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カスタマーサービスのパフォーマンスを効果的に測定する指標 (KPI)とは

更新日 2023年1月5日

日々のカスタマーサービス業務に支障を来さないためには、適切な指標を測定して、目を光らせておく必要があります。目の前の成果をつかみ、長期的な成長を目指すうえで、どのような指標が役立つのかを理解しておきましょう。

カスタマーサービスの目標が全体的な収益を押し上げることでも、あるいは製品やサービスを顧客に十分に理解してもらうことでも、全社目標を達成するための戦略と関連するような指標を測定することが重要です。

この記事では、カスタマーサービスの一般的な目標を3つ挙げ、それぞれの達成に役立つ指標をご紹介します。

目標1:特定分野の問題解決を効率化する

重要な測定指標 (KPI: Key Performance Indicator)

  • 解決済みチケットの数
  • 解決方法別の課題数
  • 初回応答時間
  • 再オープンされたチケットの数
  • リクエスタの待機時間

サポート効率は、解決済みチケットの数から簡単に評価できますが、より多角的に検討するには、顧客が一番助けを求めているのはどのような分野かを把握する必要があります。これがわかれば、もっと便利な参考資料を用意したり、顧客への情報提供を促進するためにアプローチを修正したりと、その分野の問題を解消するために取るべき対策が見えてきます。

「解決方法別の課題数」を見ると、顧客が製品やサービスのどの部分で特に困っているかがわかります。たとえば、ユーザーへの情報提供の不足、ユーザー自身のミス、オペレーションチームの修正が必要な不具合、サードパーティーの問題などです。「解決方法」を基準としてサポート効率を検証する場合、管理者は返信時間、待機時間、再オープンされたチケット数などの指標を測定することで、各問題分野におけるサポート担当者の効率を分析できます。

一般的に言って、時間に関する指標は、効率化戦略に最適なKPIです。時間関連の指標に影響を及ぼしている要因(ルーティングの生産性が低い、ヘルプ記事がすぐに利用できる状態になっていないなど)について詳しく調べれば、全体的なサポート効率の向上につながります。

目標2:業務コストを削減する

重要な測定指標

  • 問い合わせ1件あたりのコスト
  • 初回解決率(FCR)
  • チケットの削減率(ヘルプ記事やAnswer Botの提案などを活用)

カスタマーサービスの指標と実際の金額を結び付けて考えるときには注意が必要です。「問い合わせ1件あたりのコスト(CPC)」は、顧客の問題を1つ解決するために担当者がどれほどの労力を費やしているのかを示す指標であり、「組織の年間予算 ÷ サポート対象の全製品・全チャネルの顧客サポート依頼の総数」で算出されます。

業務コスト削減のためにさらに他の指標も検討するなら、時間に関係する「初回解決率(FCR)」などの指標がお勧めです。初回解決とは、顧客からの初回の問い合わせ時にサポート担当者が問題を解決することであり、業務コストの削減につながると考えられています。担当者が初回の問い合わせ時にチケットを解決できる割合が高ければ、問い合わせ1件あたりのコストが全体的に低下する傾向にあります。

顧客の自己解決(セルフサービス)の促進も、サポートコストの削減に役立つことが証明されています。「チケットの削減率」は通常、サポート担当者ではなくヘルプ記事で解決できたチケットの割合を指し、「ヘルプセンターのユーザーの総数 ÷ 送信されたチケットの総数」で計算されます。この割合が上昇すれば、サポート担当者が扱うチケット数が少なくなったという意味なので、サポート担当者の削減を検討してもよいでしょう。また、Zendeskが提供するAIバーチャルアシスタント「Answer Bot」にも同様の効果が期待できます。適切な記事を顧客に提示し、その記事で問題が解決されれば、サポート担当者にチケットを送信する必要がなくなります。

目標3:企業の成長に合わせて規模を拡大する

重要な測定指標

  • 顧客満足度(CSAT)
  • Net Promoter Score℠(ネットプロモータースコア、NPS)
  • 業務の基準値(1日あたりのチケット解決数、CSAT、初回返信時間、初回解決率(FCR)、チケット1件あたりの担当者の回答数)
  • チャネルごとの主要な測定指標

企業規模が大きくなるにつれ、新しい製品やサービスをリリースしたり、ブランドに関する基準が全体的に引き上げられたり、顧客層が拡大・多様化したりと、さまざまな事態に直面します。

成長過程においてどんなことが起こったとしても、企業は常に顧客を滿足させなくてはなりません。顧客満足度(CSAT)調査は、新しく採用した取り組みがどのように受け止められているかを示す基準となります。同様に、NPSによって、顧客が自社との関係を継続してくれそうかを推測できます。CSATとNPSの両方を測定して、全体的な顧客関係の健全性を把握しましょう。

企業が成長段階にあるなら、カスタマーサービスのリーダーは、新しい目標に向かってチームを邁進させるため、また組織内の変化をチームに知らせるために、業務の基準値を調整する必要があるでしょう。1日あたりのチケット解決数、CSAT、初回返信時間、FCR、チケット1件あたりの担当者の回答数といった指標は、顧客が自社の製品やサービスにどれくらい慣れているかによって大きく左右されます。大志を抱くことも必要ですが、地に足をつ付けることも忘れてはいけません。顧客が新しい製品に苦戦しているときや、新規顧客が押し寄せてサポートチームが悲鳴を上げているときには、目標とする基準値を全員で達成できるよう、新しいアプローチを検討してください。

規模拡大に合わせて、顧客が利用できる問い合わせ方法を増やそうと、オムニチャネルに投資する企業は少なくありません。そのためには、オムニチャネル専用の戦略が必要になりますが、幸いにも業務の測定指標はすべて、チャネルごとに内訳を確認できます。それぞれのチャネルの動向を示す指標を追跡すれば、顧客のニーズに合わせたカスタマーサービスを提供していくことが可能になります(オムニチャネル分析の詳しい方法についてはこちらのブログ記事を参照してください)。

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