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問い合わせ数の削減につながる「セルフサービス」の活用方法とは?

適切なデータ、抜群のチームワーク、そしてちょっとした創造性。
この3つの要素が揃っていれば、顧客から届く大量のチケットの数を減らすことができます。

発行日: 2020年8月13日
日更新: 2020年8月27日

2019年の夏、Zendeskのカスタマーサービスチームは、顧客から届くチケット(問い合わせ)の数が急増していることに気づきました。
もちろん当時は、まさかそれから1年もたたないうちに、さまざまな業界でチケット数が急増することになろうとは夢にも思っていませんでした。そう、その背景にあるのはもちろん、新型コロナウイルス(COVID-19)の世界的な流行です。

感染拡大の影響が長引く中、顧客と企業の双方にとって便利なソリューションとして、セルフサービス型サポートへの関心が高まっています。新型コロナウイルス関連のベンチマークデータによると、今年の2月以降、オンラインヘルプセンターやFAQページなどのセルフサービスリソースへのアクセスは世界で約65%も増加しています。

この記事では、昨年チケット数の急増を受けてZendeskが学んだことを交えながら、セルフサービス活用の効果についてご紹介します。先の見えないこんな時代の中でも、顧客や社内の関係者を適切に支援できるよう、皆様にもぜひセルフサービスを最大限に活用していただければと思います。

なおZendeskでは、セルフサービスの活用方法に関するオンデマンドセミナーを配信しています。どのように、カスタマーサービスに集まるお問い合わせやその解決法を役立つコンテンツに変換できるかをご紹介していますので、ぜひご視聴ください。

チケットを「そらす」ことと「遮る」ことの違いとは?

昨年チケットの数が爆発的に増えたとき、当初Zendeskのメンバーはチーム総動員で対応していましたが、やがて有力なソリューションとして浮上してきたのがセルフサービスでした。セルフサービスを今よりもっと使いやすくすれば、サポート窓口に問い合わせてくるお客様の多くが、自力で解決策を見つけられるようになるのではと考えたのです。いわゆる「チケットを別方向へそらす(deflection)」プロセスです。

ただしZendeskでは、チケットを遮る(interception)」という表現を使っています。
と言うのも、カスタマーサービス担当ディレクターを務めるMelissa Burchによると、「そらす」という言葉には、「お客様を避けている」「助けようとしていない」かのようなニュアンスが含まれているからです(むしろ、Zendeskはお客様にとって、「いつでも背中を押してくれる」ような存在でありたいと願っています)。

「私たちは、『遮る』という言葉をポジティブな意味に捉え、意図的に使っています」
Zendeskカスタマーサービス担当ディレクター、Melissa Burch

Burchは次のように説明します。「私たちは、『遮る』という言葉をポジティブな意味に捉え、意図的に使っています。適切な情報を適切なタイミングで提供できれば、遮ることでむしろ、お客様はすばやく効率的に問題を解決できるようになります」

たとえば、ヘルプセンターの記事、動画、手順ガイドなどのリソースを提供して「遮る」ことで、顧客は好きなときに好きな方法で問題を自己解決できるようになり、利用できるサポートの選択肢が広がります。

Illustration of a person kneeling on the ground holding up another person with their arms.

チケット数を削減するための5つのステップ

とは言え、「適切な情報」が何なのかを正しく理解できなければ、チケット数の急増には対処できません。つまり、チケットを開くことなく問題が解決されるようにするには、まず顧客がどんな情報を求めているのかを理解し、さらにそれを適切な場所、適切なタイミングで顧客に提示する必要があります。

以下では、セルフサービスの改善点を洗い出すための一連のプロセスについて、簡単にご説明します。

  1. データを確認する

    カスタマーサービスに関するデータ 改めて目を通し、チケット数が平均より多いカテゴリを特定しましょう。これにより、問題が発生しやすいトピックや製品機能を絞り込むことができます。企業の規模が大きい場合は、Zendesk Guideの「 コンテンツキュー」を利用するのも手です。コンテンツキューは、人工知能を使ってコンテンツの改善点を提案してくれる機能です。この段階で得られるデータは、もちろん有用で不可欠なものではありますが、これだけでは顧客が何に困っているのか、あるいはどうすれば顧客を支援できるのかは見えてきません。セルフサービスを改善するには、さらにもう一歩踏み込む必要があります。

  2. 顧客の声に耳を傾ける

    注意すべきトピックを特定できたら、そのカテゴリに含まれるチケットの内容を詳しく見ていきましょう。コンテンツキューをチェックしたり、実際のチケットに目を通したりして、顧客がどのような言葉を使って問題を説明しているか、どのような場面でつまずいてしまったのかを調べます。このようにデータの定性分析を行えば、顧客の真のニーズを理解でき、データドリブンなヘルプセンターを実現するためのヒントが得られます。

  3. 適切なコンテンツを提供する

    前の段階でわかった顧客のニーズを踏まえて、既存のコンテンツを見直し、改善すべき点がないか検討します。それから必要に応じて、新しいコンテンツを作成します。さらに、カスタマージャーニーの各タッチポイントでコンテンツを提示するようにすれば、使用するチャネルにかかわらず、顧客は常に適切なコンテンツにアクセスできるようになります。以下、便利なリソースをいくつかご紹介します。

      Answer Bot :チャットボットが、問い合わせに関連する情報をナレッジベースから自動的に見つけ出し、顧客に提示します。
      プロアクティブサポート :ユーザーがアプリやWebサイトを操作しているとき、または製品の特定の機能にアクセスしたときに、その内容に沿ったヘルプを提供します。
      コミュニティフォーラム :オンラインコミュニティを立ち上げれば、問題のありそうなトピックを早めに特定したり、顧客同士のやり取りから有意義なヒントを得たりすることができます。

  4. 成果を測定する

    どのような改善策をとるにしても、その成果を測定することは重要です。セルフサービススコアなどの関連する指標をチェックしましょう。セルフサービススコアは、セルフサービスコンテンツの閲覧数とオープンになったチケット数を比較したものです。また、プロアクティブサポートやAnswer Botなどを導入している場合は、エンゲージメント率や問題解決率も確認します。

  5. 繰り返し改善を図る

    この一連のプロセスを延々と繰り返していきましょう。ナレッジベースのコンテンツは、チケット数が急増しているときだけでなく、コンスタントに更新、追加しておくことが重要です。定期的に改善を図ることで、カスタマーエクスペリエンスの品質を確実に高めていくことができ、チケット数が再び急増したときも、スムーズに対応できるような体制を整えておくことができます。

Illustration of a person standing holding a coffee cup with steam coming off.

セルフサービスで顧客ファーストのサポートを実現

セルフサービスの人気は以前から伸び続けていましたが、新型コロナウイルスが猛威を振るい、日々目まぐるしく状況が変わる中で、セルフサービスは単に便利なだけでなく、顧客ファーストのサポートを実現するための強力な手段となりつつあります。

顧客は今、さまざまな変化に翻弄されています。そんな状況では、サポート窓口の営業時間内に問い合わせすることすら難しいという人も少なくありません。しかしセルフサービスが充実していれば、窓口の営業時間外でも、子供たちが寝静まった後でも、顧客はいつでも好きなときに自力で問題を解決できるようになります。

チケット数の急増は、今の時期だけでなく、これから先も頻繁に起こり得ることです。そんなときでも、適切な情報を適切なタイミングで提示して「遮る」ことができれば、顧客が期待するサポートを確実に届けられるようになります。