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カスタマーエクスペリエンスを取り巻く4つのトレンドと戦略

発行日: 2018年1月31日
更新日: 2020年9月17日

カスタマーエクスペリエンス(CX)に今、目まぐるしい変化が起こっています。常時接続状態のオンライン環境において、一度「これは良さそう」と思ってもらえたなら、パーソナライズされたカスタマーエクスペリエンスは、業界を問わず重要な差別化要因となり、ビジネスを成長させる機会となるのです。

機械学習や人工知能など、このパーソナライズされたエクスペリエンスを大規模に普及させるために必要なテクノロジーは、今後5年間で急速に進歩するでしょう。2022年になった時、消費者行動や顧客の期待値、そして企業と顧客のやりとりは、今日とはかなり違ったものになっているでしょう

早めに行動する企業は、経営幹部やチームメイトの変化に対応する基盤を築くことができ、重要性が増す分野に時間とリソースを配分し、競合から一歩抜け出すことができます。プランニングをする上で、今後より重要性を増していくと予想される、カスタマーエクスペリエンス戦略について見ていきましょう。

1.センサーとスマートデバイスでフィードバックを収集する

スマートフォン、テレビ、ウェアラブル端末など、あらゆるデバイスがよりスマートになってきています。インターネット接続デバイスはセンサーを使って世界中の人々からデータを収集し、そのデータに基づいて次に取るべきアクションを知らせたり、実際に開始したりします。デバイスが収集し、際限なく増えていくデータを元に顧客行動を理解することで、ビジネスの可能性は限りなく広がっていきます。接続デバイスによって幕を開けた企業と顧客とのやりとりが、2022年にはこれまでの20倍に増加する、という予想も驚くことではありません。

センシングはブランドと顧客の双方にとってメリットがあります。その一例として、発送と物流の領域が挙げられます。企業はセンサーを使用して荷物の追跡や、顧客への所在通知を行い、荷物が確実に配送されていることを保証することができます。更に、悪天候で配送が遅れたり荷物が破損したりした場合に、サポートや特別なオファーを提供することで顧客に対してプロアクティブに対応することも可能となります。他にも、将来のカスタマーエクスペリエンスを向上させるためにセンサーを使用する方法は数多くあります

2.チャットボットを味方につける

人工知能の登場により、一度人間が答えることができた質問は、チャットボットまたはバーチャルカスタマーアシスタントによって自動的に回答されるようになりました。これらのツールは、機械学習で学習を繰り返す度により精度が高まっていきます。実際、2022年までに、チャットボットやバーチャルカスタマーアシスタント、検索ツールの正答率は80%まで向上すると期待されています。

チャットボットはサポートエージェントの負担を減らしていくものの、顧客とのやりとりのおおよそ20%については、引き続き人間の手が必要になってきます。まずチャットボットが問題の種類を理解・分析し、分類してからエージェントが引き継ぐことで、より複雑な問い合わせを解決にまで導いていきます。チャットボットの活用により、顧客にとってはすぐに回答が得られ、企業にとってはより複雑な問題の解決やチームの育成にリソースを割くことができるので、チャットボットは顧客にも企業にとってもメリットがあると言えます。

3.ナレッジセンターの活用の仕方

今年になって初めて、顧客はエージェントによるサポートよりもまず先に、自己解決型のサービス(セルフサービス)を試みている 、という結果が出ました。これは、大部分はチャットボットの増加によるものです。しかし、カスタマーエクスペリエンス戦略においては、確実に回答が記載されているナレッジセンターが、引き続き重要な役割を果たしていくことでしょう(加えて、このナレッジセンターはチャットボットの精度向上にも役に立つのです)。

よくある質問のページ、ヘルプセンター、およびその他のセルフサービスナレッジベースは、顧客とブランドの双方に役立ちます。顧客は質問に対する正確な回答を得ることができ、サポート組織には着実によりスマートに成長していくナレッジベースが増えています。顧客がセルフサービスを選択しなかった場合でも、最初のやりとりはチャットボットで行われる可能性があります。では、チャットボットは顧客の質問に対する回答をどこから得るのでしょうか。もちろんナレッジベースからです。ナレッジベースに追加された情報は、ボットや顧客のアクセスによって少しずつ成長していっているのです。

4.新しいソーシャルツールとしてのチャットとメッセージングアプリ

ミレニアル世代は、電話ではなく、WhatsAppや世界中で最も使用されている10のアプリケーションのうち6つのアプリのいずれかを使って、メッセージのやりとりをしています。メッセージングアプリを使ってやりとりをするのは、何も友人同士だけではありません。 2019年までに、ソーシャルメディアよりも顧客用のメッセージングアプリを通じて、より多くのサポートリクエストがくるようになるでしょう。

企業は画面の向こう側からでも、顧客はこの方法を好んでいることが分かるでしょう。その理由は2つあります。まず、メッセージングアプリは、顧客とのやりとりに制限を設けることはありません。 SMSとは異なり、メッセージングアプリには料金がかかりません。そのため、顧客は料金を気にせずに企業へ問い合わせをすることができます。次に、メッセージングアプリでは、企業と顧客がプライベートなやりとりをすることができます。ソーシャルメディアなど一般の人が参加する場において、センシティブな内容のやりとりを避けることで、苦情が公になる可能性も減らせるのです。メッセージの形式で提供される顧客からの問い合わせは、新しい「友達」すなわちチャットボットによって自動応答されるようになり、エージェントはより複雑な時間のかかる他の業務にあてられる時間を確保できるようになります。