべての投稿に迅速に返答する
  • サポートを求める人に真摯に対応しているということを公に示す
  • 慎重に言葉を選び、礼儀正しく分かりやすく語る
  • 個別の質問については、ネット上に対話の場を個別に設定して対応する

顧客との接点が多様化する現在、カスタマーサービスの担当者に求められるスキルもまた多様化しています。問題を解決し、自社の商品に対する満足度を高めていくため、日々更新される顧客ニーズやテクノロジーに寄り添ったサービスを心がけ、きめ細やかなコミュニケーションを図ることが必要になっているのです。

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