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【調査データ満載!】CXとは?AI時代の戦略・測定・改善方法・事例

CXとは、顧客が商品やサービスを知り、購入・契約し、購入後に問い合わせをするといった、一連の流れにおけるあらゆる体験を指します。この記事では、CXの基本からAI時代の最新トレンド、戦略の進め方、改善事例までを、日本市場の調査データとともに解説します。

Mozhdeh Rastegar-Panah

製品マーケティング担当シニアディレクター

乗客にアイスクリームサンデーをサーブして顧客体験を向上させる客室乗務員

CX(顧客体験)は、もはや「カスタマーサービスを良くする」だけの話ではありません。顧客が企業を「知る」「比較する」「購入・利用する」、そして「困ったときに助けを求める」まで、そのすべての接点での体験の積み重ねが、企業への信頼や評価、ひいては事業成長を左右する時代になっています。特に近年は、AIの進化によってCXのあり方そのものが大きく変わりつつあります。

この記事では、CXの基本的な考え方から、優れたCXを構成する要素、AI時代におけるCX戦略の最新トレンド、測定・分析・改善を進めるための実践的なステップ、さらにCX改善の具体事例までを幅広く解説します。

後半では、ZendeskのCXに関する年次調査であるCXトレンドレポート2026年版から最新データを一挙に紹介します。CX戦略の設計や、社内提案資料の作成にもぜひご活用ください。

目次

CXとは?

CXとは?

CX(Customer Experience、カスタマーエクスペリエンス、顧客体験)とは、初めての問い合わせから商品購入後のやり取りまで、企業との一連の流れにおけるあらゆる体験を指します。サポートチームとの会話、Webサイトでのやり取りなど、ブランドとのすべてのタッチポイントを網羅するため、CXの質は、企業の収益と顧客ロイヤルティに大きな影響を与えます。

CXとは、顧客が商品やサービスを見たり、購入・契約したり、購入後に問い合わせをしたりするといった、企業との一連の流れにおけるあらゆる体験を指します。

CXの対象は、購入や契約といった明確な行動だけに限られません。広告との出会い、Webサイトの閲覧、店舗での接客、商品の利用、問い合わせ対応、請求・支払いに至るまで、企業と顧客の間で生じるあらゆる接点がCXを構成しています。こうした体験の一つひとつが積み重なることで、企業への信頼や愛着が深まる場合もあれば、反対に不信感や離反につながることもあります。

忘れられないCXには、すばらしいものから腹立たしいものまでさまざまあります。たとえば、大切なイベントのために駆け込みでスーツの寸法直しを頼んだら快く急ぎで対応してくれた仕立屋は、ずっと記憶に残るでしょう。一方で、ひどいサービスにもかかわらず正規料金を請求し、謝罪の一言もなかったレストランのことも、やはり忘れられません。

このようにCXは、単発の体験ではなく、顧客の記憶や感情に蓄積されていくものです。そのため、CXはカスタマーサービス部門だけが担うものではありません。マーケティング、営業、製品開発、サポートなど、顧客と関わるすべての部門の取り組みが影響し、全体を通じて最終的な企業の印象が形づくられていきます。

CX・カスタマーサービス・カスタマーサクセスの違い

CXと混同されやすい概念に、カスタマーサービスカスタマーサクセスがあります。いずれも顧客との関わりを扱う概念ですが、その範囲と目的に違いがあります。以下の比較表で3つの概念の違いを確認しましょう。

比較項目CXカスタマーサービスカスタマーサクセス
定義企業との一連の流れにおけるあらゆる体験顧客が困ったときに問題を解決するサポート業務顧客が製品・サービスで成功を収められるよう能動的に支援する活動
対象範囲認知から購入、利用、再購入まで全接点問い合わせ対応、トラブル解決など特定の接点契約後の活用支援、定着化、拡大まで
アプローチ全社横断的・戦略的受動的(顧客からの問い合わせに対応)能動的(顧客の成功に向けて先回りで支援)
主な目的顧客との長期的な関係構築、ブランド価値向上問題解決、顧客満足度の維持解約防止、アップセル・クロスセル、LTV最大化
主なKPINPS®、CSAT、LTV、ブランドロイヤルティ初回解決率、応答時間、CSATチャーンレート、NRR(売上継続率)、アップセル率
担当部門全社(マーケティング、営業、サポート、製品開発等)カスタマーサポート部門カスタマーサクセス部門
関係性カスタマーサービスとカスタマーサクセスを包含する上位概念CXを構成する重要な一部CXを構成する重要な一部

このように、カスタマーサービスは「顧客の問題を解決する」受動的な活動であり、カスタマーサクセスは「顧客の成功を支援する」能動的な活動です。そしてCXは、これらを含むすべての顧客接点での一連の流れにおけるあらゆる体験を指す、より広い概念といえます。

優れたカスタマーサービスとカスタマーサクセスは、いずれも優れたCXを実現するために欠かせない要素です。しかし、CXはそれだけにとどまらず、ブランド全体との関わり方すべてを包括しています。

CXとUX・UIとの違い

ユーザーエクスペリエンス(UX)、ユーザーインターフェース(UI)も、CXと混同されやすい言葉です。顧客や利用者の体験に関連する重要な概念ですが、それぞれ焦点の当て方が異なります。

UXは、製品やサービスの使用時に利用者が感じる体験に焦点を当てており、使いやすさや満足度などを重視します。一方、UIはユーザーが直接操作するインターフェースのデザインであり、画面レイアウトやボタンの配置などを指します。例えば、スマホアプリのデザインや、ECサイトの購入ボタンの位置などが該当します。

急速なAIの進化により、CXは大きな転換期を迎えています。Zendeskの「CXトレンドレポート2026年版」から浮かび上がった、AI時代のCX戦略における最新トレンドを紹介します。

トレンド1:メモリーリッチAIによる真のパーソナライズ対応

AIが顧客との過去のやり取りを記憶し、文脈を踏まえて一貫性のある対応を行える「メモリーリッチAI」が注目されています。同レポートによると、日本の消費者の69%が同じ説明を繰り返すことを強いストレスと感じています。

顧客は日常のあらゆる問い合わせにおいて「つながりを感じられる対応」を求めており、こうした文脈理解と継続性を備えたAIは、顧客満足度とロイヤルティを高めるCXの新たな標準になりつつあります。

トレンド2:AI搭載のセルフサービス型サポートが新標準に

AIチャットボットに代表されるセルフサービス型サポートの進化によって、かつてはVIP向けと見なされていた「即時対応」が当たり前となりつつあります。実際に、日本の消費者の71%が「AIにより、カスタマーサービスが24時間365日利用可能であることを期待するようになった」と回答しており、さらに61%が「生成AIによって、より速い返信への期待が高まった」としています。

AI搭載のセルフサービス型サポートは、もはやなくてはならない必須インフラとして認識されるようになっています。

トレンド3:マルチモーダルサポートの台頭

オムニチャネルサポートは「顧客が好むチャネルで対応する」という考え方を広めましたが、いま顧客が求めているのはその先の「マルチモーダルサポート」です。破損した商品の写真を送る、複雑な問題を口頭で説明する、スクリーンショットを共有する、こうした行動を同じやり取りのなかで途切れなく完結できることが期待されています。

実際に、日本の消費者の76%が画像や動画などのメディアを共有できればサポートを受けやすくなると回答しており、新たなスタンダードになりつつあります。

トレンド4:プロンプトベース分析による意思決定の高速化

専門的な知識がなくても、普通の言葉で質問するだけで高度な分析結果が得られる「プロンプトベース分析」が急速に普及しています。データの民主化を進めるだけでなく、CXのKPIそのものを再定義する可能性を秘めています。実際、日本のCXリーダーの52%が「AIによってKPIを見直す必要が生じている」と回答しており、サポート担当者では79%に達しています。例えば、従来のカスタマーサポートにおけるKPIであるCSATや初回解決率に加えて、自動化率やボット満足度といったAI関連指標を組み合わせることで、成果をより多面的に可視化しようとする企業も出てきています。

トレンド5:AIの透明性が信頼構築の新たな条件に

AIがカスタマーサービスの一部として定着するなか、日本の消費者の92%が「AIが下した判断には説明を求める」と回答しており、AIの透明性を求める声が高まっています。56%は「AIに対する透明性の要求が昨年より高まった」としています。

しかし、日本のCX組織で「ユーザーが確認できる、判断の経緯や思考プロセスをすでに提供している」と回答したのはわずか25%にとどまり、多くの企業が対応に苦慮している状況が見えます。

AI活用においては、効率化の優先順位が高く、透明性の確保は後手に回っている現状があります。

CXの重要性

CXが重要なのは、顧客と企業の間のあらゆるやり取りが、たとえほんのちょっとしたものであっても、その後の関係性を大きく左右する可能性があるためです。

顧客がブランドをどう捉えているかは、収益、顧客維持、ブランドロイヤルティと直接結びついています。優れたCXは企業の競争力を高め、業界での地位を向上させます。Zendeskベンチマークのデータによると、消費者の60%が「サービスの良し悪しのみでブランドを決めたことがある」と回答しています。

「CXトレンドレポート2026年版」によると、日本の消費者の73%が「顧客体験は、今よりはるかに良くできるはず」と感じており、現状のCXに満足していない消費者が多数派であることが明らかになっています。日本のCXリーダーの81%は、「チャネルを問わず、初回問い合わせで問題を解決できないブランドからは顧客が離れる」としており、CXの一端を担うカスタマーサービスの不備がビジネスに影響することを強く認識しています。

では、CXを向上させることで、企業が得られる効果とは何でしょうか。

LTV(顧客生涯価値)の向上

顧客との関係が長く続くほど、その顧客から得られる総利益、LTV(Life Time Value:顧客生涯価値)は増加します。優れたCXによって顧客満足度が高まると、リピート購入が増え、アップセルやクロスセルにもつながります。

ブランドロイヤルティの向上

一貫して優れた体験を提供することで、顧客の心の中にブランドへの信頼と愛着が育まれ、ブランドロイヤルティが向上します。ロイヤルティの高い顧客は、価格競争に左右されず、多少の不便があっても企業との関係を継続します。さらに、家族や友人に自社商品を推奨する存在となるでしょう。

ブランドの評判向上

優れたCXを提供する企業は、顧客からの肯定的な口コミやレビューを獲得しやすくなります。SNSやレビューサイトでの評価が高まることで、ブランドの評判が向上し、新規顧客の獲得にもつながります。特にデジタル時代においては、顧客の声がブランドイメージを大きく左右するため、CX向上が評判を決定づける重要な要素となっています。

競争優位性の強化

商品やサービスの差別化が難しい市場において、CXは強力な差別化ポイントとなります。同等の製品を提供する企業が複数あるなかで、優れた顧客体験を提供できる企業は、顧客から選ばれやすくなるでしょう。

このように、CXが企業の競争力に直結する要素となるなかで、CXを場当たり的な施策ではなく、体系的に管理する視点が求められています。

優れたCXを構成する5つの要素

何が「優れたCX」かは人によって異なりますが、例外的な顧客体験に共通する重要な要素があります。

1. 顧客中心のやり取り

すべてのやり取りは、顧客が何を必要とし、何を大切にしているかを理解したうえで行われるべきです。パーソナライズされたサポートの提供、過去のやり取りの記憶、問い合わせのしやすさなどがこれに該当します。顧客は「自分のことを理解してもらえている」と感じたとき、その企業との関係を続けたいと思うものです。

2. シームレスなカスタマージャーニー

Webサイトへの最初の訪問から購入後のフォローアップに至るまで、すべてのタッチポイントがポジティブで直感的であることが重要です。優れたカスタマージャーニーは、明確さとスムーズな流れの上に構築されます。顧客に何度も同じ手続きを踏ませたり、複雑なプロセスを強いたりしてはなりません。

3. ポジティブな体験の積み重ね

カスタマーサポートへの問い合わせは、顧客とのつながりを深める機会でもあります。担当者が共感をもって対応し、丁寧に問題を解決すれば、そのやり取りは記憶に残るものとなり、顧客は問い合わせ前よりも良い印象を抱いて会話を終えることができます。

4. 期待を超える対応

顧客の期待に応えることは重要ですが、ニーズを先読みすることでロイヤルティを獲得できます。プロアクティブなサポートや、ちょっとした心遣いが、日常的なやり取りを「話したくなる体験」に変えます。

5. 一貫性と利便性

顧客は自分にとって最も便利なチャネルで企業とやり取りしたいと考えており、毎回安定した体験を期待しています。プラットフォームをまたいでも一貫した対応が提供され、手間のかからないやり取りができることが、ブランドへの信頼を築きます。

これらの要素を満たすことで、顧客からの信頼を獲得し、ロイヤルティを高め、長期的な関係を構築することができます。

CXMとは

カスタマーエクスペリエンスマネジメント(CXM)とは、CXを一時的な取り組みで終わらせず、測定・分析・改善を継続的に行うための考え方と仕組みです。CXを向上させるには、こうしたCXMの視点に基づいた取り組みが不可欠となります。

顧客満足度や解約率などの指標をもとに現状を可視化し、課題を特定したうえで改善を回し続けることで、感覚や属人的な努力に頼ることなく、組織として一貫性をもってCXを管理・向上させていくことができます。

良いCX・悪いCXの具体例

何が優れたCXかは人により異なりますが、良いCXと悪いCXを基本的な視点から定義することは可能です。具体的なシーンを通じて、その違いを見ていきましょう。

良いCXの例

優れたCXとは、顧客が手間をかけずに目的を達成できることです。この分野で優れた実績を持つ企業は、シームレスで一貫性のあるCXを創造するための社内チームワークの重要性を深く認識しています。顧客ロイヤルティと顧客満足度で大切なのは、大きな感動を作り出すことではなく、企業がいつでも頼れる存在となり、顧客に手間をかけさせないことです。

良いCXの例として、以下のようなものが挙げられます。

  • わかりやすいセルフサービスコンテンツ:FAQページやコミュニティフォーラムなどのセルフサービス型サポートがあると、顧客はいつでも好きなときに自らの課題を自己解決できます。電話で問い合わせるより利用しやすい選択肢を提供することで、顧客満足度が高まります。
  • 既知(または未知)の問題に対するプロアクティブなサポート:顧客のニーズを先読みし、プロアクティブなサポートを提供することは、顧客中心主義の原則の一つです。企業が主体的にアクションを起こすことで、問題が大きく発展することを未然に防ぐことができます。
  • 包括的なカスタマーサポート:効果的なサポートをいち早く提供できることは、CXを全体的に向上させるためのカギです。
  • CXのパーソナライゼーション:今日の消費者はパーソナライズされた体験を期待しています。Webサイトのキャッチコピーが心に響くものであったり、関連性の高い商品のおすすめを提案したり、パーソナライズされたメールを送信すると、消費者に「自分は理解されている」と感じてもらえます。

CXにエンドツーエンドの視点を取り入れ、あらゆるタッチポイントで消費者のニーズを満たすことは、長期的な顧客維持に不可欠です。

シナリオ:シームレスなオンラインショッピング体験

田中さんは、家電量販店のECサイトで新しいノートパソコンを注文しました。発送前に、リアルタイムの配送追跡リンクとともに、サプライチェーンの遅延により配送が1日遅れる可能性があるという事前連絡がメールで届きました。不便をおかけするお詫びとして、次回購入時に使える割引コードも添えられています。

ノートパソコンが届くと、セットアップガイドへのQRコードと、困ったときのライブチャットオプションが記載されたカードが同梱されていました。1週間後には、パフォーマンス向上のヒントと簡単なフィードバックアンケートが記載されたフォローアップメールが届きます。

田中さんの体験は、すべてのステップで配慮が行き届いており、手間がかかりませんでした。企業は明確にコミュニケーションを取り、ニーズを先読みし、サポートを受けやすい環境を整えていたのです。

悪いCXの例

悪いCXとは、企業が期待に応えてくれていないと顧客が感じることです。これは、多くの顧客の不満につながる可能性があります。

悪いCXの例には、次のようなものがあります。

  • セルフサービス型サポートがない、またはその信頼性が低い:セルフサービス型サポートのシステムやリソースの信頼性が低かったり、それ自体が存在しなかったりすると、顧客の不満が高まる恐れがあります。企業は、顧客が問題を簡単に解決できるようにする必要があります。
  • 待ち時間が長い:サポートを受けるまでの待ち時間が長いことは、質の低いカスタマーサービスの典型的な例です。待ち時間が長いほど、CXの質が低いといえます。
  • 顧客に寄り添う姿勢がない:消費者がカスタマーサポートに問い合わせるときは、たいてい懸念や不満を抱えています。このような状況で担当者が顧客に寄り添う姿勢を示さないと、顧客の信頼を失う可能性があります。
  • 顧客のフィードバックを軽視する:消費者からのフィードバックは、企業がCXの改善に役立てることができる最も貴重な情報源の一つです。顧客のフィードバックを軽視してしまうと、顧客の要望やニーズに沿ったプロセスの改善ができず、CXの低下につながります。

もちろん、あえて質の低いCXを提供しようという企業はありません。ただし、いくつかの重要な課題を克服できないままでいると、顧客の不満を招く恐れがあります。上記の例を参考に、CXで悪い評判が立たないようにしましょう。

シナリオ:ストレスの多いソフトウェアサポート体験

鈴木さんは、利用しているプロジェクト管理ソフトウェアで技術的な問題に遭遇しました。重要なレポートをエクスポートできないのです。ヘルプセンターを検索しましたが、記事は古く、問題に該当しませんでした。

ライブチャットを試みると、15分待たされた挙句、すでに試した一般的な解決策を提示されました。それを伝えると、担当者は「メールでサポートチケットを提出してください」と案内します。2日後にメールの返信が届きましたが、その内容はチャットですでに伝えた情報を再度求めるものでした。

鈴木さんは、誰も自分の話を聞いていないと感じました。問題は解決されず、一貫性のない顧客体験は、製品を使い続けるべきか疑問に思わせるものでした。

CXを測定する方法

CXを簡単に測定できる魔法の数字はありません。CXはスペクトラム上に存在するため、データが多いほど正確に測定できます。理想のCXを実現するためのデータ収集方法には、以下のようなものがあります。

顧客満足度調査の実施

CXに関する情報を得るための最も効果的な方法の一つは、消費者に直接尋ねることです。アンケート調査を送信することで、カスタマージャーニーの特定のタッチポイントにおける顧客満足度、消費者の期待に沿っているか、企業に改善すべき点があるかどうかなどを、実際のフィードバックにもとづき判断できます。

顧客満足度(CSAT)調査やNPS®(ネットプロモータースコア®)、顧客努力指標(CES)といった調査では、顧客がCXを点数で評価します。例えば、CSAT調査は特定のやり取り後の満足度を、NPS®はブランド全体への推奨意向を、CESは問題解決の容易さを測定します。これらの指標を組み合わせることで、より包括的なCX評価が可能になります。

顧客から直接フィードバックを得ることで、顧客が何を評価し、何を改善してほしいと感じているのかを明らかにすることができます。

定量的なデータの分析

定量的なデータを分析することで、効果的(または非効果的)なパターン、顧客が不満を感じるポイント、顧客と企業の間のやり取りの詳細などを把握できます。

CXを測定するための主要な指標には、以下のようなものがあります。

  • チャーンレート(解約率):一定期間内に取引を停止した顧客の割合
  • LTV(顧客生涯価値):1人の顧客から生涯にわたって得られる総収益
  • チケットの再開率:解決済みとマークされた後に再開されるサポートチケットの割合
  • 解決時間:顧客の問題を解決するまでにかかる平均時間
  • 初回応答時間:顧客の問い合わせに対して最初の返信が届くまでの時間
  • 初回解決率:最初のやり取りで解決された顧客の問題の割合

これらの指標を時系列で追跡し、顧客の行動やパターンを分析することで、CX改善に必要な実用的な知見を得ることができます。

ソーシャルリスニングの活用

SNS、オンラインフォーラム、関連するコミュニティをモニタリングすることで、ブランドに対する世間の感情を把握できます。ソーシャルリスニングにより、顧客が直接共有しないかもしれないトレンド、課題、肯定的な言及を特定することができます。

オンラインレビューへの対応

Google、業界特化型サイトなどのプラットフォームで顧客レビューを積極的に読み、返信することで、直接的なフィードバックを得られます。これは顧客の意見を尊重し、懸念に対処する姿勢を示すことにもつながります。

新しいCXを導入する際のA/Bテスト

販売やマーケティングの目的でA/Bテストを実施することは一般的ですが、CXでもこのアプローチは有効です。Webサイト、メールを利用したキャンペーンなどで2つのバージョンを作成し、その反応に応じて、顧客エンゲージメントと顧客満足度の向上にどちらが効果的かを判断します。

対象の顧客層にA/Bテストメールを送信し、新機能や改善策の効果を検証します。テスト結果を基に、新しいCX資産の成果を予測したり、本番リリース前に修正すべき点を判断したりすることができます。

オンラインコミュニティフォーラムの活用

製品・サービスに関するコミュニティフォーラムでは、顧客が自由に意見や要望を投稿します。製品やプロセスの問題点、機能の改善点、重要なツールなどに関する情報を顧客同士が交換しており、これらの投稿から機能改善のヒントや製品の使用実態など、重要な気づきが得られます。特に、顧客同士の対話からは、通常の調査では見えてこない潜在的なニーズや不満を発見できる可能性があります。

顧客対応担当者の意見収集

顧客本人を除けば、毎日顧客とやり取りする従業員ほど顧客を理解している人はいません。第一線で顧客対応を行うスタッフは、CXに関する貴重な情報源です。定期的なフィードバック会議や報告システムを通じて、現場の声を収集し、迅速な改善につなげることができます。

CX分析における4つの重要分野

CXを分析するには、企業活動を部分ごとに切り離して見るのではなく、全体として捉えることが重要です。4つの重要分野をそれぞれ個別に評価するだけでは、相互作用や影響関係を見落としてしまいます。特に重要な4つの分野は以下の通りです。

カスタマーサービス

カスタマーサービス分野の分析では、顧客の声を直接聞ける特性を生かした取り組みが重要です。担当者は顧客の声を直接聞けるため、製品の使われ方、顧客が抱える課題、ニーズに応えられているか、顧客ベースがどのように変化しているのかなど、重要な情報を収集できます。

カスタマーサービスは、顧客からのフィードバックを収集し、企業全体の改善活動につなげる重要な役割を担っています。ここでの分析結果を製品開発やマーケティング、営業活動に生かすことで、より効果的なCX改善が可能になります。

マーケティング

マーケティング分野では、顧客ニーズの変化への対応力と、顧客との最初の接点における体験の質を分析する必要があります。

広告や対外キャンペーン、口コミなどで見込み客に与える第一印象を作り出すのも、たいていはマーケティング担当者の仕事です。こうして作り出した印象は、SNS、マーケティング、ブランドプレゼンスなど、企業として発信する対外的なメッセージを通じて持続されます。

顧客とのすべてのタッチポイントで収集したデータがあれば、やり取りをパーソナライズでき、顧客ロイヤルティの向上につながります。

営業

営業分野の分析では、顧客の期待値設定と実際の提供価値のギャップに注目します。CXにおける期待値を決めるのが営業部門の重要な役割だからです。販売プロセスの各段階で、見込み客のニーズに応じた対応ができているか、きめ細かな分析が必要です。

営業活動を通じて得られる情報は、他部門の活動にも大きな価値をもたらします。例えば、特定の機能への関心度、サポート体制への要望、製品の使用目的など、顧客から得られる情報は、製品開発やサービス改善の重要なヒントとなります。

また、すでに取引のある顧客との関係性分析も重要です。営業部門の取り組みを適切に分析することで、リピート購入を促進する要因や、逆にチャーンレート(解約率)を高める要因を特定できるでしょう。

製品

製品・サービスの品質だけでなく、使用時の顧客体験全体を分析対象とします。

顧客の多くは、製品そのものの価値以上に、すばらしいCXに価値を見出します。例えば、高級レストランとファーストフードの価格差は、料理の原価だけでなく、提供される体験の質の違いを反映しています。

製品・サービスの信頼性、価格、ユーザーエクスペリエンス(UX)、製品ライフサイクルといった詳細はすべて、企業が顧客に提供する総合的なCXに結び付きます。

特に重要なのが製品使用時の体験です。この体験は企業の評判を大きく左右し、ブランド全体のCXに影響を及ぼすでしょう。そのため、機能や性能といった客観的指標だけでなく、使用時の満足度といった主観的要素も含めて総合的に評価することが重要です。

CX戦略の進め方(7ステップ)

効果的なCX戦略を進める7つのステップを紹介します。CXを向上させることは可能であり、そのためにはまず顧客を中心に置く必要があります。

Step1:現状把握とゴール設定

まず現在のCXにおける課題を整理し、改善すべき領域の仮説を立てます。そのうえで、解約率やCSAT調査、再問い合わせ率など、改善したいKPIを明確に設定します。目的とゴールを定義することで、CX戦略の軸が定まります。

Step2:顧客理解(セグメント・ペルソナ設計)

新しいCXプロセスの導入や新たなテクノロジーへの投資を検討する前に、まずは顧客を理解する必要があります。顧客の視点に立ったCX戦略を作成し、顧客中心の姿勢で取り組みましょう。

顧客ペルソナを作成することから始めます。これは理想的な顧客を表す詳細なプロファイルで、以下の情報が含まれます。

  • デモグラフィック(属性情報)

  • モチベーション(動機)

  • ペインポイント(課題)

  • ゴール(目標)

例えば、完璧なセルフサービス型サポートシステムに投資したとしても、顧客が望んでいるのが「もっと簡単に買い物ができること」だけであれば、顧客の期待に応えることはできず、時間と予算を無駄にしたことになります。顧客を深く理解したうえで、その知識をCX戦略の立案と取り組みに活かしてください。

Step3:カスタマージャーニーと接点の可視化

顧客が企業と接するすべての接点を洗い出し、カスタマージャーニーマップとして整理します。最初の認知から購入後のやり取りに至るまで、顧客がブランドと接触するすべてのタッチポイントを可視化することで、重要な瞬間と改善の機会を特定できます。各接点で顧客が感じている不満や障害を可視化することで、改善すべきポイントが明確になります。

顧客接点の洗い出しについては、下記の記事もご参照ください。

顧客接点の具体例と見つけ方

Step4:課題の優先順位付け

洗い出した課題を、顧客への影響度と実行難易度の観点から整理します。すぐに着手すべき課題と中長期で取り組む課題をわけることで、現実的なロードマップを描けます。同時に、担当オーナーを明確にすることも重要です。

Step5:施策設計

優先度の高い課題に対して、具体的な施策を設計します。顧客体験や業務への影響を踏まえながら、課題解決に適したアプローチを検討します。あわせて、施策ごとに効果の測定方法・KPIなどをあらかじめ定めておきましょう。

各接点での顧客対応の品質を高めつつ効率化するには、適切なシステムやツールの活用も有効です。顧客データやKPIを一元的に管理・可視化することもでき、日々の対応状況の確認から効果測定・改善活動へとつなげられます。施策との整合性を考慮しながら、自社に合ったシステム・ツールを見極める必要があります。

Step6:運用設計・施策実行

施策を継続的に回すため、運用体制やルールを明確にします。各施策について、更新や改善を担う担当者・役割を定め、関係者が迷わず行動できる状態をつくります。あわせて会議体やSLA、品質基準を設定し、CX改善を日常業務として定着させます。

社内プロセスを変更した際や、AIやCXテクノロジーを導入したら、担当者ができるだけ早く適応できるよう、研修の機会を設けます。チームが新しいツールや環境に慣れる時間が短いほど、より短期間で優れたCXを実現でき、体制変更のメリットも早い段階で享受できます。

Step7:効果測定・改善

ダッシュボードなどを活用し、KPIを定期的にモニタリングします。月次・四半期レビューを通じて施策の効果を検証し、次の改善につなげます。この改善サイクルを回し続けることが、CX戦略の成果を高めることにつながります。

CXを向上させる8つの方法

CXを向上させるための8つの方法について解説します。

1. 顧客の声を活かす仕組みづくり

顧客からのフィードバックには、期待されていることや改善のヒントが詰まっています。顧客の声を収集し、分析して改善し、その結果を確認するという循環的なプロセス(フィードバックループ)を確立することが重要です。

フィードバックを求めることで、顧客の期待と、その期待に応える方法についての貴重な洞察が得られます。そのフィードバックに基づいて行動することで、顧客の意見を尊重している姿勢を示すことができます。

また、社内の従業員向けフィードバックループも有効です。担当者がフィードバックを集約・共有しやすい仕組みがあれば、優れたカスタマーサービスを提供するうえでの課題が明らかになります。顧客のニーズに合わない方針やプロセスがないか、問題解決を遅らせるような部門間の分断がないかなどを確認できます。

2. すべてのチャネルで一貫した顧客体験の提供

顧客は、何度も同じ説明をしたくありません。しかし、部門ごとに顧客の対応方法が異なるため、部門間で効果的にコミュニケーションを引き継ぐことは難しく、このよくある問題を解決することが企業の課題となっています。解決のカギは一貫したやり取りを提供するオムニチャネルな体験を構築することです。

顧客が頻繁に利用するチャネルに対応し、チャネルを変えても、会話履歴や背景情報を常に確認できる状態にしておきます。顧客が誰で、過去にチームに何を伝えたか、買い物履歴などのコンテキストは、チャネルをまたいでシームレスな体験を提供するために不可欠です。オムニチャネルルーティング機能を備えたカスタマーサービスソフトウェアなら、サポート担当者の空き状況、対応能力、チケットの優先度にもとづいて、各チャネルのチケットを適切な担当者に振り分けることができます。

こうしたシームレスな体験が、CX向上には欠かせません。

オムニチャネル戦略については、下記の記事で詳しく解説しています。

オムニチャネルとは? 意味、メリット、トレンドを徹底解説

3. セルフサービス型サポートの提供

多くの顧客は、軽微な問題であればサポート担当者に連絡するより、自分で解決したいと考えています。

FAQページ、コミュニティフォーラム、動画チュートリアル、役立つ記事などのデータにもとづくコンテンツがあれば、顧客は自分で問題を解決でき、問い合わせの時間と手間を省くことができます。このアプローチは、ソリューションへの即時アクセスを提供することで、カスタマージャーニーにおける摩擦を大幅に軽減します。

また、AIエージェントを利用してその場で簡単な回答を提供するか、顧客に適切なコンテンツを案内する方法もあります。重要なのは、コンテンツを最新かつ正確に保つことです。役に立たない記事は、不満につながりかねません。

4. パーソナライズされた対応

パーソナライゼーションは、優れたCXに欠かせない重要な要素です。厳選された商品の提案、誕生日だけの特典、顧客の好みのチャネルを通じたサポートなどを提供できるようにし、一人ひとりに合わせたCXを実現します。

顧客の属性、購入パターン、過去の問い合わせ履歴、消費者行動を一元管理し、サポート担当者が素早く状況を把握できる環境を整えることが重要です。この情報を活用して、担当者にコンテキストを提供し、サポートのカスタマイズと迅速な問題解決を支援できます。社内のサポート対応に関するユーザーエクスペリエンス(UX)調査を実施し、よりパーソナライズされたやり取りを提供する方法を見つけることも有用です。

AIエージェントのようなAIツールや、CXソフトウェアなども必ず活用してください。「CXトレンドレポート2026年版」によると、AIを積極的に導入している「CX先進企業」の91%が「AIは顧客体験を効果的にパーソナライズしてくれると思う」と回答しています。

顧客管理の方法については、下記の記事もご参照ください。

顧客管理の方法とは?目的や重要性からツールの選び方までまとめて解説

5. 先を見越した対応(プロアクティブサポート)

トップレベルのCXを提供する企業は、顧客のニーズを予測して、問題が大きくなる前、あるいは発生する前に対応します。先を見越した対応は、顧客が大事に扱われているという印象を与えるほか、信頼や顧客ロイヤルティの構築にもつながります。

たとえば、オンライン販売を行う企業であれば、購入手続き用のページにAIエージェントを設置して、顧客が購入を断念しないように疑問点を解決できるようにします。また、インターネットプロバイダーなら、サービス停止期間をメールで事前に顧客に案内します。将来起こりうる顧客の問題を予測して事前に対処することは、より良いCXの実現に向けた戦略に欠かせません。

6. データ分析による継続的な改善

データには、サポート対応の効率性や顧客満足度、行動の傾向など、改善につながる多くの示唆が含まれています。そしてデータは、顧客とのやり取りをパーソナライズするためにも重要です。

CXを向上させるには、まずこれらのデータから顧客やサポート担当者の状況を正しく理解し、どこに課題やニーズがあるのかを把握することが重要です。こうして得られた洞察を基にプロセスを改善していくことで、継続的なCX向上につなげられます。収集したすべてのデータは、CXを向上させる力となります。

7. AIを活用した高度な顧客支援

AIは、消費者の購買行動や企業の販売方法に大きな変化をもたらしています。実際、「CXトレンドレポート2026年版」によると、「AIは現代のカスタマーサービスに欠かせない」と回答した消費者の割合は81%にものぼります。業務効率化と優れたCXの実現には、AIをはじめとする最新テクノロジーへの投資が不可欠です。

AIを利用した効果的な顧客支援の方法の一つが、AIエージェントです。AIエージェントのような高度なボットは、24時間365日のサポートで顧客からの複雑な問い合わせを自動解決します。例えば、AIエージェントはバックエンドシステムと連携することで、返金処理、注文処理状況の確認、関連するヘルプセンター記事の提示などが可能になります。AIエージェントの対応力を超えるさらに複雑な質問の場合、AIエージェントはそれまでのやり取りの全文とともに、チケットを自動で人間の担当者にルーティングします。

AIは、リアルタイムのやり取りで顧客の感情を検出し、担当者が顧客の感情状態を理解して、トーンやアプローチを適切に調整できるよう支援することもできます。

カスタマーサポートにおけるAI活用については、下記の記事で詳しく解説しています。

カスタマーサポートAI完全ガイド | メリット・活用法・導入ステップ

8. CXプラットフォームの活用

AIを活用してポジティブなCXを構築するもう一つの方法は、CXに特化したソフトウェアに投資することです。CXソリューションを活用することで、より良い顧客関係の構築を支援し、以下のような取り組みが可能になります。

  • 顧客データ管理:消費者の行動を理解し、解約リスクやエスカレーションを特定する
  • パーソナライゼーション:顧客に合わせた商品や情報の提案を行う
  • オムニチャネルサポート:顧客が好むチャネルでサポートを受けられるようにする
  • AI駆動の自動化:繰り返しの多い作業を合理化し、問題解決までの時間を短縮する

Zendeskのような使いやすく、拡張可能で、包括的なAI機能を備えたCXソフトウェアを選択するようにしましょう。

画面キャプチャ

CX改善の成功事例

Zendeskを導入し、CX向上に取り組んだ企業の事例を紹介します。

株式会社大丸松坂屋百貨店

株式会社大丸松坂屋百貨店は、コロナ禍でオンラインストアの利用が急増し、コンタクトセンターが繁忙期の問い合わせ対応に追われ、紙ベースの管理で作業が煩雑化していました。そこでZendeskを導入し、従来のワークフローを維持しながら、デジタル化を進めました。プロアクティブメッセージで顧客が困るポイントに先回りして情報を提供し、生成AIで通話内容の自動要約によりACW(通話応対後の平均終了時間)を削減するなど、先進的な取り組みを展開しました。その結果、電話問い合わせの割合が76.8%から70.4%へと減少し、問い合わせ1件あたりの処理時間も約5分の1に短縮されました。顧客満足度が向上し、効率化とともに、高品質な接客サービスの提供に成功しています。

事例の詳細は下記からご覧ください。

【Zendesk導入事例/株式会社 大丸松坂屋百貨店】コンタクトセンターの業務効率化からAI活用も含めた新機軸へ。大丸松坂屋百貨店がZendeskで追求し続けるCSAT向上

株式会社日本旅行

株式会社日本旅行は、コロナ禍後の旅行需要急増により問い合わせが殺到し、全国5カ所のコールセンター間で情報共有ができず、対応に苦慮していました。そこでZendeskを導入し、問い合わせの一元管理とFAQの充実、チャットボットの設置により、自己解決を促す体制を構築しました。その結果、年間の電話着信数は13万件から8万件へと約40%削減され、初回解決時間も48%短縮されています。

現在ではZendesk AIも活用しながら、CX改善を通じて全社的なDX推進の機運を高めています。

事例の詳細は下記からご覧ください。

【Zendesk導入事例/株式会社日本旅行】CX向上、業務効率化、そして全社的なDX推進へ。Zendesk 活用で加速する、 新たな価値の創出

S.RIDE株式会社

S.RIDE株式会社は、タクシーアプリ「S.RIDE」のサービス立ち上げ時から、顧客対応の中核システムとしてZendeskを採用しました。配車から決済、問い合わせ対応、データ管理、返金処理まですべてのフローを連携させ、一貫した顧客対応を行っています。コロナ禍収束後の需要急増や外国人旅行者からの問い合わせ増加があったものの、対応業務を効率的に処理し、安定した運用が可能でした。現在は、1日あたり約100件の問い合わせを5名のオペレーターで対応し、iOSアプリストアでは5点満点中4.7という高い評価を獲得するなど、高い顧客満足度を維持しています。

今後は、問い合わせの24時間365日対応やAIによる対応処理の自動化など、さらなる運用負荷の軽減に取り組んでいく予定です。

事例の詳細は下記からご覧ください。

【Zendesk導入事例/S.RIDE株式会社】タクシー業界の常識を塗り替えてきたS.RIDEが、運用基盤の中核にZendeskを採用し続ける理由

株式会社FABRIC TOKYO

オーダースーツのオンライン販売を手掛ける株式会社FABRIC TOKYOは、複雑な商品説明や生地選びに関する問い合わせが多く、顧客の自己解決が難しいという課題を抱えていました。そこでZendeskのフロービルダーとプロアクティブメッセージを活用し、自己解決できる顧客には適切にFAQへ誘導、難しい顧客にはスタッフがきめ細かく対応する体制を構築しました。

その結果、FAQを参照せずに問い合わせる顧客の割合が31%から20%へ減少しました。さらに初回返信時間や問い合わせ処理時間も大幅に短縮され、現場の業務効率化を実現しています。

事例の詳細は下記からご覧ください。

【Zendesk導入事例/株式会社FABRIC TOKYO】

CX調査データを一気に紹介

Zendeskの年次調査「CXトレンドレポート2026年版」から、日本市場におけるCXの最新動向を示すデータを紹介します。消費者の期待、CXリーダーの課題認識、AI投資の実態など、CX戦略の立案に役立つ調査結果をテーマ別にまとめました。

消費者のCXに対する期待と行動

日本の消費者は現状のCXに満足しておらず、企業の対応次第で離脱する可能性が高いことがデータから読み取れます。

調査項目割合
「顧客体験は、今よりはるかに良くできるはず」と感じている73%
たった一度の悪いサービス体験で競合他社に乗り換える72%
迅速な対応と正確な問題解決をしてくれる企業・ブランドを優先する82%
同じ情報を繰り返し伝えさせられることに強いストレスを感じる69%
企業への印象は、カスタマーサービス体験に大きく左右される63%
カスタマーサービスのツールを更新しない企業は、顧客満足へのコミットメントが欠けていると感じる70%

特に注目すべきは、72%の消費者が「たった一度の悪い体験で競合に乗り換える」と回答している点です。CXの失敗は即座に顧客離れにつながるリスクがあることを示しています。

スピードへの期待の高まり

消費者の「待てない」傾向は年々強まっており、スピードはCXの最重要要素の一つとなっています。

調査項目割合
素早い応答時間への期待は、1年前と同じかそれ以上になっている88%
この1年で、カスタマーサービスに対する自分の水準が引き上げられた60%
AIにより、カスタマーサービスが24時間365日利用可能であることを期待するようになった71%
生成AIによって、より速い返信への期待が高まった61%
サービス全体の「スピード」を、1年前より重要視するようになった58%

AIの普及により、消費者は「いつでも即座に対応してもらえる」ことを当然と考えるようになりつつあります。88%が「応答スピードへの期待は1年前と同じかそれ以上」と回答しており、スピードへの要求水準は上がり続けています。

パーソナライゼーションへの期待

消費者は、自分のことを理解した上での対応を求めています。

調査項目割合
記憶機能を備えたAIエージェントは価値がある68%
どの担当者であっても、自分との過去のやり取りの文脈に容易にアクセスできるべきだ67%
AIが自分との過去のやり取りを分析できるようになった今、よりパーソナライズされたサービスを期待している61%
パーソナライズされていないサービスに強いストレスを感じる54%

「誰に聞いても同じ説明を繰り返さなければならない」状況は、顧客にとって大きなストレスとなります。AIが過去のやり取りを記憶し、文脈を踏まえた対応ができるようになった今、消費者の期待水準も高まっています。

マルチモーダルサポートへの期待

テキストだけでなく、画像・動画・音声を活用したサポートへの期待が高まっています。

調査項目割合
画像や動画などのメディアを共有できれば、それだけでサポートを受けやすくなる76%
テキスト・画像・動画を、会話をやり直すことなく同じスレッド内で送れる企業を選ぶ64%
サポート担当者が必要とするメディアを共有できず、チャネルを切り替えざるを得なかった経験がある61%
過去1年間にカスタマーサポートで写真やスクリーンショットを共有した経験がある56%
技術的な不具合を見せて説明するためにカメラをオンにしてもよい60%

76%が「画像や動画を共有できればサポートを受けやすくなる」と回答しており、マルチモーダル対応は顧客体験向上の鍵となっています。一方で、61%は「メディアを共有できずチャネルを切り替えざるを得なかった」経験があり、まだ多くの企業が対応できていない現状も浮き彫りになっています。

AIへの期待と透明性

消費者のAI活用への期待は高い一方で、AIの判断に対する透明性も強く求められています。

調査項目割合
AIが下した判断には説明を求める92%
AIは現代のカスタマーサービスの一部になった76%
生成AIに対して好意的な印象を持っている75%
AIによってカスタマーサービスの質が向上することを期待している72%
1年前よりAIとやり取りする機会が増えた66%
AIに対する透明性の要求が昨年より高まった56%

92%が「AIの判断には説明を求める」と回答しており、AIの透明性は顧客からの信頼を獲得するうえで欠かせない要素となっています。AIへの好意的な印象(75%)と品質向上への期待(72%)は高いものの、ブラックボックス的なAI対応は受け入れられにくい状況です。

CXリーダーの課題認識

日本のCXリーダーは、経済環境の変化と顧客行動の変化に直面しています。

調査項目割合
現在の経済環境により、カスタマーサービス業務の少なくとも一部に影響が出ている85%
現在の経済環境を受けて顧客行動に変化が見られる85%
チャネルを問わず、初回問い合わせで問題を解決できないブランドからは顧客が離れる81%
解決こそが最大の価値であり、1件の未解決が生涯にわたる顧客離れにつながる76%
経済環境によって、カスタマーサービスは自社のビジネス成功にとって一層重要になった72%
経済的な課題に対応するため、カスタマーサービス戦略を積極的に見直している67%

81%のCXリーダーが「初回で解決できないと顧客が離れる」と認識しており、初回解決率の重要性が改めて浮き彫りになっています。厳しい経済環境下でCXの重要性は増しており、67%が戦略の積極的な見直しを進めています。

AIへの投資とROI

CXリーダーのAI投資意欲は高く、すでに成果も出始めています。

調査項目割合
AIはサービス基準を根本から再定義し、個々の顧客体験の質を劇的に高めている83%
今後1年でカスタマーサービス向けのAIテクノロジーへの投資を増やす79%
今後1年でチャットボットやAIエージェントのボリュームが増加すると見込んでいる77%
AIは今や、すべてのサービスチャネルにおける顧客接点の主な原動力になっている75%
過去12か月のカスタマーサービス向けのAI投資でプラスのROIを達成した71%
CX領域におけるAIの価値は当初の期待を上回っている64%

注目すべきは、71%が「AI投資でプラスのROIを達成」と回答している点です。AIへの投資は単なるコストではなく、実際にビジネス成果につながっていることが示されています。79%が今後1年でAI投資を増やす意向を持っており、AI活用はさらに加速する見込みです。

KPI・指標の見直し

AI時代の到来により、従来のCX指標だけでは成果を正しく測定できなくなりつつあります。

調査項目CXリーダーサポート担当者
AIによって成功指標を見直す必要が生じている52%79%
従来の指標だけではAI駆動のサービスの影響を十分に捉えられない56%83%
標準の欠如がAI導入の足かせになっている61%83%
AI指標の追跡方法に関するガイダンスが不足している55%83%
調査項目CXリーダー
現在、AI固有のKPIを追跡している33%
今後12〜24か月でAI固有のKPIを追跡するようになる71%
経営陣から、AI投資と顧客の問題解決を直接結び付ける指標を求められている64%

現時点でAI固有のKPIを追跡しているのは33%に留まりますが、71%が今後12〜24か月で追跡を開始する予定です。AIの成果を正しく測定・可視化するための指標設計が、今後のCX戦略における重要なテーマとなっています。

これらの調査データは、CX戦略の立案や社内提案資料の作成にご活用いただけます。詳細なレポートは「CXトレンドレポート2026年版」でご確認ください。

よくある質問

CX向上の取り組みは企業の成長に不可欠

企業の成功は、その評判によって左右されます。そして評判は、優れたCXを通じてロイヤルティの高い顧客を獲得し、維持できるかどうかにかかっています。CXを優先する組織が市場で際立っているのは、そのためです。

CX(カスタマーエクスペリエンス)は、企業との一連の流れにおけるあらゆる体験であり、企業の競争力に直結する重要な要素です。CXは単一の指標で捉えられるものではなく、複数の接点を横断して測定・評価し、継続的に改善していくことが欠かせません。顧客の声に向き合いながら、オムニチャネル対応やパーソナライズされた体験を積み重ねていくことが重要です。

近年では、AIの活用によって顧客対応の自動化や高度化が進み、CXの測定・分析・改善をより効率的に回せるようになっています。こうした変化に対応し、CXを戦略的にマネジメントしていく視点が、これからの企業には求められています。

CXのエキスパートとしての実績を誇るZendeskは、あらゆる規模の組織が顧客に世界トップクラスのCXを提供できるよう支援します。CXに特化した最新のAIを搭載し、あらゆるチャネルの顧客対応を一元管理するとともに、対応業務の効率化からKPIの可視化・改善までを支援し、迅速で一貫性のある顧客体験の実現を後押しします。顧客との長期的な関係を構築するパートナーをお探しでしたら、Zendeskにお任せください。

ぜひ無料トライアルでZendeskの機能をお試しください。

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Net Promoter、Net Promoter Score、NPSは、Satmetrix Systems, Inc.、Bain & Company, Inc.、およびFred Reichheldの登録商標です。

Mozhdeh Rastegar-Panah

製品マーケティング担当シニアディレクター

Mozhdeh Rastegar-Panahは、Zendeskの製品マーケティング担当シニアディレクターであり、カスタマーエクスペリエンス領域で豊富な実績を持つリーダーです。12年以上にわたりカスタマーサービスのイノベーション最前線で活躍し、AIやCXテクノロジーをグローバル企業向けの効果的かつスケーラブルなソリューションへと落とし込むことを専門としています。メッセージング、自動化、オムニチャネル戦略を通じたカスタマーサポートの高度化に注力しており、戦略的なビジョンと実践的な専門知識を兼ね備え、カスタマーサービスの未来を切り拓いています。

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