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Vimeoの事例:専任のエンジニアがサポートチームの業務改革を実現

発行日: 2019年6月27日
最終更新日: 2019年6月27日

サービス向上を図るために問題解決の限界に挑戦する――サポート担当者ならだれもが経験する場面でしょう。限界は超えられないと諦め、「時間のかかる問題に手を付けてしまったら、目の前の問題に対処する時間が取れなくなる」と正当化したくなることもあるかもしれません。しかし、多くのサポートチームのリーダーは、問題に合った最適な解決策を提示できる担当者を切望しています。そこで力強い味方となるのが、Zena Hirsch氏のように、サポート担当者たちのニーズをよく理解してくれるエンジニアです。

Hirsch氏は、Vimeoのサポートチームのビデオスペシャリストに着任して4年が経ったころ、ちょっとした思い付きから、面倒なタスクを自動化し、有効な指標を収集し、高度なレポートを作成するコードを書き始めました。VimeoがDesk.comからZendeskへ移行する前のことです。これをきっかけに、彼女は同社の専任コミュニティーオペレーションエンジニアという現在のポジションに就くことになりました。オペレーションチームとサポートチームにとってHirsch氏は「ランプの精」のような存在です。同僚たちと密に連携しながら、Vimeoのニーズを満たすカスタムソリューションを設計、構築、改良しています。彼女が各種のツールとデータソースを統合した結果、サポート担当者は最先端のIT環境を利用できるようになりました。

これは彼女にとってすばらしい選択でした。「今の仕事をとても気に入っています。エンジニアにとっては夢のような仕事です。小さなチームの中でイノベーションを起こす自由がありますから。ただ言われたとおりにコードを書くのではなく、みんなと協力してアイデアを生み出し、他のチームからフィードバックをもらいながら完成させていくのが、私の役目です」

Hirsch氏は、他社でカスタマーエクスペリエンスに携わった人たちから「サポートチームが新しいツールやエンジニアリングリソースを調達するには、頼んで、頼んで、頼み込まないといけない」という話を聞いて、すべての企業がVimeoと同じような考えでサポートを運営しているわけではないと知りました。「しかしそうした状況下では、既存のテクニックに縛られてしまいがちです」Hirsch氏は小さな取り組みでも十分に実を結ぶと考えています。「たとえば、Zendesk Apps Frameworkに詳しいエンジニアが1人いるだけで、可能性は大いに広がります」

サポート担当者の業務をスマートかつスムーズに

Hirsch氏は、サポート担当者に適切なデータを適切なタイミングで提示するにはどうしたらよいか、コミュニティーオペレーションやサポートチームの同僚とじっくり話し合いました。これが実現できれば、サポート担当者は目の前のタスクに対処しやすくなり、混乱を避けられます。

「理論上は、より洗練されたアプリと自動ワークフローを使用してバックエンドプロセスを制御するシステムに移行すればよいのではと考えています」たとえば、彼女がチームのために初めて作成した「Rap Box」は、チケットビューにユーザー情報を表示できるアプリです。ユーザーのサブスクリプションレベルやメール認証の有無などの詳細情報も含まれます。また、Vimeoのパスワードリセットツールにも直接リンクされているため、サポート担当者はチケットビュー内でパスワードをリセットできます。また、アプリのマニフェストで「chat_sidebar」の場所を有効化し、「ticket_sidebar」のコードを変更して、Zendesk ChatでもRap Boxを利用できるようにしました。

人気のアプリ「Ticket History」を開発し、オープンソース化したのも彼女です。このアプリでは、サポート担当者がユーザーの最近のチケットをすばやく表示できます。「社内のワークフローに必要なものだったので開発しました。大勢のZendeskユーザーにも役立つアプリだったようです」現にTicket Historyは1,500を超えるZendeskアカウントで利用されています。

Zendeskプラットフォームを活用してアイデアをカタチに

もっと最近では、Zendesk Sunshineのカスタムオブジェクト機能を使用して、エンドユーザー別、サポート担当者別にチケットのカテゴリ分けを解析するサイドバーアプリを作成しました。「担当者がカテゴリを選択し、サブカテゴリを変更できるような、動的な切り替え機能を求めていたのです。条件付きフィールドのなどのツールもありましたが、それとは少し違う機能が必要でした」

このアプリでは、カスタムオブジェクトとしてカテゴリとサブカテゴリの両方が使用されており、サブカテゴリはカテゴリに、カテゴリはZendeskのグループに関連しています。ユーザーのグループメンバーシップによって、アプリ内に表示されるカテゴリは異なります。サポート担当者がチケットのカテゴリを選択すると、チケットフォームの項目やサポート担当者のインターフェイスが動的に変化します。「一番重要なのは、技術的な専門知識を持たないサポート担当者が、エンジニアの力を借りずにデータにアクセスして操作できることです」

また、他の担当者からエスカレーションされたケースを担当したスペシャリストによる「スペシャリストの満足度」評価を格納するカスタムオブジェクトも使用しました。これにより、評価された担当者とエスカレーションされたチケットを関連付けることができます。外部スクリプトを週1回実行し、最新の評価をCSVファイルに取り込んだら、マネージャーに送信して問題が起きてないかチェックしてもらいます。

投資の効果を見極める

Hirsch氏はアプリ開発を決定するまで、そして開発に取り掛かってからも、そのアプリが本当に必要かどうか、自分の時間とVimeoのリソースを投資するのにふさわしいかどうか思案しています。言うなれば、サポートチームとオペレーションチームは彼女の顧客です。彼女には、カスタムアプリを作ることがベストなのか、既存のソリューションを活用する選択肢はないのか、検討を重ねて厳正に判断する責任があります。

「多くの時間を費やして開発したのに、結局『前からあったソリューションのほうが便利だった』と思ったことが何度かあります。大切なのは、最適なソリューションを見つけることであり、それが必ずしも最先端のソリューションとは限りません」これは、サポートエンジニアがソリューションについて検討し、新しい計画を立てるときに何よりも重要になるポイントです。サポート担当者とユーザーのエクスペリエンスをすべての中心に据えて考えなくてはいけません。「1つひとつの情報の重要性を理解したうえで、それぞれを配置する場所を検討しています。理想を言えば、サポート担当者が作業中の画面から1センチ離れたところをちらっと見るだけで必要な情報を確認できるようにしたいです」これを実現できれば、たとえばライブストリーミングに関するサポート依頼など、リアルタイムの解決が求められる問題にも、サポート担当者はよりスピーディーに対処できるようになります。

Hirsch氏は、チームのためにソリューションを自由に構築できる立場を満喫しています。「Zendeskが提供しているツールは本当に面白いです。新しい機能について学習し、新しい何かを作れるようになることがとても楽しくて、毎日ワクワクしています」そして自身の仕事については「現実とは思えないくらいステキな仕事」と話します。同僚の業務改善を後押しすることに大きなやりがいを感じているそうです。「もしどこかの会社でサポート担当者になるなら、絶対にVimeoを選びますね。Vimeoはサポート担当者のエクスペリエンスを向上させるために多くのリソースを投入していますから」

担当者のエクスペリエンス向上を目指す姿勢は、人材確保と人材育成に目に見える成果をもたらします。「何年もずっとVimeoに勤めている同僚たちは、Vimeoで働くうちに成長し、自分なりの得意分野を見つけて才能を伸ばしています」