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小規模企業でのCX運用における、優れたカスタマーサービスチームの重要性とは

サポート担当者を成功に導く方法を知り、次のステップに進むために必要なツールを担当者に提供しましょう。

By Kathy Dalpes, カスタマーアドボカシー担当副社長

発行日: 2013年4月5日
更新日: 2020年11月12日

優れたカスタマーサービスを受けると、顧客はその日一日を良い気分で過ごせます。当然ながら、現場の最前線に立つカスタマーサービスチームが優秀であれば、提供するカスタマーエクスペリエンス(CX)全体の品質は向上します。特に小規模な企業の場合、その効果は絶大です。

先日公開されたZendeskのレポート「CX Champions: How CX Leaders Who Raise Their Game Are Driving Business Success(CXチャンピオン:優れたCXリーダーに学ぶビジネス成功の秘訣)」では、サポート担当者に投資している企業は、CX成熟度が高く業績も良いと報告されています。さらに、カスタマーサービスに投資すると、社内の他部門にもポジティブな波及効果が生まれ、顧客満足度、顧客ベースの拡大や支出額の増加、顧客維持能力に対する自信など、より広い視点での成功に影響することも明らかになりました。

「サポート業務を最適化して、顧客満足度を高めやすい環境を整えれば、ビジネス全体の健全性が向上します」
CXチャンピオンに関するレポート、ESG Research社(2020)

ZendeskとESG Research社との共同調査に基づくこのレポートでは、CX成熟度の異なる企業がそれぞれどんな経営を行っているのか、またどんな成果を上げているのかが報告されています。

この調査では、小規模企業(従業員が100人未満の企業)の500名以上のリーダーを含む、世界中のCXリーダーに話を聞いた結果、各企業のCX成熟度レベルが3段階に分類できることがわかりました。成熟度の高い順に、チャンピオン(Champion:リーダーレベル)、ライザー(Riser:平均レベル)、そしてスターター(Starter:遅れをとる可能性があるレベル)です。

興味深いことに、チャンピオンとなった企業は、必ずしも長い歴史を有するグローバル企業ばかりではありませんでした。また、ライザー企業とスターター企業に関しても、予算が限られ、統制の取れていないスタートアップ企業ばかりというわけではありませんでした。前述のレポートでは、小規模事業であっても、成熟度の高いカスタマーエクスペリエンスを大規模に展開する能力があることが証明されており、その能力を磨く重要性にも触れられています。

また数多くの質問を通して、チャンピオンレベルのCXを実現するには、優れたカスタマーサービスチームの存在が不可欠であることも明らかになりました。以下では、CX成熟度と優れたカスタマーサービスチームとの関連性、そして成長中の企業がCX運用で大きな成果を上げるための方法について詳しく見ていきます。

カスタマーサービスの「コストセンター」という烙印

顧客満足度を高めることは、顧客のロイヤルティとエンゲージメントの促進、そして顧客維持率の向上につながります。カスタマーサービスチームがコストセンターの位置から脱却するには、まず企業の経営者が、カスタマーサービスを差別化要因として捉え、投資価値があるものだと認識する必要があります。実際、チャンピオンとなった小規模企業の経営者の多くは、この点をよく認識していました。

チャンピオンレベルの小規模企業では、経営者がカスタマーサービスを差別化要因と捉える傾向がスターター企業と比べて3.3倍高く、実に69%のチャンピオン企業がその考えに同意しています。

対照的に、スターターレベルの小規模企業の場合、全体の39%が「カスタマーサービスはビジネスの足手まといになっている」と回答しています。

前述のレポートからは、経営者のカスタマーサービスに対する考え方と企業の成果には相関関係があることが読み取れます。

  • チャンピオン企業は、サポート担当者の効率性の面で、スターター企業よりも2.5倍優れた成果を上げている
  • チャンピオンレベルの小規模企業では、サポート担当者の問題解決件数がスターター企業より50%多い

サポート担当者を成功に導くための3つの方法

ここでは、チャンピオン企業の施策を参考に、サポート担当者を成功に導くために今すぐ始められる3つの取り組みをご紹介します。

  • 教育とトレーニングの強化
  • 多様なサポートチャネルに対応するためのテクノロジーへの投資
  • 定期的なデータ分析と、分析結果に基づいたアクションの実行

こうした点に取り組めば、KPIを達成し、社内で戦略的パートナーとして力を発揮してくれる、強力なカスタマーサービスチームを作り上げることができます。

1. 教育とトレーニングの強化

チャンピオン企業は、カスタマーサービスチームへのトレーニングに十分な時間を費やしています。小規模企業だと、顧客対応の時間を減らしてまでトレーニングの時間を確保することは難しく思えるかもしれませんが、それを怠ると、ビジネスに多大なる悪影響が及ぶことがデータから判明しています。

チャンピオンレベルの小規模企業は、スターター企業よりも平均して約0.5日多くトレーニングを実施しています(チャンピオン企業は平均3.7日、スターター企業は平均3.3日)。

トレーニングの効果を実感できるまでには時間がかかりますが、思いがけずベストタイミングで効果が現れることもあります。ESG Research社は、新型コロナウイルスの感染拡大期の企業データを収集し、プレッシャーの多い時期のパフォーマンスについても新たに検証しました。その結果、チャンピオンレベルの小規模企業の約半数は、サポート業務のリモートワーク移行について「とてもスムーズに移行できた」と回答している一方、スターター企業の43%は、「改善の余地があった」、あるいは「あまりスムーズに移行できなかった」と回答しています。

チャンピオン企業では、顧客対応に大きな支障を及ぼすことなく、コロナ禍の困難な状況を乗り越えられる環境が整っていたのです。具体的には、担当者へのトレーニングが充実しており、柔軟なテクノロジーソリューションが導入され、ビジネスの意思決定にデータが積極的に活用されていました。

この世界規模のパンデミックは、永遠には続きません。しかし、トレーニングを徹底し、常に迅速に対応できる体制を整えておけば、この先何が起こっても生き残るための道を切り開くことができます。

2. サポート担当者への効果的なツールの提供

予算が限られていて、カスタマーサービスチームの規模も大きくない企業にとっては、テクノロジーに投資することも容易ではありません。

サポート業務に使用しているテクノロジーやツールに対するカスタマーサービスチームの満足度に関する質問からは、チャンピオンレベルの小規模企業が、サポート業務をスムーズにするためのテクノロジーに投資して、担当者のエクスペリエンスの質を引き上げていることがわかりました。約91%のチャンピオン企業では、チームの満足度が9または10という結果になった一方、同様の高い満足度が得られたスターター企業はわずか5%でした。

個々の担当者、そしてカスタマーサービスチーム全体が成功を収めるには、担当者の効率性がカギとなります。チャンピオン企業が効率性に優れているのは、トレーニング、テクノロジー、データ分析のいずれの取り組みにも力を入れていることが要因だと考えられます。担当者の効率性という観点でも、チャンピオンレベルの小規模企業は、スターターレベルより2.5倍効率性に優れています。さらに、チャンピオン企業の担当者が1か月あたりに処理する問い合わせ件数は、スターター企業を50%近く上回っています。

このように、チャンピオン企業は適切なトレーニングやチーム編成を行っているうえ、サポート業務に役立つツールを担当者に提供しているため、従業員の定着率の低さに悩むようなこともありません。

3. 十分な時間をかけたデータ分析

優れたサポートとは、ずばりデータに基づいたサポートです。サポート指標をじっくり分析することもなく、自分たちが何を理解していないのかを理解できていないままでは、成功を収めることはできません。

「チャンピオン企業は、データを有効活用しています。調査でも、チャンピオン企業の91%が、サポート指標とKPIをくまなく把握していることは市場優位性につながると回答しています。最新のデータを扱っているのも特徴で、63%はサポート指標とKPIをリアルタイムで確認できる環境にあると回答しています。今もカスタマーサービスの大部分は人間の担当者が提供していますが、その意思決定はデータに基づいていることが重要なのです」

フィードバックループにおいて不可欠なつながりとは

顧客からのフィードバックをどれだけ迅速に製品、サービス、ビジネスプロセスに反映しているかという質問に対して、多くのチャンピオン企業は「非常に迅速に反映している」と回答しています。そうした企業では、フロントライン(カスタマーサービスチーム)と意思決定者(製品マネージャー、事業統括者など)との間で定期的に情報が共有されているのです。

二者間で定期的に情報が共有されていると、ビジネスに良い影響がもたらされます。フィードバックループにおいて不可欠なこのつながりを常に維持することで、企業が成長して規模が大きくなっていっても、カスタマーサービスチームは変わらず社内で力を発揮できるでしょう。

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