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コールセンターソフトウェアとチケットシステムを統合する7つのメリット

発行日: 2020年8月12日
更新日: 2022年5月17日

企業におけるカスタマーサービスの環境は、さまざまな面で大きく改善されてきましたが、電話サポートの環境となると、いまだに多くの企業が従来の技術や手法を使い続けています。ソーシャルメディアやメールなど、電話以外のチャネルの多くは単一のチケットシステムに集約され、シームレスで効率的なカスタマーエクスペリエンスを実現しているのに対し、大半のコールセンターソフトウェアは単独で稼働し、その他のサポートチャネルと連携していません。そのため、サポートに必要な情報が他のチャネルとうまく共有できず、顧客やサポート担当者のストレスにつながっています。

チケットシステムコールセンターソフトウェアを統合することは、ひと昔前なら「できれば望ましい」くらいの認識でしたが、今日のコールセンターにとっては必須の取り組みとなっています。この記事では、その理由としてシステム統合のメリットを7つご紹介します。

1. コール処理にかかる時間を削減できる

チケットシステムのコールキューイング(待ち呼)機能を使うと、コール数の削減に大きな効果が見込めます。サポート担当者が対応可能になるまで入電を保留にするこの機能は、多くのコールセンターで導入されていますが、優れたコールキューイング機能を備えたソフトウェアなら、入電に優先順位を付けたり、より正確な待ち時間の目安を顧客に示したりすることも可能です。

たとえば自動着信呼分配機能(ACD)は、事前に設定した手順、部門、優先度、サポート担当者のスキルといった条件を基に、適切な担当者に入電をルーティング(分配)して、待機コール数を削減することができます。これは、一連の質問に回答すると、それを基にルーティングアルゴリズムが生成されるという仕組みです。またACDなら、対応可能なサポート担当者を特定して、ルーティングの優先度を上げるといったことも可能です。

最先端のチケットシステムの中には、チケットシステムと電話システムを接続すCTI (Computer Telephony Integration)という機能を備えているものもあります。この機能を使うと、通話が始まる前に、電話をかけてきた顧客のアカウント情報(過去の対応時の社内メモも含む)が表示されるようになります。これにより、通話を開始してからアカウント情報を探す必要がなくなるため、平均通話時間を大幅に削減することができます。

2. コール数の変動に対応できる

コールセンターで処理するコール数は、時間帯、シフトインしているサポート担当者の人数、実施中のキャンペーンの件数などの要因によって激しく変動します。もし担当者全員がひっきりなしに対応している状態が続いているのであれば、短期的には大きな収益を上げられても、トレーニングなどの活動に時間を割けないため、長期的な利益につながりません。

チケットシステムを使えば、コール数が少なくなるタイミングを予測して、その間の活動を効率的に計画できるようになります。たとえば新人スタッフ向けに基礎教育を実施したり、ベテランスタッフのスキルを強化したりと、サポート担当者向けの各種トレーニングを予定しておくことができます。担当者をしっかり教育できれば、顧客満足度の向上につながるだけでなく、コールセンター内でも有力なリーダー候補を育成できるというメリットがあります。

3. 問い合わせ処理を自動化できる

コールセンターは、相手が既存顧客か見込み客かにかかわらず、有意義なカスタマーエクスペリエンスを提供できなければなりません。そのために何よりも重要なのは、顧客の質問にすばやく正確に答えることです。チケットシステムなら、単純な質問のほとんどを自動で処理して回答を提供できるため、顧客はサポート担当者とやり取りすることなく問題を解決することができます。こうした自動化機能は、他社との差別化にも有利に働きます。特に従来カスタマーサービスが重視されてこなかった業界なら、その効果は絶大です。

高度なチケットシステムに搭載されているコールルーティング機能は、顧客が入力した問い合わせ内容に基づいて、最適なサポート担当者につなぐか、あるいはセルフサービスの選択肢も提示して、待ち時間を短縮することができます。今日とりわけ重要な「今すぐ情報が欲しい」という顧客のニーズに応えられるのはもちろん、サポート担当者への引き継ぎもスムーズで、顧客は何度も同じ情報を伝える必要がなくなります。

4. チャネルをまたいでシームレスなサポートを提供できる

今日の顧客は、企業への問い合わせの際に、メール、チャット、セルフサービス、SMSなどのさまざまなチャネルを使い分けており、チャネルが変わってもスムーズにやり取りできることを望んでいます。それは電話での問い合わせでも同様で、たとえば自分の基本情報、問い合わせの理由、前日に同じ件でメールをしていることなどは、サポート担当者側も当然把握してくれているものと考えています。

チケットシステムを使えば、問い合わせチャネルが複数になってもシームレスで一貫したサポートを提供できるため、カスタマーエクスペリエンスを強化できます。たとえば、電話対応で「今朝頂いたメールの件についてのお問い合わせでしょうか?」、チャット対応で「ご面倒でしたらお電話で直接お伺いいたしますか?」と声をかけるなど、複数のチャネルを簡単に行き来できるようになります。

5. スケジューリングが楽になる

スケジューリングの最適化は、現代のコールセンターが抱える最重要課題の1つです。サポート担当者の人数が少なければ、手動で管理することも可能ですが、だいたい10人を超えてくると、ソフトウェアなしのスケジューリングは考えられません。スケジューリングが複雑になってしまうのは、予想されるコール数、主要業績評価指標(KPI)、各担当者の希望シフトやトレーニングの予定など、実に多くの要素を考慮しなければならないというのが主な原因です。

チケットシステムを使えば、コールセンターのマネージャーは必要な情報を入手して、予算内で適切なスケジュールを組むことができます。たとえば、各担当者のログイン時刻やログアウト時刻、休憩に入る時間など、細かい情報まで把握、管理できるようになります。

6. サポート担当者の業務効率を向上できる

業務の効率化を図る上で効果的なのが、チケットシステムのレポート機能です。たとえば、各サポート担当者の強みと弱みをレポートから把握して、それを基に適切な人材配置を検討するといったことが可能になります。また新人担当者に対しては、KPIを基に不足しているスキルを特定して、トレーニングを重点的に行うようにすれば、全体の育成期間を短縮することができます。

電話サポートをチケットシステムに統合すれば、サポート担当者の生産性はさらに向上します。チケットの自動作成機能、顧客プロフィールのポップアップ表示などを利用すれば、情報の収集やシステムの切り替えなどの手間が省け、作業時間が短縮されるため、スピーディな問題解決が実現します。

7. 顧客データを包括的に分析できる

コールセンターの運営管理の効率化に欠かせないのが、通話に関するデータです。トラフィック数やコール数といった統計情報であれば、どのコールセンターソフトウェアでも入手できますが、そうした通話データをその他チャネルのデータと連携し、コールセンター全体の運営管理が妥当かどうか判断するのも、マネージャーの大切な仕事です。オムニチャネル対応のチケットシステムなら、あらゆるチャネルに関するデータがまとめて表示されるため、オムニチャネルサポート戦略とのバランスを見ながら、電話のサポート体制をどのように改善すればよいか検討できます。

この記事を執筆したReuben Yonatan氏は、GetVoIPおよびSaasListの創立者兼CEOです。2つのサイトでは、各企業が独自のニーズに合ったビジネスコミュニケーションソリューションを選択できるよう、VoIPソリューション(GetVoIP)とSaaSソリューション(SaasList)の比較リソースを提供しています。