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WhatsApp Businessとは? ビジネスアカウントと個人利用の違い

WhatsAppは世界で最も人気のあるチャットアプリであり、企業が利用するメッセージングアプリとしても1位に君臨しています。 WhatsApp Businessを徹底的に解説

著者: Hannah Wren, スタッフライター

更新日: 2024年1月30日

メッセージングアプリはサポートチャネルのなかで最も顧客満足度が高く、利用は急増しています。 実際にWhatsApp経由のサポートチケットの数は101年に2020%増加したことが、Zendeskの2021年 カスタマーエクスペリエンス傾向分析レポートで明らかになっています。

顧客は友人や家族との連絡に利用するチャネルと同じチャネルで企業とやり取りすることを望んでいます。 企業も同様の考えを持っており、53年に新しいチャネルを追加した企業の2020%がメッセージングを導入しました。 スピード、利便性、安全性に優れ、個々の顧客に応じた対応が可能なメッセージングは瞬く間に顧客と企業の双方に受け入れられました。

WhatsAppは世界で最も人気のあるチャットアプリであり、25億人のユーザーを抱えています。 WhatsAppを利用していますか?このアプリは顧客対応において大きなポテンシャルを秘めています。 それでは導入を開始するにあたって知っておくべきことを挙げていきましょう。

  1. WhatsAppとWhatsApp Businessの違い
  2. WhatsApp Businessを導入するメリット
  3. WhatsApp Businessの機能

WhatsAppとWhatsApp Businessの違い

ビデオゲームに例えるならば、WhatsAppには、消費者向けのWhatsAppアプリ、WhatsApp Businessアプリ、WhatsApp Business APIの3つのレベルが存在すると言えます。 これから3つのWhatsAppのバージョンの主な違いを説明していきます。

WhatsApp

WhatsAppは消費者向けのチャットアプリとしてだけでなく、企業が利用するメッセージングアプリとしても頂点に君臨しています。 このアプリはインターネットの接続環境さえあれば利用可能です。電話回線は不要ですし、SMSの送信料もかかりません。 とりわけ若い世代で人気が高く、WhatsAppのユーザーの55%を18歳から35歳の間のユーザーが占めています。

その他のメッセージングチャネルと同じように、WhatsAppは非同期のチャネルであり、顧客はリアルタイムでの返答に加え、都合のよい時にも返答することができます。 Webベースのライブチャットとは異なり、顧客は例えばZoom会議への参加や、リアリティ番組の視聴など、別のことをしながら柔軟にトラブルシューティングに取り組むことができます。またエージェントは一度に数名の顧客に対応することが可能です。 さらに今後の対応のために会話のスレッドを保存することもできます。 これには顧客とブランドとの過去のやり取り(ボットとの会話、リマインダー、アップデート、通知など)が含まれます。つまりサポートを担当するエージェントは状況に応じて対応することが可能になり、顧客は同じ情報を何度も繰り返して伝える手間を省くことができます。

WhatsApp、WhatsApp Business、WhatsApp Business APIの違い

WhatsAppはWhatsAppプラットフォーム上で顧客とコミュニケーションを育むことを望む企業向けにアプリとAPIを提供しています。これらは共にWhatsApp Businessと呼ばれます。 企業はWhatsAppを起動するアイコンをWebサイト、ショッピングサイト、モバイルアプリの好きな場所に配置することで、WhatsApp経由のメッセージ送信を顧客に推奨することができます。 アイコンをクリックすると、アプリ内で会話が始まり、顧客はすぐに質問することができるようになります。

WhatsApp Businessアプリ

WhatsApp Businessアプリは顧客の問い合わせが少ない小規模のビジネス向けです。 Businessアプリのインターフェイスは消費者向けのWhatsAppアプリと同じですが、機能はいくつか追加されています。 例えばビジネスプロファイルの認定を受けることで、顧客からの信用度は高まります。 また中小企業向けのモバイルストア機能であるカタログを設置し、製品をWhatsApp上で展示および共有することもできます。

現段階では、WhatsApp Businessアプリを利用することができるのは1台のデバイスにつき1名のみです。 家族でお店を経営しているなら、恐らく経営者が顧客対応を兼任しているのではないでしょうか。 このような場合、WhatsApp Businessアプリは真価を発揮します。

WhatsApp Business API

WhatsApp Businessは、多くの顧客の問い合わせを管理するチームを有する大企業、営利団体、規模の大きな中小企業を対象としたアプリケーションプログラミングインターフェース(API)を備えています。 このAPIは、規模を拡大し、WhatsApp Businessよりも高度なツールを求めるサポートチームを考慮して開発されました。

APIを使うと、企業はCRMやZendeskをはじめとするカスタマーサポートソフトウェアにWhatsAppを統合でき、多くの顧客の問い合わせに対し、追跡、優先順位付け、応対できるようになります。 サポートチームはその他のチャネルと並行してWhatsAppでサポートを提供することができるため、システムやソフトウェア全体で顧客との会話やデータを共有することができます。 その結果、サポートチームはチャットボットや自動化などのツールを活用しながら、複数名のエージェントで会話を管理することが可能になるのです。

WhatsApp Businessを導入するメリット

以下に企業が速やかにWhatsAppを導入している理由を幾つか挙げていきます。

  1. 顧客が望むチャネルで
    サポートを提供
  2. 信頼を築く
  3. SMSに勝るサポートチャネル

1. 顧客がどこにいてもサポートすることが可能です。顧客がサンフランシスコにいても、コートダジュールにいても問題ありません。

顧客は簡単にカスタマーサポートに問い合わせることができます。 企業は顧客にとって最も便利なチャネルでサポートを提供しなければなりません。 事実、顧客が好むチャネルで企業とやり取りできることは、良質なカスタマーエクスペリエンスの重要な指標の一つであると、顧客は考えています

世界の人口の48%がスマートフォンを所有し、そのうちの87%がWhatsAppのようなメッセージングアプリを使っています。 WhatsAppのアクティブユーザーは20億人に達し、企業は顧客がどこにいても連絡することが可能です。 一方、顧客は必要なときに、携帯電話にインストール済みのアプリを介して返答を確認することができます。

さらにWhatsAppを使えば企業は世界中の顧客に対応することができます。 ヨーロッパのほぼ全域、中東、ラテンアメリカ、インド亜大陸の多くの地域に加え、北米の移民および移民の子孫のコミュニティでは、WhatsAppを介したコミュニケーションが浸透しています。

WhatsApp Business

WhatsAppアプリは通常大量のデータを使用しないことから、インフラにばらつきがある地域の人々、そして、最近まで安価な携帯電話の契約プランや高速インターネット環境に無縁だった人々から支持されています。 ヨーロッパではAndroidの携帯電話が優勢であり、様々なデバイスで一貫性と汎用性に優れたユーザー体験を実現するWhatsAppは数あるメッセージングアプリの中で最も多くのユーザーを獲得しています。

2. 信頼第一の顧客関係を築く

信頼されていなければ、顧客をつなぎとめることは不可能です。 事実、83Deloitteの調査79では、消費者はブランドとの関係における大事な要素として信頼を求めていることが明らかになっています(77%)。続いて品位(%)と誠実さ(%)を重視する声が多く上がっています。

WhatsAppは企業が顧客との信頼に基づく関係を構築するため、次の手段を提供しています。

  • ビジネスプロフィールの認証—顧客からの信頼度が高まります。
  • アウトバウンドメッセージ送信の厳格なビジネスルール: スパムを防ぐため、企業は顧客からアウトバウンドメッセージ受信への同意を得る必要があります。またWhatsAppは同プラットフォームのガイドライン違反となる特定の種類のメッセージを禁止しています。
  • 品質評価は顧客のフィードバックをもとに行われます。電話番号の非通知やその他の報告された問題が評価の対象となります。
  • エンドツーエンドの暗号化: WhatsAppはWhatsApp Businessアプリを利用する企業とのチャット、顧客のメッセージの管理と保存に対してはエンドツーエンドの暗号化を実行することが妥当だと考えています。

3. SMSに勝る最新の顧客体験を

新型コロナウイルスが大流行する中、WhatsAppやFacebook Messengerによるサポートリクエストが急増した一方、メール、SMS、電話といった従来のサービスチャネルの需要は停滞しています。  事実、Zendeskの傾向分析レポートによると、カスタマーサポートチャネルとしてSMSの利用を好むと答えた調査参加者は全体の15%のみでした。

WhatsAppはSMSに勝るカスタマーエクスペリエンスを提供します。企業が独自のビジネスプロフィールを作ることができる点もその理由の1つです。 つまり、顧客は知らない電話番号からメッセージを受信せずにすみます。これは信頼性と信憑性の向上に貢献します。 またWhatsAppでは、メッセージが配信され、顧客に読まれたときの状況をエージェントが把握することができます。

さらにWhatsAppにはSMSにはない利点があります。それは多様なインタラクティブな機能です。詳細は以下をご覧ください。 ⬇️

企業向けのWhatsAppの機能

SMS(ショートメッセージサービス)から脱却し、新たなメッセージングのスタンダードとしてRCS(リッチコミュニケーションサービス)を導入する動きが長期に渡って続いていますが、これは企業のメッセージングをよりインタラクティブなものにする大きなトレンドの一部です。例えば、入力インジケーター、開封確認、絵文字、カルーセル、クイック返信を使えるメリットがRCSにはあります。 WhatsAppはすぐに使える様々なタイプのメッセージを備えており、次世代のカスタマーエクスペリエンスを作り出します。またAPIと開発の取り組みを介して、よりインタラクティブで、カスタマイズ可能な機能を企業に提供します。

WhatsAppは様々なタイプのメッセージングを用意しており、これらはカスタマーサービスの領域に留まりません。 メッセージングと電子商取引の橋渡しを行い、会話型コマースの土台を作ります。 顧客は企業にメッセージを送ることを望んでおり、Facebookが実施したリサーチによると、メッセージを送信できる場合75%が製品を購入するようです。 顧客はサポートを得るために企業にメッセージを送る一方で、製品やサービスのリサーチ、相談、支払い、予約などをメッセージングアプリで行う傾向が高まっています。 要するに企業全体で会話を共有する必要があるということです。だからこそ、この取り組みで他社をリードする企業はCRMにWhatsAppを統合しているのです。

WhatsApp Businessの機能

クイック返信↩️

クイック返信を使うと、サポートチームは単純で、頻繁に寄せられる質問に対してキーボードのショートカットを作成することができます。そのため、例えば、返金ポリシーを訊かれることが多い場合、エージェントはポリシー全文を入力するのではなく、代わりにショートカットを使うことで入力の手間を省くことができます。

自動メッセージ

企業は新しい顧客を歓迎するための挨拶用のメッセージを送信したり、メッセージを受け取ったことを顧客に伝えることが可能です。 同様にエージェントの勤務時間外には、返信の時期を顧客に伝えるためのメッセージを送信することもできます。

メディアメッセージ⏯

オーディオ、文書、画像、ステッカー、動画など、メディアに富むメッセージは会話を活性化させ、人間味を与えます。

アウトバウンド通知

顧客の85%は企業側からの積極的なコミュニケーションを望んでいます。 企業はWhatsAppのメッセージテンプレートを使って様々なアウトバウンドメッセージを顧客に送信することが可能です。 テンプレートは、配送確認、サポートチケットの更新、予約の確認、支払いの更新などの情報を伝える上で最適です。

顧客の85%は企業側からの積極的なコミュニケーションを望んでいます

WhatsAppは非トランザクション通知も展開しています。 非トランザクション通知を介して、今まで以上に顧客一人ひとりに合わせたやり取りに加え、クロスセルおよびアップセルを行う機会が生じます。 以前はアウトバウンドのコミュニケーションは24時間以内に制限されており、企業は積極的なコミュニケーションを顧客に実施してもらうための策を練らなければなりませんでした。 しかし現在は既存の顧客に対しても企業側から会話を開始し、新たなやり取りを始めることができます。

非トランザクションメッセージは次の場合に有効です。

  • クライアンテリング: 例えばGucciが、顧客の佐藤さんが過去半年間に購入した製品を把握しているなら、佐藤さんの好みに応じた専用のメッセージを送り、高級ブランドならではのサービスを提供することができます。
  • Eコマース: 企業はプロモーションコンテンツの受信を望む顧客に対し、宣伝、クーポン、新製品に関する情報を送信することができます。
  • 事務管理業務の促進: 未送信のフォームに改めて対応し、新しいプロセスを始めることができます。
  • 社内のコミュニケーション: 企業はリマインダー、最新の情報、ポリシーの変更など重要な情報を従業員に送信することも可能です。

    「送信専用」の番号からSMSメッセージを送信するのではなく、WhatsAppは企業側から積極的に会話を始めるアプローチを推奨しています。 WhatsAppは、ユーザーに返信してもらい、一方通行ではない会話を実現することを、この最初のメッセージの目標として挙げています。 つまり企業側は各種のアウトバウンドメッセージに対応できるように準備を進めておく必要があります。例えば、注文したブレンダーに関する配送の最新情報を得た顧客に住所の変更を求められた場合、受信したクーポンについて顧客から質問を受けた場合など、状況に応じて適切に、すぐに対応することが求められるのです。

    チャットボット

    メッセージングチャネルを加えることで、顧客の問題をより早く解決するだけでなく、常にサポート可能な体制を整える企業のメッセージング戦略において、ボットは絶対に欠かせない存在です。ボットがあれば、例えばエージェントが別の顧客への対応に追われている時や、お昼ご飯を買いに出掛けている時、またはサポートの対応時間外でも、即座に顧客に応答することができます。

    適切なチャットボットのソリューションを用意しておくことで、企業はWhatsAppでボットを展開し、よくある質問への対処、正しい部署への案内、ヘルプデスクの記事の紹介などを実施することができます。 その上、チャットボットは顧客のデータにアクセスし、顧客に合った応対を行うだけでなく、クロスセルとアップセルの活動を自動化することもできます。例えばラスベガス行きの飛行機の窓側の座席を予約したり、ホテルの部屋を大通りに面した部屋にアップグレードする等、メッセージングのスレッド内で顧客がタスクを完了することができるように手助けします。

    インタラクティブメッセージ‍♀️

    WhatsAppによるテストで、インタラクティブメッセージ機能を用いるチャットボットは、テキストベースのチャットボットと比べて、回答率とコンバージョンが大幅に高いことが明らかになっています。 2つの主なインタラクティブメッセージについてWhatsAppは以下のように説明しています。

    • リストメッセージ: リストメッセージは最大10個のオプションを備えたメニューを顧客に提示します。 顧客が選択を行う上で、より分かりやすく、一貫性がある手法です。 例えば、FAQのメニュー内の選択肢や予約可能な時間帯をリストメッセージを介して選択してもらえます。 返信ボタン: 返信ボタンは最大で3つのオプションをボタン形式で提供するものです。 食べ物の注文の追加や支払い方法の選択等、限定的な一連のオプションへの素早い応答を求める上で有効です。

    WhatsAppによるテストで、インタラクティブメッセージ機能を用いるチャットボットは、テキストベースのチャットボットと比べて、回答率とコンバージョンが大幅に高いことが明らかになっています。

    リストメッセージと返信ボタンは、顧客や状況に応じてカスタマイズすることができます。 例えば、歯科医での治療の予約について確認する際に予約可能な時間帯をリストメッセージで表示したり、記録に残っている以前の配送先を返信ボタンを使って表示することができます。

    WhatsAppとWhatsApp Businessを比較

    画像の引用元: Facebook

    信頼性と安全性に優れた世界で最も人気のメッセージングアプリで、カスタマーのさらに近くへ

    これまで以上にインターネット上で顧客とブランドはつながっており、メッセージングは最も重要な通信手段の一つです。 Zendeskでは、WhatsAppをそのまま統合することも、ニーズに合わせて完全にカスタマイズすることもできます。 詳細はこちら

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