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今日のビジネスで存在感を増すカスタマーサービスという仕事

発行日: 2019年7月18日
更新日: 2022年5月17日

今日、「顧客ファーストを推進するためにはカスタマーサービスが不可欠だ」という認識が高まり、各企業はカスタマーサービスのさまざまな機能に大きな投資を行っています。顧客を中心に据えてビジネスのさまざまな側面を考えた結果、カスタマーサービスの業務内容をシフトさせているのです。

カスタマーサービスの役割は、かつてに比べて格段に広がりました。最前線で顧客に対応する窓口担当者さえ、魅力的で活気のある職種になりつつあります。「顧客の時代」と言われる現在、カスタマーサービスの仕事は古びたイメージから脱却し、堅実で将来性のあるキャリアとして評価されています。

現代のカスタマーサービスの役割

カスタマーサービスの基本的な定義は「自社の製品やサービスに関して顧客が抱えている問題の解決を後押しすること」です。これまでサポート担当者には、型どおりの処理を行って、機械的に対応することが求められてきました。決して柔軟性が問われる役割ではなかったのです。

しかし、製品やサービスそのものが複雑になり、顧客の利便性が優先されるようになったことで、サポート担当者も、細かい技術的な事項についての幅広い知識を積極的に身に付け、変化するタスクに柔軟に対応する必要が出てきました。そのためには、他部門とすばやく連携したり、製品の基盤となるテクノロジーについて調べたり、企業側も顧客側も思い付かなかった解決策を見つけ出したりする必要があります。窓口対応のスキルだけでなく、自社システムやソフトウェア開発に関する一定の専門知識も備えていなければ、顧客の問題を解決することはできません。

「IT活用が進んだニューエコノミー時代においては、企業が提供する製品やサービスそのものよりも、企業とのやり取りやエクスペリエンスが重視される傾向にあります」とZendeskのカスタマーアドボカシー シニアマネージャーのErin Hampeは話します。「カスタマーサービスは将来性のない仕事だ、オフィスに押し込められ、ヘッドセットを着けて、マニュアルに沿った電話対応をしているだけだろうという旧来のイメージと私たちはずっと戦ってきました。しかし実際には、もっと多くのことが求められる仕事です。製品が進化して高性能になれば、その分、問題の内容やお客様のご要望も複雑になるため、お客様とのコミュニケーションの重要性が高まり、サポート担当者の責任も大きくなります」

現代のカスタマーサービスの特徴

顧客とやり取りするチャネルが多い:メールや電話は今も変わらず有効ですが、新しい方法での問題解決を望む顧客も増えています。企業は、チャット、ソーシャルメディア、コミュニティーフォーラム、テキストメッセージ、アプリ内メッセージなど、顧客が好きな方法を選んでカスタマーサービスを受けられるように整備する必要があります。その結果、サポート担当者はチャネルごとに顧客とのやり取りと問題解決に最適な方法を把握しなければならず、管理者は効率的なオムニチャネルサポートの提供に努めなければなりません。

使用するツールや機能が多い:サポート担当者のエクスペリエンスと顧客のエクスペリエンスを向上するために、担当者は今までよりも多くのツールを使用するようになりました。たとえば、顧客の問い合わせに関する役立つ情報を提示してくれるAIアシスタントや、ワークフローを加速する外部アプリケーションなどです。こうしたツールや機能を活用して、自社のカスタマーサービスのアプローチをカスタマイズできます。サポートプラットフォームと統合すれば、サポート担当者はビジネスプロセスに沿ったエクスペリエンスを利用できるようになり、ひいては1人ひとりの顧客に合ったエクスペリエンスを提供することにつながります。

測定指標や分析項目が多い:デジタル化が進む他の仕事と同じように、カスタマーサービスにも、測定・分析するための重要な指標やKPI(主要業績評価指標)が数多く存在します。データサイエンスに興味を持っていれば、企業と顧客のさまざまなやり取りを専門に扱うサポート分野でどんどんキャリアアップできるでしょう。顧客を分析することで、ビジネスの強みと弱みについて膨大な情報が手に入ります。大量のデジタルデータを踏まえて戦略を立てることが、時代の先端を行く専門職であることの証です。

現代のカスタマーサービス業務の具体例

現代的な企業、つまり最高のカスタマーエクスペリエンスを提供するために投資を行っている企業では、カスタマーサービスにどのような仕事が任されているのでしょうか。いくつかの例をご紹介します。

顧客対応窓口

顧客対応窓口は、カスタマーサービスの最前線を守る立場です。この役職に就いたなら、顧客が利用するチャネル(メール、チャット、電話、コミュニティーフォーラム、Facebook、Twitterなど)について理解しておく必要があります。これらのチャネルに対応できれば、顧客の問い合わせのほとんどを最前線で解決することができます。たとえばZendeskでは、サポート依頼のなんと80%を窓口担当者が解決しています。

この窓口を務めるのが、いわゆる「サポート担当者」です。カスタマーエクスペリエンスに大きな影響を与えるすべての要素について精通するには、実に最適なポジションと言えるでしょう。窓口の担当者は、社内のどの役職よりも顧客と頻繁にやり取りを行って、製品の詳しい使用方法だけでなく、営業部門やマーケティング部門、さらには企業全体で描いているビジョンを顧客に理解してもらおうと奮闘しています。また、具体的なユースケースやフィードバック、ガイダンス提供に生かせる豊富な経験を持っています。最前線から上がってくる情報には、企業にとって計り知れない価値があり、常にその情報に触れられるこの環境は、キャリアアップに大いに役立つはずです。

スペシャリスト

製品スペシャリストとしてカスタマーサポートに携わるには、技術的な知識とコミュニケーション能力の両方が求められます。製品についての専門知識を基に、窓口からエスカレーションされたあらゆる問題に対処するだけでなく、自らがカスタマーエクスペリエンスに及ぼす影響も常に意識しておかなければなりません。スペシャリストは、顧客の重大な局面に対処することが多いため、概して報酬も高くなります。

多くのスペシャリストは、サポートプラットフォームやCRMシステム、データツールについての技術的な知識を持っています。また、一定の開発経験や認定資格が要求される場合もあります。さらに、窓口を担当している従業員が自分の極めたい製品分野を見つけ、その道のスペシャリストを目指して勉強することも珍しくありません(最終的には企業の利益にもつながるため、認定資格取得に向けたトレーニング費用を負担している企業も多く見られます)。

サポートアーキテクト

サポートアーキテクトは、解決にどれだけ時間がかかるのか計れないような、きわめて複雑な問題を取り扱うため、その業務内容を標準的なサービスレベルアグリーメント(SLA)で規定することはできません。難問に挑む情熱を持っていることに加え(きっと脱出ゲームは大の得意でしょう)、製品を支える専門性の高いコンポーネントや、問題解決に役立つ保証のない外部ツールについても、知っておく必要があります。ときには必要な外部ツールを自ら調査、選定しなければならないこともあるでしょう。それゆえ、責任の重さに見合う多額の予算が割り当てられています。

サポートアーキテクトは、ビジネス機能のあらゆる面を知り尽くしている必要があるため、通常はリモートで勤務することも外部委託することもできません。また、非常に技術色の強い役職です。サポートアーキテクトが下した決断がそのまま企業のカスタマーエクスペリエンスを形作り、結果としてカスタマーエクスペリエンスの大部分に影響することになります。

現代のカスタマーサービスには、他にも以下のような専門業務が存在します。

導入支援(カスタマーサクセスなど)

新規契約を結んだ顧客が自社の製品やサービスを有効に使い始められるように支援します。

セルフサービス用コンテンツの管理

顧客が自力で(サポート担当者に問い合わせることなく)課題を解決できるように、コミュニティーフォーラムやヘルプガイドコンテンツの管理を行います。

プレミアムサポート

個別対応を行ったり、(主に営業プロセスにおいて確立された)顧客関係を強化したりといった目的で、特定の顧客への専任サポートを提供します。

トレーニングおよびQA

導入支援をはじめとしたカスタマーサービスの各段階で使用するトレーニング資料を作成します。