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カスタマーリテンション(顧客維持)ソフトウェアについて知っておくべきこと

この記事では、カスタマーリテンション(顧客維持)ソフトウェアを活用し、常に優れたエクスペリエンスを提供して顧客を維持する方法をご紹介します。

発行日: 2021年8月18日
更新日: 2022年5月17日

企業は懸命に新規顧客を取り込もうとしますが、既存の顧客を定着させるのも同じくらい努力が必要なことです。「Zendeskカスタマーエクスペリエンストレンドレポート」によると、顧客の半数が、1回でも不快な経験をしたら他社に乗り換えると回答しています。2回以上になると、その割合は80%以上にのぼりました。

「不快な経験」は、最初の問い合わせから製品の購入後まで、カスタマージャーニーのどのタッチポイントでも発生する可能性があります。したがって、顧客をつなぎ止めるために常に良質なエクスペリエンスを提供できるかどうかは、社内のあらゆる部門の手腕にかかっています。

不快な経験をできるだけ減らして、顧客の維持率を高めるには、カスタマーリテンションソフトウェアが役立ちます。こうしたソフトウェアを利用すれば、顧客が選択したチャネルにかかわらず、部門をまたいで満足度の高いエクスペリエンスを提供できるため、顧客が他社に流出するリスクを低減することができます。

不快な経験をできるだけ減らして、顧客の維持率を高めるには、カスタマーリテンションソフトウェアが役立ちます。

カスタマーリテンションソフトウェアを利用すると、それぞれの部門で独自に行っていた取り組みが社内で集約され、あらゆるタッチポイントで顧客データを収集できるようになります。こうした貴重な情報が手元にあれば、常に快適でパーソナライズされたエクスペリエンスを顧客に届けられるようになります。

カスタマーリテンションソフトウェアで収集したデータの活用方法

カスタマーリテンションソフトウェアを使うと、コミュニケーションがスムーズになり、顧客や社内プロセスに関する貴重なデータを収集できるため、ビジネスにプラスに働きます。こうしたデータを活用すれば、カスタマーサービスの質を高めて、チャーンレート(解約率)を下げることができます。

カスタマーリテンションソフトウェアには、次のようなメリットがあります。

  • リスクの高い顧客を特定し、対策をとる

  • そもそも問題を把握できていなければ、それに対処することはできません。カスタマーリテンションソフトウェアを使用すると、顧客が不満を感じている点について重要なインサイトを収集できるため、問題にすばやく対処できるようになります。

    また、ソフトウェアを基に顧客データの分析と顧客満足度の測定を行うことで、高いパフォーマンスを挙げている取り組みを特定し、今後の顧客とのやり取りでその点を強化することができます。さらに、先回りで顧客に働きかけられれば、卓越したカスタマーエクスペリエンスを通じて顧客に強い印象を残すことができます。

    たとえば、旅行のロイヤルティプログラムを提供するSmilesは、自社が提供するサポートチャネルの中で、Facebook Messengerの利用率が最も高いことを突き止めました。そこでZendeskと提携し、Messengerでのサポートを拡張したところ、パイロットプログラムを実施した最初の1か月だけで、Messengerでの問い合わせ件数が平均100件から1,000件に急増しました。さらに、その期間にMessengerを利用した顧客の半数は、その後も同社を引き続き利用していることがわかっています。

  • ロイヤルティの高い顧客を特定し、報酬を与える

  • カスタマーリテンションソフトウェアを使えば、ロイヤルティの高い顧客を追跡することもできます。そうした顧客を特定して報酬(特典)を与えれば、顧客を維持できるだけでなく、新規顧客を呼び込むことにもつながります。

    顧客は、ひいきにしている企業からの報酬をありがたく思うものです。したがって、報酬を提供すれば、顧客のエンゲージメントを維持できます。「Bond Loyalty Report 2020」では、顧客の72%が魅力的なロイヤルティプログラムのあるブランドを他の人に推薦したいと回答しています。さらに78%が、ロイヤルティプログラムは企業と取引を継続する動機につながると答えました。

    カスタマーリテンションソフトウェアを使うと、ロイヤルティプログラムを管理したり、ネットプロモータースコア(NPS)などの関連データを追跡したりできます。また、古くからの顧客の満足度を高め、取引を継続してもらう効果もあります。

  • 社内のコミュニケーションとプロセスを改善する

  • カスタマーリテンションソフトウェアを使うと、改善すべき点を特定することができます。現状何が不足しているかを把握して、それを基にトレーニング資料や製品を改善すれば、顧客の期待を超えるサービスを提供できます。

    カスタマーリテンション戦略でまず重要となるのは、チームのパフォーマンスです。前述のとおり、電話サポートでのやり取りがスムーズに進まなかったり、部門間で情報がうまく共有されていなかったりして、カスタマーサービスで一度でも不快な思いをさせてしまうと、顧客は離れていってしまいます(Amazonのレビューで星1つの評価となっているコメントを見れば、一目瞭然です)。こうした問題を回避するには、顧客の不満の原因を突き止め、それを解消できるようにトレーニングやプロセスを変更する必要があります。

    カスタマーリテンションソフトウェアで収集した情報に基づいてチームトレーニングを実施し、新しいポリシーを導入しましょう。そうすることで、カスタマーエクスペリエンスの品質を改善し、新規顧客だけでなく既存顧客をも惹きつけられるようになります。

チャーンレートの改善につながる3種類のカスタマーリテンションソフトウェア

カスタマーリテンションソフトウェアを利用すると、最初の問い合わせから製品の購入後まで、顧客とのあらゆるタッチポイントで高品質なサービスを提供できるようになります。

カスタマーリテンションソフトウェアには、顧客について深く理解し、さまざまな業務を改善するための機能が搭載されており、顧客維持に関する目標の達成を後押ししてくれます。ただし、ソフトウェアの種類によってそうした機能には違いがあるため、ビジネスの目標と現在の課題に応じて、自社に最適なソフトウェアを選択する必要があります。

  1. 顧客関係管理(CRM)ソフトウェア
  2. 顧客関係管理(CRM)ソフトウェアを使うと、顧客のプロフィールを作成し、カスタマージャーニーのあらゆるタッチポイントで顧客とのやり取りを追跡、管理できるようになります。部門間でスムーズに連携し、顧客について同じ情報を共有できるため、カスタマーエクスペリエンスを最適化し、結果的に顧客維持率を高めることができます。

    Zendeskの調査によると、顧客の70%が、企業内部で顧客情報が共有されていることを期待しています。情報共有のスピードも重要です。顧客はレスポンスの速さも重視していて、15分以内に返信があることを期待している顧客の割合は30%にのぼります。CRMを利用すれば、こうしたニーズに応えることができます。

    顧客の70%が、企業内部で顧客情報が共有されていることを期待しています。CRMを利用すれば、こうしたニーズに応えることができます。

    ワークフローの自動化、リードの追跡、コミュニケーションツール、インテグレーション、レポート機能などを利用すれば、電話、メール、SNS、メッセージング、スケジューリングなど、あらゆる業務を1か所から進めることができます。

    たとえば営業担当者は、アップセルや新製品に関連する情報に簡単にアクセスできるようになります。マーケティングチームは、パーソナライズされた広告やコンテンツを作成するために必要な情報を入手できます。サポートチームは、これまでの会話履歴や行動履歴といった貴重な顧客情報を把握できます。

    たとえば、こんなシナリオを想定してみましょう。CRMソフトウェアのデータから、とある顧客が広告を見て自社のWebサイトを訪問してきたことがわかりました。ブログ記事をいくつか読み、メールマガジンにも登録したうえで、営業チームに連絡をとってきたようです。ここまでは順調です。しかし、製品の購入後にエンゲージメントの低下が見られました。この場合、次はどうしたらよいでしょうか。

    ここでCRMソフトウェアのデータを利用すれば、直ちにその顧客に合ったコンテンツやサポートを提供したり、アップセルの機会を作り出したりしてエンゲージメントを維持することができます。また、各部門が連携し、あらゆるタッチポイントで質の高いエクスペリエンスを提供することで、顧客の定着率を高めることができます。

  3. 品質保証(QA)ソフトウェア
  4. 品質保証(QA)ソフトウェアは、サポート担当者のパフォーマンスについてリアルタイムでフィードバックを提供してくれます。これにより、サポート担当者は、毎回高品質なカスタマーサービスを提供しようというモチベーションを維持できます。

    QAソフトウェアには、コーチングダッシュボード、スコアカード、画面キャプチャー、パフォーマンスレポートなどの豊富な機能があり、カスタマーエクスペリエンスの向上に必要な取り組みについてヒントを与えてくれます。

    ドッグフードのサブスクリプションサービスを展開するTails.comの事例を見てみましょう。Tails.comでは、ZendeskとMaestroQAを統合したことで、サポート担当者が応答時間を短縮する方法を特定できるようになりました。画面キャプチャーなどの機能を使った結果、各担当者は自身の課題とその解決策を理解できるようになったのです。

    同社では、作業効率化のため、サポート担当者のトレーニングとオンボーディングのプロセスも改善しました。その結果、平均対応時間(AHT)が大幅に短縮され、短時間でいっそう多くの顧客に効率良くサポートを提供できるようになりました。

  5. カスタマーフィードバックソフトウェア
  6. カスタマーフィードバックソフトウェアを利用すると、顧客から製品やサービスに関する意見を得る機会を設けることができます。顧客に「自分の意見が重視されている」という印象を与えられれば、顧客関係を強化できます。また、チームはそうしたインサイトを基に、顧客のニーズにどの程度応えられているかを把握して、今後の顧客とのやり取りを改善できます。

    カスタマーフィードバックソフトウェアには、アプリ内外でアンケートを実施するものから、ヒートマップやサイト訪問者の行動を記録するものまで、さまざまな種類があります。たとえば、顧客の行動を追跡するソフトウェアを使っていれば、そのデータを基に魅力的で使いやすいユーザーフレンドリーなWebサイトを作ることができます。また、顧客からのフィードバックを活用して、製品の不具合を修正したり、購入プロセスを合理化したりすることもできます。いずれも顧客維持率の向上に効果的です。

    顧客からフィードバックを収集することで、トレンドや顧客のニーズを把握し、製品やサービスの改善すべき点を見つけることができます。また、顧客は自分の声が尊重されていることを重視するため、顧客に意見をシェアする機会を与えるだけでも、顧客維持率の向上につながります。

カスタマーリテンションソフトウェアは必要か

カスタマーリテンションソフトウェアは、間違いなく投資する価値のあるツールです。今日のカスタマーリテンション戦略では、関係者全員の動きを把握することがカギとなり、カスタマーリテンションソフトウェアを利用すれば、そうしたニーズを満たすことができます。

企業が扱うデータの量が5年前と比べて3倍増えているという事実を踏まえても、ソフトウェアを利用するメリットは明らかです。データを収集、管理、分析するための適切なツールを選択することで、企業は、あらゆるタッチポイントで卓越したエクスペリエンスを提供できるようになります。