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既存顧客とのカスタマーリレーションシップ向上に注力すべき理由

更新日: 2018年3月7日

多くの企業は、新規顧客に目を向けがちですが、既存顧客のリテンションに注力している企業は単に新規顧客の獲得に集中している会社よりもマーケットシェアを3倍以上も拡大しやすいという事実はご存知でしょうか。 顧客維持率を5%改善するだけで利益が95%近く増加するという驚くべき事実も報告されています。

上記の結果から、企業の中長期的な計画において、新規顧客の獲得と同じくらい既存顧客の維持に重点を置いてもよいのではないでしょうか。 そのためにはサポートチームがセールスチームの契約締結の最後の後押しをしたり、セールスチームがサポートチームの顧客維持の役割をサポートするなど、相互に連携して協力し合っていくことが大切です。

将来にわたって良い顧客と出会うためには

矛盾しているように感じられるかもしれませんが、顧客維持というのは、実は顧客を獲得する前からすでに始まっています。 見込み客に対して、実現が難しいことを約束してしまったり、ニーズとは異なる製品の購入を強要してしまったりする、 ということはありがちな事例ですが、これでは良い印象は与えられません。

ハーバード・ビジネススクールの上級講師でありHBRの著者でもあるジル・エイヴリー氏のアドバイスによると、 「自分たちの商品を使ってもらいたい顧客像をしっかり持ち、それに合った顧客の獲得に集中しましょう。 最終的な目標は、自分たちの価値を提供できる貴重な顧客を取り込んでいくことです。」

実際は顧客の獲得プロセスに問題があるにもかかわらず、顧客維持の仕方に問題があるのでは、と企業は考えがちです。 まず、成功への第一歩として、セールスチームに徹底した商品トレーニングを実施しましょう。 これにより、どう頑張っても実現が難しい機能を約束してしまったり、機能を大げさに語ってしまう、という事態を未然に防ぐことができます。

次に、セールスチームには、セールスサイクルの初期段階から、見込み顧客のニーズやリクエストを正確に理解してもらうようにしましょう。セールスプロセスにおいて、セールス機会や注力すべきポイントを適切に把握しておくことで、営業活動を管理するセールスマネジャーにとっても、効率的なセールスライフサイクルの把握が可能となります。

最後に、セールスチームには「ノー」と言えるようになってもらいましょう。セールスマンは誰しもが自社製品を万能な特効薬と信じたいものです。しかし、現実的には全ての顧客に適応することは不可能です。かといってそれは必ずしも悪いことではありません。かえって良くないのは、顧客に過度な期待を持たせた上で、その期待を裏切ってしまうことです。長期的には最適なセールスデータを元に、会社にとって最も価値のあるリードを設定し、それに沿って新規顧客獲得の方針を固めていきましょう。

顧客には誰から回答する?

優秀なセールスマンは、複雑で長期にわたる購入プロセスの間、見込み客の相談相手であり続けます。契約が締結された後も、引き続きその営業担当に顧客が指針やアドバイスを求めるのもうなずけます。それ自体は喜ぶべき兆候であり、顧客の信用・信頼の証といえます。

しかし、顧客が解決策を求めるあまり、営業担当とサポートチームの両方に連絡をすると、面倒なことになりがちです。セールスとサポートの両方の部署が足並みをそろえ、矛盾する情報を発信しないように注意しましょう。

こういった矛盾を回避するには、セールスとサポートの両部署が使うプラットフォームを一本化し、営業担当からもサポートがいかに問い合わせに対応しているかを見られるようにすることです。この機能を使えば、問題を抱えているのに問い合わせができていない顧客をセールスチームに知らせることもできます。これにより、営業担当は対応できそうなチームがあることを顧客に知らせ、離脱を防ぐという積極的なアクションもとることができます。

Base社のサポートチームのリーダー、ジョアン・ロドリゲス氏によると、「顧客が困っているけれどもサポートに問い合わせていないことに営業担当が気付いた時、単純にメールを転送するのではなく、正式にサポートチームのメンバーに引き継ぐことが大事です。このバトンタッチが顧客にとってシームレスでスムーズなカスタマーエクスペリエンス(CX)をもたらし、顧客の信頼を営業担当からサポートチームのスペシャリストに移行させるのに大きな役割を果たします。

セールスとサポートが協力する意味とは

BaseとZendeskのようなセールスツールとサポートツールを統合することで、カスタマーサービスとセールスの部署がこれまで以上に協力することが可能になります。 各部署内で発生した顧客の情報を互いに確認できることで、より無駄のないカスタマーエクスペリエンス(CX)を生み出し、カスタマーリレーションシップを育んでいく一助となるでしょう。

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