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顧客ロイヤルティを高めるためのカスタマーサービスの役割とは?

更新日: 2024年1月30日

カスタマーサービスは、顧客と企業との接点となる窓口です。以前は、カスタマーサービスといえば単なる顧客からの問い合わせの受付窓口という位置づけでしたが、近年その役割が多様化してきました。

顧客ロイヤルティを高めることもカスタマーサービスの重要な役割の一つであり、そのためにはカスタマーサービスが顧客をしっかり理解し、適切にはたらきかけることが求められています。この記事では。顧客ロイヤルティを高めるためにカスタマーサービスが何をすべきか、今の時代のカスタマーサービスのあり方について解説していきます。

顧客ロイヤルティとは

まずは、顧客ロイヤルティとは何なのかを改めて整理しておきましょう。顧客ロイヤルティとは、ブランドや商品・サービスに対して顧客が持つ信頼や愛情のことをいいます。そして、自社の商品やサービスをとても気に入って何度もリピートして利用する顧客や、時には家族や友人、同僚にも紹介してくれるような顧客のことをロイヤルカスタマーといいます。

顧客の中には、自社のサービスや商品を長く利用し続けてくれている、いわゆる優良顧客とよばれる人々がいますが、長く利用しているからといって必ずしもロイヤルカスタマーであるとは限りません。ロイヤルカスタマーとは、「なんとなく惰性で使い続けている」あるいは「他のものを探すのが面倒だからリピートしている」という人ではなく、本当にその商品やサービスに強い愛着があり、積極的に利用し続けている人のことをいいます。

顧客ロイヤルティが重視されるようになった背景

顧客ロイヤルティという言葉は以前からありましたが、特に近年よく聞かれるようになりました。その背景にはどのようなことがあるのでしょうか。

  • 企業の売上の多くはリピーターが作り出す

パレートの法則をご存知の人も多いでしょう。パレートの法則とはイタリア人学者のパレート氏が提唱したもので、「物事の全体の中の8割は、2割の要素によって作り出されている」という法則です。

パレートの法則をビジネスの世界に当てはめ、「企業の売上の8割は2割の優良顧客が作り出している」と言われています。もちろん、割合は業種や企業によって異なりますが、企業の売上を伸ばしていくためには、優良顧客に対して適切なカスタマーサポートやマーケティング活動を行って顧客ロイヤルティを高め、離れていかないよう囲い込むことが重要です。

商品やサービスに対する顧客満足度を高めるだけでなく、安定した売上に繋げるために、自社に対して強い信頼と愛着を持って積極的に利用してくれるロイヤルカスタマーをいかにして増やすかに多くの企業が取り組んでいます。

  • サブスクリプション型ビジネスモデルの台頭

    近年、販売してそれを使い続けてもらう売り切り型ではなく、月額料金でサービスや商品を利用してもらうサブスクリプション型のサービスが急速に増えていきます。

    たとえば毎月千円から数千円を支払うと映画や音楽が見放題・聴き放題になるものや、英会話などの授業を一定回数受けられるもの、さらには自分の好みに合いそうな洋服をピックアップして送ってもらえるものなど、業界を問わずいろいろな企業がサブスクリプション型サービスの提供を始めています。サブスクリプションは、顧客に使い続けてもらうことで安定した売上になるため企業にとって都合がよく、顧客にとっても常に最新のサービスや商品を利用できるというメリットがあることから、市場が急速に拡大しているビジネスモデルです。

    サブスクリプション型ビジネスモデルで重要なのは、一度契約した顧客が解約するのを防ぐこと、つまり解約率を下げることです。次々に新しいサービスやライバル企業が登場する中で戦わなければならない今、値下げなどの一時しのぎの施策では、短期的な顧客増は望めても長期的に継続し続けてもらうのは難しいでしょう。一度契約した顧客に長く利用してもらうためには、どのような状況下でも自社のサービスや商品に強い愛着を持ってもらうことが求められます。

    顧客ロイヤルティ向上のためのカスタマーサービスの役割

    顧客は、サービスや商品の良し悪しだけでなく、購入までの過程や企業との接点においての満足度などを総合して企業を評価します。つまり、顧客との接点が多いカスタマーサービスは顧客ロイヤルティ向上のための重要な要素の一つであり、カスタマーサービスの対応次第でその顧客がロイヤルカスタマーになるかならないかが決まることもあります。では、顧客ロイヤルティを高めるために、カスタマーサービスは何をどのようにすべきなのでしょうか。顧客ロイヤルティ向上のためのカスタマーサービスができること、すべきことはたくさんありますが、その中でも特に取り入れたい3つの事柄をご紹介します。

    • 既存顧客に目を向け、理解すること

    新規顧客の獲得にかかるコストは、既存顧客のリピート利用促進と比較すると5倍かかるともいわれています。売上を伸ばそうと思うとついつい新規顧客獲得のプロモーションなどを考えてしまいがちですが、優先すべきは既存顧客にリピートしてもらうことであり、そのためには常に既存顧客に目を向け、対話し続けることが重要です。

    顧客とカスタマーサービスの関わりは、顧客が問い合わせをした時だけのものではありません。たとえばWebサービスであれば、Webサイトが使いやすいかどうか、自分の望んでいる通りに利用できるかどうか、疑問に思ったことがすぐに解決できるかどうかといったことも顧客ロイヤルティに影響します。カスタマーサービスツールの分析機能を使って顧客の導線を調べ、顧客がWebサイト上でどのような体験をしているかを社内にフィードバックしていくことも、カスタマーサービスの担っている重要な役割の一つといえるでしょう。

    • SNSで顧客の声を聴き、対話すること


    SNSも、顧客を理解し、対話を続けるのに適したツールです。SNSには顧客の生の声をリアルタイムに聴くことができるというメリットがあり、カスタマーサービスに取り入れることで顧客ロイヤルティ向上に役立てることができます。上手に活用することで、顧客がサービスや製品をどのように評価しているかを伺い知ることができるほか、たとえばイベント会場の混雑度合いや導線のわかりにくさ、Webサービスの速度の問題など、その時の状況がSNSでつぶやかれていれば、リアルタイムに確認してすぐに社内にフィードバックすることができます。

    さらに、SNSには顧客とのリアルタイム・コミュニケーションができるというメリットもあります。カスタマーサービスツールを使って顧客の投稿をモニターし、適切なタイミングに適切な方法で顧客と向き合うことで、顧客ロイヤルティを向上させることも可能になるでしょう。顧客の興味・関心が自社に向かっている時こそが、顧客ロイヤルティを高める絶好のタイミングです。

    • 顧客情報を管理し、先回りしてサービスを提供すること

    顧客は、自分が望んだ以上のサービスやサポートを受けた時に企業を高く評価し、そのような体験を継続的にしていればそのサービスを積極的に利用し続けます。顧客ロイヤルティを高めるためには、顧客が望む以上の体験ができるよう常に先回りして対策する必要があり、そのためには顧客の情報を正しく管理し、把握したうえでサービスを行うことが重要です。

    顧客情報管理というと営業活動に役立てることを目的として運用されることが多いですが、そこにカスタマーサービスの履歴など様々な情報を組み入れることで顧客理解が深まります。既に営業支援ツールやCRMシステムが導入されている場合は、カスタマーサービスツールと連携することにより情報を総合的に管理できるようになるでしょう。

    まとめ

    本記事では、顧客ロイヤルティ向上のためのカスタマーサービスの役割について解説しました。

    企業の売上増のためには、既存顧客の囲い込みが重要です。Zendeskを利用すれば、顧客情報を総合的に管理し、いつでも顧客が望む方法で顧客の期待以上のサービスを提供することが可能になります。

    自社の顧客ロイヤルティ向上のために、世界160以上の国と地域で展開されているZendeskをぜひご活用ください。無料トライアルでZendeskの機能をお試し頂けます。

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