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WhatsApp Businessとは?個人版との違い・機能・設定方法を解説

WhatsAppは日本では馴染みが薄いものの、世界で30億人以上が利用するメッセージアプリです。WhatsApp Businessを使えば、その膨大なユーザーが日常的に使うアプリ上で、企業は顧客対応や販売を行えます。


Jeremy Korman

シニアプロダクトマーケティングマネージャー

更新日 2026年1月17日

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AI時代を迎え、シームレスで会話的なサービスへの需要はかつてないほど高まっています。顧客は、友人にメッセージを送る感覚で気軽に企業へ連絡できることを期待しており、その利便性を提供する企業を高く評価します。ビジネス向けテキストメッセージの活用は、顧客ロイヤルティの向上やコンバージョンの促進につながります。

こうした背景から、WhatsApp(ワッツアップ)は単なるチャットアプリの枠を超えた存在になっています。5,000万を超える企業が、WhatsApp Businessを販売やサポートのチャネルとして活用しています。迅速できめ細やか、便利かつ安全なサポートを提供するメッセージングプラットフォームは、顧客と企業の双方から急速に支持を集めています。

AIを活用してパーソナライズされたサポートを拡張したい場合でも、通知を通じて能動的なエンゲージメントを促したい場合でも、WhatsApp Businessは、顧客がすでに利用している場所で接点を持つための鍵となります。

日本ではLINEが主要なメッセージングアプリのため、WhatsAppにあまり馴染みのない方も多いかもしれません。しかし、欧米や中南米、東南アジア、インドをはじめとする世界の多くの地域では、WhatsAppが日常的なコミュニケーション手段として広く定着しています。そのため、海外に顧客を持つ企業や、越境EC・インバウンド対応などで海外のお客様とやり取りする担当者にとって、WhatsApp Businessは見逃せないサポートチャネルとなります。

この記事は、海外顧客とのコミュニケーションにWhatsAppを活用したい方に向けて、世界で最も利用されているメッセージングアプリのビジネス版を使いこなすためのポイントを解説します。

目次:

WhatsApp Businessとは?

WhatsApp Businessとは、企業が顧客対応や販売に活用できる、メッセージングアプリ「WhatsApp」のビジネス向け版です。小規模事業者向けの「WhatsApp Businessアプリ」と、大規模運用向けの「WhatsApp Business Platform」を含む総称を指します。AIを活用して定型的な問い合わせに24時間365日対応し、すべての会話を一元的なワークスペースに集約することで、シンプルなチャットツールを拡張性の高いサービス基盤へと進化させます。

WhatsApp、WhatsApp Business、WhatsApp Business Platformの違い

WhatsAppは一般消費者向けのメッセージングアプリであるのに対し、WhatsApp BusinessとWhatsApp Business Platformは企業向けに設計されています。3つともリアルタイムおよび非同期メッセージングに対応していますが、ビジネス版では信頼性を高めるための認証済みビジネスプロフィールを備えたビジネスアカウントが利用でき、個人アカウントとは明確に区別されます。

企業にとって、どれを選ぶかは規模によって決まります。WhatsApp Businessアプリは小規模事業者向けの単独で使えるツールであるのに対し、WhatsApp Business Platformは、規模の大きなチームがWhatsAppをZendeskのようなツールと連携させ、AIエージェント、高度な自動化、一元化されたレポート機能を活用できるようにします。

WhatsApp、WhatsApp Business、WhatsApp Business Platformの主な違いについて、以下で詳しく解説します。

WhatsApp

WhatsAppは、2026年時点で30億人を超えるユーザーを抱える、世界で最も利用されているメッセージングアプリです。非同期型であるため、顧客は自分のペースで返信でき、手間の少ない体験が得られます。リアルタイムでのやり取りが必要な従来の有人チャットとは対照的です。企業にとっては、オペレーターが常に顧客の履歴の全体像を把握できるため、顧客が同じ説明を繰り返す必要がなくなります。

WhatsApp Businessアプリ

WhatsApp Businessアプリは、メッセージ量が比較的少ない小規模事業者向けに設計されています。アプリの見た目や使い心地は一般消費者向け版と同様ですが、商品を紹介するためのビジネスプロフィールや商品カタログが備わっています。基本的には手作業で運用するツールで、メインの電話1台と数台の連携デバイスに限定されるため、少人数ですべての問い合わせに対応するような小規模な運用に適しています。

WhatsApp Business Platform

WhatsApp Business Platformは、共有端末では対応しきれなくなり、より多くの顧客からのリクエストを管理するチームに適した、エンタープライズ向けの標準的な選択肢です。WhatsAppをZendeskのようなカスタマーエクスペリエンスプラットフォームと連携させ、アプリを拡張性の高いサービス基盤へと変えられます。なお、WhatsApp Businessアプリ自体は無料で利用できますが、WhatsApp Business Platformはメッセージ(テンプレート)の送信量に応じた従量課金が基本で、多くの場合は公式パートナー(BSP)やCloud APIを通じて導入します。

これにより、チームは大規模な顧客リクエストの追跡・優先順位付け・対応が可能になります。他のチャネルと並行してWhatsApp上でもサポートを提供できるため、会話や顧客データが複数のシステムやソフトウェアに分散することがありません。さらに、AIエージェントや自動化されたワークフローといったツールを活用しながら、複数のオペレーターで会話を管理できます。

WhatsApp Businessの主な機能

メッセージングがSMSの域を超え、よりリッチでインタラクティブな体験へと進化を続けるなか、WhatsAppは現代のビジネスメッセージングに欠かせない存在となっています。リッチメディア、インタラクティブメッセージ、自動化を標準でサポートしており、カスタマーサポートから会話型コマースまで、あらゆる用途に対応します。

WhatsApp Businessには企業向けに作られた機能が備わっていますが、大企業はWhatsApp Business Platformからより大きな恩恵を得られます。このバージョンでは、大規模な企業が高度にパーソナライズされ、拡張性のある顧客対応を実現するための、さらに高度な機能が利用できます。

さらに、WhatsAppをCRMヘルプデスク、CXプラットフォームと連携させることで、チームはオムニチャネルサポートを拡充し、認知から購入、そして継続的なサポートまで、カスタマージャーニー全体をカバーできます。

ここでは、WhatsApp Businessの主な機能を紹介します。

1. ビジネスプロフィール

WhatsApp Businessのプロフィールは、信頼性と信用の確立に役立ちます。企業は、名称、説明、住所、営業時間、ウェブサイトといった重要な情報を表示でき、顧客は誰に連絡しているのかをすぐに把握できます。

2. メッセージングツール

WhatsApp Businessには、チームが迅速に対応し、情報を整理しておくための標準ツールが備わっています。主なツールは次のとおりです。

  • よくある質問に対応するためのクイック返信。
  • あらかじめ対応の目安を伝える、自動のあいさつメッセージと不在メッセージ。
  • 大量の会話を整理するためのラベル。

3. 商品カタログ

カタログを使えば、企業はWhatsApp上で商品やサービスを直接紹介できます。顧客は会話を離れることなく閲覧・質問・行動でき、シームレスな会話型コマースを実現します。

4. リッチメディアメッセージ

WhatsAppは、画像、動画、ドキュメント、音声、スタンプに対応しています。これにより会話がより魅力的になり、別のチャネルでメディアを送るためにプラットフォームを離れることなく、複雑な情報をより分かりやすく伝えられます。

5. プロアクティブ通知

承認済みのメッセージテンプレートを使えば、企業は注文状況の更新、予約のリマインダー、配送確認、支払い通知といったアウトバウンド通知を送信できます。また、新たに利用できるようになった非取引型の通知により、プロモーションからフォローアップまで、よりパーソナライズされたエンゲージメントが可能になります。

6. インタラクティブメッセージ

インタラクティブメッセージは、エンゲージメントの向上と、より迅速な問題解決を促します。

  • リストメッセージでは、構造化された選択肢を最大10件まで提示できます。
  • 返信ボタンでは、最大3つのクイックアクションを用意できます。

これらのメッセージは顧客や状況に合わせてパーソナライズでき、手間や負担を軽減します。

7. 自動化とAIエージェント

WhatsApp Business Platformを使えば、企業はチャットボットやAIエージェントを導入し、即時かつ常時稼働のサポートを提供できます。これらのエージェントは、FAQへの回答、会話の振り分け、ナレッジへのアクセスに加え、予約の受付や注文の更新といったタスクをチャット内で直接完了できます。

8. 分析とインサイト

標準の分析機能により、企業は配信率、開封率、応答率をはじめとするメッセージのパフォーマンスや顧客エンゲージメントを把握できます。こうしたインサイトを活用すれば、会話フローの最適化、オペレーターやボットのパフォーマンス改善、そしてWhatsAppがカスタマーエクスペリエンスや事業成果にどう貢献しているかの理解が容易になります。

WhatsApp Businessの設定方法

WhatsApp Businessの設定は、シンプルな手順で完了します。ここでは、ビジネスアカウントの作成から利用開始までの手順を、ステップごとに解説します。

1. アプリのダウンロードと初期設定

  • WhatsApp Businessアプリを検索する:Google PlayストアまたはApple App Storeで検索します。アプリは無料でダウンロードでき、WhatsAppロゴ内の「B」マークが目印です。
  • ビジネス用の電話番号で登録する:携帯電話番号でも固定電話番号でも利用できますが、認証用のSMSまたは電話を受信できる必要があります。なお、同じ電話番号をWhatsApp MessengerとWhatsApp Businessで同時に使うことはできません。
  • 連絡先と写真へのアクセスを許可する:顧客への連絡やメディアのアップロードをスムーズに行えるようにします。

2. プロフェッショナルなビジネスプロフィールを作成する

情報が充実したプロフェッショナルなプロフィールは信頼を築き、顧客が自社ブランドに関する重要な情報を見つけやすくします。

  • 正式な事業者名を入力する:一度設定すると変更が難しい場合がある点に注意してください。
  • 業種カテゴリを最大3つまで選択する:自社に最も当てはまるものを選びます(例:ショッピング・小売、レストラン、教育など)。
  • 高品質なロゴまたは写真をアップロードする:自社を象徴するものを設定します。
  • 設定画面に移動する:「設定」>「ビジネスツール」>「ビジネスプロフィール」と進み、以下の情報を追加します。
    • 説明:自社が提供する商品・サービスの簡単な概要。
    • 住所:地図上に表示できる実際の所在地。
    • 営業時間:曜日ごとの営業スケジュール。
    • 連絡先情報:ビジネス用のメールアドレスとウェブサイトのURL。

3. メッセージングツールを設定する

コミュニケーションを自動化し、忙しいときでも対応を切らさないようにします。

  • 顧客が初めてメッセージを送ってきたとき、または14日間やり取りがなかった後に送信される自動メッセージを設定します。
  • 対応できないときや営業時間外であることを顧客に伝えるメッセージを作成します。
  • よくある質問に対応するためのキーボードショートカットを作成します。
  • 「新規顧客」「支払い待ち」といったラベルを付けて、チャットを整理します。

4. 商品カタログを作成する

カタログは、いわばオンライン上の店舗です。顧客はアプリ内で直接、商品やサービスを閲覧できます。

  • 「ビジネスツール」>「カタログ」>「新しいアイテムを追加」と進みます。
  • 各アイテムにつき、画像または動画を最大10点までアップロードできます。
  • 価格、説明、ウェブサイトのリンク(直接購入用)、固有の商品コードを追加できます。
  • アイテムを保存すると、WhatsAppによる審査が行われます。承認されると、プロフィール上で顧客に表示されるようになります。

WhatsApp Businessの活用シーンと戦略

WhatsApp Businessは単なるサポートチャネルにとどまらず、顧客とのあらゆるライフサイクルにわたって関係を築きます。戦略的に活用すれば、より迅速なサービスの提供、収益の拡大、長期的なロイヤルティの構築につながります。

WhatsApp Businessが通知をサポートの会話へと発展させ、継続的でエンドツーエンドの顧客エンゲージメントをどう実現するのか、次の活用シーンから見ていきましょう。

カスタマーサービス・サポート

WhatsAppは、カスタマーサポートに自然に適したチャネルです。顧客は使い慣れた会話型のチャネルから連絡でき、有人対応でもAIによる自動化でも、迅速でパーソナライズされたサポートを受けられます。企業はWhatsAppを使って、会話の履歴や文脈を保ったまま、問題の解決、FAQへの回答、アカウント情報の更新、複雑なケースのスムーズなエスカレーションを行えます。

マーケティング・販売

顧客の同意を得たうえで、WhatsAppは高度にパーソナライズされたマーケティングや販売のやり取りを可能にします。企業は、顧客の好みや行動に基づいて、ターゲットを絞ったプロモーション、商品のおすすめ、期間限定のオファーを送信できます。また、カゴ落ち対策にも効果的なチャネルであり、リマインダーやインセンティブ、購入手続きへ直接戻る導線を通じて、購入を検討していた顧客に再びアプローチできます。

購入後のエンゲージメント

購入後も、WhatsAppは重要なタイミングで顧客とのつながりを保つのに役立ちます。企業は、注文確認、配送状況の更新、予約リマインダー、フィードバックの依頼などに活用できます。こうしたプロアクティブメッセージは、顧客に必要な情報を届け、安心感とエンゲージメントを保ちながら、問い合わせの件数を減らします。

WhatsApp Businessでよくある課題と解決策

WhatsApp Businessは強力なツールですが、効果的に規模を拡大するうえでは、いくつかのよくある課題が伴います。ここでは、その解決方法を紹介します。

  • メッセージ量の増加:メッセージ量が増えると、サポートチームが対応しきれず、返信が遅れることがあります。AIエージェントや自動化を活用して定型的な問い合わせに対応し、Zendeskのようなヘルプデスクを通じて会話を振り分け、優先順位付けと負荷分散を行いましょう。
  • ポリシーとコンプライアンスへの対応:WhatsAppには、オプトインやテンプレート、アウトバウンドメッセージに関する厳格なルールがあります。承認済みのテンプレートを使い、オプトインのベストプラクティスに従い、メッセージを一元管理することで、規模が拡大してもコンプライアンスを維持できます。
  • 品質と一貫性の維持:チームや自動化を拡大すると、トーンや正確性、ブランドとしての表現に影響が出ることがあります。WhatsAppを信頼できるナレッジソースと連携させ、品質保証(QA)分析を活用してパフォーマンスを監視・改善しましょう。
  • 技術面・連携面の課題:よくある技術的な課題には、メッセージの配信失敗、APIエラー、WhatsAppとバックエンドシステム間の連携の不備などがあります。WhatsApp Businessを連携する際は、信頼性の高いインフラ、メッセージの状態やエラーを明確に把握できる仕組み、そして見つけやすいトラブルシューティングガイドを備えたソリューションを選びましょう。

WhatsAppなどのインスタントメッセージがカスタマーサービスを変革する理由

WhatsAppをはじめとするインスタントメッセージは、その場で顧客に寄り添う、迅速で会話型のサポートを可能にし、カスタマーサービスのあり方を一新しました。電話口で待たされたり、メールの返信を待ったりする代わりに、顧客は素早い回答とリアルタイムの最新情報を得られます。その結果、より迅速な問題解決と高い満足度につながります。

メッセージングは、文脈を保ちながら顧客の手間を減らす、より柔軟な非同期のやり取りを生み出します。オペレーターは複数の会話を同時に管理でき、顧客はやり取りを最初からやり直すことなく、いったん離れて再び戻ってこられます。さらに、インスタントメッセージは社内全体のコミュニケーションも円滑にします。チームは社内での連携、文脈の素早い共有、そして問題のより迅速な解決に活用しています。

こうした体験を大規模に支えるには、カスタマーサービス向けに設計されたインスタントメッセージングソフトウェアへの投資が有効です。会話、自動化、分析を一つの場所に集約できるものを選びましょう。適切に導入すれば、インスタントメッセージはスピード、満足度、ロイヤルティを力強く後押しする存在になります。ビジネス向けの主要なインスタントメッセージングソリューションを、ぜひこちらでご覧ください。

よくある質問

海外顧客対応にWhatsApp Businessを活かす

WhatsAppは日本国内ではLINEほど普及していないものの、世界全体では30億人を超える人々が利用する、最も主要なメッセージングアプリのひとつです。海外の顧客にとっては、WhatsAppから企業へ気軽に問い合わせることが当たり前になりつつあります。

そのため、グローバルに事業を展開する企業や、海外のお客様への対応を担うチームにとって、WhatsApp Businessは顧客との距離を縮めるための有力なチャネルとなります。問い合わせ対応からマーケティング、購入後のフォローまでを一貫してカバーでき、顧客との長期的な関係構築に寄与します。

本格的に活用する際は、WhatsAppを単独で運用するのではなく、ZendeskのようなカスタマーエクスペリエンスプラットフォームとWhatsApp Business Platformを連携させ、既存のサポートチャネルと一元的に管理する方法が効果的です。海外顧客とのやり取りを効率化しながら、品質の高いサポートを大規模に提供できるようになります。