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B2Cカスタマーサポートの必須アイテム BEST5

更新日: 2019年6月20日

B2C(企業と消費者間)とB2B(企業間)のカスタマーサービスでは、それぞれの有効範囲に隔たりがあることが分かります。どちらも多様性のある大規模な顧客基盤に対応してはいますが、対象となる顧客が示す行動に違いがあります。

具体的に言うと、B2Cで一般消費者を相手にする場合、企業に関連するニーズに合うようにターゲティング/カスタマイズされたサポートとはまったく違ってきます。B2C企業は、消費者の行動、具体的にいうと消費者が製品やサービスを「いつ」「どのように」、そして「なぜ」購入するのかに適応できるよう、機能面に投資する必要があります。顧客が(しかも非常に多くの顧客が)イライラして機嫌を損ねる様子を見ないで済むように、事前にサポート体制を整えておくべきです。

B2Cサポートに必須の5アイテム

  • ケースマネジメント
  • セルフサービス/ナレッジマネジメント
  • デジタルエンゲージメントチャネル
  • モバイルサポート
  • 統合

1. ケースマネジメント

効果的なカスタマーサービスの基本は、ケースマネジメントにあります。これはカスタマーサポートを個々のケースごとに差別化・最適化するためのシステムを指します。
B2Cの場合、ケースマネジメントシステムには、以下の機能が求められます。

多種多様なチケットに対応:
一般消費者向けのマーケティングやセールスでは、顧客背景や製品に対する熟練度が個々で異なることが大前提であり、チケットにもそれは反映されます。つまり、同じような質問でも、違った言い回しで尋ねられることがあります。

顧客情報データベースの組み込み:
顧客情報に簡単にアクセスできるようになっていれば、顧客との良好な関係づくりが可能です。また、既存顧客が新しい問題や未解決の問題について再び問い合わせてきた場合にも、エージェントが常に状況を把握できます。

消費者志向の問題解決を実現:
BtoCサポートに必要とされるスピーディな解決は、複数の問い合わせ手段と能率的なワークフローによって実現されます。企業志向のケースマネジメントでは、複雑で時間がかかり過ぎ、消費者サポートには適さない可能性があります。

多様なタッチポイントとコミュニケーションチャネルに対応するワークフロー:
メール、SMS、ソーシャルメディアなど、顧客にとって最も便利なチャネルを使った問い合わせに対応します。すべてのチャネルを1つに統合したオムニチャネルソリューションを導入すれば、顧客の声を取りこぼすことなく確実に利用できます。

問い合わせてきた顧客や問題の複雑性をもとに、ケースの割り当て/ルーティング/エスカレーションを行う:
いちいちシステムを更新しなくてもすむように、チームの成長に伴って適応可能なチケット管理や内部ルーティングのシステムが必要です。システムの計画立案に際しては、目標とする成長規模に応じられるよう、スケーラビリティを確保しましょう。

ケースマネジメント

2. セルフサービス/ナレッジマネジメント

顧客から寄せられる問い合わせは、B2Bで見られる内容と比べると、無差別的で、専門性が低い場合が少なくありません。こうした問い合わせは、初回の相談時に解決されるのが普通であり、技術的な難易度は低いのが一般的です。

しかし、だからといってB2Cサポートの方が簡単というわけではありません。たとえば有名Eコマースサイトが突如として注文を処理できなくなるなど、人々が不安を感じるような問題が起こると、あっという間に未処理のチケットが山積みになります。

エージェントが対応すべきチケット数を減らすため、B2C企業はセルフサービスナレッジマネジメントに投資する必要があります。できるだけ顧客自身が問題を解決できるようにします。その手段は、次の通りです。

独自ブランドのヘルプポータル:
自分で問題を解決するための最短経路が見つかる場所です。ポータルには、顧客向けのブランドアイデンティティを反映した問い合わせ先(企業のヘルプセンター、サポート用メールアドレス、ソーシャルメディアチャネルなど)を用意します。製品の数が多い企業では、それぞれのライン別にブランディングした複数のポータルを使用するとよいでしょう。Zendeskでは、これをマルチブランドと呼んでいます。マルチブランドを展開しているZendesk顧客企業には、Aurora FashionsCotton On GroupBig Fish Gamesなどがあります。

ヘルプガイドまたはナレッジベース:
ヘルプガイド(別名ナレッジベース)は、セルフサービス用に教育的な情報を提供する記事を集めたものです。ハウツー記事のほか、ステップ別の詳しい手順、製品やサービスに関するその他の明解な詳細情報が含まれています。

コミュニティフォーラム:
顧客どうしの交流の場を提供することも可能です。コミュニティフォーラムでは、サポートを通さず、消費者が互いにやり取りしながら問題を解決することができます。また、製品の長所や短所について意見を書き込むことも可能です。こうしたフィードバックは、セルフサービスの取り組みをさらに最適化するのに役立つ可能性があります。

セルフサービスで解決される問題は、パスワードの再設定、アカウント情報の変更、基本的な設定オプションなどのような「ハウツー」形式のものが一般的です。PelotonEvernoteは、セルフサービスが成功している顧客企業の代表例です。

さらに、ヘルプ情報をどのように整理するかも同じように重要です。消費者(つまり、すべての人)にとって合理的な情報アーキテクチャを使って、統一されたフォーマットでナレッジマネジメントを一元化する必要があります。顧客がどうやってセルフヘルプにたどり着くかを理解するには、ユーザーエクスペリエンス(UX)に関する調査やテストが若干必要かもしれません。

オムニチャネル

3. デジタルのエンゲージメントチャネル

カスタマーエクスペリエンスは、様々なエンゲージメントチャネルが織り合わされて成立します。顧客サービスについては、電話、メール、ソーシャルメディアでのやり取りを通じて提供されるサポートが、カスタマーエクスペリエンスに含まれます。

B2Cサポートは、幅広いオーディエンスに合うように一般化された設計でありながら、通常とは違った問い合わせにも対応できるようパーソナライズが可能です。B2C企業が注力すべきエンゲージメントチャネルは、次の通りです。

ライブチャット:
エージェントとのやり取りは、顧客の問題を解決するための最もスピーディで効率的な方法のひとつです。チャットセッションでは、共同作業的なブラウジング、画面共有、フォーム記入のヘルプなど、対話を補足する機能を利用して、問題の本質に迫ることができます。

メール管理(自動応答機能付き):
メールサポートは依然として、カスタマーサポートの最も一般的な形式です。しかし消費者のニーズを考えると、自動応答機能のあるメールサポートを使用するのが最もスピーディです。B2C企業は瞬時のレスポンスを提供して競争優位性を保ちながら、その他のコミュニケーションチャネルに投資することができます。

バーチャルカスタマーアシスタント:
人間の会話をシミュレートする仮想アシスタント(VCA)で、顧客に情報を提供したり、顧客に代わってトランザクションを実行したりすることが可能です。VCAの多くは、マシンラーニングやディープラーニング(machine learning and deep learning)などのAIアルゴリズムを採用しているため、訓練によって広い範囲の顧客サービス能力を獲得します。たとえばDollar Shave Clubでは、チケットの削減を目標に開発されたZendeskのAI搭載VCAであるAnswer Botを利用しています。



4. モバイルサポート

モバイル・サポートが要求されるのは、B2C事業に限ったことではなく、長期的な成功のための必須課題です。モバイルエクスペリエンスが欠けていると、顧客が問題を解決する意欲をなくしてしまうおそれがあります。モバイル・サポートを受けるのに苦労した経験がある消費者は90%に上っているため余計に気懸かりな問題です。

サポート戦略がモバイルエクスペリエンスに直結するよう、慎重な姿勢で臨む必要があります。これはB2Cの場合、SMSやFacebook Messengerなどのモバイルエンゲージメントチャネルに投資することで達成可能です。

モバイルアプリを提供している企業では、そのアプリにカスタマーサポート機能を組み込んで、顧客がモバイル機器からPCブラウザーに切り替える必要をなくすのが得策です。Le Toteでもそうしています。

B2Cのモバイルサポートは、顧客から期待される水準が高い、宿泊・航空・銀行・通信などの業種で広く普及しています。しかし、消費者がスマートフォンやタブレットを使いこなすにつれ、すべてのB2C企業で今後ますます必要になります。



5. 統合

システムが、導入直後から業務に完璧にフィットするとは限りません。その場合は、アプリのインテグレーションによって必要な機能を補うことができます。

Zendeskは連携するさまざまなインテグレーションが用意されているので、それによってB2Cワークフローを能率化し、顧客エンゲージメントを強化することが可能です。B2C企業の場合、統合の問題は主にセルフサービスの改善とモバイルサポートに関係しています。RovioSwiftkeyでは、ZendeskのMobile SDKを利用して、統合機能を果たしています。

特定の業種のニーズを満たす統合も少なくありません。たとえばEコマース企業向けには、顧客の詳細情報や注文明細をチケットに表示するShopifyアプリ(Shopify app)があります。また、業種にかかわらず共通で必要となる、タイムトラッキングPathfinder従業員トレーニング用アプリなども数多く存在します。

Zendesk製品群では、さまざまなサードパーティ製品とのインテグレーションに対応するAPIをご用意しています。B2Cに関する固有のニーズがある場合は、自社内で開発してインテグレーションを行うのもよいでしょう。その好例といえるのが、ゲーム会社のRiot Gamesです。同社はAIを利用したバーチャルカスタマーアシスタントを開発し、顧客の問い合わせにすばやく対応しています。

顧客エンゲージメントに欠かせない重要な機能の詳細についてはGartnerの「重要機能」レポートをご覧ください。このレポート内で、ZendeskはB2Cカスタマーサポートの最上位に位置付けられています。

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